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第一章 シンガポール・スリング
第三話
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タイル張りの床を覆うオリエンタルなカーペット。
老若男女さまざまな姿で、静かに賑わうカウンター。
ホテルの中にあるそのバーは、由緒正しい調度品に反し、ラフな格好をした現地の人々が日常のお酒を楽しむ場所らしい。我が物顔で中へと進む玲一さんの後ろへ続き、私はきょろきょろ見回しながらそうっと床へ足を伸ばす。
「あの、床に散らばるピーナッツの殻は……?」
「ここの伝統でね。お酒と一緒にピーナッツが出るんだけど、殻は全部床に捨てるんだよ。シンガポールで唯一ポイ捨てが許される場所」
慣れた様子でカウンターの丸椅子に腰掛けた玲一さんは、バーテンダーに早口の英語で何かを注文したようだ。バーテンダーの青年は私の方をちらと見て、それから銀色のシェイカーを取り出しドリンクを次々に注ぎ込む。
「雰囲気いいでしょ? 俺のお気に入りなんだ。……ああ、ごめん、聞き忘れてた。甘めの酒って得意?」
「甘いのは好きです」
「そっか、よかった。シンガポールに来たなら、ぜひとも味わってもらいたい有名なカクテルだよ。シンガポール・スリングっていうんだけど」
底の深いカクテルグラスに、鮮やかなバラ色のカクテルがなみなみと注がれていく。
「今から百年くらい前、女性が人前で酒を飲むのが禁忌とされていた時代があった。そこでこのロング・バーのバーテンダーが、女性にも気兼ねなく飲んでもらえるようにって、フルーツジュースそっくりな見た目のカクテルを考案したんだ」
「へえ、素敵ですね」
「土産話にちょうど良いでしょ。ロング・バーのシンガポール・スリングといえば、知ってる人は知ってるからさ」
グラスの縁にパインとチェリー。そしてジュースらしくストローを指して、バーテンダーが私たちの前にそれぞれのグラスを差し出した。
少し顔を近づけるだけで、甘酸っぱい香りがふわっと漂う。わあ、と無邪気に目を丸くした私を見て、玲一さんは満足そうに大きな瞳を細めている。
「綺麗ですね。えっと、いただきます」
「うん」
私たちは顔を見合わせ、どちらともなく微笑みあうと、それぞれのグラスを片手に無言で視線を絡ませた。音の鳴るビールの乾杯とは違う、静かで艶やかな大人の挨拶。薄暗い照明に照らされたカクテルの甘いバラ色が、グラスを傾ける彼の姿をいっそう妖しく蠱惑的に見せる。
縁に触れる彼の唇。ぐいっとグラスをあおるような予想外に男らしい飲み口に、ちょっと驚いたのは内緒だ。上下する喉仏。みるみるうちにカクテルが減って、彼の中へと吸い込まれていく。
玲一さんの横顔ばかりをじろじろ見ている自分に気づき、私は羞恥を振り切るみたいに自分もカクテルへ口付けた。口いっぱいに広がる味は、脳にガツンと来るほどの甘さ。でも後味があまりにも爽やかでついつい口が進んでしまう。
「美味しい!」
「よかった、喜んでもらえて」
あっという間にグラスを空にした玲一さんは、次の一杯をバーテンダーに頼んでいるようだ。お酒、強いのかな。かっこいい……なんて、あまりにもナチュラルに出てきた言葉に自分で顔が赤くなる。
「めちゃくちゃ甘いからね。飽きたら違うやつ頼んでもいいよ」
「いえ、美味しいので全部飲めます。えっと、……え、これ一杯で3500円するんですか!?」
「高いよねえ、観光地価格かな。あ、金は払うからそこは気にしないで」
いやいやいや、そういうわけにはいかない。道中のタクシー代だって全部彼が払ってくれたんだ。そのお金だって本当なら私が出さなきゃいけないはずなのに、彼はにこにこ笑うばかりで頑として受け取ってくれなかった。
払います、いらないよ、の押し問答を繰り返す私たちを、バーテンダーがグラスを拭きながら呆れた顔で眺めている。シンガポールドル札を無理やり押しつけようとした私の手を、玲一さんは軽々掴み、
「俺から誘ったんだから、俺が払うのは当然でしょ」
と、ぺしっとおでこを叩かれてしまった。
むくれた子どものふりをしながら、私はひそかに笑みを押し殺す。楽しい。馬鹿みたいに楽しい。さっきから頬がゆるゆるに緩んで、笑いだしたくて仕方ない。
彼氏がいるってこういう感じなのかな。他愛ないことで一緒に笑って、お酒を飲んで、ちょっとじゃれあったりなんかして。当たり前のように隣に座り、自然に指先を触れ合わせて、ひとつの思い出が二人一緒なら二倍三倍へ膨れ上がる。
(最高じゃん)
快く酩酊しながらそんなことを考えたとき、ふと腕時計の時間が目に入って一気に現実に引き戻された。
違う。私たちは恋人じゃない。
明日にはきっと私と彼は元のような他人同士に戻る。私は飛行機で日本に戻り、彼は引き続きシンガポールで暮らす。それが当然の、もともとの居場所。私たちの道はきっと、もう二度と交わることはない。
愛菜は私の知らないところで、彼氏とこんな風に楽しく過ごしていたのだろうか。そう思うと、自分一人だけが世界中から孤立しているような、言い様のない不安と寂しさが重く心にのしかかってくる。
「どうしたの?」
ああもう、こういうときに優しくしないで。
大きな瞳に覗きこまれると、どうしたらいいのかわからなくなる。
「もしかして、眠くなってきた?」
「平気れす」
「眠いんだな。もう帰ろうか」
「大丈夫えす。ほらっ」
食べ終えたピーナッツの殻を床に捨てる。カサッと音を立てて足元に散らばるゴミ。なにこれ、楽しい。普段なら絶対やっちゃいけないことを堂々とお店でやる解放感!
「うへへへへ、おもしろーい」
『すみませーん、この子にお水』
「ウォーターいらないです、もっかい、シンガポール・スリングもう一杯」
「飲めるわけないでしょ、首まで真っ赤にして。おいこら溶けるな、猫じゃないんだから……」
カウンターにでろでろと伏せる私を尻目に、玲一さんは手早くお代を払うと私を抱きかかえてバーを出た。「おかね、おかね」と鞄をまさぐろうとする私の手を掴み、「いいから甘えておきなさい」と優しい声がたしなめる。
一歩バーの外へ出ると、日中の蒸し暑さも忘れ、涼しい夜風が火照った頬を一気にクールダウンさせてくれた。ああすごい、夜のシンガポールって綺麗。日本ではなかなか見られないような色とりどりの派手なネオンが、あっちこっちに煌めいていて、まるで万華鏡みたい。
玲一さんの胸にぴったり張り付き、車の行き交う街を眺めて、唇から漏れる熱い吐息が夜闇に溶けていくのを待つ。きれい。きれいだ。本当に……。
「立てる?」
降り注ぐ言葉に静かにうなずき、私はそっと彼から離れた。途端、さっきまで触れ合っていた右肩が急に寂しく寒く思えて、私はちいさく唇を噛みアスファルトの影を見下ろす。
「それじゃ、帰ろうか。ホテルはどこだっけ」
「…………」
「タクシー呼ぼうか。それとも、ホテルの入り口まで送ってほしい?」
「…………」
玲一さんの大きな瞳が、こっちを見つめる気配がする。
でも、私はぎゅっとこぶしを握ったまま地面を睨みつけるしかできない。
吹き抜ける風がひどく冷たい。
ひとりぼっちの心が寒い。
お腹で波打つシンガポール・スリングが、私を守る鋼鉄の理性をひっきりなしに揺さぶってくる。
「どうしたの。……帰りたくなくなっちゃった?」
くす、と小さく笑う声。
赤くなった私の頬が、突然固い胸に押し当てられた。肩をぎゅうと抱き寄せられて、熱い唇が耳元に寄る。
「今夜は、俺の部屋で寝る?」
くすぶる熱を吐息に混ぜて、甘い言葉が脳を溶かす。
老若男女さまざまな姿で、静かに賑わうカウンター。
ホテルの中にあるそのバーは、由緒正しい調度品に反し、ラフな格好をした現地の人々が日常のお酒を楽しむ場所らしい。我が物顔で中へと進む玲一さんの後ろへ続き、私はきょろきょろ見回しながらそうっと床へ足を伸ばす。
「あの、床に散らばるピーナッツの殻は……?」
「ここの伝統でね。お酒と一緒にピーナッツが出るんだけど、殻は全部床に捨てるんだよ。シンガポールで唯一ポイ捨てが許される場所」
慣れた様子でカウンターの丸椅子に腰掛けた玲一さんは、バーテンダーに早口の英語で何かを注文したようだ。バーテンダーの青年は私の方をちらと見て、それから銀色のシェイカーを取り出しドリンクを次々に注ぎ込む。
「雰囲気いいでしょ? 俺のお気に入りなんだ。……ああ、ごめん、聞き忘れてた。甘めの酒って得意?」
「甘いのは好きです」
「そっか、よかった。シンガポールに来たなら、ぜひとも味わってもらいたい有名なカクテルだよ。シンガポール・スリングっていうんだけど」
底の深いカクテルグラスに、鮮やかなバラ色のカクテルがなみなみと注がれていく。
「今から百年くらい前、女性が人前で酒を飲むのが禁忌とされていた時代があった。そこでこのロング・バーのバーテンダーが、女性にも気兼ねなく飲んでもらえるようにって、フルーツジュースそっくりな見た目のカクテルを考案したんだ」
「へえ、素敵ですね」
「土産話にちょうど良いでしょ。ロング・バーのシンガポール・スリングといえば、知ってる人は知ってるからさ」
グラスの縁にパインとチェリー。そしてジュースらしくストローを指して、バーテンダーが私たちの前にそれぞれのグラスを差し出した。
少し顔を近づけるだけで、甘酸っぱい香りがふわっと漂う。わあ、と無邪気に目を丸くした私を見て、玲一さんは満足そうに大きな瞳を細めている。
「綺麗ですね。えっと、いただきます」
「うん」
私たちは顔を見合わせ、どちらともなく微笑みあうと、それぞれのグラスを片手に無言で視線を絡ませた。音の鳴るビールの乾杯とは違う、静かで艶やかな大人の挨拶。薄暗い照明に照らされたカクテルの甘いバラ色が、グラスを傾ける彼の姿をいっそう妖しく蠱惑的に見せる。
縁に触れる彼の唇。ぐいっとグラスをあおるような予想外に男らしい飲み口に、ちょっと驚いたのは内緒だ。上下する喉仏。みるみるうちにカクテルが減って、彼の中へと吸い込まれていく。
玲一さんの横顔ばかりをじろじろ見ている自分に気づき、私は羞恥を振り切るみたいに自分もカクテルへ口付けた。口いっぱいに広がる味は、脳にガツンと来るほどの甘さ。でも後味があまりにも爽やかでついつい口が進んでしまう。
「美味しい!」
「よかった、喜んでもらえて」
あっという間にグラスを空にした玲一さんは、次の一杯をバーテンダーに頼んでいるようだ。お酒、強いのかな。かっこいい……なんて、あまりにもナチュラルに出てきた言葉に自分で顔が赤くなる。
「めちゃくちゃ甘いからね。飽きたら違うやつ頼んでもいいよ」
「いえ、美味しいので全部飲めます。えっと、……え、これ一杯で3500円するんですか!?」
「高いよねえ、観光地価格かな。あ、金は払うからそこは気にしないで」
いやいやいや、そういうわけにはいかない。道中のタクシー代だって全部彼が払ってくれたんだ。そのお金だって本当なら私が出さなきゃいけないはずなのに、彼はにこにこ笑うばかりで頑として受け取ってくれなかった。
払います、いらないよ、の押し問答を繰り返す私たちを、バーテンダーがグラスを拭きながら呆れた顔で眺めている。シンガポールドル札を無理やり押しつけようとした私の手を、玲一さんは軽々掴み、
「俺から誘ったんだから、俺が払うのは当然でしょ」
と、ぺしっとおでこを叩かれてしまった。
むくれた子どものふりをしながら、私はひそかに笑みを押し殺す。楽しい。馬鹿みたいに楽しい。さっきから頬がゆるゆるに緩んで、笑いだしたくて仕方ない。
彼氏がいるってこういう感じなのかな。他愛ないことで一緒に笑って、お酒を飲んで、ちょっとじゃれあったりなんかして。当たり前のように隣に座り、自然に指先を触れ合わせて、ひとつの思い出が二人一緒なら二倍三倍へ膨れ上がる。
(最高じゃん)
快く酩酊しながらそんなことを考えたとき、ふと腕時計の時間が目に入って一気に現実に引き戻された。
違う。私たちは恋人じゃない。
明日にはきっと私と彼は元のような他人同士に戻る。私は飛行機で日本に戻り、彼は引き続きシンガポールで暮らす。それが当然の、もともとの居場所。私たちの道はきっと、もう二度と交わることはない。
愛菜は私の知らないところで、彼氏とこんな風に楽しく過ごしていたのだろうか。そう思うと、自分一人だけが世界中から孤立しているような、言い様のない不安と寂しさが重く心にのしかかってくる。
「どうしたの?」
ああもう、こういうときに優しくしないで。
大きな瞳に覗きこまれると、どうしたらいいのかわからなくなる。
「もしかして、眠くなってきた?」
「平気れす」
「眠いんだな。もう帰ろうか」
「大丈夫えす。ほらっ」
食べ終えたピーナッツの殻を床に捨てる。カサッと音を立てて足元に散らばるゴミ。なにこれ、楽しい。普段なら絶対やっちゃいけないことを堂々とお店でやる解放感!
「うへへへへ、おもしろーい」
『すみませーん、この子にお水』
「ウォーターいらないです、もっかい、シンガポール・スリングもう一杯」
「飲めるわけないでしょ、首まで真っ赤にして。おいこら溶けるな、猫じゃないんだから……」
カウンターにでろでろと伏せる私を尻目に、玲一さんは手早くお代を払うと私を抱きかかえてバーを出た。「おかね、おかね」と鞄をまさぐろうとする私の手を掴み、「いいから甘えておきなさい」と優しい声がたしなめる。
一歩バーの外へ出ると、日中の蒸し暑さも忘れ、涼しい夜風が火照った頬を一気にクールダウンさせてくれた。ああすごい、夜のシンガポールって綺麗。日本ではなかなか見られないような色とりどりの派手なネオンが、あっちこっちに煌めいていて、まるで万華鏡みたい。
玲一さんの胸にぴったり張り付き、車の行き交う街を眺めて、唇から漏れる熱い吐息が夜闇に溶けていくのを待つ。きれい。きれいだ。本当に……。
「立てる?」
降り注ぐ言葉に静かにうなずき、私はそっと彼から離れた。途端、さっきまで触れ合っていた右肩が急に寂しく寒く思えて、私はちいさく唇を噛みアスファルトの影を見下ろす。
「それじゃ、帰ろうか。ホテルはどこだっけ」
「…………」
「タクシー呼ぼうか。それとも、ホテルの入り口まで送ってほしい?」
「…………」
玲一さんの大きな瞳が、こっちを見つめる気配がする。
でも、私はぎゅっとこぶしを握ったまま地面を睨みつけるしかできない。
吹き抜ける風がひどく冷たい。
ひとりぼっちの心が寒い。
お腹で波打つシンガポール・スリングが、私を守る鋼鉄の理性をひっきりなしに揺さぶってくる。
「どうしたの。……帰りたくなくなっちゃった?」
くす、と小さく笑う声。
赤くなった私の頬が、突然固い胸に押し当てられた。肩をぎゅうと抱き寄せられて、熱い唇が耳元に寄る。
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