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《第3幕》13章 終わらない戦場
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バンッ!
照らされたライトに光るそれは、あの時見た〈戦艦〉とは一回りコンパクトされたものだった。
「これが〈陸潜艦〉」
「あぁ、そうだ」
アイザは答えた。
「これはまだ、第1拠点にしかない新しい型の〈戦艦〉だ。地面を水中のように潜る関係で一回り小さくなっているが、砲台の威力は変わらず問題ない」
「説明はいいから中、とっとと入ろ。あまり時間はないよ」
エラはそう言って、先に行った。
「あぁ、そうだな。俺らも行こう」
「はい」
真紀とアイザはそう言って、〈陸潜艦〉の中へと入った。
入ってまず驚いたのが、最初に乗った〈戦艦〉と違いパイプや、コードがむき出しになったりはせず、エンジンルームにあるエンジンも小さくなっていた。
「広い」
最初の〈戦艦〉より外見が小さいのに、中はあれより広かった。
「そりゃあ、そうだ。席も、丁度人数分ある。因みにリーダーは、そこの中央の席だ。そこで、皆に指揮を出すんだ」
そうアイザに説明され、真紀はその席に座った。席の目の前にはモニターがあり、タッチパネルになっていた。
「これ、どう操作するの?」
「タッチパネルにそれぞれのアイコンがあるはずだ。例えばモニターのアイコンなら、画面に外の映像がそっちの画面にも映るし、計算が必要な時は計算機のアイコン、通信は通信機のアイコンでできる。それはどの席にもある機能だが、唯一その席だけにしかないアイコンもある。そこにある爆弾みたいなアイコンだ。それは自爆機能のアイコンだ」
「何でそんなのが!?」
「もし、アンノウンにやられそうになった時の最後の抵抗として、それがある」
「それ、死亡フラグだよね」
「まぁ、間違って押さないでくれよ」
「こわっ!画面触れなくなったよ」
「まぁ、タッチしても直ぐには起爆しないよ。それをタッチするとパスワードと、起爆のタイマーを設定出来るようになっている。だが、気をつけてほしいのが、一度セットすると取り消しが出来なくなるから注意してくれ」
「いや、絶対に使わないからね」
「まぁ、それを決めるのはリーダーの権限みたいなもんだから構わないがな」
そう言うと、アイザは自分の席に座った。
「全員席についたか?」
前に座るコリンズは後ろを振り返り、全員を確認した。
「よし、じゃあ起動するぞ」
そう言って、タッチ画面にある起動アイコンをタッチした。
振動と、後方にあるエンジン音の唸りが響いた。
「起動を確認。リーダー、いつでも出発可能だ」
「皆、いいね?」
皆、頷いた。
「発進!」
真紀の指示を聞いたコリンズは、タッチパネルから陸潜を押した。
すると、大きな揺れと共に、ボコボコと音をたてながら下に向かっているのが分かった。
「本当に沈んでる!どういう仕組みなの」
「それは企業秘密だ」
「知らないくせに」
アイザの言ったことにルビーはつっこんだ。
「いつから二人は夫婦で漫才やるようになったんですか?」
「「夫婦じゃない!」」
二人は同時でアッシュの言葉を声を出して否定した。
息のあった二人を見ながらもそれ以上口に出すと、拳がきそうだったアッシュは、二人については黙ることにした。そして、今度は真紀に振り返る。
「リーダー、知らないと思うので一様知らせて起きますが、地中にいる間は外の様子を画面で見ることは出来ないので」
「え?地上の様子見れるんじゃないの」
「それは他の〈戦艦〉からの映像とかを通信経由で見ることは可能ですが、現在それはないので見ることは出来ないんです」
「衛星は?」
「ありません。アンノウン・ウォーがあらわれたのと同時に通信関係、衛星は全て最初の攻撃対象だったみたいで」
「アンノウンって、あれで知性があるの!?」
「かもしれない。何せ、分からないことだらけだから」
想像出来なかった。あの気味の悪い生き物に知性があるなんて。
「アンノウンって宇宙生物なのかな」
「分からないですね。とりあえず、目的地が第3拠点と場所が明確になってるから、唯一残された通信環境、その拠点の電波で迷うことなくそちらへは迎えられる」
「じゃあ、どうやってアンノウンの群れからうまく登場出来るの?」
「恐らく、第3拠点の〈戦艦〉がアンノウンと戦っているはずだから、そこから映像をもらえば、全体像が分かると思う。一様、地形なんかの地図はこのコンピューターの中に入っているから、状況だけ分かればなんとかなりますね」
「案外不便だね」
「そこ、言わないでくれよ、リーダー。この〈陸潜艦〉は製作にかなりかかってるから」
そうだった。第1拠点に来た時見たあの光景、子供や色んな人達が関わって作っているのを。
「そうだったね」
真紀がそう言った直後、〈陸潜艦〉は完全に地中に入った。
「完全に地中に入ったことを確認。これより、地中を進んで目的地の第3拠点へ向かう」
そうコリンズが言うと、〈陸潜艦〉は前へ進みだした。
「コリンズ、これってどれくらいかかるの?」
「今、全速力に設定したが、それでも1時間から2時間はかかるな」
それでも速いくらいだった。ルビーが前に説明した通りだとすると、第1拠点のヨーロッパから第3拠点のアメリカまでの距離となる。それを1時間から2時間で着くなんて技法は、真紀がいた世界にはないものだった。
(いや、でもそれは飛行機の場合で、軍のジェット機になるとどうなるんだろ……分かんないや)
「何考えてるんですか?」
雫は首を傾げた。
「いや、特には。ただ、私がいた世界の乗り物とどちらが速いか考えてただけで」
「え?土に潜らない〈戦艦〉なら、これよりもっと速いけど」
「だよね……」
つまり、自分達のいる世界は技術的に負けてるということだ。
真紀はちょっとガックリした。いや、特にあまり気にしないのだが、やはり自分達が優れていると思いたかっただけだった。
「リーダー、こうしている間に作戦たてないか」
「あ、そうだ」
アイザに言われ、重要なことがまだ何も決まっていなかったことを思い出した。
「まず、アンノウンの群れをどうするかだ。アンノウンは〈戦艦〉、そして俺らが乗っている〈陸潜艦〉の砲台しか通用しない。勿論、拠点を囲む防衛の為の砲台もあるが、群れの数と砲台、どちらが追いつくかは目に見えている。
あのポンコツ〈戦艦〉の砲台より技術は進んでいるが、相変わらずあいつらの頑丈さは変わらない。一度で仕留められない敵が数で攻められた場合、俺達が不利だ」
「ねぇ、思ったんだけどこの世界には核兵器はないの?」
「いや、ないが。知らない名だが、核兵器とやらは真紀がいた世界では、アンノウンの群れをなんとか出来る程なのか」
「あ、えぇ……うん。多分、アンノウンの群れを全て消し飛ばせると思う」
「おお!それはどういう兵器なんだ?」
「えーと、ウランとかいうやつを使って……うん、分からない」
「……そうか」
「でも、あまりいい兵器じゃないのは確か。多分、核兵器でアンノウンを一掃できたとしても、今度は人間同士でそれを使って戦争始めると思う。そしたら間違いなく人類は滅ぶかも」
「だけど、真紀のいる世界は平和なんだろ?」
「平和かな?核兵器を互いに向け会うことが平和と言わないなら、大規模な休戦じゃないかな」
「成る程な。だが、結局このアンノウン・ウォーとの戦いが終わったとして、真紀の言うことが正しいなら、俺達は〈戦艦〉を使って戦争を始めるだろうな」
つまり、兵器がある以上人間は戦いからやめられないのかもしれない。まるで、それが本能である生物かのように。
「まぁ、核兵器はこの世界にはないんだ。ないものの話をしても仕方がない。本題に戻ろう。アンノウン・ウォーをどう退治するかだ」
「アンノウン・ウォーに弱点とかないんですか?」
すると、その真紀の質問に雫が答えた。
「それは真っ先に調べた。しかし、それらしきものは発見されなかった」
「そっか」
「やはり、地道に砲弾を喰らわせるしかない」
「ねぇ、思ったんだけど。落とし穴とか作って落とすとかどうかな?」
「落とし穴?」
「だって、地中に潜れば気づかれないんでしょ?ってことは、落とし穴があっても奴等は気付けないんじゃないかなって」
「いや、アンノウンの群れは既にそこまで来てるんだよ!?今さらそんなこと出来る訳ない」
ルビーが声をあげて言った。しかし、真紀はそれこそ疑問に思うかのように首を傾げた。
「え?この〈陸潜艦〉で、アンノウンの群れの真下に穴とか作れないの?」
「「あっ」」
「え?」
「「ああーーー!!その手があった!」」
「どうしたの、皆して」
「いや……」
「ん?」
真紀は首を傾げたままだった。
ーーーーーー
その頃、第3拠点ではアンノウン・ウォーの大群を前に苦戦をしいられていた。
砲撃を次々に直撃しているにも関わらず、アンノウンの勢いはやまなかった。
「クソッ!ディーンがやられた」
アンノウン・ウォーの突撃により、一機、また一機とやられていた。炎と、爆発音が響き、その度にアンノウンの何体かは巻き沿いになったが、それでも数は多数だった。
「もう……終わりだ。リーダー、早く自爆を!奴らに食われるなら、ここで奴らを巻き沿いに!」
「くっ……ここまでか」
リーダーは画面にある爆弾マークのアイコンを睨みつけた。
「リーダー!」
「うっ……」
リーダーは恐る恐る指を出し、爆弾アイコンに指を近づける。
リーダーは目をつむり、汗をたらたらと流しながらーーー
ドンッ!
「え?」
急に凄い振動とアンノウンの大群の悲鳴が聞こえ、アイコンに触れるすんどのところで止め、目を開ける。
すると、画面に映し出されたのは大群のアンノウン・ウォーではなかった。
アンノウンの大群の姿はなく、そこにあったのは大きな穴だった。
「何だ、これは!?奴らはどこいった?」
すると、通信機から通信音が響いた。見ると、一斉放送だった。リーダーはアイコンで通信を繋げた。
『こちら第3拠点本部より報告。先程、第1拠点から来た部隊から連絡あり。救援は一機のみのもようだが、例の〈陸潜艦〉が救援に来た。これは、その〈陸潜艦〉によるもの。繰り返す。この穴は第1拠点の部隊〈陸潜艦〉によるものだ。各自、穴に落ちたアンノウンに一斉砲撃を開始せよ。アンノウンの大群は穴の下だ!』
「おい、聞いたか!俺らはまだ死ぬ訳にはいかなくなった。今すぐ砲撃を奴らに食らわせるぞ!」
「「了解!!」」
ドンッ、ドンッ、ドンッ!!
通信を受け取った各〈戦艦〉は、下に砲台を向けて砲撃を次々に開始した。
逃げ道を失ったアンノウン・ウォーの大群は、悲鳴をあげながら砲撃のえじきとなって散っていった。
その穴の近くで、地面がぼこぼこしながら〈陸潜艦〉は姿を出した。
「うまくいったようだな」
アイザは画面に映る光景を見ながら言った。すると、エラが座席から立ち上がって「アイツは?」と聞いて、皆は「ハッ」として急いで画面から探した。
「てか、この大群から見つけるなんて無理なんじゃ?」
「うるさいアッシュ。黙って探せ!」
珍しくエラに怒られ、アッシュはしょぼんとした。すると、アイザは言った。
「奴は他のアンノウンと違って唯一の赤色だ。いれば、必ず見つかる筈だ」
その言葉に皆は必死に探した。しかし、奴の姿はなかった。
「もしかして、逃げきった!?」
そう、ルビーが言うとその直後に第3拠点から爆発音が響いた。
「ねぇ、あれ見て」
雫が言って、皆もその先を見た。すると、巨大な赤いアンノウンの触手がにょきにょき伸びているのが見えた。
「コリンズ!今すぐ奴の所へ!」
エラは叫んだ。
「待て。リーダーの指示を聞く。リーダー、あれはどう対応する?あそこは建物が密集してるから、また地面に潜って向かうのは無理だぞ。それに、砲撃を今すれば、あそこにいる人まで巻き込むことになる」
「そんなの構わない!今すぐ奴に砲撃を!」
「エラ、落ち着け。真紀、どうする?どちらにせよ、このままじゃ犠牲者は増える一方だぞ」
真紀は少し考えてから言った。
「奴を引き付けてあの場所から離す」
「どうやって」
真紀は穴にそれて、それでも〈戦艦〉の砲撃にやられて伸びているアンノウンを見た。
「考えがある」
ーーーーーー
「きゃああぁぁーーーー!!」
悲鳴と共に逃げ惑う住人達。それを襲い、補食を始める赤いアンノウン。
「何だ、あのアンノウンは。見たことないぞ」
住人は銃を持って触手に向かって撃ち放った。当然、効くはずもなく次々に補食されていく。無駄な抵抗だと分かっていても、それでも最後まで諦めない人間達。そして、ある男の目の前にその触手が向かってきた。
「このクソッたれがあぁーーーー!!」
ババババババババババババ!!!
しかし、徐々にその驚異は近いていく。男が目をつむり諦めかけたその時、
「ん?」
ずっと目をつむっていても触手が襲ってくる気配がなかった。男は恐る恐る目を開けて見た。
すると、触手の姿はなかった。男はキョロキョロと周りを見ると、赤い触手が遠くに行くのが見えた。
その頃
「来たーーーー!」
アッシュは思わず叫んだ。後ろに巨体な化け物が襲って来ているからだ。
そのアッシュの横でアイザは真紀に聞いた。
「何でこうなると分かったんだ?」
「だって、アンノウンが群れで行動するならもしかするとって思ったの」
そう。真紀が出した提案は死体になったアンノウンの残骸を〈陸潜艦〉なの繋げ、引きずることだった。
「成る程な」
「あとは、他の〈戦艦〉に連絡した通り私達は囮で、待ち構えている第3拠点の〈戦艦〉の所まで案内。あとは協力して奴に砲撃の雨を降らせる」
「いい作戦だ」
「どうも」
「ねぇ、二人とも。何でそんな落ち着いて話なんて出来るの?今にも追い付かれそうな勢いでこっち向かってるんだよ」
「だって、うちらもうすることないし」
「運転はコリンズだろ。追い付かれたらコリンズを恨めよ」
「勝手に言ってくれるじゃないか」
それを聞いていたコリンズが操縦しながら答えた。
「アッシュ、砲撃は私に代わりな」
「え、いいけど」
エラに言われるままに従うアッシュ。そして、アッシュもまたすることを失った。
「てか、何でこんなに座席あるんだよ。このパネルあれば一人で全部出来るじゃん!」
「「今更!?」」
「……そうだよ、今更だよ!今更気付いて悪かったな!」
最早泣きそうになるアッシュ。
「おーい、コリンズ。あとどれくらいで着くんだ?」
「そうだな、アッシュが泣き出す前かな」
「だ、そうだアッシュ」
「なんかいつの間にか、からかわれてる!?」
そう言いながらも、前方には待機している〈戦艦〉の姿があった。
「よーし、泣いていいぞアッシュ」
「泣くか!」
そのツッコミを最後に、真紀達を乗せた〈陸潜艦〉は〈戦艦〉の間を通り抜け、それを確認した〈戦艦〉は砲撃を開始した。
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
後方で呻く声が聞こえた。
通り過ぎた〈陸潜艦〉は急転換し、真紀達も砲撃に参戦に向かった。
エラは黙々とタッチパネルを操作し、画面に映る赤いアンノウン・ウォーをロックし発射を連打した。
爆発音と煙に覆われる赤いアンノウン。しかし
「何故、あんなに撃ってるのに死なないんだ」
未だ、にょきにょきと動く触手は一旦縮み、バネ状にした瞬間、勢いよく〈戦艦〉に向かって先端を放った。
直撃を食らった〈戦艦〉は爆発をおこし、大破した。
触手はまた攻撃をしかけ、別の〈戦艦〉を貫き引っこ抜く。風穴が空いた〈戦艦〉は中が見え、そこは人間の血だらけで、その赤い血に炎が移り、そして大々的に爆発した。
複数ある触手は次々と〈戦艦〉を襲っては先程と同じ光景が繰返される。
「どうして砲撃食らってるのに効かないの」
ルビーはモニターを見ながら言った。
確かに、赤いアンノウンは他の奴らと違って巨体ではある。しかし、それ以外に違いはないはずだった。
「おい、このままじゃ全滅してしまう。他に何か策はないか、真紀」
「え!?でも、アンノウン・ウォーに対抗できる唯一の武器なんでしょ」
「あぁ、そうだ。だが、目の前にある通り奴は効いてない。多分、巨体故に他のアンノウンより頑丈なんだろう。俺だってこんなこと初めてさ。だが、アイツの頑丈な体に深い傷が与られる程じゃなかったんだ」
真紀は考えた。でも、唯一の武器が効かないんじゃ……いや、待って。アイザはこんなこと初めてだって言ったけど、これが初めてっていうことじゃないんだ。そう、あの時も!
「アイザ、最初のアンノウン覚えてる?」
「最初の?」
「私がアイザと初めて会った時にあらわれたアンノウンのこと」
「あぁ、あれか。そういえばあの時も砲撃が通用しなかったな。もしかして、あの時と同じようなことをするってことか」
「いや、そうじゃなくて。なんか砲撃するたんびに威力が落ちてるような感じがして」
「え!?」
「百年前の砲撃が錆び付いてうまく威力が出なかったなら分かるけど、今の兵器で通用しないなら、アイザの言うことも一理ある。ただ、そうじゃない場合の可能性を考えると、これしかないの」
「何だ、言ってみろ」
「この兵器も、アンノウンの戦いで何度も使われているなら、百年前の〈戦艦〉と同じ状況がうまれる。つまり、ちゃんとメンテナンスしてないんじゃないかってこと」
「いやいや、いくらなんでもそれはない。点検、整備は毎回行われている」
「アイザ、違うの。メンテナンスしてないではなく、出来ていないって意味」
「え?」
アイザは一瞬同じ意味のように聞こえた。しかし、真紀がそのあとに言ったことは全く違った意味だった。
「私が初めて第1拠点に来た時、アイザは言ったよね。働かない者、働けない者は追放。そして、あの時私が見た時の風景は、子どももでもが働いていたこと」
「それがどうした。言った筈だぞ、この世界ではそれが当たり前だということを」
「うん、知ってる。そして、私が見たのは子どもがアンノウン・ウォーの唯一の対抗である武器、〈戦艦〉の製造だった」
「あぁ、そうだったな」
「技術者でもない人が製造いや、製造だけじゃなくメンテナンスもやっているなら、そこに不備があらわれる」
この世界の技術はかなり上達している。しかし、その高みである技術にも欠点があった。
この世界の状況があそこまで技術を発展させたなら、欠点もその世界にふさわしいものと言わざるおえなかった。
〈戦艦〉および〈陸潜艦〉の欠点は、人手不足による整備不慮だった。
照らされたライトに光るそれは、あの時見た〈戦艦〉とは一回りコンパクトされたものだった。
「これが〈陸潜艦〉」
「あぁ、そうだ」
アイザは答えた。
「これはまだ、第1拠点にしかない新しい型の〈戦艦〉だ。地面を水中のように潜る関係で一回り小さくなっているが、砲台の威力は変わらず問題ない」
「説明はいいから中、とっとと入ろ。あまり時間はないよ」
エラはそう言って、先に行った。
「あぁ、そうだな。俺らも行こう」
「はい」
真紀とアイザはそう言って、〈陸潜艦〉の中へと入った。
入ってまず驚いたのが、最初に乗った〈戦艦〉と違いパイプや、コードがむき出しになったりはせず、エンジンルームにあるエンジンも小さくなっていた。
「広い」
最初の〈戦艦〉より外見が小さいのに、中はあれより広かった。
「そりゃあ、そうだ。席も、丁度人数分ある。因みにリーダーは、そこの中央の席だ。そこで、皆に指揮を出すんだ」
そうアイザに説明され、真紀はその席に座った。席の目の前にはモニターがあり、タッチパネルになっていた。
「これ、どう操作するの?」
「タッチパネルにそれぞれのアイコンがあるはずだ。例えばモニターのアイコンなら、画面に外の映像がそっちの画面にも映るし、計算が必要な時は計算機のアイコン、通信は通信機のアイコンでできる。それはどの席にもある機能だが、唯一その席だけにしかないアイコンもある。そこにある爆弾みたいなアイコンだ。それは自爆機能のアイコンだ」
「何でそんなのが!?」
「もし、アンノウンにやられそうになった時の最後の抵抗として、それがある」
「それ、死亡フラグだよね」
「まぁ、間違って押さないでくれよ」
「こわっ!画面触れなくなったよ」
「まぁ、タッチしても直ぐには起爆しないよ。それをタッチするとパスワードと、起爆のタイマーを設定出来るようになっている。だが、気をつけてほしいのが、一度セットすると取り消しが出来なくなるから注意してくれ」
「いや、絶対に使わないからね」
「まぁ、それを決めるのはリーダーの権限みたいなもんだから構わないがな」
そう言うと、アイザは自分の席に座った。
「全員席についたか?」
前に座るコリンズは後ろを振り返り、全員を確認した。
「よし、じゃあ起動するぞ」
そう言って、タッチ画面にある起動アイコンをタッチした。
振動と、後方にあるエンジン音の唸りが響いた。
「起動を確認。リーダー、いつでも出発可能だ」
「皆、いいね?」
皆、頷いた。
「発進!」
真紀の指示を聞いたコリンズは、タッチパネルから陸潜を押した。
すると、大きな揺れと共に、ボコボコと音をたてながら下に向かっているのが分かった。
「本当に沈んでる!どういう仕組みなの」
「それは企業秘密だ」
「知らないくせに」
アイザの言ったことにルビーはつっこんだ。
「いつから二人は夫婦で漫才やるようになったんですか?」
「「夫婦じゃない!」」
二人は同時でアッシュの言葉を声を出して否定した。
息のあった二人を見ながらもそれ以上口に出すと、拳がきそうだったアッシュは、二人については黙ることにした。そして、今度は真紀に振り返る。
「リーダー、知らないと思うので一様知らせて起きますが、地中にいる間は外の様子を画面で見ることは出来ないので」
「え?地上の様子見れるんじゃないの」
「それは他の〈戦艦〉からの映像とかを通信経由で見ることは可能ですが、現在それはないので見ることは出来ないんです」
「衛星は?」
「ありません。アンノウン・ウォーがあらわれたのと同時に通信関係、衛星は全て最初の攻撃対象だったみたいで」
「アンノウンって、あれで知性があるの!?」
「かもしれない。何せ、分からないことだらけだから」
想像出来なかった。あの気味の悪い生き物に知性があるなんて。
「アンノウンって宇宙生物なのかな」
「分からないですね。とりあえず、目的地が第3拠点と場所が明確になってるから、唯一残された通信環境、その拠点の電波で迷うことなくそちらへは迎えられる」
「じゃあ、どうやってアンノウンの群れからうまく登場出来るの?」
「恐らく、第3拠点の〈戦艦〉がアンノウンと戦っているはずだから、そこから映像をもらえば、全体像が分かると思う。一様、地形なんかの地図はこのコンピューターの中に入っているから、状況だけ分かればなんとかなりますね」
「案外不便だね」
「そこ、言わないでくれよ、リーダー。この〈陸潜艦〉は製作にかなりかかってるから」
そうだった。第1拠点に来た時見たあの光景、子供や色んな人達が関わって作っているのを。
「そうだったね」
真紀がそう言った直後、〈陸潜艦〉は完全に地中に入った。
「完全に地中に入ったことを確認。これより、地中を進んで目的地の第3拠点へ向かう」
そうコリンズが言うと、〈陸潜艦〉は前へ進みだした。
「コリンズ、これってどれくらいかかるの?」
「今、全速力に設定したが、それでも1時間から2時間はかかるな」
それでも速いくらいだった。ルビーが前に説明した通りだとすると、第1拠点のヨーロッパから第3拠点のアメリカまでの距離となる。それを1時間から2時間で着くなんて技法は、真紀がいた世界にはないものだった。
(いや、でもそれは飛行機の場合で、軍のジェット機になるとどうなるんだろ……分かんないや)
「何考えてるんですか?」
雫は首を傾げた。
「いや、特には。ただ、私がいた世界の乗り物とどちらが速いか考えてただけで」
「え?土に潜らない〈戦艦〉なら、これよりもっと速いけど」
「だよね……」
つまり、自分達のいる世界は技術的に負けてるということだ。
真紀はちょっとガックリした。いや、特にあまり気にしないのだが、やはり自分達が優れていると思いたかっただけだった。
「リーダー、こうしている間に作戦たてないか」
「あ、そうだ」
アイザに言われ、重要なことがまだ何も決まっていなかったことを思い出した。
「まず、アンノウンの群れをどうするかだ。アンノウンは〈戦艦〉、そして俺らが乗っている〈陸潜艦〉の砲台しか通用しない。勿論、拠点を囲む防衛の為の砲台もあるが、群れの数と砲台、どちらが追いつくかは目に見えている。
あのポンコツ〈戦艦〉の砲台より技術は進んでいるが、相変わらずあいつらの頑丈さは変わらない。一度で仕留められない敵が数で攻められた場合、俺達が不利だ」
「ねぇ、思ったんだけどこの世界には核兵器はないの?」
「いや、ないが。知らない名だが、核兵器とやらは真紀がいた世界では、アンノウンの群れをなんとか出来る程なのか」
「あ、えぇ……うん。多分、アンノウンの群れを全て消し飛ばせると思う」
「おお!それはどういう兵器なんだ?」
「えーと、ウランとかいうやつを使って……うん、分からない」
「……そうか」
「でも、あまりいい兵器じゃないのは確か。多分、核兵器でアンノウンを一掃できたとしても、今度は人間同士でそれを使って戦争始めると思う。そしたら間違いなく人類は滅ぶかも」
「だけど、真紀のいる世界は平和なんだろ?」
「平和かな?核兵器を互いに向け会うことが平和と言わないなら、大規模な休戦じゃないかな」
「成る程な。だが、結局このアンノウン・ウォーとの戦いが終わったとして、真紀の言うことが正しいなら、俺達は〈戦艦〉を使って戦争を始めるだろうな」
つまり、兵器がある以上人間は戦いからやめられないのかもしれない。まるで、それが本能である生物かのように。
「まぁ、核兵器はこの世界にはないんだ。ないものの話をしても仕方がない。本題に戻ろう。アンノウン・ウォーをどう退治するかだ」
「アンノウン・ウォーに弱点とかないんですか?」
すると、その真紀の質問に雫が答えた。
「それは真っ先に調べた。しかし、それらしきものは発見されなかった」
「そっか」
「やはり、地道に砲弾を喰らわせるしかない」
「ねぇ、思ったんだけど。落とし穴とか作って落とすとかどうかな?」
「落とし穴?」
「だって、地中に潜れば気づかれないんでしょ?ってことは、落とし穴があっても奴等は気付けないんじゃないかなって」
「いや、アンノウンの群れは既にそこまで来てるんだよ!?今さらそんなこと出来る訳ない」
ルビーが声をあげて言った。しかし、真紀はそれこそ疑問に思うかのように首を傾げた。
「え?この〈陸潜艦〉で、アンノウンの群れの真下に穴とか作れないの?」
「「あっ」」
「え?」
「「ああーーー!!その手があった!」」
「どうしたの、皆して」
「いや……」
「ん?」
真紀は首を傾げたままだった。
ーーーーーー
その頃、第3拠点ではアンノウン・ウォーの大群を前に苦戦をしいられていた。
砲撃を次々に直撃しているにも関わらず、アンノウンの勢いはやまなかった。
「クソッ!ディーンがやられた」
アンノウン・ウォーの突撃により、一機、また一機とやられていた。炎と、爆発音が響き、その度にアンノウンの何体かは巻き沿いになったが、それでも数は多数だった。
「もう……終わりだ。リーダー、早く自爆を!奴らに食われるなら、ここで奴らを巻き沿いに!」
「くっ……ここまでか」
リーダーは画面にある爆弾マークのアイコンを睨みつけた。
「リーダー!」
「うっ……」
リーダーは恐る恐る指を出し、爆弾アイコンに指を近づける。
リーダーは目をつむり、汗をたらたらと流しながらーーー
ドンッ!
「え?」
急に凄い振動とアンノウンの大群の悲鳴が聞こえ、アイコンに触れるすんどのところで止め、目を開ける。
すると、画面に映し出されたのは大群のアンノウン・ウォーではなかった。
アンノウンの大群の姿はなく、そこにあったのは大きな穴だった。
「何だ、これは!?奴らはどこいった?」
すると、通信機から通信音が響いた。見ると、一斉放送だった。リーダーはアイコンで通信を繋げた。
『こちら第3拠点本部より報告。先程、第1拠点から来た部隊から連絡あり。救援は一機のみのもようだが、例の〈陸潜艦〉が救援に来た。これは、その〈陸潜艦〉によるもの。繰り返す。この穴は第1拠点の部隊〈陸潜艦〉によるものだ。各自、穴に落ちたアンノウンに一斉砲撃を開始せよ。アンノウンの大群は穴の下だ!』
「おい、聞いたか!俺らはまだ死ぬ訳にはいかなくなった。今すぐ砲撃を奴らに食らわせるぞ!」
「「了解!!」」
ドンッ、ドンッ、ドンッ!!
通信を受け取った各〈戦艦〉は、下に砲台を向けて砲撃を次々に開始した。
逃げ道を失ったアンノウン・ウォーの大群は、悲鳴をあげながら砲撃のえじきとなって散っていった。
その穴の近くで、地面がぼこぼこしながら〈陸潜艦〉は姿を出した。
「うまくいったようだな」
アイザは画面に映る光景を見ながら言った。すると、エラが座席から立ち上がって「アイツは?」と聞いて、皆は「ハッ」として急いで画面から探した。
「てか、この大群から見つけるなんて無理なんじゃ?」
「うるさいアッシュ。黙って探せ!」
珍しくエラに怒られ、アッシュはしょぼんとした。すると、アイザは言った。
「奴は他のアンノウンと違って唯一の赤色だ。いれば、必ず見つかる筈だ」
その言葉に皆は必死に探した。しかし、奴の姿はなかった。
「もしかして、逃げきった!?」
そう、ルビーが言うとその直後に第3拠点から爆発音が響いた。
「ねぇ、あれ見て」
雫が言って、皆もその先を見た。すると、巨大な赤いアンノウンの触手がにょきにょき伸びているのが見えた。
「コリンズ!今すぐ奴の所へ!」
エラは叫んだ。
「待て。リーダーの指示を聞く。リーダー、あれはどう対応する?あそこは建物が密集してるから、また地面に潜って向かうのは無理だぞ。それに、砲撃を今すれば、あそこにいる人まで巻き込むことになる」
「そんなの構わない!今すぐ奴に砲撃を!」
「エラ、落ち着け。真紀、どうする?どちらにせよ、このままじゃ犠牲者は増える一方だぞ」
真紀は少し考えてから言った。
「奴を引き付けてあの場所から離す」
「どうやって」
真紀は穴にそれて、それでも〈戦艦〉の砲撃にやられて伸びているアンノウンを見た。
「考えがある」
ーーーーーー
「きゃああぁぁーーーー!!」
悲鳴と共に逃げ惑う住人達。それを襲い、補食を始める赤いアンノウン。
「何だ、あのアンノウンは。見たことないぞ」
住人は銃を持って触手に向かって撃ち放った。当然、効くはずもなく次々に補食されていく。無駄な抵抗だと分かっていても、それでも最後まで諦めない人間達。そして、ある男の目の前にその触手が向かってきた。
「このクソッたれがあぁーーーー!!」
ババババババババババババ!!!
しかし、徐々にその驚異は近いていく。男が目をつむり諦めかけたその時、
「ん?」
ずっと目をつむっていても触手が襲ってくる気配がなかった。男は恐る恐る目を開けて見た。
すると、触手の姿はなかった。男はキョロキョロと周りを見ると、赤い触手が遠くに行くのが見えた。
その頃
「来たーーーー!」
アッシュは思わず叫んだ。後ろに巨体な化け物が襲って来ているからだ。
そのアッシュの横でアイザは真紀に聞いた。
「何でこうなると分かったんだ?」
「だって、アンノウンが群れで行動するならもしかするとって思ったの」
そう。真紀が出した提案は死体になったアンノウンの残骸を〈陸潜艦〉なの繋げ、引きずることだった。
「成る程な」
「あとは、他の〈戦艦〉に連絡した通り私達は囮で、待ち構えている第3拠点の〈戦艦〉の所まで案内。あとは協力して奴に砲撃の雨を降らせる」
「いい作戦だ」
「どうも」
「ねぇ、二人とも。何でそんな落ち着いて話なんて出来るの?今にも追い付かれそうな勢いでこっち向かってるんだよ」
「だって、うちらもうすることないし」
「運転はコリンズだろ。追い付かれたらコリンズを恨めよ」
「勝手に言ってくれるじゃないか」
それを聞いていたコリンズが操縦しながら答えた。
「アッシュ、砲撃は私に代わりな」
「え、いいけど」
エラに言われるままに従うアッシュ。そして、アッシュもまたすることを失った。
「てか、何でこんなに座席あるんだよ。このパネルあれば一人で全部出来るじゃん!」
「「今更!?」」
「……そうだよ、今更だよ!今更気付いて悪かったな!」
最早泣きそうになるアッシュ。
「おーい、コリンズ。あとどれくらいで着くんだ?」
「そうだな、アッシュが泣き出す前かな」
「だ、そうだアッシュ」
「なんかいつの間にか、からかわれてる!?」
そう言いながらも、前方には待機している〈戦艦〉の姿があった。
「よーし、泣いていいぞアッシュ」
「泣くか!」
そのツッコミを最後に、真紀達を乗せた〈陸潜艦〉は〈戦艦〉の間を通り抜け、それを確認した〈戦艦〉は砲撃を開始した。
ドンッ、ドンッ、ドンッ!
後方で呻く声が聞こえた。
通り過ぎた〈陸潜艦〉は急転換し、真紀達も砲撃に参戦に向かった。
エラは黙々とタッチパネルを操作し、画面に映る赤いアンノウン・ウォーをロックし発射を連打した。
爆発音と煙に覆われる赤いアンノウン。しかし
「何故、あんなに撃ってるのに死なないんだ」
未だ、にょきにょきと動く触手は一旦縮み、バネ状にした瞬間、勢いよく〈戦艦〉に向かって先端を放った。
直撃を食らった〈戦艦〉は爆発をおこし、大破した。
触手はまた攻撃をしかけ、別の〈戦艦〉を貫き引っこ抜く。風穴が空いた〈戦艦〉は中が見え、そこは人間の血だらけで、その赤い血に炎が移り、そして大々的に爆発した。
複数ある触手は次々と〈戦艦〉を襲っては先程と同じ光景が繰返される。
「どうして砲撃食らってるのに効かないの」
ルビーはモニターを見ながら言った。
確かに、赤いアンノウンは他の奴らと違って巨体ではある。しかし、それ以外に違いはないはずだった。
「おい、このままじゃ全滅してしまう。他に何か策はないか、真紀」
「え!?でも、アンノウン・ウォーに対抗できる唯一の武器なんでしょ」
「あぁ、そうだ。だが、目の前にある通り奴は効いてない。多分、巨体故に他のアンノウンより頑丈なんだろう。俺だってこんなこと初めてさ。だが、アイツの頑丈な体に深い傷が与られる程じゃなかったんだ」
真紀は考えた。でも、唯一の武器が効かないんじゃ……いや、待って。アイザはこんなこと初めてだって言ったけど、これが初めてっていうことじゃないんだ。そう、あの時も!
「アイザ、最初のアンノウン覚えてる?」
「最初の?」
「私がアイザと初めて会った時にあらわれたアンノウンのこと」
「あぁ、あれか。そういえばあの時も砲撃が通用しなかったな。もしかして、あの時と同じようなことをするってことか」
「いや、そうじゃなくて。なんか砲撃するたんびに威力が落ちてるような感じがして」
「え!?」
「百年前の砲撃が錆び付いてうまく威力が出なかったなら分かるけど、今の兵器で通用しないなら、アイザの言うことも一理ある。ただ、そうじゃない場合の可能性を考えると、これしかないの」
「何だ、言ってみろ」
「この兵器も、アンノウンの戦いで何度も使われているなら、百年前の〈戦艦〉と同じ状況がうまれる。つまり、ちゃんとメンテナンスしてないんじゃないかってこと」
「いやいや、いくらなんでもそれはない。点検、整備は毎回行われている」
「アイザ、違うの。メンテナンスしてないではなく、出来ていないって意味」
「え?」
アイザは一瞬同じ意味のように聞こえた。しかし、真紀がそのあとに言ったことは全く違った意味だった。
「私が初めて第1拠点に来た時、アイザは言ったよね。働かない者、働けない者は追放。そして、あの時私が見た時の風景は、子どももでもが働いていたこと」
「それがどうした。言った筈だぞ、この世界ではそれが当たり前だということを」
「うん、知ってる。そして、私が見たのは子どもがアンノウン・ウォーの唯一の対抗である武器、〈戦艦〉の製造だった」
「あぁ、そうだったな」
「技術者でもない人が製造いや、製造だけじゃなくメンテナンスもやっているなら、そこに不備があらわれる」
この世界の技術はかなり上達している。しかし、その高みである技術にも欠点があった。
この世界の状況があそこまで技術を発展させたなら、欠点もその世界にふさわしいものと言わざるおえなかった。
〈戦艦〉および〈陸潜艦〉の欠点は、人手不足による整備不慮だった。
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