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249 行方不明者の共通点?
しおりを挟むギギルル兄弟のオススメを聞きながら屋台料理に舌鼓を打ってお腹が膨れたアーク達は、行方不明者リストに名が上がっている冒険者の友人知人で会えそうな人にアタリをつけて会いに行くことにした。
どうやらギギルル兄弟の知人でもあるらしい。
長く冒険者をしていれば当然か。
ランクも同じAだそう。
「行方不明者の中にも結構近しいヤツもいるからなあ・・・何とかしてやりてえ」
「本当だよねえ。顔見知り程度でも同じ冒険者だし、助け出せるなら助けたい・・・でも無理はして欲しくないんだよ?」
「そうだぜ、ノアの方が大切だからな!」
ギギルル兄弟は特にノアに言って聞かせる。
ノアが親切心から無茶をしそうなのが分かっているのだろう。
「ん、ギギ達を哀しませるような事はしないよ」
「絶対だぞ?」
「・・・そのつもり、だけど・・・」
「ノーアー?」
ええ、だってどうなるか分からないし・・・。
コレばかりは断言出来ないよね?
チラッとアークを見るといい笑顔で返されてしまった。
「う・・・はい、気を付けます・・・」
ごめんなさい、コレで許して・・・。
それが分かったのか、ギギ達ははああっと溜息を吐きながら苦笑した。
「まあ、俺達が護れば良いんだもんな」
「そういうわけで、ノアはアークに引っ付いてろよ?」
「何が『そういうわけ』なの?」
「ノアは分からなくても良いから、な! アーク、絶対離すなよ?!」
「言われずとも」
『・・・お前ら、そういうのってフラグって言うんじゃ無いのか?』
ヴァンが呟いて全員ハッとしたが、もう今更だった。
「やべえ」
「イヤ、そんなこと言ってたら全部ヤバいだろう。きっと大丈夫だ」
「はっはっ! 根拠のない大丈夫だな!」
「大丈夫って思ってればきっと大丈夫!!」
「・・・ふふふ、そうかもね」
和気あいあいとしながらこれまたギギ達の案内で冒険者に話を聞きに行く一行だった。
---で、今日聞いた限りの情報を纏めるのに宿へと戻ってアーク達の部屋に集まって話をしているところなのだが・・・。
「・・・聞いてみた行方不明者の身体的な特徴を纏めると・・・」
「---なんか微妙?」
ノアが眉をひそめる。
「全員に合致するのは、コレだけだな」
「・・・・・・『銀色の瞳』」
「まあ、中には薄い灰色の者もいるが、概ね『銀曈』だな」
「・・・その理由は分からないが・・・このメンバーで一番ヤバいのがノアだってのは分かる」
「「「「『ああ』」」」」
「・・・俺、迷宮に潜れない?」
ノアが眉を下げてしょんもりしてそう呟いた。
「イヤ、そういうことじゃないんだが・・・偶然かもしれないし、何より俺がノアを置いては行けないし?」
アークが渋い顔で言った。
「他は、まあ・・・それなりの美形らしいこともあるし? それならアークだってレオン達だってイケメンだから皆に危険はあるよな」
ルルが付け加える。
いやいや、ギギ達も十分イケメンですが?
「ふむ・・・まあ、気を付けつつ潜るしか無いな。状態異常無効もあんまり役に立ってはいないようだが、出来うる万全の体勢で臨もう。今日はカフカ殿にこの内容を伝えて、明日、詳しく検討してからだが・・・ギギ達、連絡頼めるか?」
レオニードがギギ達に頼んだ。
ギギ達は速攻で頷く。
「おう、そのつもりだ。俺達がやっとくから、皆はゆっくり休んでくれ。じゃあまた明日!」
「「「「おやすみ」」」」
そしてレオン達も自分達の部屋に戻って行った。
「・・・・・・心配するな。俺がいる。皆もいる」
「うん、でも・・・・・・俺が、足を引っ張りそうで・・・」
今までは自分だけだったから、何かあっても自分の責任で自業自得って思って行動してたけど、もう自分一人の体じゃ無い。
そう思ったら、怖くなった。
自分のせいで周りが困ったり哀しむことがあるって、アークが教えてくれた。
でもそれ以上に、俺が幸せだとアークも幸せそうで、アークが哀しいと俺も哀しい。
だから、無茶はしないようにしようと思うんだ。
・・・・・・まだまだ、思うこととやることは一致しにくいけど。
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