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第13章 グループ勧誘編
第72話 片倉小町
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「小町ちゃん、起きて?」
「う、うーん……もう、話しは終わったのぉぉ?」
「終わったというか後回しにしたから……それで私も颯君とライン交換終わって先に忍と蕾に交換してもあったから最後は小町ちゃんの番なの」
「ふーん、そうなんだぁ……それじゃぁ、よっこらしょっと……」
俺が『小町さん』と呼ばれている二年女子とライン交換する前に先程、交換した『忍さん』と『蕾さん』について紹介しておこう。
まずは『忍さん』から。
フルネームは『伊達忍』……
もうお分かりだと思うが伊達魔冬と同い年の一年生で親戚関係で従兄妹だそうだ。
見た目も伊達魔冬に似ていて美人だが若干、目つきが悪い。
正確も短気だそうで魔冬いわく『耐え忍ぶことのできない名前負けしている子』らしい。
さすがに本人はそんな紹介のされ方をして怒っていたが、もう一人の蕾って子も同意していたので実際にそうなんだろう。
そして、その『蕾さん』のフルネームは『支倉蕾』……
彼女も同じく一年生である。
中等部二年の途中で親の仕事の関係でアメリカから日本に引っ越して来て編入でうちの学園生になったそうだ。いわゆる『帰国子女』ってやつだ。
見た目は俺のイメージしていた『帰国子女』とは程遠く、黒髪のおかっぱ頭でメガネをしていて俺と同じ『地味なタイプ』に見える。
でも俺としては明智の影響があるからだろうが、天海さんや榊原さん、そして支倉さんの様なタイプの女子と会話する方が一番落ち着くんだよなぁ……
そして今からライン交換をする寝起きの片倉さん……
片倉さんが寝ている時に伊達さんが彼女の説明をしてくれた。
彼女の名前は『片倉小町さん』と言い、俺より一個上の二年生だ。
前に屋上で伊達さんが話していた年上の幼馴染というのは片倉さんの事らしい。
そして彼女は前の中間テストでは学年三位だったらしく、中等部の頃から羽柴副会長、直江カノンさんと上位を争っていた秀才の一人だ。
だから常に伊達さんの近くにいて迷った時に何かとアドバイスをしてくれるそうだ。
ちなみに先日の屋上での告白も片倉さんのアドバイス通りに屋上で告白するって決めたらしいが……片倉さんは恋愛に関しても詳しいのだろうか?
まぁ屋上で告白っていうシチュエーションっていうのは悪くは無いんだが……
告白相手が俺ってのが残念だったな……
「さて、それじゃぁ竹中君、私ともライン交換してもらおうかしら? あっ、それから魔冬達は早く教室に戻りなさい?」
「えっ、何でよ、小町ちゃん!?」
「だから魔冬達が邪魔だからに決まっているじゃない!!」
「じゃ、邪魔って何よ? もう後ろで並んでいるのは毛利先輩だけなんだし、別にここに居ても良いじゃない?」
「フフフ……小町ちゃんの言う通りね~魔冬ちゃん達は邪魔だから出て行ってくれるかしら~?」
「えーっ!? 毛利先輩までそんな事を言われるのですか?」
「うーん、邪魔というか~小町ちゃんが何か考えがあるような気がしたからさ~」
「えっ、そうなの小町ちゃん?」
「まぁねぇ……だから早く出て行ってくれないかなぁ?」
片倉さんは何を考えているというんだ?
それにそのことに気付いてしまう毛利さんも恐ろしいけども……
「わ、分かったわよ。仕方ないわねぇ……でも、くれぐれも颯君に失礼な事をしないでよ? それと徳川さんも放課後よろしくね?」
「はいはい、分かったから早く出て行って」
「うん、放課後ね……」
こうして伊達さん、従姉妹の忍さん、支倉さんの三人は教室から出て行った。
「さーて、邪魔者はいなくなったし、ライン交換の前に竹中君に一つ聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「は、はい……別にいいですけど……」
「有難う。じゃぁ、単刀直入に聞くわね? 竹中君は魔冬に何をしたの?」
「えっ!?」
か、片倉さんは何を言っているんだ?
「だからぁ、竹中君は魔冬が好きになってしまう様な何かをしたと思うのよ。だから何をしたの?」
「うわっ、私もそれは気になります!! ね、伊緒奈さん?」
別に本多が気にならなくても……
「そ、そうだけど……伊達さんが颯君の事を好きになるのは自由だし……別に理由をわざわざ聞かなくても……」
さすが徳川、大人の考えだな。それなのに二年の片倉さんは何故、そんな事を聞いてくるんだろうか?
「お、俺は何もしていませんよ。先日の中間テストの順位の貼り出しを見に行った時に人混みから吹き飛ばされてきた伊達さんを偶然、助けた形になって、久しぶりに会話をしただけですけど……」
「ふーん、そんな事があったんだぁ……で、その時に何か変わったことは?」
こ、この人は何を知りたいんだ!?
学年三位の人だからバカでは無いのはたしかだけど……
「べ、別に何も変わった事は……まぁ、俺が伊達さんを受け止めた際に俺の大事なメガネが吹っ飛んでしまった事くらいですよ……壊れていなくてホッとしましたが……」
「なるほどねぇ……それじゃぁ、竹中君? 悪いけど、今直ぐ、そのメガネを外してくれないかな?」
「えっ!?」
な、なんか高等部に進級してからメガネを外す機会が多過ぎないか!?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
「う、うーん……もう、話しは終わったのぉぉ?」
「終わったというか後回しにしたから……それで私も颯君とライン交換終わって先に忍と蕾に交換してもあったから最後は小町ちゃんの番なの」
「ふーん、そうなんだぁ……それじゃぁ、よっこらしょっと……」
俺が『小町さん』と呼ばれている二年女子とライン交換する前に先程、交換した『忍さん』と『蕾さん』について紹介しておこう。
まずは『忍さん』から。
フルネームは『伊達忍』……
もうお分かりだと思うが伊達魔冬と同い年の一年生で親戚関係で従兄妹だそうだ。
見た目も伊達魔冬に似ていて美人だが若干、目つきが悪い。
正確も短気だそうで魔冬いわく『耐え忍ぶことのできない名前負けしている子』らしい。
さすがに本人はそんな紹介のされ方をして怒っていたが、もう一人の蕾って子も同意していたので実際にそうなんだろう。
そして、その『蕾さん』のフルネームは『支倉蕾』……
彼女も同じく一年生である。
中等部二年の途中で親の仕事の関係でアメリカから日本に引っ越して来て編入でうちの学園生になったそうだ。いわゆる『帰国子女』ってやつだ。
見た目は俺のイメージしていた『帰国子女』とは程遠く、黒髪のおかっぱ頭でメガネをしていて俺と同じ『地味なタイプ』に見える。
でも俺としては明智の影響があるからだろうが、天海さんや榊原さん、そして支倉さんの様なタイプの女子と会話する方が一番落ち着くんだよなぁ……
そして今からライン交換をする寝起きの片倉さん……
片倉さんが寝ている時に伊達さんが彼女の説明をしてくれた。
彼女の名前は『片倉小町さん』と言い、俺より一個上の二年生だ。
前に屋上で伊達さんが話していた年上の幼馴染というのは片倉さんの事らしい。
そして彼女は前の中間テストでは学年三位だったらしく、中等部の頃から羽柴副会長、直江カノンさんと上位を争っていた秀才の一人だ。
だから常に伊達さんの近くにいて迷った時に何かとアドバイスをしてくれるそうだ。
ちなみに先日の屋上での告白も片倉さんのアドバイス通りに屋上で告白するって決めたらしいが……片倉さんは恋愛に関しても詳しいのだろうか?
まぁ屋上で告白っていうシチュエーションっていうのは悪くは無いんだが……
告白相手が俺ってのが残念だったな……
「さて、それじゃぁ竹中君、私ともライン交換してもらおうかしら? あっ、それから魔冬達は早く教室に戻りなさい?」
「えっ、何でよ、小町ちゃん!?」
「だから魔冬達が邪魔だからに決まっているじゃない!!」
「じゃ、邪魔って何よ? もう後ろで並んでいるのは毛利先輩だけなんだし、別にここに居ても良いじゃない?」
「フフフ……小町ちゃんの言う通りね~魔冬ちゃん達は邪魔だから出て行ってくれるかしら~?」
「えーっ!? 毛利先輩までそんな事を言われるのですか?」
「うーん、邪魔というか~小町ちゃんが何か考えがあるような気がしたからさ~」
「えっ、そうなの小町ちゃん?」
「まぁねぇ……だから早く出て行ってくれないかなぁ?」
片倉さんは何を考えているというんだ?
それにそのことに気付いてしまう毛利さんも恐ろしいけども……
「わ、分かったわよ。仕方ないわねぇ……でも、くれぐれも颯君に失礼な事をしないでよ? それと徳川さんも放課後よろしくね?」
「はいはい、分かったから早く出て行って」
「うん、放課後ね……」
こうして伊達さん、従姉妹の忍さん、支倉さんの三人は教室から出て行った。
「さーて、邪魔者はいなくなったし、ライン交換の前に竹中君に一つ聞きたい事があるんだけどいいかな?」
「は、はい……別にいいですけど……」
「有難う。じゃぁ、単刀直入に聞くわね? 竹中君は魔冬に何をしたの?」
「えっ!?」
か、片倉さんは何を言っているんだ?
「だからぁ、竹中君は魔冬が好きになってしまう様な何かをしたと思うのよ。だから何をしたの?」
「うわっ、私もそれは気になります!! ね、伊緒奈さん?」
別に本多が気にならなくても……
「そ、そうだけど……伊達さんが颯君の事を好きになるのは自由だし……別に理由をわざわざ聞かなくても……」
さすが徳川、大人の考えだな。それなのに二年の片倉さんは何故、そんな事を聞いてくるんだろうか?
「お、俺は何もしていませんよ。先日の中間テストの順位の貼り出しを見に行った時に人混みから吹き飛ばされてきた伊達さんを偶然、助けた形になって、久しぶりに会話をしただけですけど……」
「ふーん、そんな事があったんだぁ……で、その時に何か変わったことは?」
こ、この人は何を知りたいんだ!?
学年三位の人だからバカでは無いのはたしかだけど……
「べ、別に何も変わった事は……まぁ、俺が伊達さんを受け止めた際に俺の大事なメガネが吹っ飛んでしまった事くらいですよ……壊れていなくてホッとしましたが……」
「なるほどねぇ……それじゃぁ、竹中君? 悪いけど、今直ぐ、そのメガネを外してくれないかな?」
「えっ!?」
な、なんか高等部に進級してからメガネを外す機会が多過ぎないか!?
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お読みいただきありがとうございました。
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
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