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第4章 仙石集会編
第17話 腹の探り合い
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「ところで徳川さんは『クラス委員長』を三期連続できたとしたら、『生徒会役員』になりたいのかな?」
つ、遂に織田会長が徳川に問いかけてきたぞ!!
「いえ、私はそういった気持ちはありませんよ。私はそういうガラじゃないと思っていますので……それに今回『クラス委員長』に選ばれたことだって、とても驚いたくらいですから……」
ほんとかよ!?
あれだけ『家来』がいるお前が頂点を目指さないなんてあり得ないだろ!?
「へぇ、そうなんだぁ……でも残念だわ……徳川さんみたいにこのような少し緊張感のある場で堂々と意見を言える様な人と私は生徒会運営をやりたいなぁって思うのだけど……」
織田会長、あんたも本心で言っているのか!?
なんか怪しい……
「織田会長、徳川さんの話はもういいんじゃないですか? とりあえず徳川さんの提案は今直ぐに承認できることではありませんし、今後、検討するということでいかがでしょうか? なので時間もあまりありませんので他の方々の意見も聞かせていただいた方が良いと思いますが……」
羽柴さんも平静を装ってはいるけど、何とか話題を変えようとしている様に見えてしまうな……
「そうね。副会長の言う通りね。徳川さん、それでよろしいかしら?」
「はい、私は意見を聞いていただけただけで満足ですので……またご検討よろしくお願い致します」
ふぅ……
やっと終わったぞ。これで俺も何も考えずに座っているだけで済むぞ。
「ところで……」
「織田会長、どうかされましたか?」
えっ? 何か織田会長、俺の方を見ていないか?
いや、まさかな……そんなはずはないか……
「先程から気になっていたんだけど、徳川さんの横に座っているあなた、一年一組の『副委員長』さんよね?」
うわっ、やっぱり俺を見ていたのかよ!!
でも、何で俺なんかに声をかけるんだ??
「は、はい……そうです……」
「えっと……名前は……」
「織田会長、彼の名前は竹中君といいます……」
は、初めて平手書記の声を聞いたぞ。
見た目と違って少しハスキーな声をしているんだな……
「ありがとうございます、平手さん。それで竹中君に一つお願いがあるのだけど、あなたがかけているメガネを少しでいいから外してもらえないかしら?」
えっ!?
「織田会長!! 大事な集会中に全然関係の無いことを言われるのはちょっと……」
「陽菜ちゃん、ちょっと黙っていて!!」
「は、はい……すみません……」
さっきまで羽柴副会長って呼んでいた織田会長が急に下の名前で呼ぶなんて何事だ?
俺の『メガネ外しイベント』がそんなに重要なのか!?
も、もしかして、小学生の頃、俺に助けられたことを思い出したのか?
い、いや……それは無いだろう……
それに俺の名前も知らないはずだし、顔だって覚えているはずがない。
トントン……
ん? 徳川か?
「竹中君? 集会が前に進まないから会長の言われる通り、早くメガネを外してくれないかな? それに私もメガネをとった竹中君の顔を見て見たいしね」
「うっ……わ、分かったよ……」
徳川まで何だよ?
は、外せばいいんだろ!?
そして俺は渋々、メガネを外した。
まぁ、俺は前髪が長いからメガネを外しても顔は分かりにくいとは思うけど……
ジ――――――――――――――――――ッ……
げっ!!
織田会長が俺の顔をめちゃくちゃ見ているぞ!!
お願いだからそんなに見ないでくれ!!
そして小学校の頃のことは絶対に思い出さないでくれーっ!!
ジ――――――ッ……
と、徳川まで真横で俺の顔を凝視するんじゃねぇよ!!
「はい、ありがとう竹中君。もうメガネをしてくれていいわよ。それでは集会を再開しますね。他にご意見のある方は遠慮なくどうぞ。司会の後醍さん、進行よろしくお願いします」
へっ? もうおしまい……?
いや、おしまいでいいんだけどさ……なんか、あっけなく終わり過ぎていないか?
俺の『メガネ外しイベント』ってこんなものなのか?
まぁ、『陰キャオタク』としてはこんなものなんだろうなぁ……
しかし、めちゃくちゃ恥ずかっただけじゃねぇか。
ってか、織田会長が期待していた顔じゃ無かったってことなんだろうな?
なんか期待を裏切り申し訳ありません……
トントン……
へ?
「と、徳川さん……」
「竹中君のメガネを外した顔を初めて見たけど、やっぱり私の思っていた通りの顔だったわ……ウフ……」
そ、そうだよな。
徳川の思っていた通り、俺の顔は冴えなくてブサイクだってことなんだろうなぁ……
はぁ……
早く家に帰ってアニメが観たい……
――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
徳川の意見が落ち着いたと思った矢先、颯は織田会長からメガネを外す様に言われる。
渋々メガネを外した颯だったが織田会長の反応はとても薄く、直ぐに集会が再開されてしまった。
別に何も期待はしていないが、なんかモヤモヤしてしまう颯であった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
つ、遂に織田会長が徳川に問いかけてきたぞ!!
「いえ、私はそういった気持ちはありませんよ。私はそういうガラじゃないと思っていますので……それに今回『クラス委員長』に選ばれたことだって、とても驚いたくらいですから……」
ほんとかよ!?
あれだけ『家来』がいるお前が頂点を目指さないなんてあり得ないだろ!?
「へぇ、そうなんだぁ……でも残念だわ……徳川さんみたいにこのような少し緊張感のある場で堂々と意見を言える様な人と私は生徒会運営をやりたいなぁって思うのだけど……」
織田会長、あんたも本心で言っているのか!?
なんか怪しい……
「織田会長、徳川さんの話はもういいんじゃないですか? とりあえず徳川さんの提案は今直ぐに承認できることではありませんし、今後、検討するということでいかがでしょうか? なので時間もあまりありませんので他の方々の意見も聞かせていただいた方が良いと思いますが……」
羽柴さんも平静を装ってはいるけど、何とか話題を変えようとしている様に見えてしまうな……
「そうね。副会長の言う通りね。徳川さん、それでよろしいかしら?」
「はい、私は意見を聞いていただけただけで満足ですので……またご検討よろしくお願い致します」
ふぅ……
やっと終わったぞ。これで俺も何も考えずに座っているだけで済むぞ。
「ところで……」
「織田会長、どうかされましたか?」
えっ? 何か織田会長、俺の方を見ていないか?
いや、まさかな……そんなはずはないか……
「先程から気になっていたんだけど、徳川さんの横に座っているあなた、一年一組の『副委員長』さんよね?」
うわっ、やっぱり俺を見ていたのかよ!!
でも、何で俺なんかに声をかけるんだ??
「は、はい……そうです……」
「えっと……名前は……」
「織田会長、彼の名前は竹中君といいます……」
は、初めて平手書記の声を聞いたぞ。
見た目と違って少しハスキーな声をしているんだな……
「ありがとうございます、平手さん。それで竹中君に一つお願いがあるのだけど、あなたがかけているメガネを少しでいいから外してもらえないかしら?」
えっ!?
「織田会長!! 大事な集会中に全然関係の無いことを言われるのはちょっと……」
「陽菜ちゃん、ちょっと黙っていて!!」
「は、はい……すみません……」
さっきまで羽柴副会長って呼んでいた織田会長が急に下の名前で呼ぶなんて何事だ?
俺の『メガネ外しイベント』がそんなに重要なのか!?
も、もしかして、小学生の頃、俺に助けられたことを思い出したのか?
い、いや……それは無いだろう……
それに俺の名前も知らないはずだし、顔だって覚えているはずがない。
トントン……
ん? 徳川か?
「竹中君? 集会が前に進まないから会長の言われる通り、早くメガネを外してくれないかな? それに私もメガネをとった竹中君の顔を見て見たいしね」
「うっ……わ、分かったよ……」
徳川まで何だよ?
は、外せばいいんだろ!?
そして俺は渋々、メガネを外した。
まぁ、俺は前髪が長いからメガネを外しても顔は分かりにくいとは思うけど……
ジ――――――――――――――――――ッ……
げっ!!
織田会長が俺の顔をめちゃくちゃ見ているぞ!!
お願いだからそんなに見ないでくれ!!
そして小学校の頃のことは絶対に思い出さないでくれーっ!!
ジ――――――ッ……
と、徳川まで真横で俺の顔を凝視するんじゃねぇよ!!
「はい、ありがとう竹中君。もうメガネをしてくれていいわよ。それでは集会を再開しますね。他にご意見のある方は遠慮なくどうぞ。司会の後醍さん、進行よろしくお願いします」
へっ? もうおしまい……?
いや、おしまいでいいんだけどさ……なんか、あっけなく終わり過ぎていないか?
俺の『メガネ外しイベント』ってこんなものなのか?
まぁ、『陰キャオタク』としてはこんなものなんだろうなぁ……
しかし、めちゃくちゃ恥ずかっただけじゃねぇか。
ってか、織田会長が期待していた顔じゃ無かったってことなんだろうな?
なんか期待を裏切り申し訳ありません……
トントン……
へ?
「と、徳川さん……」
「竹中君のメガネを外した顔を初めて見たけど、やっぱり私の思っていた通りの顔だったわ……ウフ……」
そ、そうだよな。
徳川の思っていた通り、俺の顔は冴えなくてブサイクだってことなんだろうなぁ……
はぁ……
早く家に帰ってアニメが観たい……
――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
徳川の意見が落ち着いたと思った矢先、颯は織田会長からメガネを外す様に言われる。
渋々メガネを外した颯だったが織田会長の反応はとても薄く、直ぐに集会が再開されてしまった。
別に何も期待はしていないが、なんかモヤモヤしてしまう颯であった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
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