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306 『箱庭の迷宮』の解かれた封印(笑)1
しおりを挟むクリリンの突撃訪問を受けた冒険者ギルドで仕入れた情報によると、王城での協議会でダンダリアンの処罰が確定した後に『箱庭の迷宮』の封鎖が解除されたのだそう。
何組かの冒険者PTとギルド職員が交代で確認のために潜っていたそうで、以前と違ってヘンなところもなく危険性は無いと判断されたそうだ。
なので発表はまだだが、一応今日の突撃訪問の翌日に一般の冒険者達に解禁されることになったらしい。
それを聞いたクリリン・・・もといクリカラが嬉々とした。
「おお、それじゃあ儂らも入れるのか?!」
「常識を考えろ。竜王がホイホイと入れるわけないだろう!」
せっかくお忍び用のクリリン呼びだったのに、リュウギが思わずツッコんだ言葉に竜王呼びが入っていて、周りの冒険者やギルド職員もギョッとした。
「そもそも冒険者じゃないでしょうが、貴方」
「じゃあ今から登録する!」
リュウギの言葉に即答するクリカラ。
「こんなムサ苦しいムキムキ爺さんが新人冒険者なんて絵面的にもアウトだわ!」
「そもそも迷宮に潜れるランクは最低でもCからだ。迷宮のランクによっちゃあソロ不可でPTランクがB以上とかザラだぜ?」
ギギがツッコむと駄目押しとばかりにアークも正論をついた。
「・・・・・・むむむ・・・無理かぁ・・・・・・」
「最初から選択肢は無い」
「ありますよ」
「何ぃ---! ソレは本当か?!」
「あ、コラ、ラミエル!!」
やっと引き下がったと思ったところにサブギルマスのラミエルが割って入ってきて爆弾発言をしたものだから、クリカラのテンションが爆上がりしてしまった。
「おま・・・、何で言うかな?!」
「だってアレじゃ何時までも駄々を捏ねるでしょう? 正直運営の邪魔---」
「思ってても言うんじゃない!!」
カフカが慌てて口を塞ごうとしたが間に合わず。
「スマンの」
「気にしなくて良いですよ。コレが悪いので」
「はは・・・スミマセン」
取り繕った笑みで謝罪するカフカだった。
「ひとまず、多目的室に・・・全員入れますので」
そう促されて一行は移動した。
「---それで、先ほどの件ですが、冒険者としては入れませんが、迷宮内の案内を兼ねた護衛として、指名依頼でレオニード様達を雇うんです。もちろん指名依頼でも冒険者は断れますが、まあ、依頼としてなら受けられますよね?」
そうラミエルが説明した。
アーク達はもちろん知っているが、面倒なので知らんぷりしていたのだ。
「---兄上がお望みとあれば・・・」
レオニードが渋い顔で言った。
アークも面倒くさそうな顔だ。
「・・・・・・それってさあ、護衛対象、俺達冒険者以外のメンバー全員って事だよな?」
「・・・・・・近衛の兄ちゃん達とか魔法騎士団の兄ちゃん達は護衛要らなくねえ?」
ギギとルルがやはりイヤそうな顔で言った。
「冒険者じゃない時点で護衛対象だが?」
「そうそう」
「俺達の事、護ってくれるんだよね?」
「「信用しております」」
クリカラの護衛騎士の二人、ランスロットとパーシヴァルが楽しそうに笑って言って、それに乗っかるようにルドヴィカは悪い笑みで言い、カナンとスレインは真面目な顔だが声は笑っていた。
「---あーもー!! 分かったよ! 連れてきゃ良いんだろ!! カフカ、サッサと依頼票作成してコッチへ回せ! でもって行くのは明日の朝9時だ! 良いな?!」
アークがヤケクソで叫ぶと、クリカラやルドヴィカは大騒ぎで喜び、ウラノスと側近達は呆れ顔。
護衛騎士の二人と魔法騎士団の二人は密かに喜んでいた。
「・・・あー、近衛の、ウルズとスクルドも一緒に連れて行きたい。たぶんアイツらも暇だと思うから」
「---ああ・・・・・・確かに」
ヴェルザンティの件が片付いたもんな。
「仕方ない。皆纏めて面倒見てあげるよ」
ノアがちっとも仕方なくない声と顔でそう言ったので、更にわあっと湧いたのだった。
「---カフカ、悪いけど、明日は一日、迷宮貸切にしてくれねえか?」
「・・・・・・仕方ありませんね。明後日からの解放にしますから、明日は貴方方で思う存分堪能して下さい」
「スマン、助かる」
そんな会話をアークとカフカがしていたのはたぶん誰も気付いていなかっただろう。
※スミマセン。この間突発的に投稿した方に浮気していて遅れました。
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