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第4章.目覚めのあと。

4.少女趣味。

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4.少女趣味。


 少女趣味が嫌そうなハレット様。

 ならば早めに、二人ともいい加減出て行って欲しい。

「……確かにそうかもねえ。それでもルアンがいいなあ。可愛いし、いじめがいがあるから」

 レイカルド様は、ふふっと底意地の悪い笑みを浮かべている。

 いじめがいって。

 何を企んでいるから⁉︎

「な、何を仰っているのですか⁉︎ リアンは巫女養成施設に戻ります。もう用事は済んだのでしょう? 放っておいて!」

 レイカルド様の言葉に焦りと怒りがこみ上げ、目を吊り上げて二人の言葉に口を挟む。

「放るなんてしないよ。リアンは僕の姫巫女になるのだから、覚悟していて」

 「い、嫌です!」

 私は、ブンブンと首を大きく振り、二人から距離を取ろうとした。

 じりじりと寝台の反対側の隅まで尻込みする。

「また拒否する。つれなさすぎるよ、ルアンは」

 レイカルド様は、私の言動に苛立ちを滲ませた声音で言う。

「こんな失礼な娘でいいのですか? 我が君は」

 「いいよ。リアンで」

「そうですか。そこまで気に入っているのでしたら、まあいいでしょう。我が君のいい慰めものになることでしょうから」

 ハレット様は、やれやれと溜息をこぼしながら毒づく。

「もうっ。また勝手に何を言っているのよ!」

  またしても否応なく決まってしまう二人の会話。

 勝手すぎる。

 憤りあらわに声を荒げる。

「リアン、諦めろって。ハレット、どうあれそれなりに準備しないといけないよね。まずは別荘に連れ帰るか」

「そうですね。それよりも先に、兄上様にご報告を。その後にルアンを迎えに行くということで、よろしいでしょうか?」

「そっか。そうするか」

「ねえ、少女趣味じゃ、まずいのでしょう? ならば私はやめた方がいいのでは?」

 このままでは危ういと感じ、慌てて口を挟む。

 多少なりに、不服そうなハレット様の顔を覗き込んだ。

「……確かに、一理ありますが」

「問題は何もないよ。リアン、ともかくここで、おとなしくしていて。いいね?」

 レイカルド様は、ハレット様の言葉を遮るように力強く言い、私を睨んできた。

 本気で自分の別荘へ連れて帰るつもり?

 一体、これから私はどうなってしまう⁉︎

私は、今後を考えれば考えるだけ、目眩を覚えていた。


そして、二人は背を向けて、この場外へから出て行ったーー。



※お読みいただき、ありがとうございます。
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