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2部・行方不明者の謎
疑わしき者の名は
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プスリーの栽培、確保は冒険者ギルドが。
それをソフィーの工房で購入する。
そして、それらを煙幕にしたら、ダーレンがお金をソフィーに渡して、そのまま冒険者たちへ提供。
プスリーにかんしては問題ないだろう。
しかし、それとは別に、ソフィーには魔物になった人間たちを元に戻すための仕事がある。
「プスリーの加工はハンナが、シャロンはギルドへ持っていって!」
「はい」「はいっ!」
お陰でハンナもシャロンも大忙しだ。
ソフィーとて、闇魔法を解けるのが現状、ソフィーだけという事情もあり、かなり忙しい。
もし、闇魔法を解呪出来るような回復魔法の使い手でも現れてくれれば、多少は楽になるが、現状、そうも言ってられない。
ふぅーとソフィーが一息吐いた所に、ロジェが現れた。
「差し入れに来たよ」
飲み物と、サンドイッチ。
簡単な食事だが、時間がないソフィーにとってはありがたい。
「ありがとう、ロジェ」
ソフィーは少し椅子に座り、自らの肩をとんとんと叩く。
「中々、厄介ね」
「……君にしか闇魔法から彼らを救うことは出来ない。だから、君の力がこの街で必要なんだ」
「それにしても、誰が一体、なんの目的で……」
「……この事件を起こしている闇魔法使いはなぜ、こんなことをするのか」
「まだ、誰が犯人なのか分からないの?」
ロジェは静かに腕を組む。
「いや。実は思い当たる人物はいるにはいるんだ」
「思い当たる人物?」
「君のよく知る人だよ」
ロジェは口を固く結ぶ。
静かな時間が流れる中、ソフィーはサンドイッチを咀嚼し続けた。
挟んだ卵やサラダが甘い。
「……マリオン」
「え?」
「ジュリアン王子に近づいたあの庶民の娘、マリオン。彼女には闇魔法の適正があった……らしい」
それをソフィーの工房で購入する。
そして、それらを煙幕にしたら、ダーレンがお金をソフィーに渡して、そのまま冒険者たちへ提供。
プスリーにかんしては問題ないだろう。
しかし、それとは別に、ソフィーには魔物になった人間たちを元に戻すための仕事がある。
「プスリーの加工はハンナが、シャロンはギルドへ持っていって!」
「はい」「はいっ!」
お陰でハンナもシャロンも大忙しだ。
ソフィーとて、闇魔法を解けるのが現状、ソフィーだけという事情もあり、かなり忙しい。
もし、闇魔法を解呪出来るような回復魔法の使い手でも現れてくれれば、多少は楽になるが、現状、そうも言ってられない。
ふぅーとソフィーが一息吐いた所に、ロジェが現れた。
「差し入れに来たよ」
飲み物と、サンドイッチ。
簡単な食事だが、時間がないソフィーにとってはありがたい。
「ありがとう、ロジェ」
ソフィーは少し椅子に座り、自らの肩をとんとんと叩く。
「中々、厄介ね」
「……君にしか闇魔法から彼らを救うことは出来ない。だから、君の力がこの街で必要なんだ」
「それにしても、誰が一体、なんの目的で……」
「……この事件を起こしている闇魔法使いはなぜ、こんなことをするのか」
「まだ、誰が犯人なのか分からないの?」
ロジェは静かに腕を組む。
「いや。実は思い当たる人物はいるにはいるんだ」
「思い当たる人物?」
「君のよく知る人だよ」
ロジェは口を固く結ぶ。
静かな時間が流れる中、ソフィーはサンドイッチを咀嚼し続けた。
挟んだ卵やサラダが甘い。
「……マリオン」
「え?」
「ジュリアン王子に近づいたあの庶民の娘、マリオン。彼女には闇魔法の適正があった……らしい」
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