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プロローグ

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*後半、閲覧注意です*


ーーー


「ヴィラトリア嬢、僕はこの場で君との婚約破棄を宣言する!」

 婚約者のジェード様がワタクシを指差して叫びました。

「どういう事ですの?」

 ワタクシは手に持っていた扇子を広げ、表情が見えない様に口元を隠しました。

「しらばっくれるな!これまで君がシレネ嬢にした事を振り返ってみろ!」

 それからジェード様は、ワタクシが彼女に対して行った嫌がらせの数々を並べたてました。

 周囲にいた彼の友人達もそれを肯定するように声をあげます。シレネさんのファン達です。

 その内、周囲の人々もザワザワと騒ぎ出してきました。

「こんなに冷たい女だと思ってなかった!」
「……本気ですの?」
「もちろん本気だ!」
「では、婚約破棄を謹んでお受け致しますの」

 ワタクシは反論する事なく、その提案を受け入れました。

「…お二人の幸せを遠くから祈っております」

 そう言ってワタクシは身を翻し、顔を覆いながらその場を駆け出しました。恐らく周囲からは泣いてる様に見える事でしょう。

 背後からワタクシを呼ぶ声が聞こえましたが、無視して広間を飛び出しました。



 ワタクシ、フラれてしまいました。



 でも、これで良かったのです。



 どのみち、結婚は無理でしたもの。



 だってー。



 実はワタクシ…男なんだわ。



 だからオレは逃げ出した。



 ヴィラトリア・トルマリンという貴族の名を捨てて。



 剣と魔法を必死に学んで、実力をつけて。



 リアという平民の冒険者として生きると決めた。



 なのに。



 何でこんな事にー。



◇◇◇



「リア…ここは感じる?」

 そう言って、オレの元婚約者のジェードはオレの胸の粒に歯を立てた。その刺激に身体がビクンと反応する。

「あ…らめ」
「そんな顔で、説得力ないよ」

 元婚約者はオレの乳首に歯を立て、嫌らしく音を立てて吸った。もう片方も指で弄ってる。

「リアの乳首、もっと触ってって、ぷっくり膨らんで来たよ。可愛い」
「や…らぁ」

 やめて欲しいのに。身体に力が入らない。

 それどころか、さっき魔物に浴びせられた液体の媚薬効果で、オレは全身が性感帯になったみたいに身体が反応する状態だった。

「おれ、おとこ、らから」
「そんなの知ってるよ」

 ソッと囁く様に言って、ジェードはオレに口づけて来た。軽いキスから、徐々に貪る様なキスに変わる。

「ん、あ…」
「リア…ん、愛してる」

 口づけながらも、ジェードはオレの胸を弄り続けた。そこからビクビクとした快感が生まれ、気づけば腰が動いていた。

「はぁ、ずっと、君の事が好きだったんだ」

 ジェードの手がオレのズボンにかかった。そこはもう明らかに分かる程、反応してズボンが盛り上がっていた。

 ジェードがオレのズボンと下着を脱がすと、オレのモノが勢い良く顔を出した。

 ジェードの手がオレのを優しく掴んだ。それだけでビクビクと反応して、身体の奥から快感が這い上がってくる。

 羞恥と快感の狭間で、オレはもう頭がおかしくなりそうだった。どうしていいか分からなくて涙が出てくる。

「リア、泣かないで。苦しいだろ?僕が発散させてあげるから」
「はじめれらから、こわい…」

 オレの言葉に、ジェードがピタッと動きを止めた。真剣な顔でオレを見る。

「…初めて?」

 こく、と涙目で頷いた瞬間。ジェードの雰囲気が変わった。何だか目の色が変わった様に見える。

「リア、ごめん。本当は触るだけにしようと思ってたけど、無理そうっ。優しくするから」
「んん、」

 ジェードがオレに再び口づけたと思ったら、ジェードの舌が口に入ってきた。オレの舌を吸いながら、下のモノも扱いてくる。

「んん!んー、んん!」

 男同士というまさかのシチュエーションとか。
 身体中を包む媚薬の効果とか。
 ジェードからの熱い告白とか。

 そこに待ちに待った刺激が加わって。

 オレは一気に快楽の波に飲み込まれたー。



ーーー


 連載開始は夏頃を予定しています。

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