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第2話 晴れ時々槍の雨
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「リオニス様……? リオニス様ッ!?」
会場の外でうずくまっていると、妙に聞き慣れた声音が鼓膜を刺激する。
「どうしたの! ってすごい出血なの!? 顔面がトマトみたいになってしまってるの!」
毛先にいくにつれて黒髪から桃色に変化したハーフツインヘアーのお仕着せ姿の少女が、心配そうに顔を覗き込んでくる。
「ユニ……か?」
このような醜き顔になって塞ぎ込んでいた俺は、たまたま奴隷商からひどい扱いを受けていた少女を見かけてしまった。
哀れな少女にそのときの自分を重ねてしまった俺は、見て見ぬ振りをすることもできず、つい同情的になり買い取ってしまう。
買い取った手前捨て置くこともできず、俺は彼女を侍女として雇うことにしたのだ。
以来、彼女だけは嫌われ者の俺にずっと仕えてくれている。
「うぅっ」
「動いちゃダメなの!」
なぜ俺はこんなにも鮮明にあの日のことを覚えているのだろう。
これでは本当に俺がラスボスに……畜生。
なんでよりによってリオニス・グラップラーなのだ!
徐々に冷静さを取り戻し、自分がリオニス・グラップラーであることを思い出していく。
何度目かの溜息が無情にも吐き出された。
「いいからリオニス様はここに座ってるの!」
このままではいずれユニも主人公の毒牙に掛かってしまい、俺の元から去って行ってしまう。
ユニをあんな奴のハーレム要員になんてさせるわけにはいかない。
主である俺が守ってやらねば!
「今馬車を呼んでくるからリオニス様は大人しく待ってるの。絶対に動いちゃダメなの!」
「リオニス様、やっぱりパーティで最悪が起きちゃったの?」
ユニが御者を務める馬車に乗り込んだ俺は帰宅。
現在はソファで横になっている。
胸の痛みはすっかり引いていた。
気になることといえば、もう少しちゃんと包帯を巻いてほしいと思ってしまうことくらい。これではギャグ漫画ではないか。
なにより、すでに回復魔法で完治済みだ。
「実は……」
薄々ユニも気付いている、というか今日アリシアが俺に婚約解消を言い出すかもしれないという情報を事前に知らせてくれたのは、何を隠そう彼女だったということを思い出した。
リオニスがあれほどアレスを目の敵にしていたのはこういうことだったのか。
自分がリオニスになってはじめて知る新事実に、胸が痛い。
アレスを死ぬほど恨むわけだ。
ちなみに彼女の名はユニ・ユニーク。
普段はトンチンカンなドジっ娘メイドを演じているが、彼女は元々とある教団で暗殺者として訓練を受けていた。
10歳の頃に任務に失敗して奴隷落ちしてしまった彼女を、俺が買ったというわけだ。
「やっぱりこうなってしまったの」
ユニは事前に婚約破棄を言い渡されることをわかっていたんだから、何とかできなかったのかと責め立てては小言を並べる。
「ユニにひとつ聞きたいのだが、俺ってそんなに嫌な奴だったのか?」
「自覚がないことがびっくりなくらいなの。リオニス様の前で笑ったってだけで、顔のことを嗤われたと思い込んだリオニス様にとことん追い詰められるの。相手が公爵家、それも第三王女の婚約者ともなれば誰も文句言えないの。授業もろくに出ないから先生たちはみんな困り果ててたの。しかも先生たちにまで自分が公爵家の人間であることを鼻にかけて接していたの。当然先生たちからは総スカンを食らっていたの。リオニス様が通るだけで、みんな死人のように青ざめていくの。食堂では―――」
「もういいもういい、わかったから」
道理であのような犯罪者を見るような眼を向けられるわけだ。
「ユニはよく今日までそんな俺を仕えてくれていたな」
「ま、まぁ当然なの。ユニはリオニス様に……助けられたの!」
「本当にすまんっ!」
この通りだと頭を下げれば、死んだと思ったものが急に蘇ったような驚きに目を見開くユニ。
「リオニス様は振られたショックで頭がおかしくなってしまったの!?」
「そこまで言うことないだろ?」
「ひょっとして偽物なの?」
「なっわけあるか!」
「信じられないの! 自分意外はゴミ屑同然だと言わんばかりの、あの傲慢なリオニス様が人に頭を下げるなんて、明日は世界に槍の雨が降るの!?」
槍の雨って……俺は世界を滅ぼす大王かよ。
いや、まあ……悲しいことにラスボスだから強ち間違っていないのだがな。
「でも、これからどうするつもりなの? 第三王女様との婚約が解消されたことを旦那様が知ってしまったら、グラップラー家でリオニス様の立場はないも同然なの」
「………」
やはりそうなるのか。
【恋と魔法とクライシス】において、ゾンビ公爵ことリオニス・グラップラーが本格的にアメント国を憎むようになるきっかけは、たしかにアリシアに婚約を解消されたことが大きな要因のひとつになってはいるが、そもそも勘当されなければ学園を離れることはなかった。
学園を追われて行き場を失ったリオニスは、憎しみの炎を滾らせながら世界に復讐すべくラスボス街道まっしぐらとなる。
しかし、幸いまだ正式に婚約破棄が決まったわけではない。
そりゃあんだけ派手に事を荒立てたのだから、校内で噂になるのも時間の問題だとは思う。
けれどこれまた幸いなことに、ここアルカミア魔法学校は一部大貴族を除いて全寮制である。
公爵家である俺は寮ではなく、グラップラー家が所有する屋敷から通っている。
アリシアにしても同様だ。
今回一方的に婚約解消を言い渡されてしまったが、何度もいうように正式ではない。
が、俺がアリシアに婚約解消を迫られていることを彼女の父――国王陛下や父上が知るのも時間の問題だ。
そうなれば、威厳と矜持にうるさい父上に難癖つけられて勘当される未来しかない。
よって今回の件が父上に知られる前に、俺はアリシアとの関係を修復しなければならない。
でなければ、破滅コースへと一歩前進してしまう。
なによりあの女ったらしと一緒になったところで、アリシアが幸せになる未来など訪れない。
だが、問題はやはりあの不可思議な熱と痛みだ。
あのときアレスを気遣うアリシアに嫉妬したことが原因で、あの熱と痛みは襲ってきたのだろうか?
だとしても、やはりあの感覚は説明がつかない。
思ってもない言葉が口から飛び出した挙げ句、誰かに操られているように体が勝手に動いた。
まるで破滅という名の呪いにかかってしまったかのように、運命に抗おうとした俺に死神が正しき道を示すかの如く、だ。
もしもあれが本当にゲームによる矯正力だったとしたなら、俺はこの先本当に破滅を回避できるのだろうか。
いや、今は考えるのはよそう。
俺はゲームの設定に抗うと決めたばかりなのだ。
「どうするつもりなの?」
「俺がアリシアから婚約解消を迫られていることは、間違いなく今夜中には全学年に知れ渡るだろう。そうなれば、直に父上の耳にも入ることになる」
「絶体絶命なの。そうなったら絶対に旦那様はここぞとばかりにリオニス様と家族の縁を切ろうとするの」
「だろうな」
ただでさえ、父上は社交界で醜いゾンビ公爵と陰口を叩かれる息子を疎ましく思っている。
体面ばかりを気にする父上が、未だに俺と縁を切らないのは、偏に俺が第三王女であるアリシアの婚約者であるからだ。
それが破棄されたとなれば、父上にとって俺は醜いだけの息子でしかない。
公爵家に泥をぬるような醜い俺のことは、容赦なく切り捨てるだろう。
「アリシアに思い直してもらうしかないな」
「それが無理ならどうするの?」
「……俺自身に何か付加価値を付けるしかない」
「醜いゾンビ公爵と忌み嫌われているリオニス様に、そんなこと可能なの?」
……相変わらずはっきり物を言うやつだ。
「正直、今はわからない」
やれやれと呆れたように首を振る暗殺者メイド。
困難な道のりになることは百も承知。
相手はこの世界の主人公。どのような最低な言動でさえ、謎の主人公補正でかっこいいとなってしまう。
かたや俺は嫌われ者のラスボス。ちょっとやそっとの善良な行いでは見向きもされない。しかも謎の矯正力によって悪党パフォーマンス向上のおまけ付きだ。
やってられるかッ!
と、言いたいところだけれど、嘆いてばかりいても正直つまらん。
ネガティブは人の心を腐らせる。辛く困難なときほどポジティブシンキング。
形はどうあれ、俺は大好きだったゲーム【恋と魔法とクライシス】の世界にいるのだ。
できることならここでの学園生活をエンジョイしたいと考えている。
運命に抗いながらも全力で今を楽しむ。
その上で目指すは学園カースト上位の人気者だ!
よし、少しはやる気が出てきたぞ!
会場の外でうずくまっていると、妙に聞き慣れた声音が鼓膜を刺激する。
「どうしたの! ってすごい出血なの!? 顔面がトマトみたいになってしまってるの!」
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このような醜き顔になって塞ぎ込んでいた俺は、たまたま奴隷商からひどい扱いを受けていた少女を見かけてしまった。
哀れな少女にそのときの自分を重ねてしまった俺は、見て見ぬ振りをすることもできず、つい同情的になり買い取ってしまう。
買い取った手前捨て置くこともできず、俺は彼女を侍女として雇うことにしたのだ。
以来、彼女だけは嫌われ者の俺にずっと仕えてくれている。
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なぜ俺はこんなにも鮮明にあの日のことを覚えているのだろう。
これでは本当に俺がラスボスに……畜生。
なんでよりによってリオニス・グラップラーなのだ!
徐々に冷静さを取り戻し、自分がリオニス・グラップラーであることを思い出していく。
何度目かの溜息が無情にも吐き出された。
「いいからリオニス様はここに座ってるの!」
このままではいずれユニも主人公の毒牙に掛かってしまい、俺の元から去って行ってしまう。
ユニをあんな奴のハーレム要員になんてさせるわけにはいかない。
主である俺が守ってやらねば!
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「リオニス様、やっぱりパーティで最悪が起きちゃったの?」
ユニが御者を務める馬車に乗り込んだ俺は帰宅。
現在はソファで横になっている。
胸の痛みはすっかり引いていた。
気になることといえば、もう少しちゃんと包帯を巻いてほしいと思ってしまうことくらい。これではギャグ漫画ではないか。
なにより、すでに回復魔法で完治済みだ。
「実は……」
薄々ユニも気付いている、というか今日アリシアが俺に婚約解消を言い出すかもしれないという情報を事前に知らせてくれたのは、何を隠そう彼女だったということを思い出した。
リオニスがあれほどアレスを目の敵にしていたのはこういうことだったのか。
自分がリオニスになってはじめて知る新事実に、胸が痛い。
アレスを死ぬほど恨むわけだ。
ちなみに彼女の名はユニ・ユニーク。
普段はトンチンカンなドジっ娘メイドを演じているが、彼女は元々とある教団で暗殺者として訓練を受けていた。
10歳の頃に任務に失敗して奴隷落ちしてしまった彼女を、俺が買ったというわけだ。
「やっぱりこうなってしまったの」
ユニは事前に婚約破棄を言い渡されることをわかっていたんだから、何とかできなかったのかと責め立てては小言を並べる。
「ユニにひとつ聞きたいのだが、俺ってそんなに嫌な奴だったのか?」
「自覚がないことがびっくりなくらいなの。リオニス様の前で笑ったってだけで、顔のことを嗤われたと思い込んだリオニス様にとことん追い詰められるの。相手が公爵家、それも第三王女の婚約者ともなれば誰も文句言えないの。授業もろくに出ないから先生たちはみんな困り果ててたの。しかも先生たちにまで自分が公爵家の人間であることを鼻にかけて接していたの。当然先生たちからは総スカンを食らっていたの。リオニス様が通るだけで、みんな死人のように青ざめていくの。食堂では―――」
「もういいもういい、わかったから」
道理であのような犯罪者を見るような眼を向けられるわけだ。
「ユニはよく今日までそんな俺を仕えてくれていたな」
「ま、まぁ当然なの。ユニはリオニス様に……助けられたの!」
「本当にすまんっ!」
この通りだと頭を下げれば、死んだと思ったものが急に蘇ったような驚きに目を見開くユニ。
「リオニス様は振られたショックで頭がおかしくなってしまったの!?」
「そこまで言うことないだろ?」
「ひょっとして偽物なの?」
「なっわけあるか!」
「信じられないの! 自分意外はゴミ屑同然だと言わんばかりの、あの傲慢なリオニス様が人に頭を下げるなんて、明日は世界に槍の雨が降るの!?」
槍の雨って……俺は世界を滅ぼす大王かよ。
いや、まあ……悲しいことにラスボスだから強ち間違っていないのだがな。
「でも、これからどうするつもりなの? 第三王女様との婚約が解消されたことを旦那様が知ってしまったら、グラップラー家でリオニス様の立場はないも同然なの」
「………」
やはりそうなるのか。
【恋と魔法とクライシス】において、ゾンビ公爵ことリオニス・グラップラーが本格的にアメント国を憎むようになるきっかけは、たしかにアリシアに婚約を解消されたことが大きな要因のひとつになってはいるが、そもそも勘当されなければ学園を離れることはなかった。
学園を追われて行き場を失ったリオニスは、憎しみの炎を滾らせながら世界に復讐すべくラスボス街道まっしぐらとなる。
しかし、幸いまだ正式に婚約破棄が決まったわけではない。
そりゃあんだけ派手に事を荒立てたのだから、校内で噂になるのも時間の問題だとは思う。
けれどこれまた幸いなことに、ここアルカミア魔法学校は一部大貴族を除いて全寮制である。
公爵家である俺は寮ではなく、グラップラー家が所有する屋敷から通っている。
アリシアにしても同様だ。
今回一方的に婚約解消を言い渡されてしまったが、何度もいうように正式ではない。
が、俺がアリシアに婚約解消を迫られていることを彼女の父――国王陛下や父上が知るのも時間の問題だ。
そうなれば、威厳と矜持にうるさい父上に難癖つけられて勘当される未来しかない。
よって今回の件が父上に知られる前に、俺はアリシアとの関係を修復しなければならない。
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なによりあの女ったらしと一緒になったところで、アリシアが幸せになる未来など訪れない。
だが、問題はやはりあの不可思議な熱と痛みだ。
あのときアレスを気遣うアリシアに嫉妬したことが原因で、あの熱と痛みは襲ってきたのだろうか?
だとしても、やはりあの感覚は説明がつかない。
思ってもない言葉が口から飛び出した挙げ句、誰かに操られているように体が勝手に動いた。
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もしもあれが本当にゲームによる矯正力だったとしたなら、俺はこの先本当に破滅を回避できるのだろうか。
いや、今は考えるのはよそう。
俺はゲームの設定に抗うと決めたばかりなのだ。
「どうするつもりなの?」
「俺がアリシアから婚約解消を迫られていることは、間違いなく今夜中には全学年に知れ渡るだろう。そうなれば、直に父上の耳にも入ることになる」
「絶体絶命なの。そうなったら絶対に旦那様はここぞとばかりにリオニス様と家族の縁を切ろうとするの」
「だろうな」
ただでさえ、父上は社交界で醜いゾンビ公爵と陰口を叩かれる息子を疎ましく思っている。
体面ばかりを気にする父上が、未だに俺と縁を切らないのは、偏に俺が第三王女であるアリシアの婚約者であるからだ。
それが破棄されたとなれば、父上にとって俺は醜いだけの息子でしかない。
公爵家に泥をぬるような醜い俺のことは、容赦なく切り捨てるだろう。
「アリシアに思い直してもらうしかないな」
「それが無理ならどうするの?」
「……俺自身に何か付加価値を付けるしかない」
「醜いゾンビ公爵と忌み嫌われているリオニス様に、そんなこと可能なの?」
……相変わらずはっきり物を言うやつだ。
「正直、今はわからない」
やれやれと呆れたように首を振る暗殺者メイド。
困難な道のりになることは百も承知。
相手はこの世界の主人公。どのような最低な言動でさえ、謎の主人公補正でかっこいいとなってしまう。
かたや俺は嫌われ者のラスボス。ちょっとやそっとの善良な行いでは見向きもされない。しかも謎の矯正力によって悪党パフォーマンス向上のおまけ付きだ。
やってられるかッ!
と、言いたいところだけれど、嘆いてばかりいても正直つまらん。
ネガティブは人の心を腐らせる。辛く困難なときほどポジティブシンキング。
形はどうあれ、俺は大好きだったゲーム【恋と魔法とクライシス】の世界にいるのだ。
できることならここでの学園生活をエンジョイしたいと考えている。
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