2 / 8
2 名前
しおりを挟む
オレ達の名前の話をしよう。
コウちゃんと一緒の小学校に通う様になって暫くして。コウちゃんが言ったんだ。
「ぼく、本当はひかりって名前好きじゃないんだ」
コウちゃんはいまだに、うらかわを、うりゃかわって言ってしまう。だからクラスのみんなに「うりゃちゃん」て呼ばれてる。
それを嫌がってるのを知ってたから、オレは「ひかりくん」って呼んでた。
「何で嫌なの?綺麗な名前なのに」
「だって、女の子みたいだから」
もじもじとするコウちゃんは、ほんのり頬を赤くして可愛かった。コウちゃんは小さいし、確かに女の子みたいだ。言ったら多分怒るから言わないけど。
でも名前を変えるの難しいし。そこで、あ!と閃めく。
「じゃあ、コウは?」
「コウ?」
「光て書いてコウて読めるって先生が言ってた」
「コウ…なんかカッコいいかも!」
それからオレとコウちゃんだけの2人だけの呼び名を一緒に考えた。
オレはスグルをタクって呼んでたっくん。
ひかりはコウちゃんて呼ぶ。
2人だけの呼び名。なんか2人だけの秘密の暗号みたいで、ワクワクした。
◆◆◆
ぼくらの名前の話をしよう。
みんなはぼくを「うりゃちゃん」と呼ぶ。ぼくは自分の名前が言えないのが恥ずかしい。だから本当はうりゃちゃんて呼ばないでって言いたいのに、気が小さいぼくは言えなかった。
「ひかりくん」
たっくんは、ぼくがうりゃちゃんと呼ばれるのを嫌がってるのを知っていて、名前で呼んでくれる。
でも本当は、ひかり、も女の子みたいで恥ずかしいんだ。
ぼくの様子がおかしいのを見て、たっくんにどうしたの?て聞かれた。たっくんなら、本当の事を話しても平気かな?
ぼくは恐る恐る、自分の名前のコンプレックスを話した。
そしたら、たっくんはうんうん考えて、コウって素敵な呼び名を考えてくれた!
ならぼくも!
それまで、すぐるくんって呼んでたのを、たっくんて呼ぶのはどう?て提案してみた。
「なんか、暗号みたいでカッコいい!」
なんか違うと思ったけど、たっくんがとっても喜んでくれたから、まあいいか。
2人だけの呼び名。そう考えたら、ワクワクして、なんだかちょっとドキドキした。
コウちゃんと一緒の小学校に通う様になって暫くして。コウちゃんが言ったんだ。
「ぼく、本当はひかりって名前好きじゃないんだ」
コウちゃんはいまだに、うらかわを、うりゃかわって言ってしまう。だからクラスのみんなに「うりゃちゃん」て呼ばれてる。
それを嫌がってるのを知ってたから、オレは「ひかりくん」って呼んでた。
「何で嫌なの?綺麗な名前なのに」
「だって、女の子みたいだから」
もじもじとするコウちゃんは、ほんのり頬を赤くして可愛かった。コウちゃんは小さいし、確かに女の子みたいだ。言ったら多分怒るから言わないけど。
でも名前を変えるの難しいし。そこで、あ!と閃めく。
「じゃあ、コウは?」
「コウ?」
「光て書いてコウて読めるって先生が言ってた」
「コウ…なんかカッコいいかも!」
それからオレとコウちゃんだけの2人だけの呼び名を一緒に考えた。
オレはスグルをタクって呼んでたっくん。
ひかりはコウちゃんて呼ぶ。
2人だけの呼び名。なんか2人だけの秘密の暗号みたいで、ワクワクした。
◆◆◆
ぼくらの名前の話をしよう。
みんなはぼくを「うりゃちゃん」と呼ぶ。ぼくは自分の名前が言えないのが恥ずかしい。だから本当はうりゃちゃんて呼ばないでって言いたいのに、気が小さいぼくは言えなかった。
「ひかりくん」
たっくんは、ぼくがうりゃちゃんと呼ばれるのを嫌がってるのを知っていて、名前で呼んでくれる。
でも本当は、ひかり、も女の子みたいで恥ずかしいんだ。
ぼくの様子がおかしいのを見て、たっくんにどうしたの?て聞かれた。たっくんなら、本当の事を話しても平気かな?
ぼくは恐る恐る、自分の名前のコンプレックスを話した。
そしたら、たっくんはうんうん考えて、コウって素敵な呼び名を考えてくれた!
ならぼくも!
それまで、すぐるくんって呼んでたのを、たっくんて呼ぶのはどう?て提案してみた。
「なんか、暗号みたいでカッコいい!」
なんか違うと思ったけど、たっくんがとっても喜んでくれたから、まあいいか。
2人だけの呼び名。そう考えたら、ワクワクして、なんだかちょっとドキドキした。
12
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
【完結】公爵令嬢の私に騎士も誰も敵わないのですか?
海野幻創
ファンタジー
公爵令嬢であるエマ・ヴァロワは、最高の結婚をするために幼いころから努力を続けてきた。
そんなエマの婚約者となったのは、多くの人から尊敬を集め、立派な方だと口々に評される名門貴族の跡取り息子、コンティ公爵だった。
夢が叶いそうだと期待に胸を膨らませ、結婚準備をしていたのだが──
「おそろしい女……」
助けてあげたのにも関わらず、お礼をして抱きしめてくれるどころか、コンティ公爵は化け物を見るような目つきで逃げ去っていった。
なんて男!
最高の結婚相手だなんて間違いだったわ!
自国でも隣国でも結婚相手に恵まれず、結婚相手を探すだけの社交界から離れたくなった私は、遠い北の地に住む母の元へ行くことに決めた。
遠い2000キロの旅路を執事のシュヴァリエと共に行く。
仕える者に対する態度がなっていない最低の執事だけど、必死になって私を守るし、どうやらとても強いらしい──
しかし、シュヴァリエは私の方がもっと強いのだという。まさかとは思ったが、それには理由があったのだ。
悪役令嬢は自称親友の令嬢に婚約者を取られ、予定どおり無事に婚約破棄されることに成功しましたが、そのあとのことは考えてませんでした
みゅー
恋愛
婚約者のエーリクと共に招待された舞踏会、公の場に二人で参加するのは初めてだったオルヘルスは、緊張しながらその場へ臨んだ。
会場に入ると前方にいた幼馴染みのアリネアと目が合った。すると、彼女は突然泣き出しそんな彼女にあろうことか婚約者のエーリクが駆け寄る。
そんな二人に注目が集まるなか、エーリクは突然オルヘルスに婚約破棄を言い渡す……。
お兄ちゃんだって甘えたい!!
こじらせた処女
BL
大江家は、大家族で兄弟が多い。次男である彩葉(いろは)は、県外の大学に進学していて居ない兄に変わって、小さい弟達の世話に追われていた。
そんな日々を送って居た、とある夏休み。彩葉は下宿している兄の家にオープンキャンパスも兼ねて遊びに行くこととなった。
もちろん、出発の朝。彩葉は弟達から自分も連れて行け、とごねられる。お土産を買ってくるから、また旅行行こう、と宥め、落ち着いた時には出発時間をゆうに超えていた。
急いで兄が迎えにきてくれている場所に行くと、乗るバスが出発ギリギリで、流れのまま乗り込む。クーラーの効いた車内に座って思い出す、家を出る前にトイレに行こうとして居たこと。ずっと焦っていて忘れていた尿意は、無視できないくらいにひっ迫していて…?
目覚めた五年後の世界では、私を憎んでいた護衛騎士が王になっていました
束原ミヤコ
恋愛
レフィーナ・レイドリックは、レイドリック公爵家に生まれた。
レイドリック公爵家は、人を人とも思わない、奴隷を買うことが当たり前だと思っているおそろしい選民思想に支配された家だった。
厳しくしつけられたレフィーナにも、やがて奴隷が与えられる。
言葉も話せない奴隷の少年に、レフィーナはシグナスと名付けて、家族のように扱った。
けれどそれが公爵に知られて、激しい叱責を受ける。
レフィーナはシグナスを奴隷として扱うようになり、シグナスはレフィーナを憎んだ。
やがてレフィーナは、王太子の婚約者になる。
だが、聖女と王太子のもくろみにより、クリスタルの人柱へと捧げられることになる。
それは、生きることも死ぬことも許されない神の贄。
ただ祈り続けることしかできない、牢獄だった。
レフィーナはそれでもいいと思う。
シグナスはレフィーナの元を去ってしまった。
もう、私にはなにもないのだと。
純白のレゾン
雨水林檎
BL
《日常系BL風味義理親子(もしくは兄弟)な物語》
この関係は出会った時からだと、数えてみればもう十年余。
親子のようにもしくは兄弟のようなささいな理由を含めて、少しの雑音を聴きながら今日も二人でただ生きています。
婚約破棄される悪役令嬢ですが実はワタクシ…男なんだわ
秋空花林
BL
「ヴィラトリア嬢、僕はこの場で君との婚約破棄を宣言する!」
ワタクシ、フラれてしまいました。
でも、これで良かったのです。
どのみち、結婚は無理でしたもの。
だってー。
実はワタクシ…男なんだわ。
だからオレは逃げ出した。
貴族令嬢の名を捨てて、1人の平民の男として生きると決めた。
なのにー。
「ずっと、君の事が好きだったんだ」
数年後。何故かオレは元婚約者に執着され、溺愛されていた…!?
この物語は、乙女ゲームの不憫な悪役令嬢(男)が元婚約者(もちろん男)に一途に追いかけられ、最後に幸せになる物語です。
幼少期からスタートするので、R 18まで長めです。
【完結】浮気現場を目撃してしまい、婚約者の態度が冷たかった理由を理解しました
紫崎 藍華
恋愛
ネヴィルから幸せにすると誓われタバサは婚約を了承した。
だがそれは過去の話。
今は当時の情熱的な態度が嘘のように冷めた関係になっていた。
ある日、タバサはネヴィルの自宅を訪ね、浮気現場を目撃してしまう。
タバサは冷たい態度を取られている理由を理解した。
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる