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第8章 中庭の合戦編
第43話 織田乃恵瑠の提案
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「そ、そこの二人!! 直ちに腕相撲を止めてください!!!!」
お、織田会長……
「 「な、何で止めなきゃいけないの!? 今、大事な勝負をしているのよ!!」 」
「知っています。だから慌てて止めに来たんです!!」
えっ、織田会長はこの勝負の目的を知っているのか?
「それに毛利さんも『風紀委員長』なんですから、いつまでもこういった事は止めていただけませんか?」
「え~っ? 私が叱られるの~? 逆に私は『風紀委員長』として二人の争いを止める為に企画したんだけどな~」
「生徒会長としてお気持ちは嬉しいですが、毛利さんが提案された勝負に勝った方の特典が気に入りません!!」
「えっ? ああ、勝った方が竹中君とデート出来るってこと~? それってダメなの~?」
「ダメです!! 簡単に言えば竹中颯君だからダメなんです!!」
「ど、どういう意味よ、織田会長!? 私が竹中君とデートをして何が悪いのよ!?」
「そ、そうだよ、織田会長……わ、私もこの颯君のことが気に入ってしまってさぁ……普通、好きな人とデートがしたくなるのは当たり前じゃないの……?」
織田会長、もしかして、こんな所で、それも大勢のギャラリーがいる所で昨日の生徒会室での内容を話してしまうのか!?
俺が不安な顔をしながら織田会長を見ると彼女はニコッと微笑みこう言った。
「その前に……さぁ皆さん、そろそろ予鈴が鳴りますので教室に戻ってくださいね!?」
「えーっ? 大将戦見たかったのになぁ……」という意見も数名はいたが、全員織田会長の呼びかけには素直に応じ、『中庭の合戦関係者』以外は教室に戻って行った。
「これで関係者だけになりましたねぇ……それで話の続きですけど……」
「そうだよ。何で私達が竹中君とデートをしてはいけないの!?」
「皆さん、ご存じないでしょうが実は私……昨日、生徒会室で竹中颯君に告白をしました」
「 「 「え、え―――――――――――――――――――っ!!??」 」 」
あちゃ~言ってしまいましたね……?
これは実にヤバいんじゃないのか!?
「ど、ど、どういうことなの、織田会長!?」
「えっ? そういうことですけど、何か?」
「だから何故、あなたが竹中君に告白をするのよ!?」
「へっ? そんなの決まっているじゃないですか、武田さん? 私は竹中君のことを小学生の頃からずっと好きだったからですよ……何かおかしいですか?」
「しょ、小学生の頃からですって!? う、嘘よ!!」
「嘘じゃないですよ。ね、竹中君?」
うわっ、俺にフッてきたよ……
「そ、そうですね……小学校が同じということと昨日、織田会長から告白されたことは事実です……」
「 「 「え―――――――――――――っ!!??」 」 」
それで織田会長はここからどうするつもりなんだ?
「ね? 竹中君もそう言っているでしょ? だから私はこの勝負を止めに来たんですよ。先に告白した私がまだ竹中君からの返事をいただいていないのに武田さんや上杉さんが私を差し置いてデートをするなんてあり得ないじゃないですか?」
「なるほど~これは乃恵瑠ちゃんの言う事も一理あるわね~」
「も、茂香まで何を言ってるの!? あんた私達と幼馴染なんだからフォローしなさいよ!!」
「え~!? 私は基本的に誰の味方もしないわよ~それに私はこの学園の『風紀委員長』だし、正しい方の味方よ。あと『風紀委員』は『生徒会』の下に所属する組織なんだから生徒会長に逆らう事もできないしね~」
「わ、分かったよ……私も織田会長とは現在『同盟関係』でもあるし、命令には従うよ。でも私の颯君を想う気持ちは変わらいことだけは言わせてもらうよ……」
「上杉さん、私の命令に素直に従っていただきありがとうございます。でも、上杉さんが竹中君のことが好きだと分かったからには上杉一派との同盟関係は破棄させていただきますので、よろしくです……」
「えーっ!? ちょっと待て、織田会長!! それは無いだろう……それに同盟を破棄すれば今年の生徒会長選挙で君も苦戦するんじゃないのか!?」
な、何か同盟破棄とかややこしい話になって来たぞ……
「フフ……今の私は次の生徒会長選挙なんてどうでもいいんです。私は竹中君と付き合う事さえ出来れば生徒会長の座なんて捨ててもいいと思っているくらいですから!!」
「えっ!? でも織田会長、別に会長の座を捨てる必要は……」
「上杉さん、私は本気ですよ!! でも一つだけ考えを改めました。私もあなた達と同類だと気付き竹中君の気持ちを尊重しなければ彼を愛する資格は無いと思ったんです」
「ああ、そうなんだ。そ、それで……?」
「それで私はまず竹中君に聞きたい事があるの。竹中君は今、一番やりたいことは何かな?」
えっ!? 俺が一番やりたいこと……?
うーん……正直に言っていいのかな……?
「お、俺が一番やりたいことは……中間テストに向けて……集中して勉強がしたいです……」
これが俺の本当の気持ちだけども……
「フフフ……オッケー、分かったわ。ということでお二人に提案します。中間テストが終わるまでは竹中君のことを見守るというのはどうでしょう? これも好きな人に対して『愛のカタチ』になるとは思いませんか?」
お、織田会長……俺にとってはめちゃくちゃ有難い提案だけど、何か裏があるんじゃ無いだろうな……?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
武田達よりも先に颯に告白したことを伝える乃恵瑠
それを聞いた武田達は驚く。
そして乃恵瑠は二人にある提案をする。
中間テストが終わるまでは颯を見守ること……
颯にとって有り難い話だが乃恵瑠が提案しただけに何か裏があるのではと少し不安を感じる颯であった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
お、織田会長……
「 「な、何で止めなきゃいけないの!? 今、大事な勝負をしているのよ!!」 」
「知っています。だから慌てて止めに来たんです!!」
えっ、織田会長はこの勝負の目的を知っているのか?
「それに毛利さんも『風紀委員長』なんですから、いつまでもこういった事は止めていただけませんか?」
「え~っ? 私が叱られるの~? 逆に私は『風紀委員長』として二人の争いを止める為に企画したんだけどな~」
「生徒会長としてお気持ちは嬉しいですが、毛利さんが提案された勝負に勝った方の特典が気に入りません!!」
「えっ? ああ、勝った方が竹中君とデート出来るってこと~? それってダメなの~?」
「ダメです!! 簡単に言えば竹中颯君だからダメなんです!!」
「ど、どういう意味よ、織田会長!? 私が竹中君とデートをして何が悪いのよ!?」
「そ、そうだよ、織田会長……わ、私もこの颯君のことが気に入ってしまってさぁ……普通、好きな人とデートがしたくなるのは当たり前じゃないの……?」
織田会長、もしかして、こんな所で、それも大勢のギャラリーがいる所で昨日の生徒会室での内容を話してしまうのか!?
俺が不安な顔をしながら織田会長を見ると彼女はニコッと微笑みこう言った。
「その前に……さぁ皆さん、そろそろ予鈴が鳴りますので教室に戻ってくださいね!?」
「えーっ? 大将戦見たかったのになぁ……」という意見も数名はいたが、全員織田会長の呼びかけには素直に応じ、『中庭の合戦関係者』以外は教室に戻って行った。
「これで関係者だけになりましたねぇ……それで話の続きですけど……」
「そうだよ。何で私達が竹中君とデートをしてはいけないの!?」
「皆さん、ご存じないでしょうが実は私……昨日、生徒会室で竹中颯君に告白をしました」
「 「 「え、え―――――――――――――――――――っ!!??」 」 」
あちゃ~言ってしまいましたね……?
これは実にヤバいんじゃないのか!?
「ど、ど、どういうことなの、織田会長!?」
「えっ? そういうことですけど、何か?」
「だから何故、あなたが竹中君に告白をするのよ!?」
「へっ? そんなの決まっているじゃないですか、武田さん? 私は竹中君のことを小学生の頃からずっと好きだったからですよ……何かおかしいですか?」
「しょ、小学生の頃からですって!? う、嘘よ!!」
「嘘じゃないですよ。ね、竹中君?」
うわっ、俺にフッてきたよ……
「そ、そうですね……小学校が同じということと昨日、織田会長から告白されたことは事実です……」
「 「 「え―――――――――――――っ!!??」 」 」
それで織田会長はここからどうするつもりなんだ?
「ね? 竹中君もそう言っているでしょ? だから私はこの勝負を止めに来たんですよ。先に告白した私がまだ竹中君からの返事をいただいていないのに武田さんや上杉さんが私を差し置いてデートをするなんてあり得ないじゃないですか?」
「なるほど~これは乃恵瑠ちゃんの言う事も一理あるわね~」
「も、茂香まで何を言ってるの!? あんた私達と幼馴染なんだからフォローしなさいよ!!」
「え~!? 私は基本的に誰の味方もしないわよ~それに私はこの学園の『風紀委員長』だし、正しい方の味方よ。あと『風紀委員』は『生徒会』の下に所属する組織なんだから生徒会長に逆らう事もできないしね~」
「わ、分かったよ……私も織田会長とは現在『同盟関係』でもあるし、命令には従うよ。でも私の颯君を想う気持ちは変わらいことだけは言わせてもらうよ……」
「上杉さん、私の命令に素直に従っていただきありがとうございます。でも、上杉さんが竹中君のことが好きだと分かったからには上杉一派との同盟関係は破棄させていただきますので、よろしくです……」
「えーっ!? ちょっと待て、織田会長!! それは無いだろう……それに同盟を破棄すれば今年の生徒会長選挙で君も苦戦するんじゃないのか!?」
な、何か同盟破棄とかややこしい話になって来たぞ……
「フフ……今の私は次の生徒会長選挙なんてどうでもいいんです。私は竹中君と付き合う事さえ出来れば生徒会長の座なんて捨ててもいいと思っているくらいですから!!」
「えっ!? でも織田会長、別に会長の座を捨てる必要は……」
「上杉さん、私は本気ですよ!! でも一つだけ考えを改めました。私もあなた達と同類だと気付き竹中君の気持ちを尊重しなければ彼を愛する資格は無いと思ったんです」
「ああ、そうなんだ。そ、それで……?」
「それで私はまず竹中君に聞きたい事があるの。竹中君は今、一番やりたいことは何かな?」
えっ!? 俺が一番やりたいこと……?
うーん……正直に言っていいのかな……?
「お、俺が一番やりたいことは……中間テストに向けて……集中して勉強がしたいです……」
これが俺の本当の気持ちだけども……
「フフフ……オッケー、分かったわ。ということでお二人に提案します。中間テストが終わるまでは竹中君のことを見守るというのはどうでしょう? これも好きな人に対して『愛のカタチ』になるとは思いませんか?」
お、織田会長……俺にとってはめちゃくちゃ有難い提案だけど、何か裏があるんじゃ無いだろうな……?
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
武田達よりも先に颯に告白したことを伝える乃恵瑠
それを聞いた武田達は驚く。
そして乃恵瑠は二人にある提案をする。
中間テストが終わるまでは颯を見守ること……
颯にとって有り難い話だが乃恵瑠が提案しただけに何か裏があるのではと少し不安を感じる颯であった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
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