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500 普通の錬金術師をご所望です 1
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ちょっと現実逃避をしたあと、仕方ないので二人の会話に割って入る。
ポカンとしているリオラル達は一旦置いておく。
「ごめんね、エレフ。急に呼び出したのは頼み事があったからで・・・・・・」
《あ、ううん、大丈夫。ノアの頼みなら何だって聞いてあげるからね》
「・・・・・・ふーっ。頼むからいつももう少しテンション低めで頼むな?」
エレフはケロッと笑って、アークは額を手で押さえて溜め息を吐いた。俺は苦笑しながらアレフにお願いをする。
「エイダンの街にアークと行ってくれる? 連れて来て欲しい人がいるんだ」
《エイダン? 行ったことないけどアークがいるならば大丈夫だろう。アークも承知しているのだな?》
「ああ。アンタがいきなり街中に行くと大騒ぎになるから、根回しする。少し待て」
アークの言葉に、それもそうかと気付く俺。魔人国や竜王国は慣れてるから忘れてたけど、確かにいきなり現れたら大騒ぎか。
「先にエイダンの冒険者ギルドに連絡を入れて、そっちに転移した方が間違いない」
そう言ってアークが携帯用の小型の通信魔導具を取り出して操作しだした。使ってるところ久々に見たな。
いつの間にか正気に戻ったらしいリオラルが興味津々でアークの手元の通信魔導具を見つめている。
心なしかウキウキしているようだ。魔導具好きなんだろうか。そういえば大公家とか竜王陛下くらいしか使ってなかったから何気に他国初お披露目?
「ノア殿、アレはもしや貴殿の錬金術で?」
「うん、そう。でも試作品だから身内だけで使ってるヤツ」
「───そうなのか。・・・・・・残念」
だから今のところ量産の予定はないんだよね。価格的にも技術的にもちょっと大量には錬成できないと思うから、ごめんなさいリオラル。
リオラルも察してくれたようでゴリ押しはしなかった。
そんなことをしている間に相手側との都合がついたのか、アークが通信魔導具をマジックバッグに収納すると俺に声をかけた。
「ノア、一旦冒険者ギルドのギルマスのマーカスのところに行ってから俺だけ素材屋に向かうから」
「うん、その方がいいと思う。たぶん店主が驚いちゃうよ」
「・・・・・・驚くくらいならいいが、呼吸でも止まったらヤバいからな」
アークが渋い顔でそう言った。確かに普通の人には心臓に悪い容貌だよね。キラキラしくて直視出来そうにない。
「そういう訳で、エレフは向こうに転移したら俺が本人をギルドに連れ帰って来るまで待機」
《分かった》
神妙に頷くエレフだけど、好奇心の塊だからふらふらしそうだ。ここは俺も釘を刺しておこう。
「エレフ、ちょろちょろしちゃダメだよ! エレフがいないとアークが帰れないんだから。そしたら俺泣いちゃうよ。分かった?」
《それはノアが悲しむな。分かった。ちゃんと待つ》
「うん、じゃあ頑張って行ってらっしゃい」
しっかり頷いたエレフと苦笑するアークを送り出すと、待っている間、俺はどうしようかなと思案する。
ふと視線を感じて周りを見ると、どうやら錬金術や調薬に興味津々な様子の彼らと目が合った。
「───うーんと、質疑応答とか、する?」
俺がそう言うと、一も二もなく頷いて挙手をする面々にちょっと引きながらも彼らの質問に応えるのだった。
※次話は久しぶりにアーク視点でエイダンの街の様子を書く予定です。
諸事情で執筆時間が取れない上に遅くなりました。
毎日暑いので熱中症にご注意を。
ポカンとしているリオラル達は一旦置いておく。
「ごめんね、エレフ。急に呼び出したのは頼み事があったからで・・・・・・」
《あ、ううん、大丈夫。ノアの頼みなら何だって聞いてあげるからね》
「・・・・・・ふーっ。頼むからいつももう少しテンション低めで頼むな?」
エレフはケロッと笑って、アークは額を手で押さえて溜め息を吐いた。俺は苦笑しながらアレフにお願いをする。
「エイダンの街にアークと行ってくれる? 連れて来て欲しい人がいるんだ」
《エイダン? 行ったことないけどアークがいるならば大丈夫だろう。アークも承知しているのだな?》
「ああ。アンタがいきなり街中に行くと大騒ぎになるから、根回しする。少し待て」
アークの言葉に、それもそうかと気付く俺。魔人国や竜王国は慣れてるから忘れてたけど、確かにいきなり現れたら大騒ぎか。
「先にエイダンの冒険者ギルドに連絡を入れて、そっちに転移した方が間違いない」
そう言ってアークが携帯用の小型の通信魔導具を取り出して操作しだした。使ってるところ久々に見たな。
いつの間にか正気に戻ったらしいリオラルが興味津々でアークの手元の通信魔導具を見つめている。
心なしかウキウキしているようだ。魔導具好きなんだろうか。そういえば大公家とか竜王陛下くらいしか使ってなかったから何気に他国初お披露目?
「ノア殿、アレはもしや貴殿の錬金術で?」
「うん、そう。でも試作品だから身内だけで使ってるヤツ」
「───そうなのか。・・・・・・残念」
だから今のところ量産の予定はないんだよね。価格的にも技術的にもちょっと大量には錬成できないと思うから、ごめんなさいリオラル。
リオラルも察してくれたようでゴリ押しはしなかった。
そんなことをしている間に相手側との都合がついたのか、アークが通信魔導具をマジックバッグに収納すると俺に声をかけた。
「ノア、一旦冒険者ギルドのギルマスのマーカスのところに行ってから俺だけ素材屋に向かうから」
「うん、その方がいいと思う。たぶん店主が驚いちゃうよ」
「・・・・・・驚くくらいならいいが、呼吸でも止まったらヤバいからな」
アークが渋い顔でそう言った。確かに普通の人には心臓に悪い容貌だよね。キラキラしくて直視出来そうにない。
「そういう訳で、エレフは向こうに転移したら俺が本人をギルドに連れ帰って来るまで待機」
《分かった》
神妙に頷くエレフだけど、好奇心の塊だからふらふらしそうだ。ここは俺も釘を刺しておこう。
「エレフ、ちょろちょろしちゃダメだよ! エレフがいないとアークが帰れないんだから。そしたら俺泣いちゃうよ。分かった?」
《それはノアが悲しむな。分かった。ちゃんと待つ》
「うん、じゃあ頑張って行ってらっしゃい」
しっかり頷いたエレフと苦笑するアークを送り出すと、待っている間、俺はどうしようかなと思案する。
ふと視線を感じて周りを見ると、どうやら錬金術や調薬に興味津々な様子の彼らと目が合った。
「───うーんと、質疑応答とか、する?」
俺がそう言うと、一も二もなく頷いて挙手をする面々にちょっと引きながらも彼らの質問に応えるのだった。
※次話は久しぶりにアーク視点でエイダンの街の様子を書く予定です。
諸事情で執筆時間が取れない上に遅くなりました。
毎日暑いので熱中症にご注意を。
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