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201 竜王国の城下街&冒険者ギルド 1
しおりを挟む今日はアークと城下街にお出かけ。
楽しみすぎて朝早く起きてそわそわしちゃったら、使用人達に見られて微笑まれた。
恥ずかしい。
朝食の席でもそわそわしちゃってたみたいで、義父様達にも微笑まれた。
「ゆっくりしておいで」
そう言われながら見送られて、アークと二人で大公家をあとにした。
「先にギルドに寄ろうか。そういえばギギ達はどうしてるかな? ギルドに顔を出していれば分かるか」
「何か依頼を受けてるのか、俺達みたいに散策してるのか・・・まあ、用があれば連絡来るかな」
雑談をしながら並んで手を繋いで歩いて行く。
ちょっと周りの視線が気になってフードを被ってしまったノアは気付かなかったが、アークがじろりと周りを睨めつけて牽制していた。
---地元だから完全に顔バレしてるからな。
ヴァルハラ大公家のアルカンシエルがSランク冒険者と言うことは当然。
そしてルドヴィカが言ったことが本当ならばアルカンシエルに番いが出来たことも、その番いが金竜かもという噂も知れ渡っているのだろう。
物珍しいような、探るような視線と、ノアに向けられる敵意と羨望。
ノアは経験上、それらの視線に慣れているため意に介せず流しているが、俺は許さない。
しっかりと目に焼き付けておくからな。
そんなこんなで着いた冒険者ギルド。
周りの景色に似合わない堅牢な作りの石組みの建物だった。
「久しぶりだな」
「そっか、アークの地元だもんね」
そして足を踏み入れるとやはり刺さる視線に、慣れたとはいえ居心地が悪い。
それをいち早く察知したアークが軽く威圧を飛ばす。
すると皆、サッと視線を外した。
「・・・ありがとう、ゴメンね?」
「気にするな」
そういって笑ってくれるので、ほっとする。
そのまま手を引かれて、受付の側に立っているガタイの良い強面おじさんのところに向かった。
・・・誰?
顰めっ面をしたその人は、アークが近付くと顎で二階を指した。
んん?
・・・もしかして、ここのギルマス?
アークを見れば当たりのようでニコッとされた。
じゃあ俺もしっかり挨拶しないと。
フードを下ろして目を見て。
「初めまして。ノアと言います。Sランク冒険者でアルカンシエルの番いです。よろしくお願いします」
「・・・おう、コレはまた儚げ美人だな。俺はギルドマスターのカロンと言う。よろしく頼む。とりあえず俺の執務室に来てくれ。・・・ここじゃあ視線が鬱陶しいだろう?」
「助かる、ギルマス」
「・・・ありがとうございます」
そういって階段を上がって行くギルマスに着いて行った。
割と朝早く、けっこうな数の冒険者がギルドにいたが、不躾な視線を送ってしまった冒険者達はアークの威圧にヤバいと速攻視線を外した。
アーク達が二階に消えた後、ほっとして静かに話し出す。
「久しぶりだな、アルカンシエル様」
「さっきの人、番いだった。噂、本当だったんだ」
「ガッツリ咬まれてたな、うなじ・・・あの人の執着具合がよく分かるぜ」
「つか、番いさんもSランクって言ってなかったか?」
「---なあ、じゃあ、あの噂もガチなんかな・・・?」
「あの噂って?」
「あん? お前知らねえの? 金竜だよ」
「は?」
「アルカンシエル様の番いは金竜だって噂」
「---マジ?」
「分かんねえけどさ。大体Sランクっていってもあんなにひょろっこくて、本当に強いのかねえ・・・?」
ギルド内では様々な憶測が飛び交っていた。
職員達は静かに見守っていた。
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