NTR！NTR！

3話 恋のキューピットは欠けたねじを知らない①

　わかってるんですか？会長。今の状態だといつ犯されてもおかしくないんですよ？私が、守ってあげないと。

　私は、部長が好きだった。真面目にみんなを引っ張る吹奏楽部の部長が。美女で有名だったけど。あの、優しく私に笑顔を見せてくれるのが好きだった。あの人にとって。普通のことだったのかも知れないけど。私を馬鹿にする嘲笑う笑顔以外は、部長が初めてだった。幼く見える私への微笑なのかも知れないけど。あの笑顔に私は恋をした。

ある日、ネジが落ちていた。何かの楽器のネジかも知れないと部長は言う。楽器が置かれている物置部屋で2人きりになった。

「あの、部長は恋人とかいるんですか？」

「恋人は、いたかな。」

「今は、いないんですか？」

「もう、恋できないから…」

部長は、少し私の顔を見る回数が減った。いつもは、会話は真面目に顔を見て話してくれるのに。

「何か…あったんですか？」

普通は、踏み込んではいけない場所なのに。初恋は、やっぱり叶えたい。

「私が悪かっただけ」

「部長が……悪いなんて」

何も知らない。私が否定しては、いけない。真面目な部長は、少しのことでも責任を負ってしまう。だから、私がその責任を肩代わりしないと。

「私、部長のことが…好きです」

「……私も、可愛い佐倉ちゃんのこと好き…だよ」

「違います！私、本気で部長のこと！」

「ﾌﾞｰﾌﾞｯﾌﾞ」
スマホの通知音がなる。

部長、すぐにスマホを見ると。

「ねじの事は顧問の平沢先生に言っておいて。私、用事ができたから帰るね。じゃあね。」

その日の夜。クラスメイトのグループLINEで最悪な写真が流れた。