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第8章 中庭の合戦編
第38話 中庭の合戦
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えっ!? な、中庭の合戦って何だ!?
「それじゃぁ、カンナちゃんは机を一つ持って来てくれるかな~?」
「はぁ……わ、分かったよ……」
「他の人達は今のうちに準備運動をしておいてね~?」
「お、お前のせいだからな!? お前のせいで俺達は……」
「だから今から何が始まるんだよ?」
「だからさっき毛利さんが言っていただろ!! 今から俺達、『上杉一派』と『武田一派』とで戦いが始まるんだよ!! それも恐らくお前を賭けてな……」
「へっ!? お、俺を賭けてだって……!?」
【徳川サイド】
「い、伊緒奈ちゃん? 今から何が始まるんだ!? なんか『中庭の合戦』って言っていたけどさ……」
「『中庭の合戦』というのはね、いつも色々な内容で言い争いをしている武田さんと上杉さんを止める為に毛利さんが考えた方法なの。あの二人は小学生の頃までは取っ組み合いの喧嘩をしていたそうだけど、この『中庭の合戦』のお陰で流血を見るのは避けられる様になったわ……」
「りゅっ、流血って!? あんな美人二人が殴り合いをしていたっていうのか!? し、信じられないな……」
「でも中等部の頃に毛利さんが提案した方法に何故か二人共素直に受け入れたの。さすがに中学生になって顔が傷だらけになるのが嫌だからかなって思っていたけど、どうも先程の会話を聞いていると少し違うみたいだねぇ……少なくとも武田さんは毛利さんに何か弱みを握られている感じだったわ」
「だ、だから素直というよりも渋々、提案を受け入れたってことか……? なるほどな。で、その『中庭の合戦』で何をするんだよ?」
「フフフ……『腕相撲』よ……」
「へっ? う、腕相撲!?」
「腕相撲なら本当は力には自信のある私が参加したいところだけどね。伊緒奈さん、どうです? 私達も『徳川グループ』として『三つ巴の戦い』をしませんか?」
「い、嫌よ。絶対に嫌!! 私は身体が疲れてしまうことはあまりしたくないわ……」
【中庭サイド】
ガヤガヤガヤガヤ……ガヤガヤガヤガヤ……
い、いつの間にか中庭に人が増えているぞ!?
それに中庭を囲んでいる各階の窓からも大勢の生徒達が中庭の方を注目している……
凄い数のギャラリーだな。
こ、こんな中でこの人達は何かで勝負をするのか?
「茂香、机を持って来たわよ……でも本当にやるの?」
「カンナちゃん、ありがとね~で、やるに決まっているじゃない。でもアレね。静香ちゃんのところが一人多いからカンナちゃんは『副審』をしてくれるかな? それと……竹中君だったよね? 君もカンナちゃんと一緒に副審をやってもらうわね~?」
「えっ? ふ、副審?」
「さぁ、静香ちゃんもケイトちゃんも戦う順番を決めてもらえるかな~? 勿論『大将』は二人でお願いね~?」
「はぁ……今の茂香に何を言っても無駄よね……みんな悪いけど順番を決めましょう?」
「でもさ、静香? 今から始める勝負の目的は何になるの? 勝った方が竹中君と付き合うってこと?」
「そ、それは……」
いや、待て!! それはおかしいだろ?
まだ俺は付き合ってくれと言われただけで返事もしていないのに……
……それにどちらとも付き合うつもりなんて……
「も、茂香? 勝負で勝った方が、は……颯君と付き合うってことで良いのか?」
「もう、ケイトちゃんったら先走り過ぎよ~! あなた達はまだ彼に『告白』しかしていないんでしょう? それに彼があなた達にまだ返事もしていないし、考える余裕も与えていない。ほんと、あなた達は『恋愛音痴』よね~?」
おっ、毛利さんの言っている事を俺は全面的に支持するぞ!!
「恋愛音痴って失礼な女だな!? じゃぁ、勝ったらどうなるのよ!?」
「まずあなた達は彼の気持ちを一切、考えずに一方的に付き合えって言っているのよ~それって相手は凄く引いちゃうわよ~ねっ、竹中君?」
「へっ? あ……は、はい……そうですね……」
「 「そうだったのかーっ!!??」 」
「そうだったのかじゃないわよ~。まずはお互いの事を知らないと前には進まないの~だから今日の戦いに勝った方が今度の日曜日に竹中君と『デート』に行くっていうのはどうかしら~?」
「 「デッ、デート!!??」 」
デートだとーっ!?
それは絶対に無理だ!!
でも……毛利さんの言う事にも一理あるよなぁ……
「デートと言っても付き合うかどうかを彼に判断してもらう為のデートよ~だからデートの内容によってはフラれる可能性だってあるってこと。でもそれが『恋愛』なのよ~」
「そうよね……私達は竹中君の気持ちを無視して突っ走ったところがあったわね……」
「静香ちゃん、素直でよろしい。まぁ、『恋愛経験』豊富な私の言う事を信用してちょうだ~い」
れ、恋愛経験豊富だって!? こ、この『ロリっ子』がか!?
「そ、そうね。茂香は私達と違っていつも彼氏がいたもんね……で、今の彼氏は大学生だったかな?」
「ええ、そうよ~今の彼氏は大学三年生で二十歳の大人なの~」
えっ、え―――――――――――――っ!?
このロリっ子に彼氏がいるのか!?
それも二十歳の大学生だと!? その大学生は『マニア』なのか!?
っていうか、俺にとって今日一番の衝撃だぞ!!
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
『仙石学園名物』は『中庭の合戦』のことで内容は『腕相撲』だと判明する。
また毛利茂香が颯のことを気遣った発言をしてくれて喜ぶのも束の間
今回の勝負で勝った方が颯とデートをするという提案をされ愕然とする。
しかし颯が本日一番の衝撃は『ロリっ子』茂香に大学生の彼氏がいることであった(笑)
とうことで次回もお楽しみに(^_-)-☆
「それじゃぁ、カンナちゃんは机を一つ持って来てくれるかな~?」
「はぁ……わ、分かったよ……」
「他の人達は今のうちに準備運動をしておいてね~?」
「お、お前のせいだからな!? お前のせいで俺達は……」
「だから今から何が始まるんだよ?」
「だからさっき毛利さんが言っていただろ!! 今から俺達、『上杉一派』と『武田一派』とで戦いが始まるんだよ!! それも恐らくお前を賭けてな……」
「へっ!? お、俺を賭けてだって……!?」
【徳川サイド】
「い、伊緒奈ちゃん? 今から何が始まるんだ!? なんか『中庭の合戦』って言っていたけどさ……」
「『中庭の合戦』というのはね、いつも色々な内容で言い争いをしている武田さんと上杉さんを止める為に毛利さんが考えた方法なの。あの二人は小学生の頃までは取っ組み合いの喧嘩をしていたそうだけど、この『中庭の合戦』のお陰で流血を見るのは避けられる様になったわ……」
「りゅっ、流血って!? あんな美人二人が殴り合いをしていたっていうのか!? し、信じられないな……」
「でも中等部の頃に毛利さんが提案した方法に何故か二人共素直に受け入れたの。さすがに中学生になって顔が傷だらけになるのが嫌だからかなって思っていたけど、どうも先程の会話を聞いていると少し違うみたいだねぇ……少なくとも武田さんは毛利さんに何か弱みを握られている感じだったわ」
「だ、だから素直というよりも渋々、提案を受け入れたってことか……? なるほどな。で、その『中庭の合戦』で何をするんだよ?」
「フフフ……『腕相撲』よ……」
「へっ? う、腕相撲!?」
「腕相撲なら本当は力には自信のある私が参加したいところだけどね。伊緒奈さん、どうです? 私達も『徳川グループ』として『三つ巴の戦い』をしませんか?」
「い、嫌よ。絶対に嫌!! 私は身体が疲れてしまうことはあまりしたくないわ……」
【中庭サイド】
ガヤガヤガヤガヤ……ガヤガヤガヤガヤ……
い、いつの間にか中庭に人が増えているぞ!?
それに中庭を囲んでいる各階の窓からも大勢の生徒達が中庭の方を注目している……
凄い数のギャラリーだな。
こ、こんな中でこの人達は何かで勝負をするのか?
「茂香、机を持って来たわよ……でも本当にやるの?」
「カンナちゃん、ありがとね~で、やるに決まっているじゃない。でもアレね。静香ちゃんのところが一人多いからカンナちゃんは『副審』をしてくれるかな? それと……竹中君だったよね? 君もカンナちゃんと一緒に副審をやってもらうわね~?」
「えっ? ふ、副審?」
「さぁ、静香ちゃんもケイトちゃんも戦う順番を決めてもらえるかな~? 勿論『大将』は二人でお願いね~?」
「はぁ……今の茂香に何を言っても無駄よね……みんな悪いけど順番を決めましょう?」
「でもさ、静香? 今から始める勝負の目的は何になるの? 勝った方が竹中君と付き合うってこと?」
「そ、それは……」
いや、待て!! それはおかしいだろ?
まだ俺は付き合ってくれと言われただけで返事もしていないのに……
……それにどちらとも付き合うつもりなんて……
「も、茂香? 勝負で勝った方が、は……颯君と付き合うってことで良いのか?」
「もう、ケイトちゃんったら先走り過ぎよ~! あなた達はまだ彼に『告白』しかしていないんでしょう? それに彼があなた達にまだ返事もしていないし、考える余裕も与えていない。ほんと、あなた達は『恋愛音痴』よね~?」
おっ、毛利さんの言っている事を俺は全面的に支持するぞ!!
「恋愛音痴って失礼な女だな!? じゃぁ、勝ったらどうなるのよ!?」
「まずあなた達は彼の気持ちを一切、考えずに一方的に付き合えって言っているのよ~それって相手は凄く引いちゃうわよ~ねっ、竹中君?」
「へっ? あ……は、はい……そうですね……」
「 「そうだったのかーっ!!??」 」
「そうだったのかじゃないわよ~。まずはお互いの事を知らないと前には進まないの~だから今日の戦いに勝った方が今度の日曜日に竹中君と『デート』に行くっていうのはどうかしら~?」
「 「デッ、デート!!??」 」
デートだとーっ!?
それは絶対に無理だ!!
でも……毛利さんの言う事にも一理あるよなぁ……
「デートと言っても付き合うかどうかを彼に判断してもらう為のデートよ~だからデートの内容によってはフラれる可能性だってあるってこと。でもそれが『恋愛』なのよ~」
「そうよね……私達は竹中君の気持ちを無視して突っ走ったところがあったわね……」
「静香ちゃん、素直でよろしい。まぁ、『恋愛経験』豊富な私の言う事を信用してちょうだ~い」
れ、恋愛経験豊富だって!? こ、この『ロリっ子』がか!?
「そ、そうね。茂香は私達と違っていつも彼氏がいたもんね……で、今の彼氏は大学生だったかな?」
「ええ、そうよ~今の彼氏は大学三年生で二十歳の大人なの~」
えっ、え―――――――――――――っ!?
このロリっ子に彼氏がいるのか!?
それも二十歳の大学生だと!? その大学生は『マニア』なのか!?
っていうか、俺にとって今日一番の衝撃だぞ!!
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
『仙石学園名物』は『中庭の合戦』のことで内容は『腕相撲』だと判明する。
また毛利茂香が颯のことを気遣った発言をしてくれて喜ぶのも束の間
今回の勝負で勝った方が颯とデートをするという提案をされ愕然とする。
しかし颯が本日一番の衝撃は『ロリっ子』茂香に大学生の彼氏がいることであった(笑)
とうことで次回もお楽しみに(^_-)-☆
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