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第5章 謎めいた合宿編
第58話 感動して泣きそうだ!!
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やはりモブオの作戦は失敗に終わったのか。
ってことは俺達の班は『カレー具材無しライス』ってことだなぁ……
でも仕方無い、モブオを責めるのはお門違いだしな……
「ハッ、ハハハ……やっぱりか~っ!? そうだと思ったぜ。だから俺達も必死で具材をゲットしようと頑張ってはみたけどさ……でも、まぁ仕方無いよな? 皆で具材を想像しながら『普通以下のカレーライス』を頂くとしようぜ!?」
チッ、なんか『普通以下』って言ってしまった自分に腹が立つぜ。
「いや大丈夫。ちゃんと具材は入ってるぜ~」
「えっ、何で具材が入っているんだよ!? お前の作戦失敗したんだろ!?」
「あぁ、作戦は失敗に終わったけど、うちのクラスの他の班の人達が少しずつ具材を分けてくれたのさ。だから逆に他の班のカレーライスの具材よりも俺達の班の方が少具材は多いかもしれないぜ!!」
ま、マジか!? でも何で??
「えーっ、何故なの!? そんな事して良いの??」
「そうよ!! これって班同士で競っていたんじゃ無いの!?」
だよな。さっきまで班毎で競っていたのが無意味になるじゃないか。
「私はそんな事は何ひとつ言っていないぞ!!」
「「えっ、ルイルイ!?」」
「私は30分以内にここの敷地内にある具材を持って来いと言っただけだ。具材を持って来れなかった班は具材無しのカレーを食べてもらうとは言ったが、誰も班で分け合うなとは言っていない!! だからそこの『ブオブオ』が言っている事は間違ってはいない!!」
「へっ? 『ブオブオ』!?」
「そうそう。俺が他の班の人達に具材を分けて欲しいと頼もうと思っていたらみんなの方から先に分けてくれるって言ってくれたんだ!!」
「そっ、そうなのか、みんな!?」
っていうかモブオ、お前いつの間にルイルイから『ブオブオ』って呼ばれる様になったんだ!? で、今更ながら何で俺だけ繰り返しじゃなくて『ヒトヤン』何だっ!?
「当ったり前じゃん布津野!! 俺達、班は別でも同じクラスじゃないか!! 同じクラス同士、助け合うのは当然だろ?」
「そうよ。それに農園に行く途中で聖香達がトラブっていたのは知っていたし、あなた達の分も考えて多めに野菜を持って帰ってきたの。30分以内に戻らなければ行けなかったから急いでいたし、2人には何も言わずに戻ってきたんだけどね……」
「肉もさ、他のクラスの奴等が良からぬ事を企んでいたから、もしもの事を考えて俺達も肉の袋を多めに取っていたんだよ」
『だから俺達の分が全然残っていなかったんだな!?』とは突っ込まないでおこう……
「マ、マジか……みんな有難う……俺、泣きそうなくらい嬉しいよ!!」
「お~泣け泣け布津野!! 好きなだけ泣け!!」
ハッハッハッハ!! ハッハッハッハ!! ハッハッハッハ!!
「ど、どうよ舞奈?」
「えっ、何が?」
「『何が』じゃないよ。みんな俺達の為に具材を多めに取ってくれてたんだぞ。お前もみんなにお礼を言った方が良いんじゃないのか?」
「えっ? う、うん……そ、そうだね……み、皆さん……あ、有難う……」
「ヤッ、ヤッタ―――ッ!! 初めて寿志光さんが俺達に声を掛けてくれたぞ―――っ!!」
「ウウゥッ、こ、こんな素晴らしい合宿初日を迎えられるなんて思いもしなかったよ……」
「そうだね!? 私達、頑張って食材を集めた甲斐があったよね!?」
お―――っ!!
な、何か俺の予想を遥かに超えた展開になってきたぞ!!
当初は舞奈と聖香を仲良くさせるだけの目的だったけど、この調子でいけば舞奈はクラス全員と仲良くなれるんじゃないのか!?
「よーしっ、3組の全ての班、『合格』だーっ!!」
「なっ、何だよルイルイ、急に『合格』って? ビ、ビックリするじゃないか!?」
「だからお前達1年3組は合格なんだよ」
「え、俺達3組が合格だって?」
「そうだ。よーく聞け3組のクソどもぉぉおお!! それに他のクラスのウジ虫ども!! 高1最初の大きな行事として行う『謎めいた合宿』の目的を知らないようだだから所長代理である私がお前達に教えてやろう!!」
も、目的だと?
っていうかルイルイ、やっぱり、あんたは口がメチャクチャ悪いよな!?
「お前達が高校生になって約2ヶ月、それなりに友人も出来てきた頃だろう。だがしかし、まだクラス一丸とまではいっていないはずだ。この合宿は友人達と更に仲良くなるのも良いが、色々な障害を乗り越える為に皆で協力しあい、助け合ってクラスが一丸になる事を目的とした合宿なのだ!! どうだ、理解したか!? このミジンコどもめ!!」
ルイルイ……俺達の呼び方は最低だが、その他は何か『まとも』な事を言っている気がするな。
「よって今回の『第1ラウンド』で、その目的を達成できたのは3組のクソどもだけであり、他のウジ虫どものクラスは班ごとに足の引っ張り合いをしていたという事で『不合格』だ!! よって、食後の運動は3組以外、肉の入った袋をぶら下げていた木まで5往復の『ランニング』をペナルティとして課すことにする。以上だ。分かったかゾウリムシどもぉおお!!」
えっ、え――――――――――――――――――っ!!??
ちょっと待て!!
全員の『え―――っ』で話を終わらせる訳にはいかないぞ!!
俺にだって『突っ込みマスター』としてのプライドがあるんだよ。
ということでルイルイ……
あんたがそんな『まとも』な事を言ったらメチャクチャ気持ち悪いんだよっ!!
ってことは俺達の班は『カレー具材無しライス』ってことだなぁ……
でも仕方無い、モブオを責めるのはお門違いだしな……
「ハッ、ハハハ……やっぱりか~っ!? そうだと思ったぜ。だから俺達も必死で具材をゲットしようと頑張ってはみたけどさ……でも、まぁ仕方無いよな? 皆で具材を想像しながら『普通以下のカレーライス』を頂くとしようぜ!?」
チッ、なんか『普通以下』って言ってしまった自分に腹が立つぜ。
「いや大丈夫。ちゃんと具材は入ってるぜ~」
「えっ、何で具材が入っているんだよ!? お前の作戦失敗したんだろ!?」
「あぁ、作戦は失敗に終わったけど、うちのクラスの他の班の人達が少しずつ具材を分けてくれたのさ。だから逆に他の班のカレーライスの具材よりも俺達の班の方が少具材は多いかもしれないぜ!!」
ま、マジか!? でも何で??
「えーっ、何故なの!? そんな事して良いの??」
「そうよ!! これって班同士で競っていたんじゃ無いの!?」
だよな。さっきまで班毎で競っていたのが無意味になるじゃないか。
「私はそんな事は何ひとつ言っていないぞ!!」
「「えっ、ルイルイ!?」」
「私は30分以内にここの敷地内にある具材を持って来いと言っただけだ。具材を持って来れなかった班は具材無しのカレーを食べてもらうとは言ったが、誰も班で分け合うなとは言っていない!! だからそこの『ブオブオ』が言っている事は間違ってはいない!!」
「へっ? 『ブオブオ』!?」
「そうそう。俺が他の班の人達に具材を分けて欲しいと頼もうと思っていたらみんなの方から先に分けてくれるって言ってくれたんだ!!」
「そっ、そうなのか、みんな!?」
っていうかモブオ、お前いつの間にルイルイから『ブオブオ』って呼ばれる様になったんだ!? で、今更ながら何で俺だけ繰り返しじゃなくて『ヒトヤン』何だっ!?
「当ったり前じゃん布津野!! 俺達、班は別でも同じクラスじゃないか!! 同じクラス同士、助け合うのは当然だろ?」
「そうよ。それに農園に行く途中で聖香達がトラブっていたのは知っていたし、あなた達の分も考えて多めに野菜を持って帰ってきたの。30分以内に戻らなければ行けなかったから急いでいたし、2人には何も言わずに戻ってきたんだけどね……」
「肉もさ、他のクラスの奴等が良からぬ事を企んでいたから、もしもの事を考えて俺達も肉の袋を多めに取っていたんだよ」
『だから俺達の分が全然残っていなかったんだな!?』とは突っ込まないでおこう……
「マ、マジか……みんな有難う……俺、泣きそうなくらい嬉しいよ!!」
「お~泣け泣け布津野!! 好きなだけ泣け!!」
ハッハッハッハ!! ハッハッハッハ!! ハッハッハッハ!!
「ど、どうよ舞奈?」
「えっ、何が?」
「『何が』じゃないよ。みんな俺達の為に具材を多めに取ってくれてたんだぞ。お前もみんなにお礼を言った方が良いんじゃないのか?」
「えっ? う、うん……そ、そうだね……み、皆さん……あ、有難う……」
「ヤッ、ヤッタ―――ッ!! 初めて寿志光さんが俺達に声を掛けてくれたぞ―――っ!!」
「ウウゥッ、こ、こんな素晴らしい合宿初日を迎えられるなんて思いもしなかったよ……」
「そうだね!? 私達、頑張って食材を集めた甲斐があったよね!?」
お―――っ!!
な、何か俺の予想を遥かに超えた展開になってきたぞ!!
当初は舞奈と聖香を仲良くさせるだけの目的だったけど、この調子でいけば舞奈はクラス全員と仲良くなれるんじゃないのか!?
「よーしっ、3組の全ての班、『合格』だーっ!!」
「なっ、何だよルイルイ、急に『合格』って? ビ、ビックリするじゃないか!?」
「だからお前達1年3組は合格なんだよ」
「え、俺達3組が合格だって?」
「そうだ。よーく聞け3組のクソどもぉぉおお!! それに他のクラスのウジ虫ども!! 高1最初の大きな行事として行う『謎めいた合宿』の目的を知らないようだだから所長代理である私がお前達に教えてやろう!!」
も、目的だと?
っていうかルイルイ、やっぱり、あんたは口がメチャクチャ悪いよな!?
「お前達が高校生になって約2ヶ月、それなりに友人も出来てきた頃だろう。だがしかし、まだクラス一丸とまではいっていないはずだ。この合宿は友人達と更に仲良くなるのも良いが、色々な障害を乗り越える為に皆で協力しあい、助け合ってクラスが一丸になる事を目的とした合宿なのだ!! どうだ、理解したか!? このミジンコどもめ!!」
ルイルイ……俺達の呼び方は最低だが、その他は何か『まとも』な事を言っている気がするな。
「よって今回の『第1ラウンド』で、その目的を達成できたのは3組のクソどもだけであり、他のウジ虫どものクラスは班ごとに足の引っ張り合いをしていたという事で『不合格』だ!! よって、食後の運動は3組以外、肉の入った袋をぶら下げていた木まで5往復の『ランニング』をペナルティとして課すことにする。以上だ。分かったかゾウリムシどもぉおお!!」
えっ、え――――――――――――――――――っ!!??
ちょっと待て!!
全員の『え―――っ』で話を終わらせる訳にはいかないぞ!!
俺にだって『突っ込みマスター』としてのプライドがあるんだよ。
ということでルイルイ……
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