迷い子の月下美人

エウラ

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524 閑話 猫達の優雅なお茶会 兎を添えて

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───というわけで、第二回にゃんこ会ということです。

いやなに? いつの間に一回目やってたの?

何故かメーレとエレンとミオにチャリオンが加わっていて、なるほど、猫系獣人達のお茶会だからにゃんこ会と・・・・・・。

・・・・・・で、何故俺がココに混じっているのかというと・・・・・・。

「聞いて下さいー! 僕ね、気付いたらアレから三日も経っててね、でもカガシからすればなんだってー!」

そう言ってお茶の席で半ベソのチャリオンがメーレに赤裸々な性活を暴露していて、俺はようやくアークから解放されてテントから出るなりミオとエレンにココに連行されたわけ。

聞くところによるとチャリオンが例の媚薬の餌食になって、番いであるカガシから散々啼かされたらしい。

───うん、俺のせいだね!?

確かにカガシはあの媚薬の検証をチャリオンとするとは言ってたけど、いつものカガシの性活がどうなのか知らないから、まさか三日が短い方に分類されるとは思わなかった。

チャリオンは猫獣人で小柄だ。俺よりも年下で細いし体力はないだろう。

そんなチャリオンを三日も劣化版とはいえを使われて啼かされてよく無事だったな。
そういえば、チャリオン大丈夫かなと言ったらカガシは『俺がそんなヘマするか』みたいなことを言ってたな。
そのときの俺は『愚問だった』と言った気もする。

要するに抱き潰さないようにスキルで薬を生成して飲ませてたんたろう。

「・・・・・・ごめんね、チャリオン。俺が考えなしにあんなの錬成した挙げ句、薬師達に検証なんて頼んじゃったから・・・・・・」

俺はべそべそするチャリオンに、実際はないけどウサ耳をぺしょんとする勢いで頭を下げた。

「───え、あ、いやいや! ノアさんは悪くないです! それもこれも全部、超絶に絶倫のカガシが悪いんで!!」

机にうつ伏せで泣いていたチャリオンがガバッと顔をあげて慌ててそう言った。

・・・・・・うん、やっぱりカガシも絶倫なんだね。

「そう言ってくれると気持ちが軽くなるよ。しかしなーんでこうも身近な旦那様は絶倫が多いのか・・・・・・たまたま?」

魔人国の冒険者ギルドのカフカも見た目にそぐわない絶倫ぶりっぽいし。魔人国の魔王陛下も子だくさんだからたぶん王配の宰相もイケるクチなんだろう。

ウチのアークは言わずもがな。

「───はぁ・・・・・・自業自得とはいえ、俺ンとこも凄まじいからなあ・・・・・・」

俺もアレからさっきまで抱き潰されていたし。

「そういえばノアさんは、もしやさっきまで・・・・・・?」
「うん・・・・・・ようやくテントから出られたと思ったらミオ達に拉致された」
「あー、すみません。まさか事後だったとは」
「ソレは、はい。申し訳なかったです。そこまでは考えていなかった」

俺が若干遠い目をして呟いたらミオ達が謝ってきた。
いや別にいいよ。大丈夫。俺は頑丈な竜人の血が濃いから体力も回復力も全然あるからね。
ごめんね、俺の物差しで測っちゃってたからチャリオンが酷い目見たんだよね?

「まぁまぁ、ノアも元気そうだし、さすがに番い相手のことを熟知してる旦那様達でよかったじゃない」
「そう、ですかね? 確かに無茶なことはなかったですけど・・・・・・」

メーレの言葉にチャリオンがキョトンとする。

「そうよぉ。バカみたいに盛って自分が満足すれば終わり、みたいなヤリチンよりよほどいいわよ。とは言わないけど」

そう言ったメーレの顔は、笑っているけど目は笑っていなかった。
うん・・・・・・誰って、察したわ。ダメダメだな、あの王様。

「ね? ミオもそこのところ間違えちゃダメだよ? エレンが大切でしょ?」
「───っはい。私は自分本位なことはいたしません!」
「っミオー!」

ミオが真剣な顔でそう言って、エレンが思わず抱き付いた。
ちょっと照れてるミオが可愛い。
この二人は上手くいきそうだな。よかった。

「よろしい! ささ、皆、美味しいお茶とお菓子で自分を労りましょうね! それから愚痴は私がしっかりと聞いてあげるからいつでもいらっしゃい」
「はい!」
「ありがとうございます!」
「ぜひ」

メーレの一声でほのぼのお茶会に戻り、皆がお菓子を食べてわいわいしだした。

あー、なんかこういうまったりも久し振り。

お茶会の最中に珍しくアークが突撃してこないことも気にならずにお開きになったあと。

「ただいまー」
「お帰り。楽しかったか?」
「うん、とっても! またお茶会するときに声をかけてくれるって!」
「よかったな」

そう言って優しくぎゅうっと抱きしめるアークにハッとする。

「・・・・・・あ、お茶会、急だったからアークほったらかしちゃった。ごめんね、寂しかった!?」

テントから出た瞬間に拉致られてアークにひと言も断ってなかったことに今更気づいた俺。

「んー、まぁ・・・・・・。でも遠目でノアが楽しそうだったからソレで俺も満足だよ。他にやることもあったし」
「そっか。まぁでも、俺がただいまって帰る場所はアークのところだけだから心配しないでね」
「そうだな。俺もノアのところが帰る場所だ」

なんかそんな当たり前なことを再認識するいい機会だった気がする。

そんな第二回にゃんこ会だった。











※そろそろ本題に戻ると思います。



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