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203 ノアとアークを見守り隊(side竜王国冒険者ギルド)
しおりを挟む本日いらっしゃったアルカンシエル様と番いのノア様。
実は数日前から色々と噂が飛び交っていて、色んな意味で皆、いつ来るのかと待ち構えていた。
そしていらっしゃったお二人と一頭。
思わず皆で注視してしまい、ノア様がやはりぴるぴる・・・可愛過ぎます!
思わず悶えましたが、アルカンシエル様に威圧されました。
ヤバいヤバい!
ほんの少し、軽ーく、だったのに腰が抜けましたよ。
そして待ち構えていたギルマスにフードを下ろして挨拶を交わすノア様。
儚げ美人さんです!
綺麗です!
そしてその細いうなじにガッツリ、アルカンシエル様の咬み痕が・・・。
あの方の執着心、独占欲パねえです!
あ、スミマセン、言葉が崩れました。
二階のギルマスの部屋に消えてからはざわざわと噂話が出て来ました。
一部の若手冒険者なんかは、アルカンシエル様はともかくノア様を見た目で判断してますね。
---言いたい!
おそらくギルド職員達全員入隊してますから、心の中では皆、叫びたいはず!
『ノア様はもしかするとアルカンシエル様よりもお強いですよ!』
もう、あの二人が立ち寄った冒険者ギルドの『見守り隊』から入る情報が凄いのなんのって!!
コッチに近付いてくる度にアップグレードされちゃってつい先日のセイクリッド・リョーゼンの冒険者ギルドからの情報がヤバいってばよ!
おっと、失礼。
以前、ノア様の種族が竜人と黒兎人の混血だと情報が入ってきて、でも見た目は人族っぽいとの事から竜人の特性が強いんだな、くらいに思っていたのが、ここに来て下界の迷宮で翼を広げたと。
その翼は金色だったと・・・。
マジすか?!
金竜っすよ?!
絶滅したって言われてるくらい見たことがないんすよ!!
あわよくば俺達も拝みたいその翼・・・!!
良いなあ、その場に出くわした冒険者達、最高についてるよな---!!
「・・・お前、さっきから心の声ダダ漏れ過ぎ。でもって本当は口が悪いのな」
「うえっ?! あ、スミマセン、パイセン」
「パイセンって・・・まあ、仕事以外ならいいんじゃ無いか? 気をつけろよ」
「りょーかいです!」
---コイツ面白いな。
なんて心の中でほくそ笑んでいる先輩に気付かずにはしゃぐ後輩職員。
周りの職員達もクスクス笑っていた。
少しして下りてきたと思ったら、解体場で素材を売るそうで、野次馬冒険者達もぞろぞろついていきました。
うう、俺達は持ち場から離れられない。
悔しいー!
でも一応目が届く!
そこの木偶の坊、どけ、邪魔だ!
「・・・くくっ・・・」
先輩、俺、そんなにおかしいっすか?
まあいいや。
そしてそこからは予想通りというか、予想以上というか・・・。
討伐記録はギルドタグに残るし、素材も鑑定すれば討伐者が分かるので、当然全てノア様の狩ったモノ。
担当職員、唖然としてしまってストップかけ忘れてるよ!
ちょちょちょ、待って待って、ソレって要塞都市の迷宮のボスだよね?!
何でもないふうにペラペラ出さないで!
そんなに出されても即金で払えないでしょーが?!
思わず俺が心の声ダダ漏れで叫んでいたのに気付いた職員が我に返ってストップかけた。
あっぶな!!
---で?
何、大ウケで腹抱えて笑ってんすかね、先輩?
先輩ってそんなキャラでしたっけ?
もっとクールでしたよね?
「---いや、お前、サイコー!」
ふははと笑っている先輩に誰もツッコまず、ベテラン職員は訳知り顔で苦笑していた。
「お前さん、アイツに目ぇつけられちゃったな。・・・ガンバレ」
「へ?」
なんて?
疑問に思っているうちにノア様達は翌日に報酬受け取りになったらしく(そりゃそうだ)ギルドを去って行った。
残された俺達職員は手の空いた者で総出で素材選別作業や換金計算を手伝わされた。
冒険者達はザワザワと落ち着かない。
ノア様を寄生虫のように疑っていたヤツらは特に。
思えばこの辺りもギルマスとアルカンシエル様の演出なんだろう。
ノア様の実力を思い知れ、と。
でもってノア様は全く気付かないと。
うんうん。
良きかな!
相変わらずダダ漏れの俺をおかしそうに見てくる先輩が気にはなるが、概ね満足な1日だった。
その日の夜、上機嫌で酔った俺を先輩がお持ち帰りして食われちゃったことを除けば、おおよそ、穏やかな日々だった。
その後は、想像に任せる。
※体調不良は峠を越えたので、ぼちぼち更新頑張ります。
遅れたり滞ったらスミマセン。
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