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借金令嬢

大けがをした青年

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 ソフィーはカゴにいっぱいの薬草を詰めた。
 自分用の薬草もしっかりと分けてある。

「これでギルドのお仕事も完了。材料も確保ね」

 生活をしていくお金に、仕事をしていくための材料。
 その両方をこれほど効率良く採集出来たのは大きい。

「それに、これも手に入ったしね」

 グロウプラントシードから取り出した、改造おしべ。
 ソフィーの手で、まだ青白く輝いている。

「……一旦、これはグロウスタメンとしましょう」

 このグロウスタメンは、ソフィーの考えだと、もうしばらくは枯れずに、魔力を与え直す度に、植物の成長を促す作用があるハズだ。

「あれ……?」

 ソフィーは帰り道を歩いていると、赤黒い液体が点々と地面に零れていることに気づいた。
 それも、量が桁違いで、乾き始めた液体によって、植物が緑から完全に赤黒く染められたいるのだ。
 これは……言うまでもなく、

「大変……! 大けがじゃない!」

 それも、この大けがだ。
 とてもではないが、ソフィーでも助からないような気がした。
 素人目でも分かる。
 これほどの怪我は、恐らく、生きてはいまい、と。 

「そ、それでもなんとかしなくちゃ」

 ソフィーは急ぎ、血を辿っていき、そして……

「な、なんて重傷なの!? 顔が……」

 青年が一人、酷い怪我で横たわっていた。
 それも、ソフィーが思わず目を逸らしたくなるほどの重傷であった。
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