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第3話
第3話 16
しおりを挟む女子供がいるから、山賊の一人や二人に絡まれると思いきや無事に港町までたどり着いた優達。
ピオが近道や歩きやすい道を教えてくれたおかげで予定より早く着いた。
火が沈む少し前でオヤツを食べる時間帯のようで、喫茶店や団子屋が賑やかになっている。
子供達は、和国とは違う街並みや潮の香りに好奇心を刺激されてソワソワしていた。
早くついたのだ少しくらい散策してもいいだろう。
「僕はここの医者に話をきくけど…君たちは、スーの仲間探しを手伝いつつ港町で情報収集してもらおうか。」
楓と空は、優の意図を理解したようで明るい表情になったが…頭の固い藤麻は真剣な表情で頷いていた。
まぁ、この意図は楓が伝えてくれるだろう。
怪我をしないように。
それだけを告げて、優は護からもらった地図を頼りに港町の診療所へ向かった。
優の後ろ姿を見送った楓達は、ピオに視線を向ける。
それを察したピオは嬉しそうに笑う。
「心配しなくても今日はお姉さんも一緒。
優様と約束したし…今夜は女子会よ!!」
優は大人の女性講座について本気で検討していたようで港町につく少し前に、今日の宿代を対価に話をつけていた。
父様の言っていたことは本気だったのか
ピオが開催する女子会という弄り倒される未来に絶望して膝を折った楓。
女子会といっていたし、自分は関係ないだろう。
男でよかったと胸を撫でおろした藤麻はスーに声をかけた。
「港町で仲間との合流場所とか…目的の場所とかあるのか?」
「うーん。
オイラ達も異変を調べる、ヨウを探すの大まかな目的しかないしなぁ。
とりあえず、オイラとしては合流出来なくても情報収集はしたいかな。」
早くついたとはいえ、今日はあまり時間がない。
目的が一緒なら歩きながらでも相談はできるしサクサクと情報収集を始めよう。
誰が言うまでもなく、まずは人混みの市場に向かっていく。
とはいえ、この時間帯では夕飯の買い出しをしている主婦層が多く奇病の話しかでなかった。
ピオや和国の医者から聞いた情報に加えて、港町の重鎮の1人も奇病にかかり亡くなった話を聞いた。
貧富の差による衛生環境はあまり関係ない。
その話が港町で騒がれたようで、いまでこそ人はいるが…少し前はガラガラだったそうだ。
市場ではこれが限界か。
そう考えていると、スーがスタスタと海辺の端にあるごろつきが集まりそうな如何にもという雰囲気のある酒場に向かい始めた。
「あらあら、スーちゃん…お子様には酒場は荷が重たいんじゃない?
こわーい大人達がいるかもよ?」
「大丈夫。
オイラ達にもこわーい大人が控えているから。」
やんわりと酒場に行くの止めたピオだったが、スーは止まる気配はない。
自分もいるし幼いとはいえ武装した男が2人もいれば、大きな事件は起きないだろう。
あの酒場で情報収集したら優と合流することを条件に酒場の扉を引くことをピオは許した。
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