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第5章 謎めいた合宿編
第61話 ルイルイの過去➁
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「 「 「 「えっ? 『ルイルイ』? 誰それ??」 」 」 」
「あぁ、すまんすまん!! ルイルイってのはここにいるルイちゃんのことなんやけど、そのルイちゃんがお兄ちゃんにこう言いました!! 『ヒトヤンと一緒にいるとみんなとても楽しそうだから毎週幼稚園に来てちょうだい』ってな~」
ルイルイって呼ばれるのあまりみんなに知られたくないなぁ……
「『まいしゅう』? それって美味しいの?」
「ちゃうわ!! それは『シュウマイ』やがな!! お兄ちゃんの言っているのは『毎週』……って言っても分からんわなぁ……あっ、そうや!! ほんなら今夜みんなが楽しみにしているアニメは何やったかな?」
「 「 「 「『ドラエマン』!!」 」 」 」
「そう、『ドラエマン』や!! ほんならなぁ、あと何回寝たら次の『ドラエマン』が観れるか分かるか~?」
「うーん……えっとね~……ナナカイ……かな?」
「そう、そうや7回や!! みんな今日から7回寝たらまたお兄ちゃん達がここの幼稚園に遊びに来るって事やねん。毎回『ドラエマン』がある日はお兄ちゃん達が遊びに来るよって事やで~!!」
「ウワ―――ッ!! それ凄い!!」
「とっても嬉しいわ、ヒトヤン!!」
「お~、そっかそっか、嬉しいか~? でもなぁ、お兄ちゃんからもみんなに約束して欲しい事があるねんけどなぁ……お兄ちゃんと約束できる人、手あげて~っ!?」
『は―――――――――いっ!!』
「ほんなら言うで~? お兄ちゃんはルイちゃんがみんなの為にお願いしてくれたから毎週ここに来ようって思ってん。だからそんな心優しいルイちゃんともみんな仲良く遊ばへんねんやったらお兄ちゃんは来たくないねん!! それにお兄ちゃんはルイちゃんの事を『超可愛い』って思ってるで~『ブス』なやんてこれっぽっとも思ってへんわ!! だからな、お兄ちゃんと同じでルイちゃんの事を好きな子としか遊びたくないねんなぁ……みんなはどうやろかなぁ?」
・・・・・・
ヒトヤン……
「わ、私、これからはルイちゃんと一緒に遊ぶ~!!」
「うん、あたちもルイちゃんと仲良くする~」
「僕、別にルイちゃんの事、嫌いじゃないし……」
「うん僕はルイちゃん好きだよ~」
「僕んあて前からルイちゃんが幼稚園で一番可愛いと思ってたんだ~」
「お―――っ!? みんな、そっかそっか~っ!! ウシシシ……そっかそっかぁ……」
「ヒ、ヒトヤン……私何も言ってないよ……」
「シッ! ルイルイは黙っとき!」
――――――――――――――――――――――
「ヒトヤン……」
「ん? なんやルイルイ?」
「ありがとう……」
「ハハハ、4歳児がお礼なんか言うなや~? そんな事よりルイルイ!!」
「な、なに?」
「ルイルイはほんまに可愛い顔してるから将来『アイドル』になれるんちゃうか!?」
「『アイドル』? 何それ? それって美味しいの?」
「それは『カップヌードル』やがな!! ちゃうちゃう『アイドル』や!! テレビの中の人気者の事や!! テレビの中で可愛い女の子が綺麗な服着て歌ったり踊ったりしてるやろ? アレの事や!!」
「ああ、テレビの……見た事あるよ。私がアレになるの?」
「あぁ、ルイルイやったらきっとなれるで!! もし『アイドル』になったら一番に『サイン』ちょうだいな!?」
「『サイン』? それって美味しいの?」
「ちゃうわ!! それは『パイン』やがな!! っていうか今の『ボケ』は苦し過ぎるやろ!?」
ボケ? ボケってなんだろう?
でも私が『アイドル』になればヒトヤンは凄く喜んでくれるんだぁ……
「それじゃぁヒトヤン……私がもし『アイドル』になったら……」
「ん? なったら何や?」
「もし『アイドル』になったら、私をヒトヤンのお嫁さんにしてくれる?」
「ああ、別にええよぉ。お嫁さんでも何でもしたるわぁっていうか、ルイルイは意外とませた子供なんやなぁ!? ハッハッハッハ!!」
「ほんとに? ほんとにお嫁さんにしてね? 絶対だよ。約束だよ……」
「オッケー、オッケー!! でもアイドルにもなって欲しいけどな、ちゃんと学校には行きや? せめて高校までは行った方がええなぁ。友達もたくさん作った方が良いしなぁ。あっ、そうや!! ルイルイ、うちの高校おいでぇな? そんで『ポジティ部』に入りぃな? それか今年発足したばかりの『ネガティ部』でもええで!! この部では実はお兄ちゃん訳あって副部長をしててな、掛け持ちやねん!!」
「『かけもち』って美味しいの? ヒトヤン何言ってるのか全然分からない……」
「もうエエっちゅうねーん!! プッ、ハッハッハッハ!! そっかそっか。そら、分からんわなぁ? よしっ、これから、お兄ちゃんは毎週来るんやから、徹底的にルイルイには俺の全てを叩きこんだるわな!!」
ヒトヤンの全て……
「うん、とても楽しみ……」(ポッ)
――――――――――――――――――――――
「というのが私の小さい頃の思い出だ。ヒトヤン、ちゃんと聞いていたか!?」
「あっ、ああ、聞いていたよ。まさかルイルイがあんなに可愛らしい頃があったなんて……信じられないぜっ!」
「どういう意味だ!? 失礼な奴だな!?」
「いつも失礼な事を言っているのはルイルイじゃねぇか!! もしかしてその口の悪さも『昔のヒトヤン』をマネているのか!?」
「それは違う。私のこの滑らかな口調は別に師匠がいる」
何が滑らかな口調だよ!? ってかルイルイに師匠??
「意味分からないけど、まぁ、いいや。ところで『昔のヒトヤン』は名前が『ヒトシ』って言ってたけどさ、それに関西弁だし……なんかうちの親父と共通点がいっぱいあってビックリしたよ。まぁ、同一人物って事は絶対に無いだろうけどさ」
「まぁそうだな。それはあり得ないな。何故なら彼の苗字は『布津野』ではなく『丘司那』という苗字だからな。そしてフルネームで丘司那一志』といって名前の通りまさにおかしな人だったなぁ……」
えっ!? ルイルイ、今なんて言ったんだ……
「ちょ、ちょっと待ってくれルイルイ!? そ、それって……マジで……」
「どうしたヒトヤン?」
「それってマジで俺の親父じゃないか!!」
「ハッハッハッハ!! 『普通以下』のバカな事を言うなヒトヤン!! お前の苗字は『布津野』じゃないか!!」
「誰が普通以下だ!? ってかそんな事よりもだ。ルイルイ、違うんだ!!」
ヤ、ヤバい……
「何が違うっていうんだい?」
「お、俺の親父って実は婿養子なんだよ!!」
「婿養子!?」
「だから今の名前は『布津野一志』だけどさ、旧姓は『丘司那一志』で名染伊太学園OBだ!!」
「あぁ、すまんすまん!! ルイルイってのはここにいるルイちゃんのことなんやけど、そのルイちゃんがお兄ちゃんにこう言いました!! 『ヒトヤンと一緒にいるとみんなとても楽しそうだから毎週幼稚園に来てちょうだい』ってな~」
ルイルイって呼ばれるのあまりみんなに知られたくないなぁ……
「『まいしゅう』? それって美味しいの?」
「ちゃうわ!! それは『シュウマイ』やがな!! お兄ちゃんの言っているのは『毎週』……って言っても分からんわなぁ……あっ、そうや!! ほんなら今夜みんなが楽しみにしているアニメは何やったかな?」
「 「 「 「『ドラエマン』!!」 」 」 」
「そう、『ドラエマン』や!! ほんならなぁ、あと何回寝たら次の『ドラエマン』が観れるか分かるか~?」
「うーん……えっとね~……ナナカイ……かな?」
「そう、そうや7回や!! みんな今日から7回寝たらまたお兄ちゃん達がここの幼稚園に遊びに来るって事やねん。毎回『ドラエマン』がある日はお兄ちゃん達が遊びに来るよって事やで~!!」
「ウワ―――ッ!! それ凄い!!」
「とっても嬉しいわ、ヒトヤン!!」
「お~、そっかそっか、嬉しいか~? でもなぁ、お兄ちゃんからもみんなに約束して欲しい事があるねんけどなぁ……お兄ちゃんと約束できる人、手あげて~っ!?」
『は―――――――――いっ!!』
「ほんなら言うで~? お兄ちゃんはルイちゃんがみんなの為にお願いしてくれたから毎週ここに来ようって思ってん。だからそんな心優しいルイちゃんともみんな仲良く遊ばへんねんやったらお兄ちゃんは来たくないねん!! それにお兄ちゃんはルイちゃんの事を『超可愛い』って思ってるで~『ブス』なやんてこれっぽっとも思ってへんわ!! だからな、お兄ちゃんと同じでルイちゃんの事を好きな子としか遊びたくないねんなぁ……みんなはどうやろかなぁ?」
・・・・・・
ヒトヤン……
「わ、私、これからはルイちゃんと一緒に遊ぶ~!!」
「うん、あたちもルイちゃんと仲良くする~」
「僕、別にルイちゃんの事、嫌いじゃないし……」
「うん僕はルイちゃん好きだよ~」
「僕んあて前からルイちゃんが幼稚園で一番可愛いと思ってたんだ~」
「お―――っ!? みんな、そっかそっか~っ!! ウシシシ……そっかそっかぁ……」
「ヒ、ヒトヤン……私何も言ってないよ……」
「シッ! ルイルイは黙っとき!」
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「ヒトヤン……」
「ん? なんやルイルイ?」
「ありがとう……」
「ハハハ、4歳児がお礼なんか言うなや~? そんな事よりルイルイ!!」
「な、なに?」
「ルイルイはほんまに可愛い顔してるから将来『アイドル』になれるんちゃうか!?」
「『アイドル』? 何それ? それって美味しいの?」
「それは『カップヌードル』やがな!! ちゃうちゃう『アイドル』や!! テレビの中の人気者の事や!! テレビの中で可愛い女の子が綺麗な服着て歌ったり踊ったりしてるやろ? アレの事や!!」
「ああ、テレビの……見た事あるよ。私がアレになるの?」
「あぁ、ルイルイやったらきっとなれるで!! もし『アイドル』になったら一番に『サイン』ちょうだいな!?」
「『サイン』? それって美味しいの?」
「ちゃうわ!! それは『パイン』やがな!! っていうか今の『ボケ』は苦し過ぎるやろ!?」
ボケ? ボケってなんだろう?
でも私が『アイドル』になればヒトヤンは凄く喜んでくれるんだぁ……
「それじゃぁヒトヤン……私がもし『アイドル』になったら……」
「ん? なったら何や?」
「もし『アイドル』になったら、私をヒトヤンのお嫁さんにしてくれる?」
「ああ、別にええよぉ。お嫁さんでも何でもしたるわぁっていうか、ルイルイは意外とませた子供なんやなぁ!? ハッハッハッハ!!」
「ほんとに? ほんとにお嫁さんにしてね? 絶対だよ。約束だよ……」
「オッケー、オッケー!! でもアイドルにもなって欲しいけどな、ちゃんと学校には行きや? せめて高校までは行った方がええなぁ。友達もたくさん作った方が良いしなぁ。あっ、そうや!! ルイルイ、うちの高校おいでぇな? そんで『ポジティ部』に入りぃな? それか今年発足したばかりの『ネガティ部』でもええで!! この部では実はお兄ちゃん訳あって副部長をしててな、掛け持ちやねん!!」
「『かけもち』って美味しいの? ヒトヤン何言ってるのか全然分からない……」
「もうエエっちゅうねーん!! プッ、ハッハッハッハ!! そっかそっか。そら、分からんわなぁ? よしっ、これから、お兄ちゃんは毎週来るんやから、徹底的にルイルイには俺の全てを叩きこんだるわな!!」
ヒトヤンの全て……
「うん、とても楽しみ……」(ポッ)
――――――――――――――――――――――
「というのが私の小さい頃の思い出だ。ヒトヤン、ちゃんと聞いていたか!?」
「あっ、ああ、聞いていたよ。まさかルイルイがあんなに可愛らしい頃があったなんて……信じられないぜっ!」
「どういう意味だ!? 失礼な奴だな!?」
「いつも失礼な事を言っているのはルイルイじゃねぇか!! もしかしてその口の悪さも『昔のヒトヤン』をマネているのか!?」
「それは違う。私のこの滑らかな口調は別に師匠がいる」
何が滑らかな口調だよ!? ってかルイルイに師匠??
「意味分からないけど、まぁ、いいや。ところで『昔のヒトヤン』は名前が『ヒトシ』って言ってたけどさ、それに関西弁だし……なんかうちの親父と共通点がいっぱいあってビックリしたよ。まぁ、同一人物って事は絶対に無いだろうけどさ」
「まぁそうだな。それはあり得ないな。何故なら彼の苗字は『布津野』ではなく『丘司那』という苗字だからな。そしてフルネームで丘司那一志』といって名前の通りまさにおかしな人だったなぁ……」
えっ!? ルイルイ、今なんて言ったんだ……
「ちょ、ちょっと待ってくれルイルイ!? そ、それって……マジで……」
「どうしたヒトヤン?」
「それってマジで俺の親父じゃないか!!」
「ハッハッハッハ!! 『普通以下』のバカな事を言うなヒトヤン!! お前の苗字は『布津野』じゃないか!!」
「誰が普通以下だ!? ってかそんな事よりもだ。ルイルイ、違うんだ!!」
ヤ、ヤバい……
「何が違うっていうんだい?」
「お、俺の親父って実は婿養子なんだよ!!」
「婿養子!?」
「だから今の名前は『布津野一志』だけどさ、旧姓は『丘司那一志』で名染伊太学園OBだ!!」
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