7 / 50
おじさんはチュートリアルから奇跡を起こす
第007話 ランダムさん「探さないでください」
しおりを挟む
次の日。
「それじゃあ、ステータスの説明をするね」
「ああ」
昨日は亜理紗が意気消沈してしまい、そのまま続けられそうになかったので、彼女を家まで送った。
別にいいと言ったのだが、昨日と同じ場所で続きを教えてもらうことになって今に至る。
「おじさん、レベル上がってるよね?」
「ん? ちょっと待ってくれ」
亜理紗の言葉を聞いて自分のステータスを開いてみる。
「四まで上がってる」
「レベルが上がると、ステータスポイントってものが貰えるんだけど、それを能力値に振り分けることで、自分の能力を高めることができるの」
「ああ、これか。なるほどな」
ステータスにはPHY、DEX、PSI、RES、LUKの五つの能力値がある。それぞれ身体強度、器用さ、魔力、抵抗力、運を示しているとのこと。
能力値にポイントを振り割ると、対応した能力が強化されるらしい。ポイントを振るだけで強くなれるなんて便利なシステムだ。
「レベルが上がるごとに貰える基本ステータスポイントは一~三でランダム。それに職業による追加ポイントが加算されるの。下級職で一ポイント、上級職で一~二ポイント、最上級職で一~三ポイントね。しかも、レベルアップ以外で貰える方法で今分かっているのは、初めての称号を誰かが獲得した時のボーナスくらい。つまり、職業とレベルアップ毎のステータスポイントの数字が物凄く大事になってくる。職業は世界が変わった時にランダムで再選択されてしまってもうどうしようもない。だから、皆レベルアップする前に神社で祈ったり、祈祷を受けたりしてるよ」
「そうなのか」
ステータスポイントを手に入れられる手段が限られるのなら、レベルアップした時の数字の平均が高い人の方が優位に立てる。多分職業によるヒエラルキーが形成されてるんだろうな。
「亜理紗の職業はなんなんだ?」
「ふっふっふぅ。よくぞ聞いてくれました!! 拳《こぶし》の帝《みかど》って書いて拳帝《けんてい》だよ!! 最上級職なの!!」
気になったので尋ねてみると、亜理紗は嬉しそうにドヤ顔で言い放つ。
「へぇ~、亜理紗にぴったりな職業だな」
「えへへ、でしょ?」
俺が褒めると、彼女はほんのり頬を朱色に染めてはにかむ。
姪っ子が嬉しそうにしている姿はやっぱり可愛いな。
思わず頬が綻ぶ。
「私は今レベルが十六。レベルアップで貰ったステータスポイントは全部で六十だったと思う」
「おお、かなり高いじゃないか」
十五回レベルが上がって六十ポイントってことは平均四上がっているってことだ。亜理紗はかなり運が良いと思う。
「凄いでしょ。おじさんも十くらいはあると思う。確認してみて」
「分かった」
俺は亜理紗の指示に従い、自分のステータスポイントを確認する。
「ん?」
見間違いと思って目をこすってからもう一度確認してみるが、その数字は変わらなかった。
「どうしたの?」
困惑していると、亜理紗が俺の顔を覗き込む。
「なんだか、ステータスポイントの数字がおかしくてな」
「どういうこと?」
「ステータスポイントが四十八ポイントあるんだ」
「はぁ!? それってホント!?」
俺の答えを聞いた亜理紗は目を見開いて俺に詰め寄ってきた。
「ああ。俺も見間違いかと思ってなんども見返しているけど間違いない」
「ログはどうなってるの?」
「んーと、これか」
俺は亜理紗の肩を押さえて落ち着かせ、ログが書いてあるウィンドウを見つけて遡ってみる。
「称号を三つ取った時にステータスポイントを十ポイントずつ取得しているらしい」
「ってことは残り十八ポイントはレベルアップで増えたってこと? それって全部六上がってるってことだよね。どういうこと!?」
話を聞いた亜理紗は、喚きながら俺を睨みつける。
「そんなこと俺に言われてもなぁ……」
「三回連続で六貰えるなんておかしいんだからね!!」
「はははっ。そうなのか」
亜理紗が責めるように詰め寄ってくる。しかし、俺はゲームに馴染みがなさすぎてその凄さを実感できない。多分亜理紗が大袈裟に言ってるに違いない。
「おじさん、次のレベルが上がるまでモンスター倒してきて!!」
「はいはい」
亜理紗は威嚇する犬のように吠えるので、俺は急いでケムーシーを倒しまくってレベルを一つ上げて戻ってきた。
「また六……ランダムさん、どこに行ったの!? 戻ってきて!!」
そして、俺のステータスポイントはまた六増えた。亜理紗は天に向かって叫んだ。
「……それで、おじさんは一体なんの職業なの?」
少しの間放心していた亜理紗が、我に返って俺に尋ねる。
「サモナーだな」
「サモナーって最上級職じゃないのに……そもそも称号を三つも持ってるのもおかしいし……」
「まぁまぁ、いいじゃないか。サモナーってどんな職業なんだ?」
答えを聞いた亜理紗が俯いてブツブツと呟き始めたので、俺は宥めて話題を戻した。
「良くないよ!! はぁ……でも、そうだね。サモナーはおじさんに向いていると思うよ」
憤慨する亜理紗だが、大きくため息を吐いた後、表情を戻して説明を始める。
「そうなのか?」
「昔から犬猫好きだったでしょ?」
「まぁな」
兄貴の家では犬と猫を数匹飼っている。俺は兄貴の家に遊びに行くたびに彼らと戯れるのを楽しみにしていた。
ペットたちも俺に懐いていて、家の中に入ってくるとすぐに駆けて寄ってくるから可愛くて仕方がないんだよな。
「サモナーはゲームのファンタジー生物を呼び出して使役することができるんだよ」
「へぇ、現実に呼び出せるのか」
レベルとモンスターだけでなく、そんなところも現実離れしてしまってたのか。でも、そんな不思議な生物を召喚できるなんて気になるな。
「うん。だからサモナーとか、モンスターを仲間にできるテイマー系の人は強さとは別の意味で人気があるよ」
「なるほどな」
地球にいない生物を呼び出して使役したり、未知のモンスターを仲間にできるのなら注目の的だろうな。可愛い生物なら猶更だ。
モフモフに人類が勝つことはできない。そういうことだな。
「おじさん、レベル五になったんだよね?」
「ああ。そうだな」
「召喚枠ができて、召喚っていうスキルを覚えてるんじゃない?」
「ん? おお、確かにあるな」
彼女に言われてステータスを確認すると、言われた通りに召喚獣の枠が一枠できていて、スキルに召喚というスキルが表示されている。
「せっかくだから召喚してみようよ」
「おお、それはいいな」
亜理紗に促され、俺はさっそく試してみることにした。
「それじゃあ、ステータスの説明をするね」
「ああ」
昨日は亜理紗が意気消沈してしまい、そのまま続けられそうになかったので、彼女を家まで送った。
別にいいと言ったのだが、昨日と同じ場所で続きを教えてもらうことになって今に至る。
「おじさん、レベル上がってるよね?」
「ん? ちょっと待ってくれ」
亜理紗の言葉を聞いて自分のステータスを開いてみる。
「四まで上がってる」
「レベルが上がると、ステータスポイントってものが貰えるんだけど、それを能力値に振り分けることで、自分の能力を高めることができるの」
「ああ、これか。なるほどな」
ステータスにはPHY、DEX、PSI、RES、LUKの五つの能力値がある。それぞれ身体強度、器用さ、魔力、抵抗力、運を示しているとのこと。
能力値にポイントを振り割ると、対応した能力が強化されるらしい。ポイントを振るだけで強くなれるなんて便利なシステムだ。
「レベルが上がるごとに貰える基本ステータスポイントは一~三でランダム。それに職業による追加ポイントが加算されるの。下級職で一ポイント、上級職で一~二ポイント、最上級職で一~三ポイントね。しかも、レベルアップ以外で貰える方法で今分かっているのは、初めての称号を誰かが獲得した時のボーナスくらい。つまり、職業とレベルアップ毎のステータスポイントの数字が物凄く大事になってくる。職業は世界が変わった時にランダムで再選択されてしまってもうどうしようもない。だから、皆レベルアップする前に神社で祈ったり、祈祷を受けたりしてるよ」
「そうなのか」
ステータスポイントを手に入れられる手段が限られるのなら、レベルアップした時の数字の平均が高い人の方が優位に立てる。多分職業によるヒエラルキーが形成されてるんだろうな。
「亜理紗の職業はなんなんだ?」
「ふっふっふぅ。よくぞ聞いてくれました!! 拳《こぶし》の帝《みかど》って書いて拳帝《けんてい》だよ!! 最上級職なの!!」
気になったので尋ねてみると、亜理紗は嬉しそうにドヤ顔で言い放つ。
「へぇ~、亜理紗にぴったりな職業だな」
「えへへ、でしょ?」
俺が褒めると、彼女はほんのり頬を朱色に染めてはにかむ。
姪っ子が嬉しそうにしている姿はやっぱり可愛いな。
思わず頬が綻ぶ。
「私は今レベルが十六。レベルアップで貰ったステータスポイントは全部で六十だったと思う」
「おお、かなり高いじゃないか」
十五回レベルが上がって六十ポイントってことは平均四上がっているってことだ。亜理紗はかなり運が良いと思う。
「凄いでしょ。おじさんも十くらいはあると思う。確認してみて」
「分かった」
俺は亜理紗の指示に従い、自分のステータスポイントを確認する。
「ん?」
見間違いと思って目をこすってからもう一度確認してみるが、その数字は変わらなかった。
「どうしたの?」
困惑していると、亜理紗が俺の顔を覗き込む。
「なんだか、ステータスポイントの数字がおかしくてな」
「どういうこと?」
「ステータスポイントが四十八ポイントあるんだ」
「はぁ!? それってホント!?」
俺の答えを聞いた亜理紗は目を見開いて俺に詰め寄ってきた。
「ああ。俺も見間違いかと思ってなんども見返しているけど間違いない」
「ログはどうなってるの?」
「んーと、これか」
俺は亜理紗の肩を押さえて落ち着かせ、ログが書いてあるウィンドウを見つけて遡ってみる。
「称号を三つ取った時にステータスポイントを十ポイントずつ取得しているらしい」
「ってことは残り十八ポイントはレベルアップで増えたってこと? それって全部六上がってるってことだよね。どういうこと!?」
話を聞いた亜理紗は、喚きながら俺を睨みつける。
「そんなこと俺に言われてもなぁ……」
「三回連続で六貰えるなんておかしいんだからね!!」
「はははっ。そうなのか」
亜理紗が責めるように詰め寄ってくる。しかし、俺はゲームに馴染みがなさすぎてその凄さを実感できない。多分亜理紗が大袈裟に言ってるに違いない。
「おじさん、次のレベルが上がるまでモンスター倒してきて!!」
「はいはい」
亜理紗は威嚇する犬のように吠えるので、俺は急いでケムーシーを倒しまくってレベルを一つ上げて戻ってきた。
「また六……ランダムさん、どこに行ったの!? 戻ってきて!!」
そして、俺のステータスポイントはまた六増えた。亜理紗は天に向かって叫んだ。
「……それで、おじさんは一体なんの職業なの?」
少しの間放心していた亜理紗が、我に返って俺に尋ねる。
「サモナーだな」
「サモナーって最上級職じゃないのに……そもそも称号を三つも持ってるのもおかしいし……」
「まぁまぁ、いいじゃないか。サモナーってどんな職業なんだ?」
答えを聞いた亜理紗が俯いてブツブツと呟き始めたので、俺は宥めて話題を戻した。
「良くないよ!! はぁ……でも、そうだね。サモナーはおじさんに向いていると思うよ」
憤慨する亜理紗だが、大きくため息を吐いた後、表情を戻して説明を始める。
「そうなのか?」
「昔から犬猫好きだったでしょ?」
「まぁな」
兄貴の家では犬と猫を数匹飼っている。俺は兄貴の家に遊びに行くたびに彼らと戯れるのを楽しみにしていた。
ペットたちも俺に懐いていて、家の中に入ってくるとすぐに駆けて寄ってくるから可愛くて仕方がないんだよな。
「サモナーはゲームのファンタジー生物を呼び出して使役することができるんだよ」
「へぇ、現実に呼び出せるのか」
レベルとモンスターだけでなく、そんなところも現実離れしてしまってたのか。でも、そんな不思議な生物を召喚できるなんて気になるな。
「うん。だからサモナーとか、モンスターを仲間にできるテイマー系の人は強さとは別の意味で人気があるよ」
「なるほどな」
地球にいない生物を呼び出して使役したり、未知のモンスターを仲間にできるのなら注目の的だろうな。可愛い生物なら猶更だ。
モフモフに人類が勝つことはできない。そういうことだな。
「おじさん、レベル五になったんだよね?」
「ああ。そうだな」
「召喚枠ができて、召喚っていうスキルを覚えてるんじゃない?」
「ん? おお、確かにあるな」
彼女に言われてステータスを確認すると、言われた通りに召喚獣の枠が一枠できていて、スキルに召喚というスキルが表示されている。
「せっかくだから召喚してみようよ」
「おお、それはいいな」
亜理紗に促され、俺はさっそく試してみることにした。
18
お気に入りに追加
1,102
あなたにおすすめの小説
神スキル[荷物持]を持つ俺、追放されたのでチート村の拡大、神級龍のテイム?とかをします!えっ、王都に住民が居ないから王が泣いてる..で?
トンちゃん
ファンタジー
ロベルは荷物持ちとして勇者パーテイーに所属していたが、全員に無能、クズと見なされパーテイー、王都から追放され魔界において行かれた
だがロベルのスキル"荷物持ち"は彼だけの最強のユニークスキルであり彼を失った勇者一行は低レベルのダンジョンでも苦戦し始める、
一方その頃、犬族が住まうチート村に助けられたロベルは龍を飼ったり、美女に結婚を求められたり、その村を便利にしながらどんどん大きくしていく
これは勇者パーテイーの最後と追放された荷物持ちが次第に王都よりデカくなる村を拡張していく話だ
異世界転移ボーナス『EXPが1になる』で楽々レベルアップ!~フィールドダンジョン生成スキルで冒険もスローライフも謳歌しようと思います~
夢・風魔
ファンタジー
大学へと登校中に事故に巻き込まれて溺死したタクミは輪廻転生を司る神より「EXPが1になる」という、ハズレボーナスを貰って異世界に転移した。
が、このボーナス。実は「獲得経験値が1になる」のと同時に、「次のLVupに必要な経験値も1になる」という代物だった。
それを知ったタクミは激弱モンスターでレベルを上げ、あっさりダンジョンを突破。地上に出たが、そこは小さな小さな小島だった。
漂流していた美少女魔族のルーシェを救出し、彼女を連れてダンジョン攻略に乗り出す。そしてボスモンスターを倒して得たのは「フィールドダンジョン生成」スキルだった。
生成ダンジョンでスローライフ。既存ダンジョンで異世界冒険。
タクミが第二の人生を謳歌する、そんな物語。
*カクヨム先行公開
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!(改訂版)
IXA
ファンタジー
凡そ三十年前、この世界は一変した。
世界各地に次々と現れた天を突く蒼の塔、それとほぼ同時期に発見されたのが、『ダンジョン』と呼ばれる奇妙な空間だ。
不気味で異質、しかしながらダンジョン内で手に入る資源は欲望を刺激し、ダンジョン内で戦い続ける『探索者』と呼ばれる職業すら生まれた。そしていつしか人類は拒否感を拭いきれずも、ダンジョンに依存する生活へ移行していく。
そんなある日、ちっぽけな少女が探索者協会の扉を叩いた。
諸事情により金欠な彼女が探索者となった時、世界の流れは大きく変わっていくこととなる……
人との出会い、無数に折り重なる悪意、そして隠された真実と絶望。
夢見る少女の戦いの果て、ちっぽけな彼女は一体何を選ぶ?
絶望に、立ち向かえ。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる