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第12章 アルバイト編
第64話 アルバイト
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「はぁ……」
俺はめちゃくちゃ濃かった昼休みを何とか終えて五時限目、六時限目の授業を受けたが疲れ過ぎて全然、内容が頭に入って来なかった。
これは次の期末テストも徳川達に『勉強会』を開催してもらわないとマズイかもしれないな……って、俺はなんて自分勝手な男なんだ。
友達だと認めていない人達を当てにするなんてな……
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
ふぅ......やっと終わったぞ。
早く家に帰って疲れを取る為に今夜はアニメを観るのも止めて早く寝よう。
「おーい、颯? なんか午後から元気が無かったよな? 大丈夫か?」
「えっ? と、俊哉……」
俺は申し訳なさ過ぎて俊哉の顔がまともに見れない。
まさか俊哉の大好きな羽柴副会長にまで告白されるとは思ってもいなかったから……
「そうね。前田君の言う通り、午後からの授業全然、身が入っていなかった様に見えたわ。生徒会室で本当に何も無かったのかな?」
皆には織田会長は風邪で休みの為に羽柴副会長の仕事が増えてしまい雑用の手伝いの一人として呼ばれただけと苦しい嘘を言っている。
まぁ、徳川のことだから俺の言っている事を信用していないかもしれないよな。
「い、いや……本当に何も無いよ……俺は大丈夫だから……」
タッタッタッタッ!!
「は、颯さん、大丈夫ですか!? 私、授業中斜め前からずっと颯さんを見ていましたが、ため息ばかりついていたので、とても心配していたんです!!」
いや、本多!! ちゃんと前を見てろよ!!
「ほ、本多さんも心配してくれて有難う……でも俺は大丈夫だから……」
「本当ですかぁ? 颯さん、無理されてませんかぁ?」
「そうだぞ、颯!! 俺達は友達なんだからもし困った事があれば何でも相談してくれよな!?」
と、俊哉……お前にとって『裏切り者』の俺なんかに優しい言葉をかけないでくれ!!
「前田君の言う通りよ。困ったときはお互い様なんだから何でも相談してね?」
「ふ、二人共有難う……うーん、そうだなぁ……それじゃぁ一つだけ相談に乗ってもらえるかな……?」
「 「 「何でも言って!!!」 」 」
お、お前等……
「じ、実はさ……俺……アルバイトを始めようかと思っているんだけどさ……どんなアルバイトが俺に合っているかなぁと思ってさ……」
「おーっ!! アルバイトを考えているのかーっ!? それは良いことだよな。俺も夏休みに入ったらアルバイトをやろうと考えているんだよ」
「なるほど、アルバイトですか……颯さんだったらどんなアルバイトでも大丈夫だとは思うんですけどねぇ……」
「い、いや……俺は人と話すのが苦手だから……お客さん相手のアルバイトはちょっと厳しいかなぁとは思っているんだけど……」
「えーっ、そうですかぁ!? 私から見れば颯さんが人と話すのが苦手な様には見えないですけどねぇ」
イヤイヤイヤッ、いつも俺から話しかける事って無いだろ?
ほとんど俺は話かけられた事に答えているだけじゃないか……
「それでアルバイトをするって事はお金が欲しいってことだろうけど、颯は何か欲しいものでもあるのか?」
「え? ま、まぁな……」
「えっ? 何が欲しいんですか?」
「い、いやさ……前から皆に言われているけどさ、そろそろ俺もスマホを持とうかと思ってさ……でも親に負担をかけたくは無いから自分のお金で何とかしたいというか……」
「おーっ!! 颯、お前めちゃくちゃ偉いな!?」
「ほ、ほんと……私今、泣きそうになりましたよ!!」
いや、大袈裟過ぎるだろ!?
「フフフ……なるほどね……」
ん? 何が、なるほどなんだ、徳川?
「ん? 伊緒奈さん、どうかされましたか?」
「うん、実は颯君にピッタリなアルバイトを思いついちゃって……」
えっ? 俺にピッタリのアルバイト?
「い、伊緒奈さん、それはどんなアルバイトですか!?」
「えっとね……太鳳ちゃん、耳を貸してくれる?」
「あ、はい……」
「コチョコチョコチョ……」
徳川は本多に何をコソコソと話しているんだ?
「おーっ!! さすがは伊緒奈さんですね!? うんうん、そのアルバイトは颯さんにピッタリだと私も思います!!」
「でしょう? ウフ……」
「オイオイ、二人で盛り上がらないでくれよぉ!! 俺にも教えてくれよな!?」
「フフフ……別にいいけど……それじゃぁ二人共、今日の帰りに私の家に寄ってくれないかな?」
「 「えーっ!? 徳川さんの家にだって!?」 」
【徳川邸】
「へーっ!? こ、この豪邸が伊緒奈ちゃんの家ってか!? す、凄すぎるだろ!?」
俊哉、お前が驚く気持ちはよく分かるぞ。
「竹中颯さんと前田俊哉さんと言いましたね? ようこそいらっしゃいました」
「こ、こんにちは本多さん……勉強会の時はお世話なりました……」
「えっ? 本多さん?」
「フフフ、前田君驚いた? 実は私のお爺ちゃんなの」
「えーっ!? ま、マジかっ!?」
「初めまして、前田俊哉さん。私は太鳳の祖父で、このお屋敷で『執事長』を務めております本多太久磨と申します。どうぞ宜しくお願い致します」
「え? ええ、こちらこそ宜しくお願い致します……」
「それでね、颯君? アルバイトの件なんだけどね……どうかしら? もし颯君さへ良ければこの家の『執事』をやってみないかな?」
……えっ?
「え――――――っ!? お、俺が執事だってーっ!?」
颯が執事ってのは色んな意味でマズくないか!?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
なんとか無事に昼休みが終わり午後からの授業を受ける颯だが、疲れすぎて授業に身が入らないでいた。
授業後、そんな颯を徳川達が心配してくれるが颯は昼休みの出来事は言えないでいた。しかし一つだけアルバイトについて相談してみることに。
そのアルバイトに対して伊緒奈が良いことを思い付き颯を自宅に招く。
そして伊緒奈は颯にこの家の『執事』をやることを勧めてきたのだった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
俺はめちゃくちゃ濃かった昼休みを何とか終えて五時限目、六時限目の授業を受けたが疲れ過ぎて全然、内容が頭に入って来なかった。
これは次の期末テストも徳川達に『勉強会』を開催してもらわないとマズイかもしれないな……って、俺はなんて自分勝手な男なんだ。
友達だと認めていない人達を当てにするなんてな……
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
ふぅ......やっと終わったぞ。
早く家に帰って疲れを取る為に今夜はアニメを観るのも止めて早く寝よう。
「おーい、颯? なんか午後から元気が無かったよな? 大丈夫か?」
「えっ? と、俊哉……」
俺は申し訳なさ過ぎて俊哉の顔がまともに見れない。
まさか俊哉の大好きな羽柴副会長にまで告白されるとは思ってもいなかったから……
「そうね。前田君の言う通り、午後からの授業全然、身が入っていなかった様に見えたわ。生徒会室で本当に何も無かったのかな?」
皆には織田会長は風邪で休みの為に羽柴副会長の仕事が増えてしまい雑用の手伝いの一人として呼ばれただけと苦しい嘘を言っている。
まぁ、徳川のことだから俺の言っている事を信用していないかもしれないよな。
「い、いや……本当に何も無いよ……俺は大丈夫だから……」
タッタッタッタッ!!
「は、颯さん、大丈夫ですか!? 私、授業中斜め前からずっと颯さんを見ていましたが、ため息ばかりついていたので、とても心配していたんです!!」
いや、本多!! ちゃんと前を見てろよ!!
「ほ、本多さんも心配してくれて有難う……でも俺は大丈夫だから……」
「本当ですかぁ? 颯さん、無理されてませんかぁ?」
「そうだぞ、颯!! 俺達は友達なんだからもし困った事があれば何でも相談してくれよな!?」
と、俊哉……お前にとって『裏切り者』の俺なんかに優しい言葉をかけないでくれ!!
「前田君の言う通りよ。困ったときはお互い様なんだから何でも相談してね?」
「ふ、二人共有難う……うーん、そうだなぁ……それじゃぁ一つだけ相談に乗ってもらえるかな……?」
「 「 「何でも言って!!!」 」 」
お、お前等……
「じ、実はさ……俺……アルバイトを始めようかと思っているんだけどさ……どんなアルバイトが俺に合っているかなぁと思ってさ……」
「おーっ!! アルバイトを考えているのかーっ!? それは良いことだよな。俺も夏休みに入ったらアルバイトをやろうと考えているんだよ」
「なるほど、アルバイトですか……颯さんだったらどんなアルバイトでも大丈夫だとは思うんですけどねぇ……」
「い、いや……俺は人と話すのが苦手だから……お客さん相手のアルバイトはちょっと厳しいかなぁとは思っているんだけど……」
「えーっ、そうですかぁ!? 私から見れば颯さんが人と話すのが苦手な様には見えないですけどねぇ」
イヤイヤイヤッ、いつも俺から話しかける事って無いだろ?
ほとんど俺は話かけられた事に答えているだけじゃないか……
「それでアルバイトをするって事はお金が欲しいってことだろうけど、颯は何か欲しいものでもあるのか?」
「え? ま、まぁな……」
「えっ? 何が欲しいんですか?」
「い、いやさ……前から皆に言われているけどさ、そろそろ俺もスマホを持とうかと思ってさ……でも親に負担をかけたくは無いから自分のお金で何とかしたいというか……」
「おーっ!! 颯、お前めちゃくちゃ偉いな!?」
「ほ、ほんと……私今、泣きそうになりましたよ!!」
いや、大袈裟過ぎるだろ!?
「フフフ……なるほどね……」
ん? 何が、なるほどなんだ、徳川?
「ん? 伊緒奈さん、どうかされましたか?」
「うん、実は颯君にピッタリなアルバイトを思いついちゃって……」
えっ? 俺にピッタリのアルバイト?
「い、伊緒奈さん、それはどんなアルバイトですか!?」
「えっとね……太鳳ちゃん、耳を貸してくれる?」
「あ、はい……」
「コチョコチョコチョ……」
徳川は本多に何をコソコソと話しているんだ?
「おーっ!! さすがは伊緒奈さんですね!? うんうん、そのアルバイトは颯さんにピッタリだと私も思います!!」
「でしょう? ウフ……」
「オイオイ、二人で盛り上がらないでくれよぉ!! 俺にも教えてくれよな!?」
「フフフ……別にいいけど……それじゃぁ二人共、今日の帰りに私の家に寄ってくれないかな?」
「 「えーっ!? 徳川さんの家にだって!?」 」
【徳川邸】
「へーっ!? こ、この豪邸が伊緒奈ちゃんの家ってか!? す、凄すぎるだろ!?」
俊哉、お前が驚く気持ちはよく分かるぞ。
「竹中颯さんと前田俊哉さんと言いましたね? ようこそいらっしゃいました」
「こ、こんにちは本多さん……勉強会の時はお世話なりました……」
「えっ? 本多さん?」
「フフフ、前田君驚いた? 実は私のお爺ちゃんなの」
「えーっ!? ま、マジかっ!?」
「初めまして、前田俊哉さん。私は太鳳の祖父で、このお屋敷で『執事長』を務めております本多太久磨と申します。どうぞ宜しくお願い致します」
「え? ええ、こちらこそ宜しくお願い致します……」
「それでね、颯君? アルバイトの件なんだけどね……どうかしら? もし颯君さへ良ければこの家の『執事』をやってみないかな?」
……えっ?
「え――――――っ!? お、俺が執事だってーっ!?」
颯が執事ってのは色んな意味でマズくないか!?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
なんとか無事に昼休みが終わり午後からの授業を受ける颯だが、疲れすぎて授業に身が入らないでいた。
授業後、そんな颯を徳川達が心配してくれるが颯は昼休みの出来事は言えないでいた。しかし一つだけアルバイトについて相談してみることに。
そのアルバイトに対して伊緒奈が良いことを思い付き颯を自宅に招く。
そして伊緒奈は颯にこの家の『執事』をやることを勧めてきたのだった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
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