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322 ノアとアークの巣篭もり中に 3
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※遅くなりました。
竜王国の王宮内は大騒ぎだった。
なにせ、団体様でいきなり王宮に現れた竜王陛下達に加えて魔人国の王子殿下と何よりキンキラキンの人外魔境・・・・・・。
「精霊王殿です。丁重にもてなすように」
戸惑っていたが陛下の側近のリュウギのひと声でざざっと動き出す使用人達。
さすがプロである。
「魔人国のエクシア王子殿下はグウィンの番いですので、こちらも丁重に。ああでも、これからグウィンの邸宅で蜜月ですから、邸の警備を強化しませんと・・・」
「そちらは蜜月中は魔法騎士団の方で手配致しましょう。カイン、スレイン、任せる」
「ああ助かる、ルドヴィカ殿」
先ほど別れたノア達とヴェルザンティ達を見送り、リュウギも慌ただしく指示を出す。
王宮内は一気に緊張が高まった。
部屋は国賓級の場所を用意して・・・・・・精霊王殿は食事はどうされるのだろう?!
「あの、リュウギ様、精霊王様はお食事は何を御用意すれば・・・そもそも食されるので?」
侍従頭が確認のために聞けば。
「何でも食べる。ノア殿の料理を召し上がっていたからな。普通に我等と同じで良い」
「・・・畏まりました」
「ああ、後・・・・・・たぶんその辺を一人でウロウロするだろうから、王宮内に通達した方が良い。驚くだろうからな」
「---は、は?」
「彼の方もかなりの自由人だ。我等とは思考が違う。・・・・・・諦めろということだよ」
「・・・・・・畏まりました」
そう言って一気に疲れた侍従頭を見送って自分達も執務室に戻っていった。
精霊王も一旦クリカラ達と執務室に行き、ソファで寛いでいた。
《それで、コレは何処に置いておくかの?》
精霊王の言うコレは言わずもがな。
ダンダリアンである。
檻の中でヒイヒイ言っているが、『沈黙』魔法で静かなものだ。
「うむ・・・執務室の、ああ、この水槽の飾りにするかの」
言われて見れば、アクアリウムよろしく、大きな水槽に魚が泳いでいた。
「そこに沈めて鑑賞兼監視、ではどうだ? そのサイズならまさか夢魔が収監されているなど分かるまい。盗もうとも思わんだろうて」
ほっほと笑うクリカラに、それもそうかと、精霊王は躊躇せずにドボンと水中に落とした。
《どうせ誰も手が出せん結界を施しておいたから、心配は要らん》
「助かります」
「精霊王殿はどのくらい滞在予定で?」
《・・・ふむ。2,3日泊まらせて貰おうかの。後は森に還って、時々様子を見に来よう》
「・・・畏まりました。部屋の準備が整いましたので、ご案内致します」
リュウギがそう言うと、ちょうど迎えに来た侍従頭がノックをした。
「彼がご案内致します。何かございましたらお声をお掛け下さい」
《うむ。ではよろしく頼む》
そう言ってサラサラと歩いて部屋へと向かっていった。
「---ひとまずこれで安心ですね」
「全くじゃ。それにしても、エクシア殿下がごねずに番ってこちらに来てくれて良かったわ」
「本当に・・・。最悪、第4王子との取り引き材料になるところでしたからねえ」
実はヴェルザンティの番いと知れたときに、第4王子の罪を軽くする代わりにエクシア殿下を貰う交渉をしようとしていたのだ。
幸いなことに、エクシア殿下もヴェルザンティを運命と認識して受け入れてくれたから良かったものの、相手の身分いかんでは戦になることも・・・。
「コレばかりは本能に諍いにくいからなあ」
過去、番い問題で色々あったから、今回は上手く行って良かった。
「漸く、ひと息吐けるわ---」
「---いや、たぶんひと息は吐けないと思うな・・・」
安堵するクリカラに反して、渋い顔のリュウギ。
その後、晩餐会の前に王宮内を徘徊・・・もとい散策する自由人の人外魔境の目撃情報があちこちで届けられ、近衛騎士達が右往左往する羽目になるのだった・・・。
竜王国の王宮内は大騒ぎだった。
なにせ、団体様でいきなり王宮に現れた竜王陛下達に加えて魔人国の王子殿下と何よりキンキラキンの人外魔境・・・・・・。
「精霊王殿です。丁重にもてなすように」
戸惑っていたが陛下の側近のリュウギのひと声でざざっと動き出す使用人達。
さすがプロである。
「魔人国のエクシア王子殿下はグウィンの番いですので、こちらも丁重に。ああでも、これからグウィンの邸宅で蜜月ですから、邸の警備を強化しませんと・・・」
「そちらは蜜月中は魔法騎士団の方で手配致しましょう。カイン、スレイン、任せる」
「ああ助かる、ルドヴィカ殿」
先ほど別れたノア達とヴェルザンティ達を見送り、リュウギも慌ただしく指示を出す。
王宮内は一気に緊張が高まった。
部屋は国賓級の場所を用意して・・・・・・精霊王殿は食事はどうされるのだろう?!
「あの、リュウギ様、精霊王様はお食事は何を御用意すれば・・・そもそも食されるので?」
侍従頭が確認のために聞けば。
「何でも食べる。ノア殿の料理を召し上がっていたからな。普通に我等と同じで良い」
「・・・畏まりました」
「ああ、後・・・・・・たぶんその辺を一人でウロウロするだろうから、王宮内に通達した方が良い。驚くだろうからな」
「---は、は?」
「彼の方もかなりの自由人だ。我等とは思考が違う。・・・・・・諦めろということだよ」
「・・・・・・畏まりました」
そう言って一気に疲れた侍従頭を見送って自分達も執務室に戻っていった。
精霊王も一旦クリカラ達と執務室に行き、ソファで寛いでいた。
《それで、コレは何処に置いておくかの?》
精霊王の言うコレは言わずもがな。
ダンダリアンである。
檻の中でヒイヒイ言っているが、『沈黙』魔法で静かなものだ。
「うむ・・・執務室の、ああ、この水槽の飾りにするかの」
言われて見れば、アクアリウムよろしく、大きな水槽に魚が泳いでいた。
「そこに沈めて鑑賞兼監視、ではどうだ? そのサイズならまさか夢魔が収監されているなど分かるまい。盗もうとも思わんだろうて」
ほっほと笑うクリカラに、それもそうかと、精霊王は躊躇せずにドボンと水中に落とした。
《どうせ誰も手が出せん結界を施しておいたから、心配は要らん》
「助かります」
「精霊王殿はどのくらい滞在予定で?」
《・・・ふむ。2,3日泊まらせて貰おうかの。後は森に還って、時々様子を見に来よう》
「・・・畏まりました。部屋の準備が整いましたので、ご案内致します」
リュウギがそう言うと、ちょうど迎えに来た侍従頭がノックをした。
「彼がご案内致します。何かございましたらお声をお掛け下さい」
《うむ。ではよろしく頼む》
そう言ってサラサラと歩いて部屋へと向かっていった。
「---ひとまずこれで安心ですね」
「全くじゃ。それにしても、エクシア殿下がごねずに番ってこちらに来てくれて良かったわ」
「本当に・・・。最悪、第4王子との取り引き材料になるところでしたからねえ」
実はヴェルザンティの番いと知れたときに、第4王子の罪を軽くする代わりにエクシア殿下を貰う交渉をしようとしていたのだ。
幸いなことに、エクシア殿下もヴェルザンティを運命と認識して受け入れてくれたから良かったものの、相手の身分いかんでは戦になることも・・・。
「コレばかりは本能に諍いにくいからなあ」
過去、番い問題で色々あったから、今回は上手く行って良かった。
「漸く、ひと息吐けるわ---」
「---いや、たぶんひと息は吐けないと思うな・・・」
安堵するクリカラに反して、渋い顔のリュウギ。
その後、晩餐会の前に王宮内を徘徊・・・もとい散策する自由人の人外魔境の目撃情報があちこちで届けられ、近衛騎士達が右往左往する羽目になるのだった・・・。
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