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第2章 ネガティ部顧問登場編

第28話 残念なお知らせ

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「一矢ぁ―――っ!! な、なんで昨日私にメールをくれなかったのよーっ!!?」

 えっ、何……??
 俺は今、舞奈に怒られているのか?
 イヤ、何で怒られなきゃならないんだ??
 
 俺からメールをしなきゃダメだったのか?
 舞奈が「私にもアドレス教えろ」と言ってきたから教えたのに……
 教えた方からメールをしなきゃダメなのか?
 男の俺からしなくちゃいけないのか?

 こういう事は俺、全然経験無いからよく分からないぜ!

「わ、悪い舞奈……昨夜は俺、メチャクチャ疲れていてさ、そしたら次から次へと先輩達からメールが来て……それで全員のメールに返事をしていたら、いつの間にか寝てしまってたんだよ」

「えっ、そ……そうなの? テルマ先輩や子龍先輩からもメールが来たの?」

「ああ、二人からも初めてメールが来たよ」

 ついでに言うとルイルイもな!!

「え―――っ、それじゃあ一矢とメールのやり取りをやったことのない部員は私だけってこと!?」

「ま、まぁ……そうなるけど別に気にする事では無いだろ?」

「き、き、気にするわよ!! テルマ先輩じゃないけど、私だってめっちゃ気にするわよ!! だって、私だけ一矢にとメールのやり取りをしていないのよ? どうせ一矢は『アイツは自分からアドレスを聞いてきたクセに、自分から全然メールをして来ないうえに俺に何故メールをして来ないんだと文句を言ってくる、なんてわがままで高飛車な女だ!!』って思ってるんでしょ!?」

 舞奈、自分の事をちゃんと分かっているんだな?

「だ、大丈夫だ舞奈……俺はそこまでのことは思っていないから」

「じゃあ、どこまで私の事を思ってるのよ!?」

 ああ、面倒くせぇ女だな!!

「あのぉ、舞奈ちゃん? ちょっと良いですか?」

「あっ、美代お姉ちゃんゴメンなさい。そういえば、お姉ちゃんが先に一矢と何か話をしてたのよね? って、何で美代お姉ちゃんがこんな早い時間にうちのクラスに来ているの?」

 いやいや、お前も今日学園に来るのめちゃくちゃ早いじゃねぇか!!

「わ、私は一矢君に少し相談事がありまして……それでいつもより早く学園に来たら一矢君に会えるかなと思っていたのですが、私の思いが通じたのか一矢君も早く学園に来ていたものですから私、凄く感動してしまいまして涙が出そうなくらいに嬉しくて……」

 そ、それは大袈裟過ぎませんか、美代部長?

「ふぅ~ん……チラッ、そうなんだ~ふぅ~ん……チラッ」

 オイオイ舞奈さん?
 何故俺の顔をチラチラッと見ながら言うのかな?

「いずれにしても美代お姉ちゃん、そろそろクラスの人達が教室にやって来ると思うからもう自分の教室に戻った方が良いんじゃない? 美代お姉ちゃんがずっとここにいると、教室中が凄い騒ぎになっちゃうと思うからさ」

「えっ、そうなんですか? 大騒ぎになる意味はよく分かりませんが舞奈ちゃんも来た事ですし、私はお邪魔でしょうから、そろそろ自分の教室に戻りますね? 一矢君、突然押しかけてしまい申し訳ありませんでした。また相談事は部活の時に宜しくお願いします」

「お、お邪魔って美代部長––––」

 ギロッ!!!!

 なっ、何だよ!?
 舞奈の奴……急に俺の前に立って本気で睨みつけてよぉ。

 ガラッ、ガラガラ……

「あっ、もうクラスの奴等が来たのか? って、違う!! あ、あんたは!!」

「よっーっ、オッハー!! まさか『ネガティ部』の部員がこ~んな早い時間に3名も来ているとはなぁ……これは驚いた。ハッハッハッハ!!」

「ル、ルイルイが何で俺達の教室に来るんだよ!? それも、こんな早い時間に!? あんたはバイト顧問だろ!? 学園に来るのは放課後だけで良いんじゃないのか!?」

「ハッハッハッハ!! そんな事は気にする必要はない、朝のバイトを終わらせて、その勢いで来たまでだ!! それよりヒトヤン、昨夜送った私の自撮り水着写メはどうだった? お前の良い『オカズ』になったかい?」

 こんな朝早くからバイトをしているのか?
 意外と苦労人なのか……って思っている場合じゃない!!

「なっ、なっ、何て事を言うんだ、ルイルイ!? オ、オカズって何の事だ!? っていうか美代部長や舞奈の前で、よ……よくそんな事が言えるな!?」

「ひ、一矢君……」
「ひ、一矢ぁ~」

 な、何だよ、二人同時に??
 それも二人少し怖い顔してさ。

「ル、ルイルイも昨夜、一矢君に自撮り写メを送られたのですか? それも水着姿の写メを……」

「そ、それじゃあ、ルイルイも一矢とメールのやり取りをしたって事は私だけが完全に『仲間外れ』じゃない!?」

「ハッハッハッハ!! 二人とも~私がヒトヤンにメールをしただけでこんなに取り乱すとはなぁ~さては二人とも、ヒトヤンのことを……」

「わ――――――っ、ルイルイ!! そ、そそ、そんな事よりなっ、何しに来たんだ!?」

 ルイルイの奴、今絶対話がややこしくなるような事を言いかけたに違いない。
 今日の美代部長や舞奈の状態にはあまり良く無い事を……あ、危ないところだったぜ……もしかしたら修羅場に……俺の考えすぎかもしれないけどな。

「あぁ、本当はミヨミヨに用事があって早く来たんだがミヨミヨの教室に行こうとこの教室の前を通ったら聞き覚えのある声がしたんでな。それで覗いてみたという事だ」

「えっ、ルイルイは私に用事があったのですか?」

「そうだ、ミヨミヨ……聞いて驚くなよ? っていうか、今日の日が来るのは当たり前なんだがな。ついに、入院していたあの『テンテン』が今日から学園に復学するらしいぞ!!」

「・・・・・・・・・・・」

 えっ?

 どうしたんですか、美代部長?

 今、ルイルイが言った『テンテン』っていう名前を聞いた途端、顔色がめちゃくちゃ悪くなったんですけど!? 身体も震えている様な……

「み、美代部長、大丈夫ですか? 顔色が悪いですよ」

「す、すみません一矢君……わ……私……『テンテン』君がとても苦手なもので……」

「なるほど、そういう事ですかっ!! 皆一人や二人、苦手な人って居ますもんね? 美代部長の気持ちは良く分かりますよ~」

「そっ、そうよ美代お姉ちゃん!! 私なんか苦手な人だらけで死にそうなくらいだわ!!」

 それはそれで問題では?

「フフフ……まぁ、ミヨミヨの話を聞いてやってくれ。聞けば苦手な理由が分かるぞ。フフフ……」

 何だ、このルイルイの怪しげな微笑みは??

「もしよければ、その『テンテン』という人が苦手な理由を教えてくれませんか?」

「は、はい……じ、実は私が一年生の時から、その『テンテン』君に付き合って欲しいと言われ続けていまして……私、とても困っているんです……」

 ……!!!!


 なっ、な……


 何だとぉぉお――――――――――――――――――っ!!!!
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