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第二章 闇に囚われし緑よ、いずれ
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「昔話では人間の女が聖女を陥れて、女神の怒りを買ったと学んだわ」
「それはかつて人間の王家が自分達の失態を隠す為に作った話だ」
当時、聖女になる可能性がある王女を守る為、東西南の守りの種族から護衛を派遣されていた。
今の緑の長ベイティ、それに空も当時はまだ若くそのメンバーに選ばれていた。
そしてそのメンバーに人間の女騎士がいたそうだ。その者は世界中を旅をして色んな冒険をした者だった。
その生き方に王女は憧れ、いつか自らも城を出て広い世界に飛び出したいと願っていたそうだ。
だが魔王が現れ、瘴気が北から発生してしまった。
王女の髪と瞳が金色に変化して光の聖女となった。
護衛メンバーにいた1人の人間の男が同様に光の勇者となった。
本来であれば光の王女は守りと癒しの術で世界を魔物や瘴気から守り、勇者は魔物や魔王と戦い弱らせてから、最終的に2人の力を合わせて魔王を封印するのがセオリー。
封印を成し得た後は勇者と聖女はそのまま結ばれる筈だった。
ところが光の聖女は何故か自ら魔王を封印すると宣言して女騎士と共に姿を消してしまった。
慌てた王の頼みで光の勇者が聖女の救出と魔王の討伐の為に北へ向かったが、とうとう彼も帰って来なかったという。
その後、魔王が勝利宣言し光の王女を生み出す王制は廃止させられ、王族は名乗る事を禁止された。
光の女神は役目を果たさなかった王女に大層怒り、今後人間から女性が生まれる確率を極端に減らされる事になった。
元王家は王族が女神を怒らせた事実を隠す為に、女騎士が、すなわち人間の女が王女をたぶらかした事にして事実を隠蔽した。
それを広く後世に絵本や童話として語り継ぐように仕向けたのだ。
「事実は全然違うのね。まさか女神の怒りが聖女様に対してだったなんて」
聞き終わってユナがほぅ、と溜め息を吐いた。
「あの時、オレが。オレ達がこうすべきだと頭から決めつけず、もっと王女の事を考えていれば…状況はマシだったかもしれん」
空が当時の悔しさを思い出す様に、遠い目をして呟いた。その様子から、空が当時王女を大事にしていた事が伝わってきた。
ベイティが場を仕切り直す様に話し出す。
「話が逸れたな。とりあえず今は本当にセーヤ殿が光の聖女なのか、または金を纏いし者なのかについてだが」
ベイティが太陽に視線を向ける。
「後ほど祓いの得意な聖職者にセーヤ殿を見てもらおう。何かわかるかもしれない。セーヤ殿良いか?」
「わかりました」
後ほど聖職者を交えて話の続きをする事でひと段落した。
場の空気が緩んだ。それぞれお茶を飲んだり、肩を回したりして寛ぐなか、長がルースに話しかけた。
「じゃあ次はルースの件だな。ついて来い。別室に移るぞ」
「長、勘弁してくださいよ。僕は復讐を終えるまで伴侶とか考えられません」
「…ダメだ。もう何人か候補も見繕ってるからついて来い」
「はあ。ユナ、セーヤとソラを頼みます」
ルースも仕方なさそうに立ち上がり、長と共に部屋を出て行った。
「それはかつて人間の王家が自分達の失態を隠す為に作った話だ」
当時、聖女になる可能性がある王女を守る為、東西南の守りの種族から護衛を派遣されていた。
今の緑の長ベイティ、それに空も当時はまだ若くそのメンバーに選ばれていた。
そしてそのメンバーに人間の女騎士がいたそうだ。その者は世界中を旅をして色んな冒険をした者だった。
その生き方に王女は憧れ、いつか自らも城を出て広い世界に飛び出したいと願っていたそうだ。
だが魔王が現れ、瘴気が北から発生してしまった。
王女の髪と瞳が金色に変化して光の聖女となった。
護衛メンバーにいた1人の人間の男が同様に光の勇者となった。
本来であれば光の王女は守りと癒しの術で世界を魔物や瘴気から守り、勇者は魔物や魔王と戦い弱らせてから、最終的に2人の力を合わせて魔王を封印するのがセオリー。
封印を成し得た後は勇者と聖女はそのまま結ばれる筈だった。
ところが光の聖女は何故か自ら魔王を封印すると宣言して女騎士と共に姿を消してしまった。
慌てた王の頼みで光の勇者が聖女の救出と魔王の討伐の為に北へ向かったが、とうとう彼も帰って来なかったという。
その後、魔王が勝利宣言し光の王女を生み出す王制は廃止させられ、王族は名乗る事を禁止された。
光の女神は役目を果たさなかった王女に大層怒り、今後人間から女性が生まれる確率を極端に減らされる事になった。
元王家は王族が女神を怒らせた事実を隠す為に、女騎士が、すなわち人間の女が王女をたぶらかした事にして事実を隠蔽した。
それを広く後世に絵本や童話として語り継ぐように仕向けたのだ。
「事実は全然違うのね。まさか女神の怒りが聖女様に対してだったなんて」
聞き終わってユナがほぅ、と溜め息を吐いた。
「あの時、オレが。オレ達がこうすべきだと頭から決めつけず、もっと王女の事を考えていれば…状況はマシだったかもしれん」
空が当時の悔しさを思い出す様に、遠い目をして呟いた。その様子から、空が当時王女を大事にしていた事が伝わってきた。
ベイティが場を仕切り直す様に話し出す。
「話が逸れたな。とりあえず今は本当にセーヤ殿が光の聖女なのか、または金を纏いし者なのかについてだが」
ベイティが太陽に視線を向ける。
「後ほど祓いの得意な聖職者にセーヤ殿を見てもらおう。何かわかるかもしれない。セーヤ殿良いか?」
「わかりました」
後ほど聖職者を交えて話の続きをする事でひと段落した。
場の空気が緩んだ。それぞれお茶を飲んだり、肩を回したりして寛ぐなか、長がルースに話しかけた。
「じゃあ次はルースの件だな。ついて来い。別室に移るぞ」
「長、勘弁してくださいよ。僕は復讐を終えるまで伴侶とか考えられません」
「…ダメだ。もう何人か候補も見繕ってるからついて来い」
「はあ。ユナ、セーヤとソラを頼みます」
ルースも仕方なさそうに立ち上がり、長と共に部屋を出て行った。
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