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第8章 中庭の合戦編
第44話 中庭会談
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【徳川サイド】
「やはり、そうだったのね……昨日、生徒会室に颯君を呼び出したのは織田会長だったんだわ。そして告白をした……あの『仙石集会』の時には颯君のことに気付いていたけど周りに気付かれない様に無理矢理、誤魔化していたのね? さすが織田会長ってとこね……」
「い、伊緒奈さん!! 感心していていいんですか!? 武田さんや上杉さんだけでもややこしいのに、織田会長までが颯さんの事が好きだなんて……私と華子で一人ずつ消していきましょうか?」
「バカなこと言わないでよ、太鳳ちゃん!! それよりも織田会長の提案は私も賛成だし、それによって今後、色々とやりようがあると思うのよ……」
「しかしアレだな? 今日の伊緒奈ちゃんは何か怖いというか、策略家というか、敵に回すと恐ろしいタイプだな?」
「えーっ? そんな事無いよぉぉ、前田君……私も色々と今は言えない事情があるのよぉぉ」
「ふーん、事情ねぇ……」
【中庭サイド】
俺は織田会長の提案通りになって欲しいけど、武田さんや上杉さんはどうなんだろうか?
とりあえず、しばらくの間は三人からの告白の返事をしなくて済むだけでも俺にとっては精神的に楽になる。
「わ、分かったわよ!! 私だって竹中君のやりたい事の邪魔はしたくないわ。でも竹中君? 勉強で分からないところがあればいつでも聞いてちょうだい。手取り足取り教えてあげるから。それと中間テストが終わったら……こ、告白の返事を聞かせてね?」
た、武田さん……手取り足取りの言葉の使い方、変じゃないですか?
「は、颯君!! 私は学年二位で静香よりも勉強ができるから、分からない事は静香よりも私に聞いてくれた方が絶対にいいと思うよ。だから遠慮なくいつでも私の教室でも私の部屋にでも来てくれていいからね? それとテスト後には私も返事を聞かせて欲しいなぁ……」
う、上杉さん……今、シレっと自分の部屋に来させようとしましたね?
「ケ、ケイト!! 学年二位も三位も大して変わらないじゃない!! それに私の部屋に来てって何よ!? 私の部屋の方があんたの部屋よりも勉強もしやすいし、ベッドも大きいわ!!」
勉強にベッドの大きさは関係無いだろ!?
ってか、武田さん、あんた良からぬことを考えていませんか?
こ、これ以上は俺も恥ずかしくて言えませんが……
「でもさ~勉強が出来る出来ないで言えばさ~私は学年一位なんだし~竹中君に勉強を教えるとすれば~私が一番適任じゃないかな~?」
「 「茂香は関係無いでしょ!?」 」
「え~? 私も竹中君のことが少しだけ気になってきたんだけど~」
えっ、マッ、マジかっ!?
「も、茂香!! それは気のせいよ。だから竹中君のことは今ここで忘れてちょうだい!! それに、大学生の彼氏がいるんでしょ!? あんたは、その彼氏とよろしくしていればいいのよ!!」
「静香ちゃん、今ここで忘れろと言われてもさ~」
「茂香、お願いだからあんたはこの件には関わらないでちょうだい!!」
「もう、ケイトちゃんまで私をのけ者にするんだから~まぁ、いいわ。とりあえず私は大人しくあなた達の行動を『風紀委員長』として観察させてもらうわ~」
「これで話はまとまりましたね? 皆さん、私の提案を受け入れて頂きありがとうございます。ちなみに竹中君?」
「は、はい……何でしょうか……?」
「いつでも生徒会室で勉強をしてくれてもいいからね? 美味しい紅茶と高級お菓子でおもてなしさせて頂くわ」
えっ、織田会長までそんな事を……
「乃恵瑠ちゃん……いえ、織田会長!! それはちょっと……」
「えーっ? ダメなの、陽菜ちゃん……いえ、羽柴副会長!?」
「それは勿論ですよ。生徒会長が竹中君だけえこひいきする訳にはいかないじゃないですか。そんな事をすれば生徒会の信用が……」
「ああ、生徒会って面倒なところよね? やっぱり次の選挙に立候補するのは止めようかしら……」
「えーっ!? そ、そんな事を言わないでくださいよ!! 織田会長がやらなきゃ一体、誰がやるっていうのですか!?」
「陽菜ちゃんが生徒会長をやればいいじゃない! 私は女の子らしい生活をしたいから生徒会長なんてもういいわ……」
「えーっ、私がですかーっ!?」
まさか、こんな展開になるなんて全然、考えていなかったぞ。
それに、これだけ俺に勉強を教えたがっている人達だからな、これからも勉強の妨げになるようなことをしてくるかもしれないな……
ここは一つ、勇気を振り絞って俺からも言ってみるか……
「あ、あのぉぉ……皆さん、一つだけよろしいでしょうか……?」
「 「 「何だい、竹中君!!!???」 」 」
わっ、三人が同時に食いついて来たぞ!!
「あ、あのですね……中間テストが終わるまでは……俺に話しかけるのも禁止にしていただけないでしょうか……?」
「 「 「えっ、え―――――――――――――っ!!!???」 」 」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
章最終話です。
乃恵瑠の介入で無事に?『中庭の合戦』も終わり、乃恵瑠、静香、ケイトの三者会談の様な場に変わる。
そして乃恵瑠の提案で中間テストが終わるまでは颯の勉強の邪魔をしないということで話がまとまったが、颯も一つだけ希望を伝える。
それは中間テストが終わるまで颯に三人は話しかけないということだった。
ということで次回から新章開始!
お楽しみに(^_-)-☆
「やはり、そうだったのね……昨日、生徒会室に颯君を呼び出したのは織田会長だったんだわ。そして告白をした……あの『仙石集会』の時には颯君のことに気付いていたけど周りに気付かれない様に無理矢理、誤魔化していたのね? さすが織田会長ってとこね……」
「い、伊緒奈さん!! 感心していていいんですか!? 武田さんや上杉さんだけでもややこしいのに、織田会長までが颯さんの事が好きだなんて……私と華子で一人ずつ消していきましょうか?」
「バカなこと言わないでよ、太鳳ちゃん!! それよりも織田会長の提案は私も賛成だし、それによって今後、色々とやりようがあると思うのよ……」
「しかしアレだな? 今日の伊緒奈ちゃんは何か怖いというか、策略家というか、敵に回すと恐ろしいタイプだな?」
「えーっ? そんな事無いよぉぉ、前田君……私も色々と今は言えない事情があるのよぉぉ」
「ふーん、事情ねぇ……」
【中庭サイド】
俺は織田会長の提案通りになって欲しいけど、武田さんや上杉さんはどうなんだろうか?
とりあえず、しばらくの間は三人からの告白の返事をしなくて済むだけでも俺にとっては精神的に楽になる。
「わ、分かったわよ!! 私だって竹中君のやりたい事の邪魔はしたくないわ。でも竹中君? 勉強で分からないところがあればいつでも聞いてちょうだい。手取り足取り教えてあげるから。それと中間テストが終わったら……こ、告白の返事を聞かせてね?」
た、武田さん……手取り足取りの言葉の使い方、変じゃないですか?
「は、颯君!! 私は学年二位で静香よりも勉強ができるから、分からない事は静香よりも私に聞いてくれた方が絶対にいいと思うよ。だから遠慮なくいつでも私の教室でも私の部屋にでも来てくれていいからね? それとテスト後には私も返事を聞かせて欲しいなぁ……」
う、上杉さん……今、シレっと自分の部屋に来させようとしましたね?
「ケ、ケイト!! 学年二位も三位も大して変わらないじゃない!! それに私の部屋に来てって何よ!? 私の部屋の方があんたの部屋よりも勉強もしやすいし、ベッドも大きいわ!!」
勉強にベッドの大きさは関係無いだろ!?
ってか、武田さん、あんた良からぬことを考えていませんか?
こ、これ以上は俺も恥ずかしくて言えませんが……
「でもさ~勉強が出来る出来ないで言えばさ~私は学年一位なんだし~竹中君に勉強を教えるとすれば~私が一番適任じゃないかな~?」
「 「茂香は関係無いでしょ!?」 」
「え~? 私も竹中君のことが少しだけ気になってきたんだけど~」
えっ、マッ、マジかっ!?
「も、茂香!! それは気のせいよ。だから竹中君のことは今ここで忘れてちょうだい!! それに、大学生の彼氏がいるんでしょ!? あんたは、その彼氏とよろしくしていればいいのよ!!」
「静香ちゃん、今ここで忘れろと言われてもさ~」
「茂香、お願いだからあんたはこの件には関わらないでちょうだい!!」
「もう、ケイトちゃんまで私をのけ者にするんだから~まぁ、いいわ。とりあえず私は大人しくあなた達の行動を『風紀委員長』として観察させてもらうわ~」
「これで話はまとまりましたね? 皆さん、私の提案を受け入れて頂きありがとうございます。ちなみに竹中君?」
「は、はい……何でしょうか……?」
「いつでも生徒会室で勉強をしてくれてもいいからね? 美味しい紅茶と高級お菓子でおもてなしさせて頂くわ」
えっ、織田会長までそんな事を……
「乃恵瑠ちゃん……いえ、織田会長!! それはちょっと……」
「えーっ? ダメなの、陽菜ちゃん……いえ、羽柴副会長!?」
「それは勿論ですよ。生徒会長が竹中君だけえこひいきする訳にはいかないじゃないですか。そんな事をすれば生徒会の信用が……」
「ああ、生徒会って面倒なところよね? やっぱり次の選挙に立候補するのは止めようかしら……」
「えーっ!? そ、そんな事を言わないでくださいよ!! 織田会長がやらなきゃ一体、誰がやるっていうのですか!?」
「陽菜ちゃんが生徒会長をやればいいじゃない! 私は女の子らしい生活をしたいから生徒会長なんてもういいわ……」
「えーっ、私がですかーっ!?」
まさか、こんな展開になるなんて全然、考えていなかったぞ。
それに、これだけ俺に勉強を教えたがっている人達だからな、これからも勉強の妨げになるようなことをしてくるかもしれないな……
ここは一つ、勇気を振り絞って俺からも言ってみるか……
「あ、あのぉぉ……皆さん、一つだけよろしいでしょうか……?」
「 「 「何だい、竹中君!!!???」 」 」
わっ、三人が同時に食いついて来たぞ!!
「あ、あのですね……中間テストが終わるまでは……俺に話しかけるのも禁止にしていただけないでしょうか……?」
「 「 「えっ、え―――――――――――――っ!!!???」 」 」
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お読みいただきありがとうございました。
章最終話です。
乃恵瑠の介入で無事に?『中庭の合戦』も終わり、乃恵瑠、静香、ケイトの三者会談の様な場に変わる。
そして乃恵瑠の提案で中間テストが終わるまでは颯の勉強の邪魔をしないということで話がまとまったが、颯も一つだけ希望を伝える。
それは中間テストが終わるまで颯に三人は話しかけないということだった。
ということで次回から新章開始!
お楽しみに(^_-)-☆
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