7 / 74
第1章・好奇心はほどほどに。
6.聞いたことがある名前。
しおりを挟む
6.聞いたことがある名前。
少年は、うつむいて何かに逆らうように、首をしきりに振っていた。
顔は、よく見えないけど気になる。
「我が君、レイカルド様、巫女です。どうか、お使いください!」
レイカルド様。
貴族の雰囲気そのままの横柄そうな青年の至極丁寧な物言いから、目の前の少年はもっと位が高そう。
二人揃って、今後のため呼び捨てにしてはまずそう?
それに少年の名前は、どこかで聞いたことある気がする。
どこで?
思い出せない。
顔もそうだけど、何か引っかかっていて、物凄く気になる。
青年の呼び声に気がついたのか、レイカルド様という名の少年は、少しして肩を小さく震わせると、途切れ途切れに言葉を発してきた。
「……巫女、だと? ハレットは、何を、言って、いるから……。すぐに、僕から……離れて!」
一喝すると、瞬時に苦しげに咳き込んでしまう。
その腰を浮かして両膝を立て、自らの頬を絨毯に強く擦り付けている。
何だかとても苦しそう。
「我が君こそ、レイカルド様こそ、何を仰っているのですか? 巫女ですって! それも通りすがりのもので、偶発的です。我が君が杞憂してる意図することなど何もありませんよ!」
「だがっ!」
「とても幼げですから、きっと処女なのでしょう。今の最悪な状況を回避するには、充分事足りることです。我が君、そうでしょう?」
レイカルド様を宥めるような口調で言ったハレット様という名前の青年は、私を羽交い締めにしてきた。
青年の名前は、ハレット様というらしいが。
今は、それどころじゃない?
現状、妙に危険な匂いがする。
「は、離してください!」
危地を感じた私は、慌てて身を激しく捩る。
だが、細い身体を押さえ込んだハレットは、苦悶するレイカルド様のもとへ行く。
そのすぐ目の前へ、私を強引に座らせてしまった。
一体何が起きようとしている!?
※お読みいただき、ありがとうございます。
少年は、うつむいて何かに逆らうように、首をしきりに振っていた。
顔は、よく見えないけど気になる。
「我が君、レイカルド様、巫女です。どうか、お使いください!」
レイカルド様。
貴族の雰囲気そのままの横柄そうな青年の至極丁寧な物言いから、目の前の少年はもっと位が高そう。
二人揃って、今後のため呼び捨てにしてはまずそう?
それに少年の名前は、どこかで聞いたことある気がする。
どこで?
思い出せない。
顔もそうだけど、何か引っかかっていて、物凄く気になる。
青年の呼び声に気がついたのか、レイカルド様という名の少年は、少しして肩を小さく震わせると、途切れ途切れに言葉を発してきた。
「……巫女、だと? ハレットは、何を、言って、いるから……。すぐに、僕から……離れて!」
一喝すると、瞬時に苦しげに咳き込んでしまう。
その腰を浮かして両膝を立て、自らの頬を絨毯に強く擦り付けている。
何だかとても苦しそう。
「我が君こそ、レイカルド様こそ、何を仰っているのですか? 巫女ですって! それも通りすがりのもので、偶発的です。我が君が杞憂してる意図することなど何もありませんよ!」
「だがっ!」
「とても幼げですから、きっと処女なのでしょう。今の最悪な状況を回避するには、充分事足りることです。我が君、そうでしょう?」
レイカルド様を宥めるような口調で言ったハレット様という名前の青年は、私を羽交い締めにしてきた。
青年の名前は、ハレット様というらしいが。
今は、それどころじゃない?
現状、妙に危険な匂いがする。
「は、離してください!」
危地を感じた私は、慌てて身を激しく捩る。
だが、細い身体を押さえ込んだハレットは、苦悶するレイカルド様のもとへ行く。
そのすぐ目の前へ、私を強引に座らせてしまった。
一体何が起きようとしている!?
※お読みいただき、ありがとうございます。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
籠の鳥の啼く、
おじょく
恋愛
高校一年生になったばかりの小鳥遊 千鶴は交通事故により両親を亡くしてしまう。
頼れる身寄りはいないと思っていたが、そんな千鶴の元に母親の兄である伯父が現れる。
「君が千鶴ちゃんだね。よかったらうちに来ないかい?」
他に頼れる人が居なかった千鶴は伯父に着いて行くことに。
伯父が経営しているという旅館でバイトをしながら過ごす事になった千鶴であったが、彼女はこの新しい生活によって伯父の狂った愛をその身に受ける事になる……。
ーーーーーーーーーー
伯父(40代男)×養女(16歳元JK)
兄妹の近親相姦を仄めかす表現があり、今後描写する可能性があります。
性描写があるタイトルには*がつけられており、冒頭に要素の注釈が入ります。
基本的にはレイプ、強姦、望まない性行為を取り扱っております。
本作そのような犯罪行為を助長する目的で書かれているものではありません。あくまで娯楽としての読み物としてお楽しみ下さい。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
お嬢様、お仕置の時間です。
moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。
両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。
私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。
私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。
両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。
新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。
私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。
海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。
しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。
海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。
しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる