迷い子の月下美人

エウラ

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312 その頃のヴァルハラ大公家 2(魔人国滞在中)

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※読まなくても話は分かります。大公家の残った奥さんと兄二人の様子です。すみません、めちゃくちゃ短いです。





無事にノアが救出されて、ウラノスが竜王陛下達と魔人国に滞在中のとある日。

協議会は無事に済んで、今日は『箱庭の迷宮』に観光だという連絡が来た。

「・・・・・・何なの、迷宮に観光って?」
「どうやら駄々を捏ねた陛下の為に、冒険者であるレオニード様達を護衛という建前で依頼して潜るらしいよ?」
「自由すぎ、陛下!」

留守番中のアンジェリクや兄二人がお茶を飲みながら報告を聞いていた。

「良いなあ、俺達も観光したーい!」
「ていうかノアちゃんとアーク連れて遊びに行きたーい!」
「同感---!」
「はいはい、ウラノス様がいない分、頑張って仕事を熟して下さいませ」

執事長のアヴィールが有無を言わせない圧をかけてきて、仕方なく皆それぞれ仕事に戻る。



それから夜になり、再び入った連絡にまた皆が大騒ぎ。

「迷宮でノアちゃん、八つ当たりの戦闘したんだって!」
「めちゃくちゃ暴れたらしいよ」
「竜王陛下達も引いてたらしいね」
「・・・・・・精霊王様が喚ばれてないのに来たらしい」
「ああ、うん。聞くところによるとあの方も大概自由人らしいね・・・」

はあ、と溜息を吐く三人。

「暫く本人ノアちゃんに会ってないから寂しいね・・・」
「父上が帰国するときに一緒に帰ってくるかな?」
「どうやら精霊王様に纏めて転移して貰うことになったようですが」
「は?!」
「ナニソレ、そんなの出来るの?!」

皆して騒いでいるとアヴィールがなんでもないようにサラッと言った。

「精霊王様ですから」

ソレで片付けるのもどうかと思うが・・・そっか、まあ良いか。

「ソレで早く会えるなら良いよね!」
「うんうん!」
「楽しみ!!」

邸中の使用人達もそわそわ。

「その為にも出来る仕事をサッサと終わらせて、帰って来た後にたくさん遊べるように時間を作らねば!」
「「お---っ!!」」
「やる気が出たようで良かったですな」

アヴィールに若干嵌められた気もしないでも無いが、三人は次の日も精力的に仕事を熟し、見事に時間の確保をしたのだった。

「何時もこうだと助かるのですがねえ・・・」

苦笑する執事長だった。








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