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第5章 デート編
第19話 初恋の人と小六の俺
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早いもので俺は現在、小学六年生……
『この世界』に来てからもう丸五年の年月が経っている。
さすがに俺はもう『この世界』を『夢の世界』だとは思っていない。
というか、思いたくない……
これはきっと『タイムリープ』というやつなんだろう。
本当にそんな現象があったんだ……いや、現実にあるんだ。
俺はそう思うようにした。
そして俺は『現実世界』と思っていた世界を今は『過去の世界』と心の中で表現している。
そう……俺は今、『過去の世界』のやり直しを行っているのだ。
『この世界』で生き続けると決めている。
『つねちゃん』に認めてもらえる男になる為に『勉強』も『スポーツ』も必死で頑張ってきたこの五年……
それが報われ、成績はクラスの中でも上の方で、部活も『ミニバスケットボール部』でそこそこ活躍し、五年生から『レギュラー』になる事も出来た。
『過去の俺』では考えられない事だ。
そして友人もたくさん出来た。
まぁ、『過去の世界』でも友人であった奴等がほとんどだが、俺の接し方が『過去の世界』とは全然違う。
俺は彼等の『未来』を知っている。
個人個人、先での付き合い方の度合いによって知っている『未来』はまちまちだが、少なくとも『中学卒業』の頃までは確実に知っている。
『家庭環境』『成績』『恋愛』『部活』『進路』そして……『生死』……
『過去の俺』は相手の『家庭環境』など知る由も無く、知らない間に『言葉』などで相手を傷つけていたかもしれない。
でも今の俺は相手の事をどんな人間かをある程度知ったうえで付き合いをしている。
だから相手に余計な事は言わない様にしているし、例え相手が俺に腹の立つことを言ったとしても俺は軽く受け流すようにしている。
まぁ、これが出来るのは俺の『本当の年齢』がもう五十歳を過ぎているからだろう……大抵の事は我慢できる。
『過去の世界』で『社会人』をやっていた時の事を思えば、小学生同士の付き合いなど『単純』なものだ。
上司に叱られ、部下達には突き上げられ……そんな日常の繰り返し……
挙句の果てに部下が怪我をした責任を取らせれ、最終的にはリストラへ……
今、思い出しても涙が出てきそうだ。
それが『この世界』ではどうだ?
家族に恵まれ、友達に恵まれ、先生達にも恵まれ、そして俺には『過去の世界』では一度も会えずに死んでしまった『初恋の人』、愛する『つねちゃん』がいるのだ。
勿論、今は俺の片思いだ。こんな小学生相手に『つねちゃん』が俺に『恋愛感情』を抱くはずが無い。『好きか嫌いか』で言えば恐らく『好き』だとは言ってくれるだろう。
しかし、その『好き』はきっと『ラブ』では無く『ライク』の方だろう……
でも俺は諦めない。
せっかく『この世界』で会えるはずの無かった人に会えたんだ。
このチャンスを無駄にしたくない。
俺は『つねちゃん』に愛してもらえる様に努力するだけだ……
そんな『つねちゃん』とは頻繁に会っているとは言えない。
会えても『長期休み』の時に一度会えるかどうかだ。
特に四年生までは志保さんの都合も合わさなければならなかったので、なかなか『つねちゃん』に会う事が出来なかった。
そして五年生になった時、ようやく母さんから一人で『つねちゃん』の所に行っても良い許可が出たが、逆に今度は『つねちゃん』が忙しくなり、予定を合わせるのが大変になってしまった。
『幼稚園の先生』になって丸五年が過ぎ、先生としての責任が増えたそうである。
また地域との交流、保護者との交流、先生達との交流、色々な場に『つねちゃん』は顔を出さないといけなくなっており、なかなか自分の時間が取れなくなっていた。
まして後輩達も増え、何かと面倒見の良い『つねちゃん』は後輩達からの『相談窓口』的な存在になり引っ張りだこだそうだ。
そしてその『相談窓口』を頻繁に利用している後輩の中に、あの志保さんも含まれている。
志保さんは去年、念願の『幼稚園の先生』になり、今年の四月から二年目に入っている『新米先生』である。
その志保さんは現在、偶然にも『つねちゃん』と同じ幼稚園に勤務をしている。
だから志保さんは頻繁に『つねちゃん』に相談しやすい環境にいて、俺からすれば羨ましくて仕方が無い存在だ。
そんな毎日忙しくしている『つねちゃん』も『ゴールデンウイーク』の数日だけは時間がとれるという事で、俺は今一人で『つねちゃん』の部屋にいる……
「隆君、今日はお天気が良いから遊園地に行かない?」
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
『新章』の始まりです。
小六になった隆とアラサーの『つねちゃん』
この二人の関係は今後どうなっていくのでしょう?
次回もどうぞお楽しみに(^_-)-☆
『この世界』に来てからもう丸五年の年月が経っている。
さすがに俺はもう『この世界』を『夢の世界』だとは思っていない。
というか、思いたくない……
これはきっと『タイムリープ』というやつなんだろう。
本当にそんな現象があったんだ……いや、現実にあるんだ。
俺はそう思うようにした。
そして俺は『現実世界』と思っていた世界を今は『過去の世界』と心の中で表現している。
そう……俺は今、『過去の世界』のやり直しを行っているのだ。
『この世界』で生き続けると決めている。
『つねちゃん』に認めてもらえる男になる為に『勉強』も『スポーツ』も必死で頑張ってきたこの五年……
それが報われ、成績はクラスの中でも上の方で、部活も『ミニバスケットボール部』でそこそこ活躍し、五年生から『レギュラー』になる事も出来た。
『過去の俺』では考えられない事だ。
そして友人もたくさん出来た。
まぁ、『過去の世界』でも友人であった奴等がほとんどだが、俺の接し方が『過去の世界』とは全然違う。
俺は彼等の『未来』を知っている。
個人個人、先での付き合い方の度合いによって知っている『未来』はまちまちだが、少なくとも『中学卒業』の頃までは確実に知っている。
『家庭環境』『成績』『恋愛』『部活』『進路』そして……『生死』……
『過去の俺』は相手の『家庭環境』など知る由も無く、知らない間に『言葉』などで相手を傷つけていたかもしれない。
でも今の俺は相手の事をどんな人間かをある程度知ったうえで付き合いをしている。
だから相手に余計な事は言わない様にしているし、例え相手が俺に腹の立つことを言ったとしても俺は軽く受け流すようにしている。
まぁ、これが出来るのは俺の『本当の年齢』がもう五十歳を過ぎているからだろう……大抵の事は我慢できる。
『過去の世界』で『社会人』をやっていた時の事を思えば、小学生同士の付き合いなど『単純』なものだ。
上司に叱られ、部下達には突き上げられ……そんな日常の繰り返し……
挙句の果てに部下が怪我をした責任を取らせれ、最終的にはリストラへ……
今、思い出しても涙が出てきそうだ。
それが『この世界』ではどうだ?
家族に恵まれ、友達に恵まれ、先生達にも恵まれ、そして俺には『過去の世界』では一度も会えずに死んでしまった『初恋の人』、愛する『つねちゃん』がいるのだ。
勿論、今は俺の片思いだ。こんな小学生相手に『つねちゃん』が俺に『恋愛感情』を抱くはずが無い。『好きか嫌いか』で言えば恐らく『好き』だとは言ってくれるだろう。
しかし、その『好き』はきっと『ラブ』では無く『ライク』の方だろう……
でも俺は諦めない。
せっかく『この世界』で会えるはずの無かった人に会えたんだ。
このチャンスを無駄にしたくない。
俺は『つねちゃん』に愛してもらえる様に努力するだけだ……
そんな『つねちゃん』とは頻繁に会っているとは言えない。
会えても『長期休み』の時に一度会えるかどうかだ。
特に四年生までは志保さんの都合も合わさなければならなかったので、なかなか『つねちゃん』に会う事が出来なかった。
そして五年生になった時、ようやく母さんから一人で『つねちゃん』の所に行っても良い許可が出たが、逆に今度は『つねちゃん』が忙しくなり、予定を合わせるのが大変になってしまった。
『幼稚園の先生』になって丸五年が過ぎ、先生としての責任が増えたそうである。
また地域との交流、保護者との交流、先生達との交流、色々な場に『つねちゃん』は顔を出さないといけなくなっており、なかなか自分の時間が取れなくなっていた。
まして後輩達も増え、何かと面倒見の良い『つねちゃん』は後輩達からの『相談窓口』的な存在になり引っ張りだこだそうだ。
そしてその『相談窓口』を頻繁に利用している後輩の中に、あの志保さんも含まれている。
志保さんは去年、念願の『幼稚園の先生』になり、今年の四月から二年目に入っている『新米先生』である。
その志保さんは現在、偶然にも『つねちゃん』と同じ幼稚園に勤務をしている。
だから志保さんは頻繁に『つねちゃん』に相談しやすい環境にいて、俺からすれば羨ましくて仕方が無い存在だ。
そんな毎日忙しくしている『つねちゃん』も『ゴールデンウイーク』の数日だけは時間がとれるという事で、俺は今一人で『つねちゃん』の部屋にいる……
「隆君、今日はお天気が良いから遊園地に行かない?」
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
『新章』の始まりです。
小六になった隆とアラサーの『つねちゃん』
この二人の関係は今後どうなっていくのでしょう?
次回もどうぞお楽しみに(^_-)-☆
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