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第3話
第3話 23
しおりを挟む皆がいなくなり、部屋には優とコルノの二人だけになった。
コルノは氷のはいった2つのグラスに酒を注ぎこみ優に1つ渡すと、椅子に腰かける。
「どれ、2人きりになったね。」
グラスを回しカランと中で氷を鳴らしたコルノは、色っぽく微笑む。
綺麗な夜景を背景に椅子に片足を乗せて優を見るコルノはとても絵になる。
優はそんなコルノをみて、呆れたように息を吐きだす。
「大人をからかうものじゃない。」
「おや、私はもう子供ではないのだか?」
クスッと笑うコルノと呆れ顔のままの優はグラスをぶつけて乾杯を始める。
名前は知らないが、ジュースとリキュールを合わせたカクテルというものか。
始めて飲むが悪くないな。
優の飲む反応が悪くない事を確認すると、安心したように表情を緩ますとコルノもグラスの中の酒に口をつける。
「優殿の口に合ってよかった。
私の故郷の味なんだ。」
「うん、おいしいよ。
…それで、僕は君に何を話せばいいのかな?」
せっかちな人だ。
結論を急ぐ優にやれやれとぼやいたコルノは、余裕そうな表情を止めて真剣な表情に変わり優を見つめる。
「ささいな事でいい、ヨウの情報が欲しい。
当主とはぐれた後にヨウらしき人物を東野から少し離れた所で見た情報があった。
そして、和国の重鎮達が東野を訪問したのを。」
「それに関しては、僕らの方でも情報があまりないんだ。
スー様からきいた特徴の人間とは会ったけど彼は、ヨウではなくプロトと名乗っていた。
四大とは違った力…なにやら雷のような力を扱っていたな。」
信頼に当たる組織だと判断した優は、楓に口止めしていた情報をコルノに話した。
優と会ったプロトは、スー達の仲間であるヨウであっているようでコルノが答えを言わなくても彼女の表情が全てを物語っている。
あのバカ…。
呆れたような声を漏らした後にグラスの酒を口に運ぶ。
「今度は僕の番だ。
スー様と君達はなんで逸れたんだい?
スー様は目が使えないとはいっても、索敵に関しては一流だし…君たちも主人を見失う程の無能でも裏切りそうな薄情者でもないじゃないか。」
優の問いにコルノは、静かになった。
情報を隠すとかではなく、どういえばいいのかわからない様子だ。
そして恐る恐る慎重に言葉を選ぶように短く言葉にした。
「消えたんだ…突然、私達の目の前で。」
目を離したわけでもなく、賊の襲撃にあっていたわけでもない。
賊の襲撃だけだったらどれだけよかったことか…。
コルノは大きくため息をつく。
「原因が分からないのが一番恐ろしい。」
コルノは左手で顔を覆ってそういう。
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