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第7章 神との対面
第70話 神とお師匠様
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===アルナ視点========================
「…………………行ったわよ」
「……っ!はぁ、はぁ、はぁ」
リリとルルが帰ったのを確認し、アマナに伝えると、さっきまで息を止めていたようで、必死に空気を取り入れ始めた。………まあ、この神界での空気は有って無いようなもの、有るのに越した事は無いけど、私達神は無くても生きていける。でも、眷属はそうはいかない。だって、眷属は元は人間だから重要な器官とかは人間の物のままだ。
「…………はぁ、はぁ、アルナ様は怖くなかったのですか?あの二人は彼の弟子なんですよ?もし、彼のーー「黙りなさい」………はい」
彼女の言い分は分かる。もし、彼の力を、いや、あの方の力を引き継いでいたら、私達は消滅させられていただろう。けど、それはない。何故なら、
「あの子達の記憶を少し覗いてみたんだけど、その中に彼があの力を使っているところがなかったのよ」
「え…………?という事は?」
「彼はまだ目覚めて……いや、思い出していないって事よ」
「そう……で…すか」
私の言葉を聞いて安心し、その場に座り込むアマナ。確かにアマナから見れば『神の強欲』より彼の方が恐怖の対象になっただろうけど、私はそうは思わない。………確かにあの力は怖い。けど、彼があの力を悪用するとは思えない。彼の事はあまり知らないけど、《魔神の砦》に向かう彼を見た事はある。
===1000年前========================
「うわっ、凄い勢いで魔物やら魔族を狩っているな」
私は最近決まった神王様に挨拶に行った時、神王様の部下である宰神様が下界である地上を見ているのを見つけた。宰神様だけでなく、色んな神が誰かが開いた地上を見る為に開いた門を凝視している。私はその異常な光景の原因である下界に興味が湧き、私も群がる神々の間を通り、下界を覗いた。
『はぁぁぁっ!!』
そこには一人の男が居た。真っ黒な髪に真っ黒な服を着て、漆黒の片刃直剣と純白の片刃直剣を振り回していた。そして、その男の周りには、男が何処にいるのか分からなくなるほどの魔物とそれを統率する魔族が居た。
普通に考えたら男の方が絶体絶命のピンチで、周りの魔族は余裕を持って男をひねり潰せるだろう。だが、それは全く逆だった。
男が剣を振るう度、多くの魔物が死に絶え、それを見て魔族や魔物は怯え、そこを突くかのように男がまた剣を振るう。気づいたら男は魔物の大群を全滅させ、統率していた魔族も首が無くなっていた。
「彼は一体…………」
「さあ?分からないが、何処かで見た事のある顔だ」
宰神様が「何処かで見た事のある顔」と言ったのをキッカケに、私はまるで急に全てのピースが合わさったかのように思い出した。
「………彼、『地球』という世界の住人の一人じゃないんですか?」
「あ!そう言えば見た事がある!!確かーー」
===============================
思い返してみたら、彼が魔神を倒したあの日から何処か、彼に対する恐怖心が消えてしまったように思う。彼がどんな理由で魔神を倒したにせよ、彼が私が根をはる世界を救ってくれたのは変わりない。…………今回もまた彼に世界を救ってもらおうとしている。別に私が強制した訳ではないが、負い目を感じる。だから、あんなに簡単と彼の弟子の二人に加護を授けたのかもしれない。
「……私達、神は地上を世界を統治しないといけないのに、地上に関与する事が出来ない。………だから、人に任せるしかない。…………神って一体何だろう」
私達は人を遥かに超える力を持っている。その力は人が過ちを犯した時に正せるように。……だけど、地上で力を振るう事は出来ない。いつもいつも、正しい心を持つ人に加護を授けて、後は静観。どうにかしたいが、出来ない。それは神すら縛る摂理だから………。
===???視点========================
「アルナがあの双子に加護を授けたようだ」
「はぁ、俺は加護を授けられる前に仕留めた方が良いと思ってたが、その通りになったな」
「過ぎた事をとやかく言う事に意味はないし、これが最善だった」
「まあ、アルナとぶつかるには早過ぎるかな?」
「そうだ、あいつは宰神すら超える神。我らが全滅する可能性が非常に高い」
「ま、いくら加護を授けられたとはいえ、相手は子供。隙は幾らでも突けるか」
「油断はするなよ?」
「へいへい、そもそも、あの子供達が"特異点"の下に行かなければ、出番は無いんでしょう?」
「まあな。だが、機があれば潰しておいて損は無いだろう」
「そだね、『暴神』が抜けた穴はかなり大きいからね」
===ルル視点========================
「お、元の場所に戻って来れたね」
私と姉さんは門から大きな女神像のある所に出た。神殿には誰も居ない。アギラさんの言いつけをしっかり守っているのだろう。
「それにしても………」
姉さんは大きな女神像を見る。その女神像はアルナ様を模して作られたのだろうが、正直、あまり似てない。この女神像は清楚な女性っぽいけど、アルナ様はどっちかというと男っぽい女性だった。
「全然似てないね。アルナ様よりこっちの像のほーー「うわあぁっ!」ぐべぇっ!!」
「姉さん!!」
私は突如落ちてきたアギラさんを蹴飛ばし、下敷きになった姉さんに"ヒール"をかける。
「……ふぅ、ありがとう。ルル」
「うん、それより………」
私は姉さんを起こしながら、上を見上げると、門があり、それは私が見ている事に気付いたのか、急に閉じた。
「………多分、アルナ様の仕業」
「…………アルナ様の変ーー(ガッシャーン!)痛ぁ~!!」
姉さんがアルナ様の悪口を言おうとしたら、姉さんの頭上に門が開き、そこから鉄の板が落ちてきた。それに見事当たった姉さんは涙を浮かべながら頭を押さえているけど、板が姉さんの頭に当たった所だけあともう少しでぶち破れそうなくらい突出していると言えるくらい変形していた。
「……………何も見てないよね?」
姉さんは片手で鉄の板を木っ端微塵にした後、光の無い目で私を見た。……お師匠様に頭が固過ぎると言われた事をまだ根に持っていたみたい。
「…………私は鉄板なんて見てないよ」
「よし、素直な子は好きよ~~」
姉さんはそう言って、私の頭を乱暴気味に撫でた。…………良かった、素直な子で。
「んん!!ちょっと良いかな?」
「……?はい、何でしょう?」
そういえば居たアギラさんが姉さんに話しかけた。その事によって、姉さんは私の頭から手を話し、アギラさんの方に向いた。
よくも私の至福の時間を……!!許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!
「あのー、そんな如何にも殺しかねないような目で見ないでほしいんだが?」
「え?どうしたの、ルル?」
「………何でも無いよ」
「……………女って恐ろしいなー」
姉さんに私の評価が下がりかねない事を………!!本当に殺そうかな………?
「まあ、とにかく、これからどうするんだ?」
===============================
またまたキリの悪いところで終わってすみません!!
「…………………行ったわよ」
「……っ!はぁ、はぁ、はぁ」
リリとルルが帰ったのを確認し、アマナに伝えると、さっきまで息を止めていたようで、必死に空気を取り入れ始めた。………まあ、この神界での空気は有って無いようなもの、有るのに越した事は無いけど、私達神は無くても生きていける。でも、眷属はそうはいかない。だって、眷属は元は人間だから重要な器官とかは人間の物のままだ。
「…………はぁ、はぁ、アルナ様は怖くなかったのですか?あの二人は彼の弟子なんですよ?もし、彼のーー「黙りなさい」………はい」
彼女の言い分は分かる。もし、彼の力を、いや、あの方の力を引き継いでいたら、私達は消滅させられていただろう。けど、それはない。何故なら、
「あの子達の記憶を少し覗いてみたんだけど、その中に彼があの力を使っているところがなかったのよ」
「え…………?という事は?」
「彼はまだ目覚めて……いや、思い出していないって事よ」
「そう……で…すか」
私の言葉を聞いて安心し、その場に座り込むアマナ。確かにアマナから見れば『神の強欲』より彼の方が恐怖の対象になっただろうけど、私はそうは思わない。………確かにあの力は怖い。けど、彼があの力を悪用するとは思えない。彼の事はあまり知らないけど、《魔神の砦》に向かう彼を見た事はある。
===1000年前========================
「うわっ、凄い勢いで魔物やら魔族を狩っているな」
私は最近決まった神王様に挨拶に行った時、神王様の部下である宰神様が下界である地上を見ているのを見つけた。宰神様だけでなく、色んな神が誰かが開いた地上を見る為に開いた門を凝視している。私はその異常な光景の原因である下界に興味が湧き、私も群がる神々の間を通り、下界を覗いた。
『はぁぁぁっ!!』
そこには一人の男が居た。真っ黒な髪に真っ黒な服を着て、漆黒の片刃直剣と純白の片刃直剣を振り回していた。そして、その男の周りには、男が何処にいるのか分からなくなるほどの魔物とそれを統率する魔族が居た。
普通に考えたら男の方が絶体絶命のピンチで、周りの魔族は余裕を持って男をひねり潰せるだろう。だが、それは全く逆だった。
男が剣を振るう度、多くの魔物が死に絶え、それを見て魔族や魔物は怯え、そこを突くかのように男がまた剣を振るう。気づいたら男は魔物の大群を全滅させ、統率していた魔族も首が無くなっていた。
「彼は一体…………」
「さあ?分からないが、何処かで見た事のある顔だ」
宰神様が「何処かで見た事のある顔」と言ったのをキッカケに、私はまるで急に全てのピースが合わさったかのように思い出した。
「………彼、『地球』という世界の住人の一人じゃないんですか?」
「あ!そう言えば見た事がある!!確かーー」
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思い返してみたら、彼が魔神を倒したあの日から何処か、彼に対する恐怖心が消えてしまったように思う。彼がどんな理由で魔神を倒したにせよ、彼が私が根をはる世界を救ってくれたのは変わりない。…………今回もまた彼に世界を救ってもらおうとしている。別に私が強制した訳ではないが、負い目を感じる。だから、あんなに簡単と彼の弟子の二人に加護を授けたのかもしれない。
「……私達、神は地上を世界を統治しないといけないのに、地上に関与する事が出来ない。………だから、人に任せるしかない。…………神って一体何だろう」
私達は人を遥かに超える力を持っている。その力は人が過ちを犯した時に正せるように。……だけど、地上で力を振るう事は出来ない。いつもいつも、正しい心を持つ人に加護を授けて、後は静観。どうにかしたいが、出来ない。それは神すら縛る摂理だから………。
===???視点========================
「アルナがあの双子に加護を授けたようだ」
「はぁ、俺は加護を授けられる前に仕留めた方が良いと思ってたが、その通りになったな」
「過ぎた事をとやかく言う事に意味はないし、これが最善だった」
「まあ、アルナとぶつかるには早過ぎるかな?」
「そうだ、あいつは宰神すら超える神。我らが全滅する可能性が非常に高い」
「ま、いくら加護を授けられたとはいえ、相手は子供。隙は幾らでも突けるか」
「油断はするなよ?」
「へいへい、そもそも、あの子供達が"特異点"の下に行かなければ、出番は無いんでしょう?」
「まあな。だが、機があれば潰しておいて損は無いだろう」
「そだね、『暴神』が抜けた穴はかなり大きいからね」
===ルル視点========================
「お、元の場所に戻って来れたね」
私と姉さんは門から大きな女神像のある所に出た。神殿には誰も居ない。アギラさんの言いつけをしっかり守っているのだろう。
「それにしても………」
姉さんは大きな女神像を見る。その女神像はアルナ様を模して作られたのだろうが、正直、あまり似てない。この女神像は清楚な女性っぽいけど、アルナ様はどっちかというと男っぽい女性だった。
「全然似てないね。アルナ様よりこっちの像のほーー「うわあぁっ!」ぐべぇっ!!」
「姉さん!!」
私は突如落ちてきたアギラさんを蹴飛ばし、下敷きになった姉さんに"ヒール"をかける。
「……ふぅ、ありがとう。ルル」
「うん、それより………」
私は姉さんを起こしながら、上を見上げると、門があり、それは私が見ている事に気付いたのか、急に閉じた。
「………多分、アルナ様の仕業」
「…………アルナ様の変ーー(ガッシャーン!)痛ぁ~!!」
姉さんがアルナ様の悪口を言おうとしたら、姉さんの頭上に門が開き、そこから鉄の板が落ちてきた。それに見事当たった姉さんは涙を浮かべながら頭を押さえているけど、板が姉さんの頭に当たった所だけあともう少しでぶち破れそうなくらい突出していると言えるくらい変形していた。
「……………何も見てないよね?」
姉さんは片手で鉄の板を木っ端微塵にした後、光の無い目で私を見た。……お師匠様に頭が固過ぎると言われた事をまだ根に持っていたみたい。
「…………私は鉄板なんて見てないよ」
「よし、素直な子は好きよ~~」
姉さんはそう言って、私の頭を乱暴気味に撫でた。…………良かった、素直な子で。
「んん!!ちょっと良いかな?」
「……?はい、何でしょう?」
そういえば居たアギラさんが姉さんに話しかけた。その事によって、姉さんは私の頭から手を話し、アギラさんの方に向いた。
よくも私の至福の時間を……!!許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!
「あのー、そんな如何にも殺しかねないような目で見ないでほしいんだが?」
「え?どうしたの、ルル?」
「………何でも無いよ」
「……………女って恐ろしいなー」
姉さんに私の評価が下がりかねない事を………!!本当に殺そうかな………?
「まあ、とにかく、これからどうするんだ?」
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またまたキリの悪いところで終わってすみません!!
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