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366 無人島で感じるお互いの温もり 1
しおりを挟む夕御飯の片付けをし、すっかり暗くなった空を見上げる。
今夜は月が細い。
星が空中に瞬いていた。
「・・・・・・遮るモノが少ないからかな? 星空の中にいるみたいだ」
「・・・・・・そうだな」
空の上で、周りには自分達しかいない。
静寂の中、暫く夜空に見入っていた。
「---そろそろテントに入るか」
「ん・・・あっそうだ! 中でちょっと試したいこと思い付いた!」
「・・・・・・? 試す?」
アークが中に促すと、何か閃いたのかノアがぱあっと笑ってそう言った。
「うん。早く寝室に行こう! あっ、ヴァン、お休みなさい!」
『おう、お休み。・・・頑張れよ』
「? うん。うん?」
「・・・・・・ふっ」
ヴァンに挨拶をしたらそう言われて、ノアは分かってないながらも返事をした。
それをアークが笑いを堪えて聞いている。
「・・・アーク? 何?」
訝しげなノアに何でもないと笑った。
「それよりほら、何かするんだろ?」
「あっ! そうだった。あのねあのね・・・」
アークに誘導されて早く行こうと引っ張るノアに『チョロすぎ』と苦笑するアークだった。
『本当にこういうことには鈍いの。それがノアのいいところだが』
ヴァンも呆れて、自分のイッヌ小屋を出して欠伸をしながら入っていくのだった。
テントに入ると、ノアはアークに断って寝室に一人で入った。
アークが不思議に思っていると錬成陣が光って消え、その後ノアが扉を開けて手招きをしたので向かうと・・・。
「---え、なんだこれ・・・」
寝室の壁や天井、床まで、一面の星空が広がっていた。
「さっき、夜空を見てて思い付いたんだ。実際の外の景色を投影させてるの。だからこれも今、外の星空だよ」
「---凄いな。でもそれじゃあ、朝になったら眩しくないか?」
「そこは俺も考えて、投影の時間設定をしてこの風景を固定したり時間通りに進めたり出来るようにした。後はね、景色を記憶させておいて好きなときに好きな景色を選べるようにしてあるよ」
そう言って専用の魔導具を見せてくれた。
---ただの水晶玉に見えるが。
「これに触れると頭に色々浮かぶから、頭の中でも口に出しても良いけど、こうしたいって選べばパッと反応するよ」
「・・・・・・うおっ・・・目が・・・」
アークが思わず水晶玉を鑑定すれば、眉間に皺が寄るほどびっしりの魔法陣が組み込まれていた。
「---さすがノア。誰にも真似できねえよ」
細かすぎて目が潰れそうだ。
「ふふっ、ありがとう。これで何時でも想い出の景色が見られるよ。あ、もちろん景色だけで魔物やヒトなんかは投影されるときに自動で削除するようにしてあるから安心して。向こうは気付かないけど、コッチは見られてる気がして落ち着かないでしょ?」
「当然! ベッドで可愛いがってるノアを人目に晒せるわけないだろう! 例え直接見られるわけじゃなくても!」
「ふえっ?!」
急にスイッチが入ったように力説するアークに驚くノア。
---ベッドで?可愛がる・・・?
「---ッ!!」
ソレって、もしかしなくてもアレだよね?!
そこまで考えてなかったノアはボッと赤くなった。
アークがソレに気付き、ノアを優しくベッドに押し倒す。
「ああああ、アーク?!」
「---ああ、コレなら青姦っぽいのに人目を気にしなくて良いな」
「どどどどどういう、意味?!」
「---何時もと違うシチュエーションに、滾るってヤツだ」
---やっぱり---!!
「えええとっ、別にイヤなわけじゃないんだけど、そういうつもりで作ったわけじゃ・・・!!」
「だろうな。でもな、ノア。悪いが今の俺はそういうつもりだ」
「・・・・・・っ」
・・・・・・どうしよう。
これ決定事項だよね?!
ヤるのは良いんだ、アークが好きだし、気持ちいいし・・・。
でもでも心情的にあっあ・・・青姦って・・・!!
「・・・・・・良いよな? ノア」
耳元で孕んじゃいそうな声で囁かれて・・・。
「・・・うん」
それ以外の言葉なんてどうすれば言えるんだ?
こうして擬似青姦は開始された。
※次話、R18です。
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