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325 閑話 ヴァンと愉快な仲間達 1
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※うらのトトロ様のリクエストです。ありがとうございます。
ノアとアークの発情期中に暇になったヴァンが、ギギルル兄弟と神聖な霊山に下りて行った。
そこで宿に一泊したあと、夕方まで迷宮を周回するらしい。
久しぶりにセイクリッド・リョーゼンの門の前に並んだヴァンとギギルル兄弟。
冒険者用の門に並んでいるときにふと思い出した。
「ねえ、ヴァンってさアークの従魔なんだよね?」
『そうだな、不本意ながら』
「不本意って・・・いや、従魔が単独で入街出来るのかと思ってさ。今更なんだけど」
『・・・それは・・・考えてなかった。ぇ、我、せっかく来たのに入れんのか? 嘘だろう・・・?』
さっきまで耳をピンと立てて尻尾をぶんぶんさせていたのに一気に萎れて、耳は伏せって尻尾も力無くだらんと垂れてしまった。
コレには周りで遠巻きに見ていた冒険者達も動揺した。
急に現れた大型の従魔らしき狼種に驚愕していたのに、一緒にいた兄弟らしき冒険者と何やら会話をしたあと、今度は突然意気消沈したのだ。
一体何があったと思うのは当然だった。
そのしょぼんとするフェンリルを見ていた門衛の者が、以前のヴァルハラ大公家の騒ぎの関係者だと気付いたようで、順番が回って来たときに声をかけられた。
「セイクリッド・リョーゼンへようこそ、ギルドタグを拝見致します。あの、そちらはアルカンシエル様の従魔のフェンリル殿ですよね?」
最初にそう言ってきた門衛にホッとするギギ達。
「ああ、今日は俺達と行動してるから単独なんだが、入れるか?」
『我も入れてくれるか?!』
思わずぴんっと立った耳に微笑ましい顔をする門衛。
「ええ、街中で問題行動を起こさずキチンとしていれば大丈夫です。今回はどうしたんですか?」
「アーク達がちょっと竜王国から離れられないので暇潰しを兼ねて迷宮に・・・」
『良い運動になるんじゃ!』
「・・・アレを、良い運動・・・さすがです。ではどうぞ、お気をつけて」
「「ありがとう」」
『ありがとうの!』
門を潜っていくヴァンの尻尾がはち切れんばかりに振られていて、門衛のみならず、周りの人皆がほっこりするのだった。
「・・・どう見ても幻獣じゃ無いよな」
「それな」
取りあえず無事に街に入ったヴァンとギギ達は、最初に宿を取る。
以前泊まった宿よりはランクが下だが、空いていたので、迷わずとった。
そもそも以前は貴族向けの高級宿だったから、そこから比べれば何処もランクは下なのだが、ギギ達は肩が凝りそうで普通の宿にしたのだった。
どうせ一泊だけだし。
「ヴァン、料理は屋台が良いか? それとも何処か店に入る?」
『美味ければ何処でも良いぞ』
「うーん、ヴァンは大食いだからなあ。屋台練り歩くの面倒だから店に入って注文しようぜ」
『それで良いぞ』
そういうわけで料理屋に仔狼姿で入り、食べたいだけ注文して目一杯食べた。
店の主人はよく食べるねえ、と豪快に笑っていたが。
『満足!』
「良かったねえ。・・・鼻の頭にくっついてるよ」
『んなっ! 取ってくれ!』
「ヴァン、本当にフェンリル?」
「・・・イッヌ」
『幻獣じゃ!』
「「はっはっは!」」
笑いながら宿に戻り、明日に備えて早めの就寝。
「明日は周回コース・・・」
「・・・ヴァンの気が済むまで、な」
「ボスは全部ヴァンに任せよう」
「喜んで瞬殺してくれるよね」
「「何回殺るのかな・・・」」
ちょっとうんざりしつつも楽しみにしているギギルル兄弟だった。
※次話、迷宮周回の予定。
ノアとアークの発情期中に暇になったヴァンが、ギギルル兄弟と神聖な霊山に下りて行った。
そこで宿に一泊したあと、夕方まで迷宮を周回するらしい。
久しぶりにセイクリッド・リョーゼンの門の前に並んだヴァンとギギルル兄弟。
冒険者用の門に並んでいるときにふと思い出した。
「ねえ、ヴァンってさアークの従魔なんだよね?」
『そうだな、不本意ながら』
「不本意って・・・いや、従魔が単独で入街出来るのかと思ってさ。今更なんだけど」
『・・・それは・・・考えてなかった。ぇ、我、せっかく来たのに入れんのか? 嘘だろう・・・?』
さっきまで耳をピンと立てて尻尾をぶんぶんさせていたのに一気に萎れて、耳は伏せって尻尾も力無くだらんと垂れてしまった。
コレには周りで遠巻きに見ていた冒険者達も動揺した。
急に現れた大型の従魔らしき狼種に驚愕していたのに、一緒にいた兄弟らしき冒険者と何やら会話をしたあと、今度は突然意気消沈したのだ。
一体何があったと思うのは当然だった。
そのしょぼんとするフェンリルを見ていた門衛の者が、以前のヴァルハラ大公家の騒ぎの関係者だと気付いたようで、順番が回って来たときに声をかけられた。
「セイクリッド・リョーゼンへようこそ、ギルドタグを拝見致します。あの、そちらはアルカンシエル様の従魔のフェンリル殿ですよね?」
最初にそう言ってきた門衛にホッとするギギ達。
「ああ、今日は俺達と行動してるから単独なんだが、入れるか?」
『我も入れてくれるか?!』
思わずぴんっと立った耳に微笑ましい顔をする門衛。
「ええ、街中で問題行動を起こさずキチンとしていれば大丈夫です。今回はどうしたんですか?」
「アーク達がちょっと竜王国から離れられないので暇潰しを兼ねて迷宮に・・・」
『良い運動になるんじゃ!』
「・・・アレを、良い運動・・・さすがです。ではどうぞ、お気をつけて」
「「ありがとう」」
『ありがとうの!』
門を潜っていくヴァンの尻尾がはち切れんばかりに振られていて、門衛のみならず、周りの人皆がほっこりするのだった。
「・・・どう見ても幻獣じゃ無いよな」
「それな」
取りあえず無事に街に入ったヴァンとギギ達は、最初に宿を取る。
以前泊まった宿よりはランクが下だが、空いていたので、迷わずとった。
そもそも以前は貴族向けの高級宿だったから、そこから比べれば何処もランクは下なのだが、ギギ達は肩が凝りそうで普通の宿にしたのだった。
どうせ一泊だけだし。
「ヴァン、料理は屋台が良いか? それとも何処か店に入る?」
『美味ければ何処でも良いぞ』
「うーん、ヴァンは大食いだからなあ。屋台練り歩くの面倒だから店に入って注文しようぜ」
『それで良いぞ』
そういうわけで料理屋に仔狼姿で入り、食べたいだけ注文して目一杯食べた。
店の主人はよく食べるねえ、と豪快に笑っていたが。
『満足!』
「良かったねえ。・・・鼻の頭にくっついてるよ」
『んなっ! 取ってくれ!』
「ヴァン、本当にフェンリル?」
「・・・イッヌ」
『幻獣じゃ!』
「「はっはっは!」」
笑いながら宿に戻り、明日に備えて早めの就寝。
「明日は周回コース・・・」
「・・・ヴァンの気が済むまで、な」
「ボスは全部ヴァンに任せよう」
「喜んで瞬殺してくれるよね」
「「何回殺るのかな・・・」」
ちょっとうんざりしつつも楽しみにしているギギルル兄弟だった。
※次話、迷宮周回の予定。
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