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347 実はコッチが本題? 1
しおりを挟む「---で? 結局、今日は何の用で来たんだよ?」
ぐずぐず泣き腫らしても美中年は美中年だな・・・なんてノアがぼーっと思っていると、ゾアがグラウクスに声をかけた。
「---何だよ、用事が無いと来ちゃいけないのかよ!」
「いけなくはないけどよ、ちょいちょい朝早く来られるとコッチも忙しいんだよ。お前の相手もしてる暇ねえんだわ」
そう言って目をやる先には、これから野菜の収穫に向かう従業員と7人のクルール達の姿が。
「・・・・・・なあアレ、あのめっさ可愛いちみっこ達、なんでアイツらにくっ付いてくの?」
従業員に引っ付いて外に出ていったのを不思議そうに見ているグラウクスにノアが教えてあげた。
「あの子達は俺の錬成したゴーレム達で、農園の手伝いをする補助要員なんだよ」
「---えっ、ゴーレム?! マジ?!」
「マジマジ。凄え働いてくれて、従業員もだいぶ楽になったと評判が良いんだぜ」
「役に立って嬉しい」
ゾアに褒められて心なしかルンルンな空気を醸すノア。
「いやいや、サラッと凄いこと言ってるな、お前ら!! 錬金術で造ったゴーレムっていったってそんなに器用なわけ無いだろうが?!」
有り得ねえー、と頭を抱えるグラウクス。
その普通の反応に何故か安心するギギとルル。
「親父はもう考えることを止めたからな。これがノアの普通」
「考えるな。諦めろ」
「・・・・・・ええー・・・まあ、今はいいや。後で考える」
ギギルルにそう言われてガックリするグラウクスだった。
「で? 用件は?」
ゾアが再び聞いてきて、やれやれという感じのグラウクス。
「---あー、はいはい。いや昨日、久しぶりに冒険者ギルドに顔を出したらさあ、カフカにこの間の迷宮の当事者達が魔人国に来てるって聞いて、ギギ達なら居場所とか知ってるかなと思ってさ・・・」
「まあ、確かに一緒に来て一緒に行動してるからな。でも何で?」
ギギが納得顔で頷いた後、聞いた。
「そりゃあ、色んな話を聞きたいからだよ! だって『箱庭の迷宮』の問題を解決したんだよ? ソレに精霊王も現れたって言うじゃないか! 興奮するだろ?!」
急に鼻息荒く、グイグイ迫ってきて熱く語り出すグラウクスにドン引きするノアとアーク。
ヴァンはすでにクルール達と農園に行ってしまっているので反応は無い。
「ヤメロ、グラウクス!」
「離れろ、近い近い!!」
「だからお前は変態って言われるんだ!!」
「親父、変態じゃ無い。変人!!」
ゾアが止めに入ったが、言ってることがおかしい。
思わずギギがツッコむ。
「どっちでも良いわ!!」
「良くねえよ!!」
ソレにゾアが返すと、グラウクスも叫んだ。
「---もうコレ、如何すんの?」
「・・・・・・収拾がつかない」
「カオス」
ノアが困り顔でアークに聞くと、アークも困ったように呟く。
トドメにルルがぽそっと呟いた。
そこにいた他の従業員もうんうん頷いた。
結局、脱線しまくってグラウクスが何をしたかったのかよく分からないまま、時間だけが過ぎていったのだった。
※なかなか進まず。次話はもう少し本題に入れるはず・・・。
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