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2部・行方不明者の謎

調査に赴く

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 ソフィーとロジェ。
 そして、冒険者の面々で集まって、街周辺へと調査に赴いた。
 ギルド側には説明もして、事前準備は万全だ。

「ソフィー。深追いは厳禁だ。何があっても集団から離れちゃダメだ。いいね?」
「ええ。わたしは戦えないもの。頼りにさせてもらうわ」

 ロジェが剣の柄を握りしめると、背中をバシバシと叩かれた。

「嬢ちゃん! 心配すんな! オレたちァ、坊主にも負けちゃいねえぜ」
「そうそう! 腕っ節だけが売りだからよォ!」

 冒険者ギルドのおじさんたちは、これでもかと大きな笑い声を轟かせる。
 近衛騎士というエリートであるロジェとは違い、冒険者という仕事をしているだけあって、声や行動などが全然違う。
 元貴族であるソフィーからすれば、彼らはとても活き活きしている。騎士のような高潔な精神や、武術になど精錬された世界ならば、冒険者はその日その日を全力でぶつかっていくような感じだ。

「頼りにしているわ」
「おうよッ! 坊主も、惚れた女のためだろッ! 頑張ンなッ!」
「ちょ、ちょっと! そんなんじゃないよ」

 ロジェがおじさんにまたもや叩かれる。
 彼も困っている顔をしている。

「しかし、魔物の増加と、行方不明。因果関係が分からないね」
「ええ。事態が早く終わらないと、いつまでも薬草採取が出来ないわ」

 ソフィーにとっても、この問題は解決したい所だ。
 顎に手をつけて、熟考している中、おじさんは腕を組んでいた。

「因果関係だァ!? 思いっきりあるだろうよッ!」
「え?」
「嬢ちゃんのポーションがギルドに出回って以来、ここいらの冒険者は怪我はおろか死亡もねえッ! たちまち回復しちまうのに、行方不明なんてなるかよッ!」
「そ、そんな。わたしのポーションは別にそこまで……」
「そこまであるんだよッ!」

 怒られては……ないようだ。むしろ、褒められているようだが。

「とにかくッ! 死亡しないのに行方不明者が増えたッ! みんな魔物を討伐する実力もつけてきたし、嬢ちゃんの工房が出来てから、街には色んな腕利きの冒険者たちが集まってきたし、移住者も増えた! これで、魔物が増えるのもおかしな話だってッ!」

 ソフィーは汗を拭った。
 魔物の討伐は実力が上がったから、らしいが。
 工房でポーションを作り始めてから、腕利きの冒険者がやってくるようになった? 移住者も増えてきた?
 なんだか、ソフィーの知らぬ間に、ソフィーの噂が出回っているような……気がした。
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