42 / 111
第8章 中庭の合戦編
第42話 ちょっと待って!!
しおりを挟む
さぁ、遂に『副将戦』かぁ……
野々花さんは『馬場野々花』っていうんだな?
そしてその相手が二年生の『直江カノンさん』かぁ……
さっきから凄い自信満々に見えるけど見た目だけで言えば馬場さんの方が身長もあるし肉付きもいい……
それに比べて直江さんは身体も小さいし、華奢に見えるんだけどなぁ……
正確はきつそうだけどそれだけで腕相撲に勝てたら苦労はしないんだが……
「それでは二人共、腕を机の上に置いてくれるかな~? さぁ、始めるわよ~? レディ~ゴ~ッ!!」
グッ!!
おーっ!! 二人共凄い力が入っているぞ。
それに直江さんは思った以上に力あるんだな?
「くっ!! この子、意外と力があるわ!!」
「フフフ……馬場先輩? 人は見かけによらないんですよ……」
ググッ!!
「くっ!! ほ、ほんとね……でも、私は静香にまで回さずに勝ちたいのよ!!」
グググッ!!
「えー? 何でですか~? 『大将戦』までやる方が盛り上がるじゃないですかぁ?」
ググググッ!!
「べ、別にあなたに理由を言う必要なんて無いわ!! とりあえず私が勝てばいいのよ!!」
ググググーーーッ!!
おーっ!! 馬場さんの方が有利になったぞ。
これはこのまま馬場さんが直江さんの腕を押し倒す可能性大だな!!
「馬場先輩? 私、去年一年ずっと学年一位だったんですよぉお」
「しっ、知ってるわよ!! だから何なのよ!?」
「私の『座右の銘』を教えてあげますね?」
「はーっ!? こんな時に何よ!?」
「私の『座右の銘』は……『文武両道』なんですよぉぉおおお!!」
ブワンッ バシンッ!!
「キャッ、痛い!!」
な、何だとーッ!?
あの位置から直江さんが大逆転して勝ってしまったぞ!!
な、なんていう力なんだ……
「イタタタタ……あ、あなた去年までそんなに腕相撲強くなかったのに何で? もしかして今まで本気を出していなかったとでもいうの?」
「そうですねぇ……今までの争いの内容は私にとってどうでもいいことばかりだったので本気を出す気になれなかったんですよぉぉ。でも今回はケイト先輩に初めて彼氏ができるかどうかという大事な戦いですからねぇ……ここで本気を出さなければいつ出すんだって感じじゃないですかぁ……」
お、恐るべし、直江カノン……
さっきの内藤さんにも匹敵するくらいの腕力だぞ、アレは……
「カノン、よくやったわっ!! 『今までの争いの内容は私にとってどうでもいい』って言葉にはカチンと来たけど、この大事な戦いで勝ってくれたから許すわ!!」
「し、静香ゴメン……私で決めたかったのに……」
「いいのよ、野々花……。あんたはよくやってくれたわ。私の為にありがとね……」
「でも静香!! あんたは今、右手を……」
「大丈夫よ。私は大丈夫だから……今ある全ての力を私の右腕に集中させるから……」
何か、武田チームは『クサいセリフ』を言い合っているな?
みんな、俺の気持ちは考えてくれているのだろうか?
いや、それは無いよな。有ればこんな『茶番』やる訳無いしな。
「さぁ、いよいよ~両チーム『大将』の登場で~す!!」
「 「 「うわぁぁああああああ!!!!」 」 」
「 「 「二人共頑張って~っ!!!!」 」 」
「会場が盛り上がってきましたよ~!! 解説の山本カンナさん、いかがですか~?」
「わ、私いつから解説者になったのよ!? 私は副審でしょ!?」
「えーっ? カンナちゃんノリ悪いな~私寂しいわ~……それではここでゲストの竹中颯さんにお聞きしたいと思いま~す!! さぁ、本日メインイベントの『大将戦』はどう思われますか~!?」
「えーっ!? お、俺ですか!?」
あっ!! 山本さんが面倒だから何か答えろ的な表情をしているぞ!!
うーん……何て答えるべきか……
「はい、それでは本日の最終戦、『大将戦』を行いま~す!!」
お、俺に対する質問はどこに行ったんだ、毛利茂香!?
ん? 山本さんが茂香の事は気にせず『大将戦』をしっかり見ておけ的な表情をしているぞ!!
ってか、何で俺は山本さんの心の声が分かるんだ!?
も、もしかして俺がエスパーだったのか!?
そして遂に武田静香対上杉ケイトの『大将戦』が始まる。
両者、力強く手を握り合い、微妙な動きで調整をしている様だ。
さすがは『大将戦』だ。見ているこちらも緊張して来たぞ。
ってか、俺はこの後の結果に対してどう対処すればいいんだ!?
それを考えると更に緊張して来たぞ……
「それでは~レディ~ゴ~!!!!」
ググググッ!!
おーっ!! 両者、最初から本気モードだぞ!!
「そ、そこの二人!! 直ちに腕相撲を止めてください!!!!」
えっ、誰の声だ?
「 「えっ!? 誰よ、私達を止めるのは!?」 」
そして俺は声の主の方を見て驚いた。
そこには肩で息をしながら羽柴副会長と平手書記に挟まれて怖い顔で立っている織田乃恵瑠会長がいたのだった。
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
以外にも直江カノンは強かった。
どうも今までは本気を出していなかったらしい。
そして二勝二敗となり決着は大将戦へ!!
静香とケイトが気合いを入れながら戦いが始まった最中、突然、腕相撲を止めろという声が鳴り響く。
なんとその声の主は織田乃恵瑠会長だった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
野々花さんは『馬場野々花』っていうんだな?
そしてその相手が二年生の『直江カノンさん』かぁ……
さっきから凄い自信満々に見えるけど見た目だけで言えば馬場さんの方が身長もあるし肉付きもいい……
それに比べて直江さんは身体も小さいし、華奢に見えるんだけどなぁ……
正確はきつそうだけどそれだけで腕相撲に勝てたら苦労はしないんだが……
「それでは二人共、腕を机の上に置いてくれるかな~? さぁ、始めるわよ~? レディ~ゴ~ッ!!」
グッ!!
おーっ!! 二人共凄い力が入っているぞ。
それに直江さんは思った以上に力あるんだな?
「くっ!! この子、意外と力があるわ!!」
「フフフ……馬場先輩? 人は見かけによらないんですよ……」
ググッ!!
「くっ!! ほ、ほんとね……でも、私は静香にまで回さずに勝ちたいのよ!!」
グググッ!!
「えー? 何でですか~? 『大将戦』までやる方が盛り上がるじゃないですかぁ?」
ググググッ!!
「べ、別にあなたに理由を言う必要なんて無いわ!! とりあえず私が勝てばいいのよ!!」
ググググーーーッ!!
おーっ!! 馬場さんの方が有利になったぞ。
これはこのまま馬場さんが直江さんの腕を押し倒す可能性大だな!!
「馬場先輩? 私、去年一年ずっと学年一位だったんですよぉお」
「しっ、知ってるわよ!! だから何なのよ!?」
「私の『座右の銘』を教えてあげますね?」
「はーっ!? こんな時に何よ!?」
「私の『座右の銘』は……『文武両道』なんですよぉぉおおお!!」
ブワンッ バシンッ!!
「キャッ、痛い!!」
な、何だとーッ!?
あの位置から直江さんが大逆転して勝ってしまったぞ!!
な、なんていう力なんだ……
「イタタタタ……あ、あなた去年までそんなに腕相撲強くなかったのに何で? もしかして今まで本気を出していなかったとでもいうの?」
「そうですねぇ……今までの争いの内容は私にとってどうでもいいことばかりだったので本気を出す気になれなかったんですよぉぉ。でも今回はケイト先輩に初めて彼氏ができるかどうかという大事な戦いですからねぇ……ここで本気を出さなければいつ出すんだって感じじゃないですかぁ……」
お、恐るべし、直江カノン……
さっきの内藤さんにも匹敵するくらいの腕力だぞ、アレは……
「カノン、よくやったわっ!! 『今までの争いの内容は私にとってどうでもいい』って言葉にはカチンと来たけど、この大事な戦いで勝ってくれたから許すわ!!」
「し、静香ゴメン……私で決めたかったのに……」
「いいのよ、野々花……。あんたはよくやってくれたわ。私の為にありがとね……」
「でも静香!! あんたは今、右手を……」
「大丈夫よ。私は大丈夫だから……今ある全ての力を私の右腕に集中させるから……」
何か、武田チームは『クサいセリフ』を言い合っているな?
みんな、俺の気持ちは考えてくれているのだろうか?
いや、それは無いよな。有ればこんな『茶番』やる訳無いしな。
「さぁ、いよいよ~両チーム『大将』の登場で~す!!」
「 「 「うわぁぁああああああ!!!!」 」 」
「 「 「二人共頑張って~っ!!!!」 」 」
「会場が盛り上がってきましたよ~!! 解説の山本カンナさん、いかがですか~?」
「わ、私いつから解説者になったのよ!? 私は副審でしょ!?」
「えーっ? カンナちゃんノリ悪いな~私寂しいわ~……それではここでゲストの竹中颯さんにお聞きしたいと思いま~す!! さぁ、本日メインイベントの『大将戦』はどう思われますか~!?」
「えーっ!? お、俺ですか!?」
あっ!! 山本さんが面倒だから何か答えろ的な表情をしているぞ!!
うーん……何て答えるべきか……
「はい、それでは本日の最終戦、『大将戦』を行いま~す!!」
お、俺に対する質問はどこに行ったんだ、毛利茂香!?
ん? 山本さんが茂香の事は気にせず『大将戦』をしっかり見ておけ的な表情をしているぞ!!
ってか、何で俺は山本さんの心の声が分かるんだ!?
も、もしかして俺がエスパーだったのか!?
そして遂に武田静香対上杉ケイトの『大将戦』が始まる。
両者、力強く手を握り合い、微妙な動きで調整をしている様だ。
さすがは『大将戦』だ。見ているこちらも緊張して来たぞ。
ってか、俺はこの後の結果に対してどう対処すればいいんだ!?
それを考えると更に緊張して来たぞ……
「それでは~レディ~ゴ~!!!!」
ググググッ!!
おーっ!! 両者、最初から本気モードだぞ!!
「そ、そこの二人!! 直ちに腕相撲を止めてください!!!!」
えっ、誰の声だ?
「 「えっ!? 誰よ、私達を止めるのは!?」 」
そして俺は声の主の方を見て驚いた。
そこには肩で息をしながら羽柴副会長と平手書記に挟まれて怖い顔で立っている織田乃恵瑠会長がいたのだった。
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
以外にも直江カノンは強かった。
どうも今までは本気を出していなかったらしい。
そして二勝二敗となり決着は大将戦へ!!
静香とケイトが気合いを入れながら戦いが始まった最中、突然、腕相撲を止めろという声が鳴り響く。
なんとその声の主は織田乃恵瑠会長だった……
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
光属性陽キャ美少女の朝日さんが何故か俺の部屋に入り浸るようになった件について
新人
青春
朝日 光(あさひ ひかる)は才色兼備で天真爛漫な学内一の人気を誇る光属性完璧美少女。
学外でもテニス界期待の若手選手でモデルとしても活躍中と、まさに天から二物も三物も与えられた存在。
一方、同じクラスの影山 黎也(かげやま れいや)は平凡な学業成績に、平凡未満の運動神経。
学校では居ても居なくても誰も気にしないゲーム好きの闇属性陰キャオタク。
陽と陰、あるいは光と闇。
二人は本来なら決して交わることのない対極の存在のはずだった。
しかし高校二年の春に、同じバスに偶然乗り合わせた黎也は光が同じゲーマーだと知る。
それをきっかけに、光は週末に黎也の部屋へと入り浸るようになった。
他の何も気にせずに、ただゲームに興じるだけの不健康で不健全な……でも最高に楽しい時間を過ごす内に、二人の心の距離は近づいていく。
『サボリたくなったら、またいつでもうちに来てくれていいから』
『じゃあ、今度はゲーミングクッションの座り心地を確かめに行こうかな』
これは誰にも言えない疵を抱えていた光属性の少女が、闇属性の少年の呪いによって立ち直り……虹色に輝く初恋をする物語。
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』でも公開しています。
https://kakuyomu.jp/works/16817330667865915671
https://ncode.syosetu.com/n1708ip/
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる