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248 ノアとアークを見守り隊(side魔人国冒険者ギルド)
しおりを挟む本日、ウチのギルマスがやらかした。
いや、何時もとんでもないやらかしをするのだが、今回ばかりは規模が違った。
---今朝、少し前にサブギルマスが王城に出向いた。
先日のギルマスのやらかしの尻拭いだ。
先日、サブギルマスが『箱庭の迷宮』の件で王城に行っている間に現れた魔人国の第4王子。
一応冒険者としてBランクになりたてではあるが、そこそこ実力はあるお方。
その方が現在封鎖中の『箱庭の迷宮』に潜る許可をくれときた。
職員一同『はああ---?!』としか言えない。
何のための封鎖だと思っているんだ。
そもそも原因調査の為にSランク冒険者に指名依頼を出していて、今まさに魔人国に着きそうっていうときに!!
それを全く認識していないのか、ギルマスがあっさり許可を出してしまい、再び一同唖然。
止める間もなく王子は冒険者数人と近衛騎士数人を連れて行ってしまった。
マジかよ。
お昼になる頃、サブギルマスが帰ってきて王子の事を知り、こめかみに青筋を立てたところで慌てた様子の近衛騎士達がギルドにやって来た。
「王子が、殿下が迷宮から戻りません!! 助けて下さい!!」
聞けば迷宮に入った途端、幻惑魔法らしきモノで自分以外分からなくなり、気付いたら迷宮の外に出ていたのだという。
他の付き添いの冒険者も同様で、先ほどまで待ったが王子だけ出て来ないのだという。
「---貴方ねえ、何を考えて許可なんか出してるんですか? 封鎖の意味、分かってます?!」
「えええ、だあってぇ・・・王子は顔が良いしぃ、頼まれたらぁイヤってぇ言えないじゃない?」
「・・・・・・」
コレにはさすがのサブギルマスも開いた口が塞がらないようで・・・。
無言でギルマスを張り倒していた。
その後、ラミエルさんにイモムシのように縛り上げられて何処かへ連れて行かれたけど・・・。
---ラミエルさんって今イチ、人となりが分からない。
サブギルマスのカフカさんと旧知の仲っぽいんだけど・・・友人っぽくは無いよな?
どっちかというと主従関係みたいな?
うーん、謎の人物だ。
でも自分達に無害だから別にいいや。
---で、結局、再度王城に出向いて事と次第を伝えて、どうにもならないと帰ってきた。
そうだよね、どうにかなってたら今頃こんなことになってないよね!
その為のSランク冒険者の指名依頼だもんね!
---そのSランク冒険者様方・・・ノア様達がいらっしゃった本日。
ギルド入り口付近に固まっていたノア様達に突撃していった挙げ句、ノア様を怯えさせてギギルル兄弟にぶん投げられていた。
皆様の、特にアーク様の威圧にも気付かない鈍感なギルマスは挨拶も自己紹介もなく、喚き散らして大騒ぎして・・・。
結果、ノア様達はそのまま去って行った。
---そして、対策としてSランク冒険者への指名依頼内容の変更を王城に伝えに行って戻ったサブギルマスは、壁と冒険者と職員を見てから土下座するギルマスを見据えて・・・。
「---この愚図が」
・・・・・・あの図体を右ストレートの拳で殴り飛ばしたサブギルマス。
何時も思うんだけど、あの細腕の何処にそんな力があるんだろう・・・・・・。
遂に堪忍袋の緒が切れたサブギルマス。
この後の下克上は推して知るべし。
ここに本日、新ギルマス・カフカと新サブギルマス・ラミエルが誕生した。
・・・・・・それにしてもぴるぴるするノア様、可愛かったな!
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