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第9章 中間テスト編
第49話 徳川邸へ
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ということで俺達は学校終わりに徳川の家に行く事になった。
徳川の家は丁度、学校と俺の家の中間地点にあって、俺とすれば帰宅途中ということもあり都合は良かった。
もし、これが逆方向だったら帰りが面倒ということもあり、俺は恐らく勉強会を断る理由を探しまくっていたかもしれない。
「前田君は何で勉強会に参加しないのでしょう?」
「さぁ、私には分からないわ……でもまぁ、いいじゃない。颯君が参加してくれるんだから」
「そうですよね? 前田君はどうでもいいですよね?」
オイオイオイッ、本多!!
それはさすがに前田が可哀想だろ?
ってか、俺は前田が何故、勉強会に参加しなかったのか理由を知っている。
実は帰り際に前田が俺の耳元でこう呟いたんだ。
「お、俺は陽菜ちゃんと勉強会をしたいから、今からダッシュで陽菜ちゃんのクラスに行って来るよ……」
ということらしい。
まぁ、羽柴副会長を追いかけて外部入学してきた前田だからな。
少しでも好きな人と一緒にいたいという気持ちは俺でも分かる。
「そういえば伊緒奈さんが自転車をこいでいる姿を見るのは久しぶりですね?」
「ウフッ、そうよね。でも休みの日はたまに乗っているのよ」
ん? 今の二人の会話は何だ?
何か違和感を感じたというか……
そういえば、今日のこの状況っておかしいよな……?
というのも、お嬢様の徳川は日頃、車で送り迎えをしてもらっていると前に聞いた事がある。
そして本多は毎日、電車通学だと聞いていた。
それなのに今日に限って何故二人は自転車通学なんだ?
俺に勉強会を誘った今日に限って……
俺が今から考えよう思った矢先に徳川が俺に声をかけてきた。
「颯君、私のお家が見えてきたわ。ほら、アレよ。あの家が私のお家なの」
「えっ!? ま、マジか……?」
俺は徳川が指さした家を見て驚いた。
お嬢様だから家が大きいだろうとは思っていたが、俺の予想を遥かに超えた豪邸だ。
どう見ても普通の人間が住む様な家には見えない。
外国の大使館の様な……テレビで観た事のある迎賓館の様な感じの家で門から家までどれくらいの距離があるんだ? と思うくらいに敷地が広い。
おそらく庭の敷地だけで俺の家が数十軒も建つくらいに広い……
さすがは天下のドラッグストア『トクガワキヨシ』創業者の家だな……
俺達が徳川邸のバカでかい正面の門の前に着くと急に門が開き始める。
「す、凄い……」
「颯さん、驚くのはまだ早いですよ! お庭も凄いですし家の中は更に凄いですからビビってチビらないようにしてくださいね? フフフ……」
いつもの俺なら心の中ではあるが本多に対して突っ込みを入れるところだけど、さすがに今の俺はマジでビビってしまいチビリそうになったので突っ込む事が出来ないでいた。
「とりあえず二人共、中に入りましょう? 自転車置き場はこの先にあるから……」
徳川はそう言うと先頭で自転車をこいで行き、俺と本多はその後をついて行く。
庭もこれまたテレビで観た事があるような手入れの整っている鮮やかな『日本庭園』があり、そこを通り過ぎると今度は『市民プール』並みの大きなプールがある。
こ、ここで水泳大会が出来るんじゃないのか……
そして最後に建物の前には大きな噴水があり、またその近くにはバーベキューができる設備が整った屋根付きの施設があった。
バーベキューかぁ……
そういえば小さい頃は家族でよくやっていたよなぁ……
俺は徳川邸の庭を通り過ぎていただけだが、何故か小旅行をした気分になった。
世の中にはこんな豪邸に住んで居る人がいるんだな……
それもまさか、同じクラスにいるなんてな……
「さぁ、着いたわよ。自転車はそこに置いてちょうだいね。それでは家の中に入りましょう」
徳川はそう言うと、これまた今まで見た事の無い様なめちゃくちゃ大きな玄関ドアを開け、俺達を中に招き入れた。
すると、
「 「 「伊緒奈お嬢様、お帰りなさいませ!! そしてお客様もいらっしゃいませ!! ようこそお越しくださいました!!」 」 」
うわっ!!??
家に入ると直ぐにメイド服を着た三名の『本物のメイド』さん達が俺達を出迎えてくれた。
何? この『夢の世界』みたいな所は……?
そしてメイドさん達の後ろに小柄で白髪の老人が笑顔で立っていた。
年齢は六十歳過ぎくらいだが背筋が真っすぐ伸びて姿勢が良く、とても紳士的な雰囲気を漂わせている。
「伊緒奈お嬢様、お帰りなさいませ。そして竹中颯様、よくいらしてくださいました。お待ちしておりましたよ……」
「えっ? ああ、お……お邪魔いたします……です……あっ……」
ですって……緊張し過ぎて訳の分からん挨拶をしてしまったぞ……
「もう、お爺ちゃん!! 私も一応お客様なんだからちゃんと挨拶をしてよねぇ!?」
えっ!? 本多? えっ……
「あっ、も、もしかしてこの人が本多さんの……」
「初めまして竹中様、私はこの屋敷で『執事長』を務めております『本多太久磨』と申します。そしてそこにいる本多太鳳の祖父でもあります……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
勉強会の為に徳川伊緒奈の家に向かう颯達……
しかし家に到着した途端、見た事も無い豪邸過ぎて颯は衝撃をうける。
そして大きな庭を抜け家の中に入るとそこには三名のメイドと執事が笑顔で出迎えてくれる。
実はその執事は本多太鳳の祖父であった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
徳川の家は丁度、学校と俺の家の中間地点にあって、俺とすれば帰宅途中ということもあり都合は良かった。
もし、これが逆方向だったら帰りが面倒ということもあり、俺は恐らく勉強会を断る理由を探しまくっていたかもしれない。
「前田君は何で勉強会に参加しないのでしょう?」
「さぁ、私には分からないわ……でもまぁ、いいじゃない。颯君が参加してくれるんだから」
「そうですよね? 前田君はどうでもいいですよね?」
オイオイオイッ、本多!!
それはさすがに前田が可哀想だろ?
ってか、俺は前田が何故、勉強会に参加しなかったのか理由を知っている。
実は帰り際に前田が俺の耳元でこう呟いたんだ。
「お、俺は陽菜ちゃんと勉強会をしたいから、今からダッシュで陽菜ちゃんのクラスに行って来るよ……」
ということらしい。
まぁ、羽柴副会長を追いかけて外部入学してきた前田だからな。
少しでも好きな人と一緒にいたいという気持ちは俺でも分かる。
「そういえば伊緒奈さんが自転車をこいでいる姿を見るのは久しぶりですね?」
「ウフッ、そうよね。でも休みの日はたまに乗っているのよ」
ん? 今の二人の会話は何だ?
何か違和感を感じたというか……
そういえば、今日のこの状況っておかしいよな……?
というのも、お嬢様の徳川は日頃、車で送り迎えをしてもらっていると前に聞いた事がある。
そして本多は毎日、電車通学だと聞いていた。
それなのに今日に限って何故二人は自転車通学なんだ?
俺に勉強会を誘った今日に限って……
俺が今から考えよう思った矢先に徳川が俺に声をかけてきた。
「颯君、私のお家が見えてきたわ。ほら、アレよ。あの家が私のお家なの」
「えっ!? ま、マジか……?」
俺は徳川が指さした家を見て驚いた。
お嬢様だから家が大きいだろうとは思っていたが、俺の予想を遥かに超えた豪邸だ。
どう見ても普通の人間が住む様な家には見えない。
外国の大使館の様な……テレビで観た事のある迎賓館の様な感じの家で門から家までどれくらいの距離があるんだ? と思うくらいに敷地が広い。
おそらく庭の敷地だけで俺の家が数十軒も建つくらいに広い……
さすがは天下のドラッグストア『トクガワキヨシ』創業者の家だな……
俺達が徳川邸のバカでかい正面の門の前に着くと急に門が開き始める。
「す、凄い……」
「颯さん、驚くのはまだ早いですよ! お庭も凄いですし家の中は更に凄いですからビビってチビらないようにしてくださいね? フフフ……」
いつもの俺なら心の中ではあるが本多に対して突っ込みを入れるところだけど、さすがに今の俺はマジでビビってしまいチビリそうになったので突っ込む事が出来ないでいた。
「とりあえず二人共、中に入りましょう? 自転車置き場はこの先にあるから……」
徳川はそう言うと先頭で自転車をこいで行き、俺と本多はその後をついて行く。
庭もこれまたテレビで観た事があるような手入れの整っている鮮やかな『日本庭園』があり、そこを通り過ぎると今度は『市民プール』並みの大きなプールがある。
こ、ここで水泳大会が出来るんじゃないのか……
そして最後に建物の前には大きな噴水があり、またその近くにはバーベキューができる設備が整った屋根付きの施設があった。
バーベキューかぁ……
そういえば小さい頃は家族でよくやっていたよなぁ……
俺は徳川邸の庭を通り過ぎていただけだが、何故か小旅行をした気分になった。
世の中にはこんな豪邸に住んで居る人がいるんだな……
それもまさか、同じクラスにいるなんてな……
「さぁ、着いたわよ。自転車はそこに置いてちょうだいね。それでは家の中に入りましょう」
徳川はそう言うと、これまた今まで見た事の無い様なめちゃくちゃ大きな玄関ドアを開け、俺達を中に招き入れた。
すると、
「 「 「伊緒奈お嬢様、お帰りなさいませ!! そしてお客様もいらっしゃいませ!! ようこそお越しくださいました!!」 」 」
うわっ!!??
家に入ると直ぐにメイド服を着た三名の『本物のメイド』さん達が俺達を出迎えてくれた。
何? この『夢の世界』みたいな所は……?
そしてメイドさん達の後ろに小柄で白髪の老人が笑顔で立っていた。
年齢は六十歳過ぎくらいだが背筋が真っすぐ伸びて姿勢が良く、とても紳士的な雰囲気を漂わせている。
「伊緒奈お嬢様、お帰りなさいませ。そして竹中颯様、よくいらしてくださいました。お待ちしておりましたよ……」
「えっ? ああ、お……お邪魔いたします……です……あっ……」
ですって……緊張し過ぎて訳の分からん挨拶をしてしまったぞ……
「もう、お爺ちゃん!! 私も一応お客様なんだからちゃんと挨拶をしてよねぇ!?」
えっ!? 本多? えっ……
「あっ、も、もしかしてこの人が本多さんの……」
「初めまして竹中様、私はこの屋敷で『執事長』を務めております『本多太久磨』と申します。そしてそこにいる本多太鳳の祖父でもあります……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
勉強会の為に徳川伊緒奈の家に向かう颯達……
しかし家に到着した途端、見た事も無い豪邸過ぎて颯は衝撃をうける。
そして大きな庭を抜け家の中に入るとそこには三名のメイドと執事が笑顔で出迎えてくれる。
実はその執事は本多太鳳の祖父であった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
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