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10:最後の手段
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『…それはそうと、ミコちゃんの方は大丈夫だったかい?病院では特に騒ぎも起きていないみたいだし問題はなさそうだったけど』
「ああ、アイツは無事連れて帰ってきた。朝から余計な心配掛けて本当にすみませんでした」
そう電話口で父親に今回のことを謝罪しながら、傍に眠るミコへと視線を移した。
ミコはかなり消耗していたのか、帰り道からずっと眠ったままだ。
ポケットに入れたまま連れ帰り、寝床にしている籠の中へ入れておいたその中で、今もミコは小さく丸くなって眠っていた。
父親との電話を切った後、朝霧はスマホをベッド上へ放ると大きく伸びをした。
(何だか、ドッと疲れたな…)
目を閉じていたら、そのまま眠ってしまいそうだ。
だが、不意にミコの様子が気になり朝霧は立ち上がると、ミコが眠る籠の傍まで歩み寄った。
ミコは未だに静かに眠っていた。
朝霧は小さな籠をそっと取り上げると、それを自分の机の上に置き、自らも椅子へと腰掛けた。
僅かに揺れても身動きすることなく眠っているミコ。
(余程、疲れているのか…)
その可愛い寝顔に癒されながらも、朝霧は先程病院でのミコの様子を思い返していた。
辻原が自分たちの前に姿を現した時。ミコは咄嗟にポケットから飛び出そうとした。だが、
「駄目だっ」
朝霧は、すぐにそれに反応してミコの動きを封じた。
「ああ、アイツは無事連れて帰ってきた。朝から余計な心配掛けて本当にすみませんでした」
そう電話口で父親に今回のことを謝罪しながら、傍に眠るミコへと視線を移した。
ミコはかなり消耗していたのか、帰り道からずっと眠ったままだ。
ポケットに入れたまま連れ帰り、寝床にしている籠の中へ入れておいたその中で、今もミコは小さく丸くなって眠っていた。
父親との電話を切った後、朝霧はスマホをベッド上へ放ると大きく伸びをした。
(何だか、ドッと疲れたな…)
目を閉じていたら、そのまま眠ってしまいそうだ。
だが、不意にミコの様子が気になり朝霧は立ち上がると、ミコが眠る籠の傍まで歩み寄った。
ミコは未だに静かに眠っていた。
朝霧は小さな籠をそっと取り上げると、それを自分の机の上に置き、自らも椅子へと腰掛けた。
僅かに揺れても身動きすることなく眠っているミコ。
(余程、疲れているのか…)
その可愛い寝顔に癒されながらも、朝霧は先程病院でのミコの様子を思い返していた。
辻原が自分たちの前に姿を現した時。ミコは咄嗟にポケットから飛び出そうとした。だが、
「駄目だっ」
朝霧は、すぐにそれに反応してミコの動きを封じた。
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