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第6章 協力者
第53話 お師匠様の正体
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===ルル視点========================
「いらっしゃい!何個にしますか?」
「えーと、8個お願いします!」
「へい!今焼いてるんで、少々お待ちください!!」
やっと順番が回って来たかと思いきや、ちょうど鉄板の『たこ焼き』が無くなったようで、いかついのに細身の店員が生地を丸い凸凹のある鉄板に流し込んでいる。
「んー、やっぱり、師匠が作ってくれた『お好み焼き』に似てない?」
「………確かに似てる」
師匠が作ってくれた『お好み焼き』は平べったになっていたけど、生地は似てる。
「あのー、この『たこ焼き』を考案したのは誰なんですか?」
「あー、やっぱり気になりますよね!これは看板に書いてありますが、大昔に異世界から来た俺の先祖になる勇者様が作ったんですよ!!」
へぇ、この男が勇者様の子孫。髪は茶色で目は黒目、意外と白っぽい肌で筋肉がしっかりしている。…………あれ?茶色の髪に黒目って……………
「え!勇者様の子孫なんですか!?」
「ええ、勇者様の名前は『カブラキ ユウト』と言うらしいんで、それから少し借りて、ユウリアといいます!!」
「「!!!」」
いかつい顔で青年のような高めの声を出す男の先祖の名前が『ユウト』、お師匠様の名前が『ユウキ』。似すぎている。
姉さんも、驚きを隠せずに口に手を当てて複雑な顔をしている。
「……因みに、勇者様の容姿はどうだったか分かりますか?」
「え、そうですねー。確か、黒髪黒目の短髪だったと言われています。一緒に呼ばれた勇者様も、黒髪黒目は変わらなかったみたいですけどね」
「「………………」」
お師匠様は黒髪黒目。名前が勇者様と似すぎている。………もしかして、お師匠様は…………
「はいよっ!たこ焼き8個!!」
「あ、銀貨4枚です!」
「まいどあり!!」
考えるのに夢中で、いつの間にか出来ていた『たこ焼き』を姉さんは受け取り、代金を払ってゆっくりと歩く。それについていく。美味しそうな匂いで、漸く現実に戻ってこれたようで、
「あ、取り敢えず食べよっか!」
「………うん」
熱い『たこ焼き』を何個かに刺さっていた木製の針のようなもので食べる。
「ん!美味しいっ!!」
「…………美味しい」
美味しいけど、この『たこ焼き』にかかってるソースは『お好み焼き』にかかってたソースにすごく近い。
「…………ねぇ、これって『お好み焼き』に似てるよね」
「………うん、生地とソースが特に」
『お好み焼き』の生地は野菜が入っていてシャキシャキしてたけど、ベースは同じように感じるし、ソースに至ってはほぼ同じ。
姉さんも険しい表情で、『たこ焼き』をパクパク食べながら、街中を歩く。方向からして、もう宿に帰るのだろうか。やがて、ゆっくりと絞り出すかのように姉さんは………
「………師匠って、もしかして異世界から来たの?」
「……………多分」
前から不思議な人だとは思ってた。『蛇口』とか暑い夏場に出してた『扇風機』とか不思議で便利な魔導具がお師匠様の家には沢山あったり、勇者様が伝えた『日本刀』を愛用していたり、技姫さんに作らせたり、服も旧とはいえ、王都に住んでいた私達でさえ見たことのないものばかりだった。時々、『フラグ』とか『オタク』とか意味の分からない事も言ってた。それらはもしかして、異世界にあったものだとしたら………、それらを普通に当たり前のように扱っていた事に合点がいく。
「………取り敢えず、ティフィラさんにも聞いてみる?」
「うん、そうだね」
私と姉さんは宿に向かう。きっとそろそろティフィラさん達も帰ってくるだろうし、昔のお師匠様を知ってるティフィラさん達なら、何か知っているかもしれない。
私は何とも言えないけど、シコリを残したような感覚を感じながら、姉さんと肩を並べて歩いた。
===???視点========================
素晴らしい絵画や花で彩られ、華やかなで大きな部屋の中央に円状の机が置かれ、そこには4つの椅子があり、それぞれの椅子に顔が怖いが背丈が小さい男と体のいたるところに銀色の毛が生え、机に足を乗せて舐めた態度を取る荒々しそうな青年と膝辺りまで伸ばした綺麗な金髪で白を基調としたドレスを着ている終始目を閉じている顔には幼さが見える女、緑色の髪に細長い耳、緑を基調とした服を来た青年。
それぞれ、椅子に座り、すぐ隣に警護として連れている人物を置いている。1人はSSSランク冒険者、1人は自国の騎士団長、1人は自国最強の男、1人は妻といった感じだが、全員凄まじい力を持っているのは間違いない。1人、場違いな少年が机から離れたところに跪いている。
「まさか、《ネイト》で武闘大会を開催するとはな」
「いいじゃねーか、この大会は他の大会に比べてレベルが高い。強者を探し出せるじゃねぇか」
「そうだな、魔神領を攻め入る時の戦力として引き入れるか」
「しかし、参加する人達のほとんどが冒険者。我ら連合国に従うとは思えませんが」
「ふっ、安心せい。そう言った馬鹿な奴を力でねじ伏せる為にこやつがいるのだろう。なあ、『戯神』とやら」
「はい、僕に全てお任せください」
「期待しておるぞ、神を名乗る小僧よ」
貫禄のありそうな男は離れたところにいる少年に目を向ける。普通の少年なら、怯えるような眼差しでも臆す事なく平然と跪いている事に皆が何とも言えない不気味さを感じていた………。
===ルル視点========================
「ただいま!」
「おお、帰ったか」
元気に入る姉さんの後に続いて入る。中にはオリナしかいない。どうやら、ティフィラさんとエルガさんは帰って来てないようだ。
「ねぇ、何してたの?」
「なに、お主らは武闘大会に参加するようじゃから、魔素でこないだやった見えなくなる技に磨きをかけて応援に行ってやろうと思うてな」
「……!ありがとう!オリナ!!」
「なっ!いきなり抱きつくのでは無いわ!!」
感激した姉さんがオリナに抱きつき、それを精一杯振りほどこうとしているオリナだが、姉さんはそうそう外れない。
「お主っ!どれだけ強い力で抱きつくのじゃ!!あっ!ちょっとミシミシ言い始めたぞ!!」
というか、普通に羨ましい。姉さんに抱きつかれるなんて………!!
「………オリナ、代わって」
「代われるもんならとっくに……!ーって!イタダダダ!!お主は無理矢理引っ張るなっ!ちぎれる!ちぎれる!」
言わば、釘で固定されながら引っ張られるようなものでオリナは激痛のあまり…………
「あ、気絶した」「………ほっとこ。姉さん私も…!」
「何やってんの?」「なかなかこれは面白いね」
呆れた様子で見てくるティフィラさんと全身傷だらけのエルガさん。どうやら、今帰ってきたみたい。特に問題は無かったようで、ティフィラさんは傷1つない。エルガさんの傷は絶対ティフィラさんがやったものだから、気にしなくていいだろう。
「あの、ティフィラさんに聞きたい事があるんですか!」
「ん?何?」「僕じゃないんだ……」
姉さんは悲しそうな顔のエルガさんを放ってティフィラさんに聞いた。
「師匠って、異世界から来たんですか?」
===============================
ユウキのシーンはしばらく無いと思います。
「いらっしゃい!何個にしますか?」
「えーと、8個お願いします!」
「へい!今焼いてるんで、少々お待ちください!!」
やっと順番が回って来たかと思いきや、ちょうど鉄板の『たこ焼き』が無くなったようで、いかついのに細身の店員が生地を丸い凸凹のある鉄板に流し込んでいる。
「んー、やっぱり、師匠が作ってくれた『お好み焼き』に似てない?」
「………確かに似てる」
師匠が作ってくれた『お好み焼き』は平べったになっていたけど、生地は似てる。
「あのー、この『たこ焼き』を考案したのは誰なんですか?」
「あー、やっぱり気になりますよね!これは看板に書いてありますが、大昔に異世界から来た俺の先祖になる勇者様が作ったんですよ!!」
へぇ、この男が勇者様の子孫。髪は茶色で目は黒目、意外と白っぽい肌で筋肉がしっかりしている。…………あれ?茶色の髪に黒目って……………
「え!勇者様の子孫なんですか!?」
「ええ、勇者様の名前は『カブラキ ユウト』と言うらしいんで、それから少し借りて、ユウリアといいます!!」
「「!!!」」
いかつい顔で青年のような高めの声を出す男の先祖の名前が『ユウト』、お師匠様の名前が『ユウキ』。似すぎている。
姉さんも、驚きを隠せずに口に手を当てて複雑な顔をしている。
「……因みに、勇者様の容姿はどうだったか分かりますか?」
「え、そうですねー。確か、黒髪黒目の短髪だったと言われています。一緒に呼ばれた勇者様も、黒髪黒目は変わらなかったみたいですけどね」
「「………………」」
お師匠様は黒髪黒目。名前が勇者様と似すぎている。………もしかして、お師匠様は…………
「はいよっ!たこ焼き8個!!」
「あ、銀貨4枚です!」
「まいどあり!!」
考えるのに夢中で、いつの間にか出来ていた『たこ焼き』を姉さんは受け取り、代金を払ってゆっくりと歩く。それについていく。美味しそうな匂いで、漸く現実に戻ってこれたようで、
「あ、取り敢えず食べよっか!」
「………うん」
熱い『たこ焼き』を何個かに刺さっていた木製の針のようなもので食べる。
「ん!美味しいっ!!」
「…………美味しい」
美味しいけど、この『たこ焼き』にかかってるソースは『お好み焼き』にかかってたソースにすごく近い。
「…………ねぇ、これって『お好み焼き』に似てるよね」
「………うん、生地とソースが特に」
『お好み焼き』の生地は野菜が入っていてシャキシャキしてたけど、ベースは同じように感じるし、ソースに至ってはほぼ同じ。
姉さんも険しい表情で、『たこ焼き』をパクパク食べながら、街中を歩く。方向からして、もう宿に帰るのだろうか。やがて、ゆっくりと絞り出すかのように姉さんは………
「………師匠って、もしかして異世界から来たの?」
「……………多分」
前から不思議な人だとは思ってた。『蛇口』とか暑い夏場に出してた『扇風機』とか不思議で便利な魔導具がお師匠様の家には沢山あったり、勇者様が伝えた『日本刀』を愛用していたり、技姫さんに作らせたり、服も旧とはいえ、王都に住んでいた私達でさえ見たことのないものばかりだった。時々、『フラグ』とか『オタク』とか意味の分からない事も言ってた。それらはもしかして、異世界にあったものだとしたら………、それらを普通に当たり前のように扱っていた事に合点がいく。
「………取り敢えず、ティフィラさんにも聞いてみる?」
「うん、そうだね」
私と姉さんは宿に向かう。きっとそろそろティフィラさん達も帰ってくるだろうし、昔のお師匠様を知ってるティフィラさん達なら、何か知っているかもしれない。
私は何とも言えないけど、シコリを残したような感覚を感じながら、姉さんと肩を並べて歩いた。
===???視点========================
素晴らしい絵画や花で彩られ、華やかなで大きな部屋の中央に円状の机が置かれ、そこには4つの椅子があり、それぞれの椅子に顔が怖いが背丈が小さい男と体のいたるところに銀色の毛が生え、机に足を乗せて舐めた態度を取る荒々しそうな青年と膝辺りまで伸ばした綺麗な金髪で白を基調としたドレスを着ている終始目を閉じている顔には幼さが見える女、緑色の髪に細長い耳、緑を基調とした服を来た青年。
それぞれ、椅子に座り、すぐ隣に警護として連れている人物を置いている。1人はSSSランク冒険者、1人は自国の騎士団長、1人は自国最強の男、1人は妻といった感じだが、全員凄まじい力を持っているのは間違いない。1人、場違いな少年が机から離れたところに跪いている。
「まさか、《ネイト》で武闘大会を開催するとはな」
「いいじゃねーか、この大会は他の大会に比べてレベルが高い。強者を探し出せるじゃねぇか」
「そうだな、魔神領を攻め入る時の戦力として引き入れるか」
「しかし、参加する人達のほとんどが冒険者。我ら連合国に従うとは思えませんが」
「ふっ、安心せい。そう言った馬鹿な奴を力でねじ伏せる為にこやつがいるのだろう。なあ、『戯神』とやら」
「はい、僕に全てお任せください」
「期待しておるぞ、神を名乗る小僧よ」
貫禄のありそうな男は離れたところにいる少年に目を向ける。普通の少年なら、怯えるような眼差しでも臆す事なく平然と跪いている事に皆が何とも言えない不気味さを感じていた………。
===ルル視点========================
「ただいま!」
「おお、帰ったか」
元気に入る姉さんの後に続いて入る。中にはオリナしかいない。どうやら、ティフィラさんとエルガさんは帰って来てないようだ。
「ねぇ、何してたの?」
「なに、お主らは武闘大会に参加するようじゃから、魔素でこないだやった見えなくなる技に磨きをかけて応援に行ってやろうと思うてな」
「……!ありがとう!オリナ!!」
「なっ!いきなり抱きつくのでは無いわ!!」
感激した姉さんがオリナに抱きつき、それを精一杯振りほどこうとしているオリナだが、姉さんはそうそう外れない。
「お主っ!どれだけ強い力で抱きつくのじゃ!!あっ!ちょっとミシミシ言い始めたぞ!!」
というか、普通に羨ましい。姉さんに抱きつかれるなんて………!!
「………オリナ、代わって」
「代われるもんならとっくに……!ーって!イタダダダ!!お主は無理矢理引っ張るなっ!ちぎれる!ちぎれる!」
言わば、釘で固定されながら引っ張られるようなものでオリナは激痛のあまり…………
「あ、気絶した」「………ほっとこ。姉さん私も…!」
「何やってんの?」「なかなかこれは面白いね」
呆れた様子で見てくるティフィラさんと全身傷だらけのエルガさん。どうやら、今帰ってきたみたい。特に問題は無かったようで、ティフィラさんは傷1つない。エルガさんの傷は絶対ティフィラさんがやったものだから、気にしなくていいだろう。
「あの、ティフィラさんに聞きたい事があるんですか!」
「ん?何?」「僕じゃないんだ……」
姉さんは悲しそうな顔のエルガさんを放ってティフィラさんに聞いた。
「師匠って、異世界から来たんですか?」
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ユウキのシーンはしばらく無いと思います。
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