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1:樹の上の子猫
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何にしても、まずはここから抜け出さなくては。
実琴は、ほふく前進のように腕に力を込めた。…が。
(あれ…?)
視界に妙な違和感が生じた。
目の前にある自分の腕が、まるで獣のように毛むくじゃらだったのだ。
(ま…まさか、そんなワケ…。私、頭打っておかしくなっちゃったのかな?)
実琴は現実逃避をするように空を見上げた。
空はどんよりと暗く、今にも雨粒が落ちてきそうだ。
(本当に早く帰らないと、雨が降ってきちゃうよ)
でも、何故だろう?この樹…こんなに大きかったっけ ?
見上げた先程登った樹は、まるで天まで高くそびえるほどに大きく見える。
不安に駆られた実琴は、今度はぐるりと周囲を見渡した。
敢えて自分の腕は見ないようにしていたけれど。
それは、不思議な光景だった。
周囲に生えている草も背が高く太く、今まで見たこともないもののように見える。
隣にそびえ立つ、とてつもなく太い幹の横には見慣れた鞄。
さっき、自分が置いたものだ。だが、大きさが半端ない。
(全ての物が大きくなってる…?いや、違う…私が小さくなってるんだ…)
それに、ただ小さくなったんじゃない。
改めて自分の両腕を目前に掲げて見た。
フワフワの毛。そして手のひらには肉きゅう。
信じられない。
信じたくはない、けど…。
(私、ネコになっちゃってるッ??)
実琴は、ほふく前進のように腕に力を込めた。…が。
(あれ…?)
視界に妙な違和感が生じた。
目の前にある自分の腕が、まるで獣のように毛むくじゃらだったのだ。
(ま…まさか、そんなワケ…。私、頭打っておかしくなっちゃったのかな?)
実琴は現実逃避をするように空を見上げた。
空はどんよりと暗く、今にも雨粒が落ちてきそうだ。
(本当に早く帰らないと、雨が降ってきちゃうよ)
でも、何故だろう?この樹…こんなに大きかったっけ ?
見上げた先程登った樹は、まるで天まで高くそびえるほどに大きく見える。
不安に駆られた実琴は、今度はぐるりと周囲を見渡した。
敢えて自分の腕は見ないようにしていたけれど。
それは、不思議な光景だった。
周囲に生えている草も背が高く太く、今まで見たこともないもののように見える。
隣にそびえ立つ、とてつもなく太い幹の横には見慣れた鞄。
さっき、自分が置いたものだ。だが、大きさが半端ない。
(全ての物が大きくなってる…?いや、違う…私が小さくなってるんだ…)
それに、ただ小さくなったんじゃない。
改めて自分の両腕を目前に掲げて見た。
フワフワの毛。そして手のひらには肉きゅう。
信じられない。
信じたくはない、けど…。
(私、ネコになっちゃってるッ??)
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