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おじさんはリアルでも奇跡を起こす
第036話 パパになる
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ようやく家に帰ってきた俺たち。
「お腹ペコペコ~」
「ピュッ」
「きゅうっ」
「きゅん」
「ピッ」
リビングに入るなり、皆が悲し気に声を上げる。
思えば早朝からずっと何も食べていない。そりゃあ、お腹もすくわけだ。
「すぐ作ろう」
「私も手伝うね」
「おう。頼むな」
炊飯器で炊ける最大量のご飯を炊き、油揚げ料理の準備を進めていく。亜理紗が手伝ってくれるというので頼むことにした。
――ピピーッ、ピピーッ
五目いなり以外の料理を作り終えた頃、ご飯が炊ける。少し蒸らした後で、桶に取り出していなりに詰める具材を入れて軽く混ぜ合わせる。
「よし、後は中に詰めるだけだ」
「はーい」
「きゅう……」
「きゅん……」
マヒルとヨルがテーブルの端に手を掛けて上にひょっこりと頭を出して、興味深そうに俺たちが油揚げの中にご飯を詰める作業を見つめていた。
「二人ともやってみるか?」
うずうずしている様子を見て二人を誘ってみる。
亜理紗も同じくらいの年齢の時に手伝ったことがある。彼女たちにやらせてみてもいいだろう。
「きゅううううんっ」
「きゅうううううっ」
マヒルとヨルは満開の笑顔を咲かせて嬉しそうに尻尾をブンブンと振って俺に抱き着いた。
うっ……二人が可愛すぎる。
「いいか? こうやってこの中に入れるんだ。分かったか?」
「きゅんっ!!」
「きゅうっ!!」
なんとか正気に戻り、俺が実際にやってみせながら説明すると、マヒルとヨルはシュバッと手を挙げて頷いた。
「それじゃあ、一つやってみてくれ」
俺の指示に従い、二人は油揚げを持って中にご飯を詰めていく。
「きゅっ!!」
「きゅう」
全部入れ終わると、少し歪だが食べるには問題なさそうな五目いなりができた。
二人はそれを俺に差し出す。
「おお、初めてにしては上出来だ」
「きゅうっ!!」
「きゅんっ!!」
俺が二人の頭を撫でると、嬉しそうに目を細めて尻尾をわさわさと振った。
その姿は、もうずっと見ていられるくらいだ。
問題ないと思った俺は、二人にも手伝ってもらい、いなりを作っていく。彼女たちも一生懸命包み始める。
「これで終わりだな。んっ? お前たち、顔にご飯粒がついているじゃないか」
全部終わったところでマヒルとヨルの顔を見ると、あちこちにご飯粒を付けていたので拭ってやった。
これは二人が初めて作った五目いなり。正直食べるのが勿体ないくらいだ。
「ふふふっ。もう、すっかりパパだね」
「そうかもな」
俺達の様子を見ていた亜理紗が微笑む。
この子たちは見た目よりも賢いし、聞き分けもいいので普通の子供とは言えないけど、やっていることは子育てとよく似ている。
「「?」」
マヒルとヨルは俺たちの顔を見て不思議そうに首を傾げる。
「おじさんがパパみたいだねって話してるんだよ?」
「「きゅう?」」
亜理紗がマヒルとヨルに言い聞かせるがよく分かっていないらしい。
「おじさんは二人のお父さん、親ってこと」
「きゅんっ!!」
「きゅうっ」
亜理紗が言い換えると、それで意味が分かったらしく、二人は嬉しそうに俺にくっついてきた。
「こらこら、ご飯粒が付くだろ?」
「うふふっ。二人とも本当に嬉しそうだね、本当にパパになったら?」
俺が照れて二人を離れさせようとすると、亜理紗が俺たちを見て微笑まし気にニッコリと笑う。
「……それもいいか」
亜理紗に言われて別にそれも悪くないと思う自分がいることに気づく。
彼女たちが俺の許に来て一週間程度。
「二人もパパって呼んでみよ? パパだよ。パーパ」
亜理紗が二人に変な事を言い出す。
彼女たちは見た目は人だけど、言葉も話せるようになるのか?
「パ、パ?」
「パッパっ?」
亜理紗が何度も言うのを聞いていた二人が、初めて鳴き声以外の言葉を呟いた。
――ドクンッ
その瞬間、なんとも言えない感情が胸に渦巻いて締め付けられる。
「いいよ、その調子。パパだよ、パパ」
「パァパ」
「パーパ?」
亜理紗が教える度に言葉が近づいてくる。
「パパだよ。ほら、もう一度。パパ」
「パパー?」
「パパッ!!」
そして、ついにほぼ完ぺきに言葉を発することができた。
自分のことじゃないのにもの凄く嬉しい気持ちになる。
「バッチリ!!」
「「パパッ」」
「うっ」
亜理紗が太鼓判を押すと、マヒルとヨルはそう言って俺に再び抱き着いてきた。なんだか二人が愛おしい感情が心の奥底から湧き上がって感極まってしまう。
「この気持ちはなんだろうな……?」
「多分父性じゃないかな?」
「そうか。俺にもそんなものがあったのか」
「おじさんは昔から父性があったと思うけどね」
亜理紗の世話をしていた時に感じていたこれが父性というものか。
今日この日、改めて俺はマヒルたちのパパになった。
「お腹ペコペコ~」
「ピュッ」
「きゅうっ」
「きゅん」
「ピッ」
リビングに入るなり、皆が悲し気に声を上げる。
思えば早朝からずっと何も食べていない。そりゃあ、お腹もすくわけだ。
「すぐ作ろう」
「私も手伝うね」
「おう。頼むな」
炊飯器で炊ける最大量のご飯を炊き、油揚げ料理の準備を進めていく。亜理紗が手伝ってくれるというので頼むことにした。
――ピピーッ、ピピーッ
五目いなり以外の料理を作り終えた頃、ご飯が炊ける。少し蒸らした後で、桶に取り出していなりに詰める具材を入れて軽く混ぜ合わせる。
「よし、後は中に詰めるだけだ」
「はーい」
「きゅう……」
「きゅん……」
マヒルとヨルがテーブルの端に手を掛けて上にひょっこりと頭を出して、興味深そうに俺たちが油揚げの中にご飯を詰める作業を見つめていた。
「二人ともやってみるか?」
うずうずしている様子を見て二人を誘ってみる。
亜理紗も同じくらいの年齢の時に手伝ったことがある。彼女たちにやらせてみてもいいだろう。
「きゅううううんっ」
「きゅうううううっ」
マヒルとヨルは満開の笑顔を咲かせて嬉しそうに尻尾をブンブンと振って俺に抱き着いた。
うっ……二人が可愛すぎる。
「いいか? こうやってこの中に入れるんだ。分かったか?」
「きゅんっ!!」
「きゅうっ!!」
なんとか正気に戻り、俺が実際にやってみせながら説明すると、マヒルとヨルはシュバッと手を挙げて頷いた。
「それじゃあ、一つやってみてくれ」
俺の指示に従い、二人は油揚げを持って中にご飯を詰めていく。
「きゅっ!!」
「きゅう」
全部入れ終わると、少し歪だが食べるには問題なさそうな五目いなりができた。
二人はそれを俺に差し出す。
「おお、初めてにしては上出来だ」
「きゅうっ!!」
「きゅんっ!!」
俺が二人の頭を撫でると、嬉しそうに目を細めて尻尾をわさわさと振った。
その姿は、もうずっと見ていられるくらいだ。
問題ないと思った俺は、二人にも手伝ってもらい、いなりを作っていく。彼女たちも一生懸命包み始める。
「これで終わりだな。んっ? お前たち、顔にご飯粒がついているじゃないか」
全部終わったところでマヒルとヨルの顔を見ると、あちこちにご飯粒を付けていたので拭ってやった。
これは二人が初めて作った五目いなり。正直食べるのが勿体ないくらいだ。
「ふふふっ。もう、すっかりパパだね」
「そうかもな」
俺達の様子を見ていた亜理紗が微笑む。
この子たちは見た目よりも賢いし、聞き分けもいいので普通の子供とは言えないけど、やっていることは子育てとよく似ている。
「「?」」
マヒルとヨルは俺たちの顔を見て不思議そうに首を傾げる。
「おじさんがパパみたいだねって話してるんだよ?」
「「きゅう?」」
亜理紗がマヒルとヨルに言い聞かせるがよく分かっていないらしい。
「おじさんは二人のお父さん、親ってこと」
「きゅんっ!!」
「きゅうっ」
亜理紗が言い換えると、それで意味が分かったらしく、二人は嬉しそうに俺にくっついてきた。
「こらこら、ご飯粒が付くだろ?」
「うふふっ。二人とも本当に嬉しそうだね、本当にパパになったら?」
俺が照れて二人を離れさせようとすると、亜理紗が俺たちを見て微笑まし気にニッコリと笑う。
「……それもいいか」
亜理紗に言われて別にそれも悪くないと思う自分がいることに気づく。
彼女たちが俺の許に来て一週間程度。
「二人もパパって呼んでみよ? パパだよ。パーパ」
亜理紗が二人に変な事を言い出す。
彼女たちは見た目は人だけど、言葉も話せるようになるのか?
「パ、パ?」
「パッパっ?」
亜理紗が何度も言うのを聞いていた二人が、初めて鳴き声以外の言葉を呟いた。
――ドクンッ
その瞬間、なんとも言えない感情が胸に渦巻いて締め付けられる。
「いいよ、その調子。パパだよ、パパ」
「パァパ」
「パーパ?」
亜理紗が教える度に言葉が近づいてくる。
「パパだよ。ほら、もう一度。パパ」
「パパー?」
「パパッ!!」
そして、ついにほぼ完ぺきに言葉を発することができた。
自分のことじゃないのにもの凄く嬉しい気持ちになる。
「バッチリ!!」
「「パパッ」」
「うっ」
亜理紗が太鼓判を押すと、マヒルとヨルはそう言って俺に再び抱き着いてきた。なんだか二人が愛おしい感情が心の奥底から湧き上がって感極まってしまう。
「この気持ちはなんだろうな……?」
「多分父性じゃないかな?」
「そうか。俺にもそんなものがあったのか」
「おじさんは昔から父性があったと思うけどね」
亜理紗の世話をしていた時に感じていたこれが父性というものか。
今日この日、改めて俺はマヒルたちのパパになった。
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