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第16章 美少女達の駆け引き編
第99話 静香とケイトの苦悩
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【放課後の音楽準備室内の武田静香陣営】
「うーん……」
「静香、さっきから唸ってばかりだね?」
「唸りたくもなるわよ、カンナ!! 未だに生徒会長候補を誰にするか決まっていないんだから!!」
くそっ、私が二年生だったら……
この戦い、三年生の私には凄く不利だわ……
「でもさ、生徒会長候補を決めるのも大事だけどさ、まずは期末テストを頑張らないといけないし、それに生徒会長候補だって『学年人気投票』で一位か二位になれる人を推さないといけないんだから今からこの人って決めるのは難しいんじゃない?」
「そうよ、静香!! カンナの言う通りよ。私達は受験生なんだし今は勉強に力を入れるべきだと思うわ!! 『学年人気投票』の結果が出るまで待てばいいじゃない?」
カンナや野々花の言う通りなんだけど……
「それにしてもさぁ、何で静香はあんな『陰キャ君』なんかに惚れてしまったんだよ? 私は今でも信じられないよ……」
「麻美子、あんた!! 私があれだけ颯君の素敵な所を説明しているのに分からないなんて……私の方が信じられないわ!!」
「イヤイヤイヤッ……」
「ところでさ、静香?」
「何よ、真優!?」
「な、何で怒り口調なのよ!?」
「だって、あんたも颯君の事を悪く言うつもりなんでしょ!?」
「ち、違うわよ。私は別に静香があの子を好きになったのを否定するつもりは無いわよ」
「えっ、そうなの? そ、それはありがとね……」
「まぁ、私のタイプでは無いけど、静香が彼を好きになってしまった気持ちもなんとなく分かっているし……っていうかさ、私は真樹が重要な情報をゲットしたみたいだよって言いたかったんだけどね……」
「重要な情報? それってどんな情報なの、真樹?」
「う、うん……あのさ、上杉さんと二年の直江さんの会話をたまたま聞いたんだけどね……」
「うん、それで、二人はどんな会話をしていたの?」
「どうも上杉さんは直江さんを生徒会長候補に推すみたいだよ。まぁ、当の本人はとても嫌がっていたけどさ……」
「そっ、そうなの!? でも……」
それってケイトにとっては一番良い選択よね?
颯君の事を好きでも無い直江さんが生徒会長になったらケイトの一人勝ちになるのだから……
これはますます私だけが不利じゃない……
ガラッ、ガラガラッ
「失礼します……」
「どちらさまかしら? アレ? あなたの顔を『仙石集会』で見かけた様な気もするけど気のせいかしら……?」
「いえ、気のせいではありませんよ。私もその場所にいましたから。改めて自己紹介させて頂きますね? 私は一年三組のクラス委員長を務めております島津佳乃と申します」
【放課後の理科実験室、上杉ケイト陣営】
「上杉先輩!! 私、何度も言っていますけど、嫌ですよ~っ!! 何で私が生徒会長に立候補しなくちゃいけないんですか!? 私は上に立つタイプじゃないんです!! そ、それに私が学年人気投票で一位か二位に入れる保証だってないのに!!」
この子、私だけには従順だったはずなのに何故、生徒会長の件だけは頑なに嫌がるのかしら?
「そうだよ、姉貴!! 別にカノンちゃんが落選するとは思ってないけどさ……ただ二年生にはあの織田乃恵瑠と羽柴陽菜がいるんだぜ!? あの二人に勝つのは結構大変じゃないのか!?」
本当は私が生徒会長に立候補したいくらいなのよ。でも、私は三年生……
く、悔しいなぁ……颯君の件とは別に去年のリベンジをしたかったなぁ……
だから、私のこの悔しさを……この思いを可愛い後輩のカノンに引き継いで欲しいっていう思いもあるのだけど……
「カノン? あんたはもっと自分に自信を持ちなさい!! カノンは去年までずっと学年一位だったじゃない?」
「そ、それはテストの成績じゃないですか!? 『学年人気投票』では毎回、五位でしたし……その人気投票も毎回、織田さんが一位で羽柴さんが二位……でも羽柴さんは生徒会長には立候補せずに織田さんを推して羽柴票も織田さんに流れてダントツの一位だったし……」
「でも今回、羽柴さんと織田さんは敵同士よ。きっと羽柴さんは人気を取る為に本気を出すに違いないわ。ということは票が拮抗するよね? だからカノンが不動票の全てを確保できれば勝機があると思わない? カノン、あの子達に勝ちたいと思わないの!?」
「うっ……うぅぅ……」
おっ? 多少、カノンの心の中にあの二人に勝ちたいっていう思いがあるかもしれないわ……
「姉貴? 一人勝ちしたい気持ちは分かるけどさ……やっぱり織田会長との同盟を行使した方が良いんじゃないのか? 織田会長を応援する形をとって、それで織田会長が勝てば姉貴と二人だけが生き残れるんだからさ……後は一騎打ちになるんだし、またそこで作戦を考えれば……」
「それは無理な話ね、カイト……私が颯君の事を好きになってしまった時点で同盟は破棄だわ……」
【徳川邸】
「さぁ、颯君? 今日の仕事は十室ある客間のお掃除よ!! それが終わるまでは勉強会には参加できないと思ってちょうだい!!」
「えっ、春日さん? じゅ、十室も掃除をやるんですか!? さすがに多くないですか?」
「何を言っているの、颯君? これくらい自分を追い込んだ方が勉強にも身が入るってものなのよ。これはメイド長としての思いやりと思って欲しいくらいだわ!!」
「は、はぁ……ありがとうございます……」
「それじゃぁ颯君、お仕事頑張ってね?」
「颯さん、早く仕事終わらせて勉強会に来てくださいよ~?」
「は、颯さん、御武運を祈ります!!」
「颯君、クノイちゃんの衣装を着て待っているからねぇ……」
「わ、私もお掃除手伝いましょうか? あっ、春日さんが睨んでいるので止めておきます」
「颯君? 伊緒奈ちゃんは私のモノよ~っ!!」
さ、最後の知由の言っている事だけはよく分からねぇぞ!!
ってか、とりあえず早く勉強したいから仕事頑張ろ……
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
静香もケイトも颯と付き合う為に色々と苦悩しているが、そんな中、静香の元にあの島津佳乃が近づいて来て……果たして……?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
「うーん……」
「静香、さっきから唸ってばかりだね?」
「唸りたくもなるわよ、カンナ!! 未だに生徒会長候補を誰にするか決まっていないんだから!!」
くそっ、私が二年生だったら……
この戦い、三年生の私には凄く不利だわ……
「でもさ、生徒会長候補を決めるのも大事だけどさ、まずは期末テストを頑張らないといけないし、それに生徒会長候補だって『学年人気投票』で一位か二位になれる人を推さないといけないんだから今からこの人って決めるのは難しいんじゃない?」
「そうよ、静香!! カンナの言う通りよ。私達は受験生なんだし今は勉強に力を入れるべきだと思うわ!! 『学年人気投票』の結果が出るまで待てばいいじゃない?」
カンナや野々花の言う通りなんだけど……
「それにしてもさぁ、何で静香はあんな『陰キャ君』なんかに惚れてしまったんだよ? 私は今でも信じられないよ……」
「麻美子、あんた!! 私があれだけ颯君の素敵な所を説明しているのに分からないなんて……私の方が信じられないわ!!」
「イヤイヤイヤッ……」
「ところでさ、静香?」
「何よ、真優!?」
「な、何で怒り口調なのよ!?」
「だって、あんたも颯君の事を悪く言うつもりなんでしょ!?」
「ち、違うわよ。私は別に静香があの子を好きになったのを否定するつもりは無いわよ」
「えっ、そうなの? そ、それはありがとね……」
「まぁ、私のタイプでは無いけど、静香が彼を好きになってしまった気持ちもなんとなく分かっているし……っていうかさ、私は真樹が重要な情報をゲットしたみたいだよって言いたかったんだけどね……」
「重要な情報? それってどんな情報なの、真樹?」
「う、うん……あのさ、上杉さんと二年の直江さんの会話をたまたま聞いたんだけどね……」
「うん、それで、二人はどんな会話をしていたの?」
「どうも上杉さんは直江さんを生徒会長候補に推すみたいだよ。まぁ、当の本人はとても嫌がっていたけどさ……」
「そっ、そうなの!? でも……」
それってケイトにとっては一番良い選択よね?
颯君の事を好きでも無い直江さんが生徒会長になったらケイトの一人勝ちになるのだから……
これはますます私だけが不利じゃない……
ガラッ、ガラガラッ
「失礼します……」
「どちらさまかしら? アレ? あなたの顔を『仙石集会』で見かけた様な気もするけど気のせいかしら……?」
「いえ、気のせいではありませんよ。私もその場所にいましたから。改めて自己紹介させて頂きますね? 私は一年三組のクラス委員長を務めております島津佳乃と申します」
【放課後の理科実験室、上杉ケイト陣営】
「上杉先輩!! 私、何度も言っていますけど、嫌ですよ~っ!! 何で私が生徒会長に立候補しなくちゃいけないんですか!? 私は上に立つタイプじゃないんです!! そ、それに私が学年人気投票で一位か二位に入れる保証だってないのに!!」
この子、私だけには従順だったはずなのに何故、生徒会長の件だけは頑なに嫌がるのかしら?
「そうだよ、姉貴!! 別にカノンちゃんが落選するとは思ってないけどさ……ただ二年生にはあの織田乃恵瑠と羽柴陽菜がいるんだぜ!? あの二人に勝つのは結構大変じゃないのか!?」
本当は私が生徒会長に立候補したいくらいなのよ。でも、私は三年生……
く、悔しいなぁ……颯君の件とは別に去年のリベンジをしたかったなぁ……
だから、私のこの悔しさを……この思いを可愛い後輩のカノンに引き継いで欲しいっていう思いもあるのだけど……
「カノン? あんたはもっと自分に自信を持ちなさい!! カノンは去年までずっと学年一位だったじゃない?」
「そ、それはテストの成績じゃないですか!? 『学年人気投票』では毎回、五位でしたし……その人気投票も毎回、織田さんが一位で羽柴さんが二位……でも羽柴さんは生徒会長には立候補せずに織田さんを推して羽柴票も織田さんに流れてダントツの一位だったし……」
「でも今回、羽柴さんと織田さんは敵同士よ。きっと羽柴さんは人気を取る為に本気を出すに違いないわ。ということは票が拮抗するよね? だからカノンが不動票の全てを確保できれば勝機があると思わない? カノン、あの子達に勝ちたいと思わないの!?」
「うっ……うぅぅ……」
おっ? 多少、カノンの心の中にあの二人に勝ちたいっていう思いがあるかもしれないわ……
「姉貴? 一人勝ちしたい気持ちは分かるけどさ……やっぱり織田会長との同盟を行使した方が良いんじゃないのか? 織田会長を応援する形をとって、それで織田会長が勝てば姉貴と二人だけが生き残れるんだからさ……後は一騎打ちになるんだし、またそこで作戦を考えれば……」
「それは無理な話ね、カイト……私が颯君の事を好きになってしまった時点で同盟は破棄だわ……」
【徳川邸】
「さぁ、颯君? 今日の仕事は十室ある客間のお掃除よ!! それが終わるまでは勉強会には参加できないと思ってちょうだい!!」
「えっ、春日さん? じゅ、十室も掃除をやるんですか!? さすがに多くないですか?」
「何を言っているの、颯君? これくらい自分を追い込んだ方が勉強にも身が入るってものなのよ。これはメイド長としての思いやりと思って欲しいくらいだわ!!」
「は、はぁ……ありがとうございます……」
「それじゃぁ颯君、お仕事頑張ってね?」
「颯さん、早く仕事終わらせて勉強会に来てくださいよ~?」
「は、颯さん、御武運を祈ります!!」
「颯君、クノイちゃんの衣装を着て待っているからねぇ……」
「わ、私もお掃除手伝いましょうか? あっ、春日さんが睨んでいるので止めておきます」
「颯君? 伊緒奈ちゃんは私のモノよ~っ!!」
さ、最後の知由の言っている事だけはよく分からねぇぞ!!
ってか、とりあえず早く勉強したいから仕事頑張ろ……
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
静香もケイトも颯と付き合う為に色々と苦悩しているが、そんな中、静香の元にあの島津佳乃が近づいて来て……果たして……?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
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