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第11章 運命との戦い編
第72話 もう一つの真実
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季節は六月、梅雨の時期……
私の病状はさほど悪化していない感じがする。
部活も一日おきに参加し、奏ちゃんのお世話も順調にできていた。
そんな中、お母さんがある提案をしてきた。
「浩美? お母さん、色々と白血病について調べたんだけど、東京に専門の病院があるみたいなの。だからまだ病状が悪化していないうちに、東京の病院で治療してもらうってのはどうかしら?」
「えっ、東京……?」
私はお母さんの提案に焦りを感じる。
東京って……やはり『この世界』でも私達母娘が東京に行く未来は変わっていないんだ……
「でもね、その病院は人気があって今から診察の予約をしても八月頃になるみたいなのよねぇ……それだけがちょっとねぇ……」
何とか東京に行く事だけは避けなければいけない。
もし行くとしても八月頃だけは避けなくちゃ……
私は焦りながら色々と考え、そしてある事を思い付いた。
お母さん達には申し訳ないけど、急に病状が悪化したことにすれば……
こうして私は授業中に突然、具合が悪くなったフリをして早退する事になった。
お母さんは慌てて国立病院に連絡をしてくれて、一緒に病院に向かい主治医の先生に診察してもらった。
診察中、先生は首を少し傾げながら私の顔をジッと見ていたけど、何も言わずに診察は終わり帰宅する事となった。
まぁ、仮病の私を診察しているのだから先生が首を傾げる気持ちは分かるけど……
そして私達が自宅前に着いたところに聞き覚えのある声がする。
「あっ、石田!!」
「えっ!? 五十鈴君!?」
私は突然彼が現れたことにとても驚いたけど、とりあえず一緒にいるお母さんに彼の事を説明した。
するとお母さんがニコッと微笑み彼に声をかけた。
「五十鈴君よね? 久しぶりね? しばらく見ないうちに大きくなって……おばさんの事、覚えているかしら?」
「は、はい……」
彼はとても緊張した顔というよりお母さんの顔を見て照れている様に見える。
娘の私が言うのもおかしいけどお母さんは世間では美人と言われているらしいから、もし彼の中身が大人だったとしたら彼の好きなタイプかもしれないなぁ……
だって現に彼は年上のつねちゃんの事が好きなんだし……
「今、病院から帰って来たところなのよ。もしかして浩美のお見舞いに来てくれたのかな? もし良かったら家にあがってちょうだい」
「は、はい……お邪魔します……」
彼は今、私の部屋にいる。
男の子が私の部屋に入るなんて初めてだなぁ……
なんか凄くドキドキする。
彼もまた凄く緊張した表情のままずっと黙り込んでいるけど私から話しかけないといけない状況みたいだわ。
「五十鈴君、どうしたの? さっきから黙り込んでいるけど……でも今日はありがとね。お見舞いに来てくれて……」
「い、いや……それよりも石田。病気は大丈夫なのか?」
「うーん……どうだろうねぇ……でも今は調子が良いみたい。五十鈴君がお見舞いに来てくれたお陰かな? フフフ……」
彼は私の言葉で少し顔が赤くなってしまう。
私は『あの時』の事をつい思い出してしまい思わず口に出してしまった。
「『あの時』とは逆ね?」
「えっ? あっ、『あの時』?」
彼は更に顔が赤くなりながらそう聞き返してきたけど、絶対に思い出したんだわ。
「えーっ!? もしかして忘れちゃったの? 私達が小六の夏休みに五十鈴君が体調を崩して私と高山君とでお見舞いに行った時の事よ!!」
「おっ、覚えているよ……忘れるはずなんて……」
ほらね? やっぱり覚えていてくれた……
私は彼が焦った表情で返事をしたのが面白かったけど、なんか泣きそうな表情になってきたので私は慌ててしまい作り笑顔で「冗談、冗談よ」と言いながら彼を落ち着かせようとした。
そして少し落ち着きを取り戻した彼は今日、私の家に来た理由を話してくれた。
「俺、石田に一つ聞きたい事と言っておきたい事があってさ……それで今日の昼休みに石田のクラスに行ったんだけど稲田達から体調が悪くて早退したって聞いたからさ。それで慌てて家に寄せてもらったんだ……」
彼の話を聞いた私は少し迷いが出て来た。
彼にどこまで話をすれば良いのだろうかと……
「それで私に聞きたい事って何なの……?」
「これは前から聞きたくてもなかなか聞けなかった事なんだけど、何で中二の途中で塾を辞めてしまったんだ? 俺はそれが凄く気になっていたんだよ……」
彼の質問に私は目を逸らしながらこう言った。
「そ、そうなんだ……。私が塾を辞めた事、五十鈴君ずっと気にしていてくれたんだ……」
「おっ、俺だけじゃ無いぞ!! 稲田や川田、岸本だって気にしていたぞ!!」
はぁ……
私は思わずため息をついてしまった。
「へっ?」
彼は不思議そうな顔をしている。
「五十鈴君……? そこは『俺だけが気になっていた』で良いところなのに……その方が私、とても嬉しいのに……本当にあなたは色々な意味で『罪な子』ね……」
罪な子って……失言だったかな?
もし本当に彼の中身が大人だったらこんな小娘に言われて気分が悪くなっちゃうかもしれないわね……
でも彼は頭を掻き申し訳なさそうな顔をしながら、
「な、なんかゴメン……」
と頭を下げてきた。
「フフフ……嘘よ、嘘……あの子達も気にかけてくれていたのは正直嬉しいわ」
ふぅぅ……
今度は彼が安堵のため息をついている。そして……
「ほんと石田って昔から何を考えているのか分からないところがあるよな? どの部分が『本当』でどの部分が『嘘や冗談』なのかよく分からないよ……」
彼の言葉にドキッとしたけど、咄嗟に誤魔化す私。
「えーっ? その『嘘や冗談』っていうのはやめてよぉぉ。出来れば『お芝居』って言って欲しいなぁ……」
「お芝居?」
「うん、お芝居よ。だって私達、小学四年生の頃は『演劇部』だったじゃん!!」
「それは小四の頃で、それくらいで芝居がうまくなるはずが無いじゃないか?」
「それじゃあ、私にはお芝居の才能があるのかしら? 生まれ変わったら『女優』にでもなっちゃおうかなぁ……でも五十鈴君も『お芝居のうまさ』は私とあまり大差は無いと思うわよ」
私は彼がドキッとするはずの言葉を言って反応を見ようと思ったけど、彼からはまさかの返しが来て逆に私がドキッとする。
「お、俺の芝居はともかく、石田は芝居がうまくて顔も美人なんだから、『生まれ変わってから』って言わないで、普通に将来『女優』を目指してもいいんじゃないのか?」
彼はきっと『未来』を知っているんだわ……だから……
でも彼は私が飛行機事故で死ぬって思っているはず。
「誰にでも『美人』って言う五十鈴君ありがとね。でも私は『将来、女優』にはなれないわ……」
「誰にでもって……そっ、そんな事よりも何でだよ!? 十分、石田だったら目指せるって!!」
今日の彼にはもう一つの真実だけを伝えよう……
私は軽く深呼吸をした。そして……
「わ、私……『白血病』なの……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
浩美を心配してお見舞いに来てくれた隆
そんな隆とのやり取りの中、浩美はついに病気の事を伝えるのだった。
果たして隆の反応は?
どうぞ次回もお楽しみに。
私の病状はさほど悪化していない感じがする。
部活も一日おきに参加し、奏ちゃんのお世話も順調にできていた。
そんな中、お母さんがある提案をしてきた。
「浩美? お母さん、色々と白血病について調べたんだけど、東京に専門の病院があるみたいなの。だからまだ病状が悪化していないうちに、東京の病院で治療してもらうってのはどうかしら?」
「えっ、東京……?」
私はお母さんの提案に焦りを感じる。
東京って……やはり『この世界』でも私達母娘が東京に行く未来は変わっていないんだ……
「でもね、その病院は人気があって今から診察の予約をしても八月頃になるみたいなのよねぇ……それだけがちょっとねぇ……」
何とか東京に行く事だけは避けなければいけない。
もし行くとしても八月頃だけは避けなくちゃ……
私は焦りながら色々と考え、そしてある事を思い付いた。
お母さん達には申し訳ないけど、急に病状が悪化したことにすれば……
こうして私は授業中に突然、具合が悪くなったフリをして早退する事になった。
お母さんは慌てて国立病院に連絡をしてくれて、一緒に病院に向かい主治医の先生に診察してもらった。
診察中、先生は首を少し傾げながら私の顔をジッと見ていたけど、何も言わずに診察は終わり帰宅する事となった。
まぁ、仮病の私を診察しているのだから先生が首を傾げる気持ちは分かるけど……
そして私達が自宅前に着いたところに聞き覚えのある声がする。
「あっ、石田!!」
「えっ!? 五十鈴君!?」
私は突然彼が現れたことにとても驚いたけど、とりあえず一緒にいるお母さんに彼の事を説明した。
するとお母さんがニコッと微笑み彼に声をかけた。
「五十鈴君よね? 久しぶりね? しばらく見ないうちに大きくなって……おばさんの事、覚えているかしら?」
「は、はい……」
彼はとても緊張した顔というよりお母さんの顔を見て照れている様に見える。
娘の私が言うのもおかしいけどお母さんは世間では美人と言われているらしいから、もし彼の中身が大人だったとしたら彼の好きなタイプかもしれないなぁ……
だって現に彼は年上のつねちゃんの事が好きなんだし……
「今、病院から帰って来たところなのよ。もしかして浩美のお見舞いに来てくれたのかな? もし良かったら家にあがってちょうだい」
「は、はい……お邪魔します……」
彼は今、私の部屋にいる。
男の子が私の部屋に入るなんて初めてだなぁ……
なんか凄くドキドキする。
彼もまた凄く緊張した表情のままずっと黙り込んでいるけど私から話しかけないといけない状況みたいだわ。
「五十鈴君、どうしたの? さっきから黙り込んでいるけど……でも今日はありがとね。お見舞いに来てくれて……」
「い、いや……それよりも石田。病気は大丈夫なのか?」
「うーん……どうだろうねぇ……でも今は調子が良いみたい。五十鈴君がお見舞いに来てくれたお陰かな? フフフ……」
彼は私の言葉で少し顔が赤くなってしまう。
私は『あの時』の事をつい思い出してしまい思わず口に出してしまった。
「『あの時』とは逆ね?」
「えっ? あっ、『あの時』?」
彼は更に顔が赤くなりながらそう聞き返してきたけど、絶対に思い出したんだわ。
「えーっ!? もしかして忘れちゃったの? 私達が小六の夏休みに五十鈴君が体調を崩して私と高山君とでお見舞いに行った時の事よ!!」
「おっ、覚えているよ……忘れるはずなんて……」
ほらね? やっぱり覚えていてくれた……
私は彼が焦った表情で返事をしたのが面白かったけど、なんか泣きそうな表情になってきたので私は慌ててしまい作り笑顔で「冗談、冗談よ」と言いながら彼を落ち着かせようとした。
そして少し落ち着きを取り戻した彼は今日、私の家に来た理由を話してくれた。
「俺、石田に一つ聞きたい事と言っておきたい事があってさ……それで今日の昼休みに石田のクラスに行ったんだけど稲田達から体調が悪くて早退したって聞いたからさ。それで慌てて家に寄せてもらったんだ……」
彼の話を聞いた私は少し迷いが出て来た。
彼にどこまで話をすれば良いのだろうかと……
「それで私に聞きたい事って何なの……?」
「これは前から聞きたくてもなかなか聞けなかった事なんだけど、何で中二の途中で塾を辞めてしまったんだ? 俺はそれが凄く気になっていたんだよ……」
彼の質問に私は目を逸らしながらこう言った。
「そ、そうなんだ……。私が塾を辞めた事、五十鈴君ずっと気にしていてくれたんだ……」
「おっ、俺だけじゃ無いぞ!! 稲田や川田、岸本だって気にしていたぞ!!」
はぁ……
私は思わずため息をついてしまった。
「へっ?」
彼は不思議そうな顔をしている。
「五十鈴君……? そこは『俺だけが気になっていた』で良いところなのに……その方が私、とても嬉しいのに……本当にあなたは色々な意味で『罪な子』ね……」
罪な子って……失言だったかな?
もし本当に彼の中身が大人だったらこんな小娘に言われて気分が悪くなっちゃうかもしれないわね……
でも彼は頭を掻き申し訳なさそうな顔をしながら、
「な、なんかゴメン……」
と頭を下げてきた。
「フフフ……嘘よ、嘘……あの子達も気にかけてくれていたのは正直嬉しいわ」
ふぅぅ……
今度は彼が安堵のため息をついている。そして……
「ほんと石田って昔から何を考えているのか分からないところがあるよな? どの部分が『本当』でどの部分が『嘘や冗談』なのかよく分からないよ……」
彼の言葉にドキッとしたけど、咄嗟に誤魔化す私。
「えーっ? その『嘘や冗談』っていうのはやめてよぉぉ。出来れば『お芝居』って言って欲しいなぁ……」
「お芝居?」
「うん、お芝居よ。だって私達、小学四年生の頃は『演劇部』だったじゃん!!」
「それは小四の頃で、それくらいで芝居がうまくなるはずが無いじゃないか?」
「それじゃあ、私にはお芝居の才能があるのかしら? 生まれ変わったら『女優』にでもなっちゃおうかなぁ……でも五十鈴君も『お芝居のうまさ』は私とあまり大差は無いと思うわよ」
私は彼がドキッとするはずの言葉を言って反応を見ようと思ったけど、彼からはまさかの返しが来て逆に私がドキッとする。
「お、俺の芝居はともかく、石田は芝居がうまくて顔も美人なんだから、『生まれ変わってから』って言わないで、普通に将来『女優』を目指してもいいんじゃないのか?」
彼はきっと『未来』を知っているんだわ……だから……
でも彼は私が飛行機事故で死ぬって思っているはず。
「誰にでも『美人』って言う五十鈴君ありがとね。でも私は『将来、女優』にはなれないわ……」
「誰にでもって……そっ、そんな事よりも何でだよ!? 十分、石田だったら目指せるって!!」
今日の彼にはもう一つの真実だけを伝えよう……
私は軽く深呼吸をした。そして……
「わ、私……『白血病』なの……」
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
浩美を心配してお見舞いに来てくれた隆
そんな隆とのやり取りの中、浩美はついに病気の事を伝えるのだった。
果たして隆の反応は?
どうぞ次回もお楽しみに。
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