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7:朝霧くんの観察日記2

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…夢を見ていた。

先程から、夢だという自覚が何故だか自分の中にあった。


「アイツ…何処へ行ったんだ?」

ずっと、薄暗い一本道をひたすらに歩き続けている。
此処が何処であるとか、そんなことは何も気にはならず、ただ探していた。

…そう、あの小さな子猫を。

またカラスに襲われたりしていないか。
ふと、そんな心配が頭をよぎるが、周囲にカラスなどの気配は何もなく、しん…と静まり返っている。

だが、それさえも特別気にはならない。

それでも、この先に子猫がいることが分かっているかのように、足を止めることなく前へと運び続ける。

「アイツの行動は読めないからな…」

思わぬ所から今にも飛び出して来そうだ。


俺は自分でも動物好きだという自覚はある。
だから素直に子猫を可愛いと思っているし、成り行きとはいえ飼うことになったのを後悔なんかしていない。
むしろ動物を飼うということそのものが懐かしく、少し嬉しかったぐらいだ。

だが、見た目は可愛いふわふわの小さな子猫だが、アイツはどこか変わっている。
俺の中では、ヘンな猫だという認識は消えずにいた。

とても感情が表に出やすく表情が豊か。

猫だって生き物だ。
どんな奴にだって性格はあるし、その時々で態度や表情を見せるのが普通だ。

だが、あの子猫は『何か』が違うと感じていた。

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