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第12章 アルバイト編
第66話 颯、スマホを持つ
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次の日の放課後……
今日から俺は徳川の屋敷の『雑用係』としてアルバイトをする事になっているのだが、その前に俺は今日、何故か自転車通学だった徳川と本多の三人で『携帯ショップ』に来ている。
徳川いわく、『徳川邸』は敷地が広い為、これから仕事をするには執事達やメイド達と密に連絡を取り合わなければいけないという事でスマホを持つのは必須だという事で無理矢理連れて来られたのだ。
俺は『お金が無いから直ぐにはスマホを持つことは出来ないし、未成年だから親の委任状等も必要じゃないのか?』 言ったのだが、徳川は昨夜のうちに父親の徳川芳樹さんに『竹中颯初アルバイト記念』という事で俺にスマホをプレゼントする様にお願いをしたらしい。
本多いわく、徳川の父親は娘のお願い事は何でも聞くらしい。
まぁ、うちの親父も詩音には甘々だからそこは理解出来るけど……
それと今朝、母さんが『はい』と俺に何が入っているのか分からない封筒を手渡してきたが、中身はなんと委任状だった。
昨夜、徳川は俺が帰宅する前に母さんに電話をしてアルバイトの事やスマホを持たせる事などの説明をして委任状も『元バイクレーサー』の運転手兼務の執事がバイクで俺が帰宅する前に運んだらしい。
な、なんていう一族だ!?
恐るべし、徳川一族……
ということで俺は念願かどうかは何とも言えないがバイトで稼ぐ前にスマホを手にする事になってしまった。
そして早速、徳川と本多の二人とライン交換をすると同時に『グループ』にも参加させられてしまった。
グループ名……『ちつてと』……?
なんじゃそりゃ?
ん? いや待てよ……『ちつてと』って事は『た』が無いって事だよな?
という事は『た抜き』……『たぬき』……
やっぱ羽柴副会長が前に言っていた通り徳川伊緒奈は『たぬき』って事なのか!?
いや、今はそんな事は考えないでおこう……
いずれにしてもグループにも入らされるなんて……
まるで『陽キャ』がする事じゃねぇか!?
「やったー!! これで、いつでも颯さんにラインが出来るぞーっ!!」
いや、俺はラインなんてやった事が無いんだから、そんな頻繁にされても俺が対応出来ないかもしれないぞ!!
「ちょっと太鳳ちゃん? あなた喜び過ぎよ。それに颯君は平日は夜九時までアルバイトをしているし家に帰ったらとても疲れているだろうから、あまり頻繁にラインをしちゃ可哀そうよ……」
おっ? さすが気遣いが出来る徳川だな。
よく俺の事を分かっているぜ……
「でも私は雇い主のだし、いつラインしても良い権利はあると思うけどね……」
はぁ!? や、やはりこの女は『たぬき』かっ!?
「えーっ!? い、伊緒奈さんだけズルいですよ~っ!!」
「フフフ、冗談よ……」
徳川の言う事は毎回、冗談に聞こえねぇな……
という事で俺達はそのまま徳川邸へと向かったのだが……
いつもの様に直人、服部、酒井、榊原の四人は先に徳川の家で待っていた。
ってか、いくら徳川を寂しい想いにさせない為だとはいえ、遊びに来過ぎじゃないのか?
それに俺だけがバイトっていうのも不公平な気分だ。
でも直人達の様子が少し変だな……?
いつもよりもテンションが低いというか……
ん?
あれは誰だ?
初めて見るメイドさんがいるけども……
そして他のメイドさんよりも年が上の様な……
あっ!?
も、もしかして昨日、本多の御爺さん、いや、執事長が言っていた『メイド長』じゃないのか?
でも前の勉強会の時には一度も会っていない様な気がするんだが……
「あら!? 春日さんじゃない!? お久しぶり。今日からお仕事を復帰するね?」
ん? 復帰?
「キャー!! 伊緒奈お嬢様~っ!! お久しぶりでございます~っ!! 長い間、休んでしまいまして申し訳ございまいません!! 今日から完全復活しますのでどうぞ宜しくお願い致します~っ!!」
「もう、体調は良いの?」
「はい、バッチリでございます!! もう絶対に体調など崩しませんからご心配なさらないでください!!」
「で、でもあまり無理はしないでね?」
「キャー!! な、なんというお優しいお言葉~っ!! そのお言葉だけで私はご飯を三杯食べれます!!」
な、何なんだ……このめちゃくちゃテンションの高い人は!?
「あっ、そうそう……春日さんにも紹介するわね? ここにいる彼は私のクラスメイトの竹中颯君と言って今日からうちで『雑用係』として働いてもらう事になったから宜しくね?」
ギロッ!!
えっ!?
今、めちゃくちゃ睨まれた様な気がしたんだが……
「ふーん……あなたが『雑用係』として雇われた竹中颯君なのね? まぁ先ほど、本多執事長から話は聞きましたけど。私は『メイド長』の『春日天音』というの。私は仕事に対しても厳しいけど、それ以上に自分の命よりも大事な伊緒奈お嬢様を悲しませる様な事をすれば承知し無いから覚悟しなさいよ!?」
「えっ!? あっ、はい……」
こ、この人怖い……
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
徳川伊緒奈の計らい?によりスマホを持つことになった颯
早速、ライン交換&グループ『ちつてと』にも招待される事に……
そして徳川邸に着くや否や他のメイドとは違う雰囲気の女性がいたが、それはメイド長の春日天音という人だった。
その春日天音は超が着く程の『伊緒奈命』で少しビビってしまう颯であった。
という事で次回もお楽しみに(^_-)-☆
今日から俺は徳川の屋敷の『雑用係』としてアルバイトをする事になっているのだが、その前に俺は今日、何故か自転車通学だった徳川と本多の三人で『携帯ショップ』に来ている。
徳川いわく、『徳川邸』は敷地が広い為、これから仕事をするには執事達やメイド達と密に連絡を取り合わなければいけないという事でスマホを持つのは必須だという事で無理矢理連れて来られたのだ。
俺は『お金が無いから直ぐにはスマホを持つことは出来ないし、未成年だから親の委任状等も必要じゃないのか?』 言ったのだが、徳川は昨夜のうちに父親の徳川芳樹さんに『竹中颯初アルバイト記念』という事で俺にスマホをプレゼントする様にお願いをしたらしい。
本多いわく、徳川の父親は娘のお願い事は何でも聞くらしい。
まぁ、うちの親父も詩音には甘々だからそこは理解出来るけど……
それと今朝、母さんが『はい』と俺に何が入っているのか分からない封筒を手渡してきたが、中身はなんと委任状だった。
昨夜、徳川は俺が帰宅する前に母さんに電話をしてアルバイトの事やスマホを持たせる事などの説明をして委任状も『元バイクレーサー』の運転手兼務の執事がバイクで俺が帰宅する前に運んだらしい。
な、なんていう一族だ!?
恐るべし、徳川一族……
ということで俺は念願かどうかは何とも言えないがバイトで稼ぐ前にスマホを手にする事になってしまった。
そして早速、徳川と本多の二人とライン交換をすると同時に『グループ』にも参加させられてしまった。
グループ名……『ちつてと』……?
なんじゃそりゃ?
ん? いや待てよ……『ちつてと』って事は『た』が無いって事だよな?
という事は『た抜き』……『たぬき』……
やっぱ羽柴副会長が前に言っていた通り徳川伊緒奈は『たぬき』って事なのか!?
いや、今はそんな事は考えないでおこう……
いずれにしてもグループにも入らされるなんて……
まるで『陽キャ』がする事じゃねぇか!?
「やったー!! これで、いつでも颯さんにラインが出来るぞーっ!!」
いや、俺はラインなんてやった事が無いんだから、そんな頻繁にされても俺が対応出来ないかもしれないぞ!!
「ちょっと太鳳ちゃん? あなた喜び過ぎよ。それに颯君は平日は夜九時までアルバイトをしているし家に帰ったらとても疲れているだろうから、あまり頻繁にラインをしちゃ可哀そうよ……」
おっ? さすが気遣いが出来る徳川だな。
よく俺の事を分かっているぜ……
「でも私は雇い主のだし、いつラインしても良い権利はあると思うけどね……」
はぁ!? や、やはりこの女は『たぬき』かっ!?
「えーっ!? い、伊緒奈さんだけズルいですよ~っ!!」
「フフフ、冗談よ……」
徳川の言う事は毎回、冗談に聞こえねぇな……
という事で俺達はそのまま徳川邸へと向かったのだが……
いつもの様に直人、服部、酒井、榊原の四人は先に徳川の家で待っていた。
ってか、いくら徳川を寂しい想いにさせない為だとはいえ、遊びに来過ぎじゃないのか?
それに俺だけがバイトっていうのも不公平な気分だ。
でも直人達の様子が少し変だな……?
いつもよりもテンションが低いというか……
ん?
あれは誰だ?
初めて見るメイドさんがいるけども……
そして他のメイドさんよりも年が上の様な……
あっ!?
も、もしかして昨日、本多の御爺さん、いや、執事長が言っていた『メイド長』じゃないのか?
でも前の勉強会の時には一度も会っていない様な気がするんだが……
「あら!? 春日さんじゃない!? お久しぶり。今日からお仕事を復帰するね?」
ん? 復帰?
「キャー!! 伊緒奈お嬢様~っ!! お久しぶりでございます~っ!! 長い間、休んでしまいまして申し訳ございまいません!! 今日から完全復活しますのでどうぞ宜しくお願い致します~っ!!」
「もう、体調は良いの?」
「はい、バッチリでございます!! もう絶対に体調など崩しませんからご心配なさらないでください!!」
「で、でもあまり無理はしないでね?」
「キャー!! な、なんというお優しいお言葉~っ!! そのお言葉だけで私はご飯を三杯食べれます!!」
な、何なんだ……このめちゃくちゃテンションの高い人は!?
「あっ、そうそう……春日さんにも紹介するわね? ここにいる彼は私のクラスメイトの竹中颯君と言って今日からうちで『雑用係』として働いてもらう事になったから宜しくね?」
ギロッ!!
えっ!?
今、めちゃくちゃ睨まれた様な気がしたんだが……
「ふーん……あなたが『雑用係』として雇われた竹中颯君なのね? まぁ先ほど、本多執事長から話は聞きましたけど。私は『メイド長』の『春日天音』というの。私は仕事に対しても厳しいけど、それ以上に自分の命よりも大事な伊緒奈お嬢様を悲しませる様な事をすれば承知し無いから覚悟しなさいよ!?」
「えっ!? あっ、はい……」
こ、この人怖い……
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
徳川伊緒奈の計らい?によりスマホを持つことになった颯
早速、ライン交換&グループ『ちつてと』にも招待される事に……
そして徳川邸に着くや否や他のメイドとは違う雰囲気の女性がいたが、それはメイド長の春日天音という人だった。
その春日天音は超が着く程の『伊緒奈命』で少しビビってしまう颯であった。
という事で次回もお楽しみに(^_-)-☆
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