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第7章 三年女子編
第36話 二人からの告白
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「は、颯君は静香なんかと付き合うんじゃなくてぇ……わ、私と付き合ってみる気は無いかな?」
…………えっ?
「 「 「え―――――――――――――っ!!??」 」 」
「ケ、ケイト先輩!? な、何をおっしゃっているんですか!?」
「そうだよ、姉貴!! 冗談も休み休みにしてくれよ!!」
い、一体どういうことだ!?
何が起こったんだ!?
武田さんに告白されただけでも信じられないのに、まさか上杉さんにまで……
「ケイト、だからあんたに竹中君の『真の姿』を見せたくは無かったのよ……でもさすがケイトね!! これで私が彼に本気だってことが分かったでしょ? 分かったらあんた達はとっとと中庭から出て行ってちょうだい!!」
いや、俺も出て行って良いですか……?
「何で私が出て行かなくちゃいけないのよ!? 静香、あんた今聞いたでしょ? 私もこの颯君のことがとても気に入ったの。だから出て行くのは静香の方よ!!」
「ケイト、あんた彼のことを下の名前で呼ばないでよ!! 私でさえまだ『竹中君』なのに……」
「そ、そんなの早い者勝ちよ!! それに颯君はあんたみたいなガサツな女よりも私みたいな品のある女性の方が好みに決まっているし……ね、颯君?」
「えっ!?」
普通は自分のことを『品のある女性』とは言わないと思うんだけどな……
「何を言っているのよ、ケイト!! た、竹中君は『強い女』の方が好みなんだからね!! 私の方がケイトよりも強いんだから、諦めて出て行きなさい!!」
オイオイ、俺の好みがいつの間にか『強い女』になっているんだが……
それに……
武田さんと上杉さんの仲間達がめちゃくちシラけた顔をしているんだけど、二人は気にならないのか?
逆に他の人達が気の毒に思えてきたぞ……
「お、おい……竹中颯!!」
「ん? 何だ、上杉カイト……?」
「こんな訳の分からない状況になったのはお前のせいだからな!? だから責任を取ってこの状況を何とかしろよ!!」
「はぁぁああああ!?」
「ヒエェェェェェェ!! な、何とかしてください……お願いします……」
「ケイトのどこを見て品があると言うのよ!?」
「私は品の塊よ!! あ、あんたこそいつから私よりも強いって言える様になったのよ!?」
「や、山本先輩……何とかしてもらえませんか?」
「カノン……いえ、直江さん……それはお互いに無理だということは知っているでしょ? こうなってしまったら誰も二人を止められない……」
「やはり、『アレ』に発展しちゃいますか?」
「そうね。『アレ』が始まるのも時間の問題ね……」
「私、『アレ』嫌なんですよぉ……私達も巻き込まれてしまうし……」
「私達だって本当は嫌なのよ。でもこれって『中等部』の頃から続いているしね……多分、もう少ししたら『茂香』が嬉しそうな顔をしてやって来るわよ」
「はぁ……やっぱり来ますかぁ……茂香先輩がぁ……」
しかし、いつになったら二人の言い合いは終わるのだろうか……?
いや、終わらなくもいいから早く俺を開放させてくれよ。
【徳川サイド】
「しかし、驚いたよなぁ……まさか、あの上杉っていう人まで颯の事を気に入るなんてさぁ……さっき伊緒奈ちゃんが言っていた通り、一部の人だけが颯の事を気に入ってしまったってことだよな?」
「うん……本当にそうなっちゃったわねぇ……自分で言ってて少し驚いちゃったわ……」
「いっ、伊緒奈さんはそれで良いんですか!? 私はなんか、とても嫌な気分なんですが……」
「別に良いとは思っていないけど……でも、あまり自分に自信を持っていない感じの颯君にとってはこの二人の告白で自信を持って欲しいなぁっていうのもあるけど……って、何で太鳳ちゃんが嫌な気分になっちゃうのかな? あなた、本当に『アレ』を飲んでいないわよね?」
「前にも言われましたけど、『アレ』って何なんですか? 私には全然理解が出来ないのですが……」
「そ、それは言えないわ。今、私が言った事は忘れてちょうだい……それよりもあの調子なら間もなく『仙石学園名物』が始まるかもしれないわよ……」
「えっ!? 伊緒奈ちゃん、『仙石学園名物』って何?」
ピピ――――――――――――――――――――ッ!!!!
「な、何だ、今のホイッスルの音は!?」
「あっ、来たわ」
「えっ、誰か来たのか?」
【中庭サイド】
なっ、何だ!? 今のホイッスルの音は!?
あっ!? この人か、今ホイッスルを吹いたのは……?
「こらこらこら~また、あなた達、中庭で言い争いをしているのねぇぇ?」
だ、誰だ? 二人の知り合いみたいだけど……
しかし、この『小動物』みたいに可愛らしい少女は?
本当に高校生なのか?
ってか、ネクタイの色が……う、嘘だろ??
「はぁ……やっぱり来たわね……」
「えっ? 山本さん……どういうことですか?」
「ほんと、来ちゃいましたねぇ……はぁ……」
「な、直江さんって言いましたっけ? そ、それで『来ちゃいました』っていうのはどういう事ですか……?」
「ちょっと~静香ちゃんにケイトちゃーん、中庭で言い争いは止めてよねぇ。で、今日はどんな理由で言い争いをしているのかな~?」
「 「すっ、好きな男の取り合いよ!!」 」
「あ、あら~? これは、ゆっくりと話を聞かせてもらおうかしら~」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
静香とケイト、二人に告白された颯は未だ信じられない気持ちでいっぱいだ。
そしてこのまま二人が言い争えば『茂香』が来て『アレ』が始まるらしい。
そして伊緒奈の口からも『仙石学園名物』が始まる可能性があると……
果たして『アレ』『仙石学園名物』とは?
そしてホイッスルの音と共に現れた美少女の正体は!?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
…………えっ?
「 「 「え―――――――――――――っ!!??」 」 」
「ケ、ケイト先輩!? な、何をおっしゃっているんですか!?」
「そうだよ、姉貴!! 冗談も休み休みにしてくれよ!!」
い、一体どういうことだ!?
何が起こったんだ!?
武田さんに告白されただけでも信じられないのに、まさか上杉さんにまで……
「ケイト、だからあんたに竹中君の『真の姿』を見せたくは無かったのよ……でもさすがケイトね!! これで私が彼に本気だってことが分かったでしょ? 分かったらあんた達はとっとと中庭から出て行ってちょうだい!!」
いや、俺も出て行って良いですか……?
「何で私が出て行かなくちゃいけないのよ!? 静香、あんた今聞いたでしょ? 私もこの颯君のことがとても気に入ったの。だから出て行くのは静香の方よ!!」
「ケイト、あんた彼のことを下の名前で呼ばないでよ!! 私でさえまだ『竹中君』なのに……」
「そ、そんなの早い者勝ちよ!! それに颯君はあんたみたいなガサツな女よりも私みたいな品のある女性の方が好みに決まっているし……ね、颯君?」
「えっ!?」
普通は自分のことを『品のある女性』とは言わないと思うんだけどな……
「何を言っているのよ、ケイト!! た、竹中君は『強い女』の方が好みなんだからね!! 私の方がケイトよりも強いんだから、諦めて出て行きなさい!!」
オイオイ、俺の好みがいつの間にか『強い女』になっているんだが……
それに……
武田さんと上杉さんの仲間達がめちゃくちシラけた顔をしているんだけど、二人は気にならないのか?
逆に他の人達が気の毒に思えてきたぞ……
「お、おい……竹中颯!!」
「ん? 何だ、上杉カイト……?」
「こんな訳の分からない状況になったのはお前のせいだからな!? だから責任を取ってこの状況を何とかしろよ!!」
「はぁぁああああ!?」
「ヒエェェェェェェ!! な、何とかしてください……お願いします……」
「ケイトのどこを見て品があると言うのよ!?」
「私は品の塊よ!! あ、あんたこそいつから私よりも強いって言える様になったのよ!?」
「や、山本先輩……何とかしてもらえませんか?」
「カノン……いえ、直江さん……それはお互いに無理だということは知っているでしょ? こうなってしまったら誰も二人を止められない……」
「やはり、『アレ』に発展しちゃいますか?」
「そうね。『アレ』が始まるのも時間の問題ね……」
「私、『アレ』嫌なんですよぉ……私達も巻き込まれてしまうし……」
「私達だって本当は嫌なのよ。でもこれって『中等部』の頃から続いているしね……多分、もう少ししたら『茂香』が嬉しそうな顔をしてやって来るわよ」
「はぁ……やっぱり来ますかぁ……茂香先輩がぁ……」
しかし、いつになったら二人の言い合いは終わるのだろうか……?
いや、終わらなくもいいから早く俺を開放させてくれよ。
【徳川サイド】
「しかし、驚いたよなぁ……まさか、あの上杉っていう人まで颯の事を気に入るなんてさぁ……さっき伊緒奈ちゃんが言っていた通り、一部の人だけが颯の事を気に入ってしまったってことだよな?」
「うん……本当にそうなっちゃったわねぇ……自分で言ってて少し驚いちゃったわ……」
「いっ、伊緒奈さんはそれで良いんですか!? 私はなんか、とても嫌な気分なんですが……」
「別に良いとは思っていないけど……でも、あまり自分に自信を持っていない感じの颯君にとってはこの二人の告白で自信を持って欲しいなぁっていうのもあるけど……って、何で太鳳ちゃんが嫌な気分になっちゃうのかな? あなた、本当に『アレ』を飲んでいないわよね?」
「前にも言われましたけど、『アレ』って何なんですか? 私には全然理解が出来ないのですが……」
「そ、それは言えないわ。今、私が言った事は忘れてちょうだい……それよりもあの調子なら間もなく『仙石学園名物』が始まるかもしれないわよ……」
「えっ!? 伊緒奈ちゃん、『仙石学園名物』って何?」
ピピ――――――――――――――――――――ッ!!!!
「な、何だ、今のホイッスルの音は!?」
「あっ、来たわ」
「えっ、誰か来たのか?」
【中庭サイド】
なっ、何だ!? 今のホイッスルの音は!?
あっ!? この人か、今ホイッスルを吹いたのは……?
「こらこらこら~また、あなた達、中庭で言い争いをしているのねぇぇ?」
だ、誰だ? 二人の知り合いみたいだけど……
しかし、この『小動物』みたいに可愛らしい少女は?
本当に高校生なのか?
ってか、ネクタイの色が……う、嘘だろ??
「はぁ……やっぱり来たわね……」
「えっ? 山本さん……どういうことですか?」
「ほんと、来ちゃいましたねぇ……はぁ……」
「な、直江さんって言いましたっけ? そ、それで『来ちゃいました』っていうのはどういう事ですか……?」
「ちょっと~静香ちゃんにケイトちゃーん、中庭で言い争いは止めてよねぇ。で、今日はどんな理由で言い争いをしているのかな~?」
「 「すっ、好きな男の取り合いよ!!」 」
「あ、あら~? これは、ゆっくりと話を聞かせてもらおうかしら~」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
静香とケイト、二人に告白された颯は未だ信じられない気持ちでいっぱいだ。
そしてこのまま二人が言い争えば『茂香』が来て『アレ』が始まるらしい。
そして伊緒奈の口からも『仙石学園名物』が始まる可能性があると……
果たして『アレ』『仙石学園名物』とは?
そしてホイッスルの音と共に現れた美少女の正体は!?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
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