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借金令嬢
ギルドへの報告
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ソフィーとロジェは森から街へと戻る。
「今日は色々、助かった……けど」
けど、なんだろう。
「ごめんなさい、わたし、報告を済ませなきゃ」
「あ、待っ」
ソフィーはギルドに入ってすぐに受付嬢に話しかける。
カッチリした制服に身を包んだ職員さんである。
彼女は一瞬ギョッとした表情をした後、再び、ギョッと驚く。
なぜ、二回驚いたのか、ソフィーには検討もつかない。
「これは……本当に薬草なのですか!?」
「え、ええ……」
偽物だと思われたのではないか。
ソフィーは冷や汗が流れた。
ニセモノ、ではないが、不正をした薬草類には違いない。
「これほどの薬草……見たことがありません! クラミールに、ハベンダー! それから、アイリスドリスの花まで!」
「アイリスドリス……? あ、アイリスドリス!?」
ソフィーは受付嬢と一緒になって驚いていた。
少し大雑把に採取していたが、そんなものまで……。
「病を治すと呼ばれるアイリスドリスの花は、それはもう貴重なものなんです!」
怪我こそ治すことは出来ないので、ロジェのような重傷者は治療不可能だが、不治の病と呼ばれるようなものすら治すことが可能とされるアイリスドリスの花。
市場には絶対に並ぶことのない、超がつく貴重品をいつの間にか採取していたのか。
(採取したって言うよりも、育ててしまったというべきか……)
ソフィーはやってしまったと後悔しつつある。
グロウスタメンの使用は……少し考え直さなければいけないかもしれない。
「それはそうと……その……ソフィー様……? 随分とお召し物が汚れていると申しますか……」
「えっ!? あ、こ、これは……」
「その、何か魔物でも出られたのでしょうか……?」
「ち、違うの……!」
ロジェの手当のために服を裂き、返り血はこれでもかと付着したままだった。
すっかり忘れていたソフィーの衣服は、すっかり元の色を忘れるほど変わり果てていた。
「まさか……素手でタコ殴りに……?」
何か、ギルドの受付嬢に勘違いされているような気がしたが、とにかく、彼女は事務的に続ける。
「こちらの薬草類はご依頼主と相談の上、買い手を探させていただきます。今後とも当ギルドをよろしくお願いします!」
ソフィーはギルドから出ると、ロジェを少し睨み付ける。
「どうだった?」
「よく分からないけど、お金になったみたい」
「……怒ってる?」
「怒ってないわ」
「ウソだ」
「正直に話しをしてくれたら、正直に話してあげる」
「色々あって君の服が汚れていることや破けていることを気にすることができなくて」
「…………」
「……ごめん」
ソフィーは静かに微笑むと、ようやく、彼は安堵したように胸をなで下ろした。
「さて、どうしたものかな……」
「ロジェは冒険者なのでしょう? ギルドや仲間のところに戻らなくてもいいの?」
「………………ああ、そうそう! 俺はソロで冒険者をやっているから、別に気にしなくてもいいんだよ!」
なるほどとソフィーは納得しかけたが、ギルドへの報告はどうしたのか。
当然のようにソフィーと同じ方角を歩いているし。
「今日は色々、助かった……けど」
けど、なんだろう。
「ごめんなさい、わたし、報告を済ませなきゃ」
「あ、待っ」
ソフィーはギルドに入ってすぐに受付嬢に話しかける。
カッチリした制服に身を包んだ職員さんである。
彼女は一瞬ギョッとした表情をした後、再び、ギョッと驚く。
なぜ、二回驚いたのか、ソフィーには検討もつかない。
「これは……本当に薬草なのですか!?」
「え、ええ……」
偽物だと思われたのではないか。
ソフィーは冷や汗が流れた。
ニセモノ、ではないが、不正をした薬草類には違いない。
「これほどの薬草……見たことがありません! クラミールに、ハベンダー! それから、アイリスドリスの花まで!」
「アイリスドリス……? あ、アイリスドリス!?」
ソフィーは受付嬢と一緒になって驚いていた。
少し大雑把に採取していたが、そんなものまで……。
「病を治すと呼ばれるアイリスドリスの花は、それはもう貴重なものなんです!」
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市場には絶対に並ぶことのない、超がつく貴重品をいつの間にか採取していたのか。
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「それはそうと……その……ソフィー様……? 随分とお召し物が汚れていると申しますか……」
「えっ!? あ、こ、これは……」
「その、何か魔物でも出られたのでしょうか……?」
「ち、違うの……!」
ロジェの手当のために服を裂き、返り血はこれでもかと付着したままだった。
すっかり忘れていたソフィーの衣服は、すっかり元の色を忘れるほど変わり果てていた。
「まさか……素手でタコ殴りに……?」
何か、ギルドの受付嬢に勘違いされているような気がしたが、とにかく、彼女は事務的に続ける。
「こちらの薬草類はご依頼主と相談の上、買い手を探させていただきます。今後とも当ギルドをよろしくお願いします!」
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「どうだった?」
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「……怒ってる?」
「怒ってないわ」
「ウソだ」
「正直に話しをしてくれたら、正直に話してあげる」
「色々あって君の服が汚れていることや破けていることを気にすることができなくて」
「…………」
「……ごめん」
ソフィーは静かに微笑むと、ようやく、彼は安堵したように胸をなで下ろした。
「さて、どうしたものかな……」
「ロジェは冒険者なのでしょう? ギルドや仲間のところに戻らなくてもいいの?」
「………………ああ、そうそう! 俺はソロで冒険者をやっているから、別に気にしなくてもいいんだよ!」
なるほどとソフィーは納得しかけたが、ギルドへの報告はどうしたのか。
当然のようにソフィーと同じ方角を歩いているし。
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